身分違いの恋でもいい―囚われの華の麗しき秘密。

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表題作標的は偽りの華

黒田刹/ボディーガード
高宮唯月/ティアン皇国の第三皇子

あらすじ

神秘なる国の国王の末子・唯月は、出生を知らないまま母の故郷日本でひっそりと過ごしていた。
そんなある日、第一王位継承者である異母兄の暗殺計画を知らされる。
計画を未然に防ぐため囮となる決意をする唯月。
兄の役にたてるなら、と健気に振舞う唯月の純粋さに心を打たれたのは、警護を任された黒田だった。
唯月を身代わりと知らない黒田は、身分違いの想いに、自分の溢れる熱を抑え込み、叶わぬ恋と警護に徹するが…。
出版社より

作品情報

作品名
標的は偽りの華
著者
神奈木智 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
ワンツーマガジン社
レーベル
アルルノベルス
発売日
ISBN
9784862961105
3

(4)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
11
評価数
4
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

主役カップルだけでは物足りないのですが…

黒田刹(ボディーガード)× 高宮唯月(ティアン皇国の第三皇子)

20年間普通の生活をしてきた唯月ですが、ヨーロッパにある小国「ティアン皇国」からやって来たセレネスという青年から、唯月の父親がティアン皇国の国王で、本人は第三皇子に当たると告げられます。そして国王の病により王位継承問題が持ち上がり、第一皇子が第二皇子の取り巻きに狙われていることから、唯月に第一皇子の身代りになってほしいと依頼してきます。そして腕利きのボディーガード二名(黒田と雷漸)が唯月を守ることになりますが、無口で無愛想でも唯月の気持ちを理解してくれる黒田に唯月は惹かれて行きます。

王位継承をめぐるトラブルやそれにまつわる謎が解決するまでの話の中に、皇子とボディーガードの身分違いに悩む切ない恋愛や、最初は皇子の自覚がなかった唯月が徐々に現実を受け止め皇子としての資質を現していくという成長が描かれていて、内容的には充実していたと思います。ただ黒田×唯月カップルの展開は比較的王道だったという事もあってか、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。(その代わり脇キャラの存在がいい味を出していたので退屈することはありませんでしたけどね)

最終的に謎が色々と明らかになるのですが、(途中である程度予測できるので)完全に意表を突かれるというものではありませんし、ちょっと綺麗にまとまり過ぎた印象を持ってしまいました。ただ、危機感の中でも終始どこかほのぼのした雰囲気だったということを考えると、ラストになって急にギスギスした感じになっても逆に違和感を感じてしまったかもしれないので、これで良かったのかもしれません。

ちなみに脇キャラとして登場しながらいい味を出していた、セレネスと雷漸メインの続編(「標的は気高き月」)もあり、今作では顔を見ればいがみ合っていた二人がどういう経過でくっ付くのか、とても気になっています。

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