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表題作櫻狩り 中

斎木貿易商会代表取締役 斎木蒼磨
書生 田神正崇 17歳

あらすじ

一高入学を目指して、志高く上京した田神正崇が奇しくも出遭ったのは、謎めいた美青年、侯爵家の御曹司・斎木蒼磨だった。
しかし、正崇が美しい櫻の咲く洋館に足を踏み入れたその瞬間から、運命は愛憎に引き裂かれ始める...。

作品情報

作品名
櫻狩り 中
著者
渡瀬悠宇 
媒体
漫画(コミック)
出版社
小学館
レーベル
Flower comics special【非BL】
シリーズ
櫻狩り
発売日
ISBN
9784091790378
4.6

(64)

(53)

萌々

(5)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
296
評価数
64
平均
4.6 / 5
神率
82.8%

レビュー投稿数15

持て余す美酒

桜の季節が廻る様に、この作品の第二巻も
廻って参りました。
でも、この作品の遺す痛みは桜が散る様には
恐らく消えますまい。

この間で描かれるのは只管と言って良い程
蒼磨に汚され苦悶する正崇の葛藤です。
だが人々は汚されて行く正崇の事は歯牙にも
かけず、蹂躙者である蒼磨の事ばかりを気に
掛ける。善きにつけ悪しきにつけ。
それでもなお蒼磨と離れる事が出来なかった
正崇の姿を描き、この巻は幕を閉じます。

読み飛ばそうと思えば幾らでも読み飛ばせる
巻です。葛藤の泥沼を忌避したければ。
しかし真正面から進んだら進んだで、相当に
心を磨り減らす事にもなりましょう。この先の
事などもう何も知りたく無い。増してや過去なぞ
と吹っ切れる程に。

後書で渡瀬さんは図らずも謎掛けを仕掛けて
います。問わず語りですが、恐らく読み手に
対してでしょう。
その正答を見定める為に腰を据えて読んで
みるのもまた一興やも知れません。

7

読むのが辛い。でも読まずにはいられない!!

BLというか…これは最早その枠を超えた別物といっていい作品かもしれないですね。読んでいてこんなに疲労するお話は久々でした。
上巻はまだイントロ的な感じだったので割と客観的に読めたのですが、この中巻に至っては想像以上の怒涛の展開に読み進めるのが本当にしんどくて……何度も挫折しかけそうになりました。けど僅かでも救いの光を信じて(とゆうか信じたくて)思わず次のページを捲ってしまう…そんなパラドックスの罠に終始翻弄させられっ放しな感じの内容でございました。

まず始めに上巻とこの中巻を読み終えて強く感じたのは、ストーリーに登場する主要人物達がそれぞれ何かしら常軌を逸した部分を秘めている、という事ですね…昔何かで読んだ本の一文に「過ぎる執着は悲劇しか生まない」というフレーズがあったのですが、このお話でその意味がよく理解出来たような気がしました。
個々が抱えた、相手に対する尋常ではない執着。向かうベクトルが違う故に当然噛み合う筈もなく、結果最悪な事態を迎えてしまうという無限ループ。今回は主人公以外のそういった思惑も深く関わってくるので内容はかなり泥沼傾向にありますが、でもその分心にズシリと残るものがありました。

それと今回私が最も胸を揺さぶられたのは正崇ではなく、蒼磨の方の葛藤と苦悩でした。正崇を愛しているのに、陵辱する事でしか彼を繋ぎとめておく術が分からない。抱く毎に正崇の心が離れていくのを知りながら、それでも彼が欲しくて憎しみという形でもいいから繋がっていたいと切望する蒼磨。一方正崇の方はといえば当然の如く彼の行為を裏切りとしか受け止められず2人の関係は益々溝が深まっていくばかり。

そんな暗雲立ち込める展開の中、怒りに駆られた正崇に「あんたが死ねば~」と言われた時の蒼磨の涙と直後に取った彼の行動には本当に胸が潰されそうでした。こんな形でしか気持ちを表現出来ない哀れさに加え、ある意味直球ともいえる彼の正崇に対する想いが痛いほど伝わってきて本当に見てられなかったです…辛くて…。


この巻の終わり方をみれば、きっと下巻でハッピーエンドという事にはならないでしょう。が、そもそもこのお話に於いて何がハッピーエンドか全く見当もつきません…でもここまで読んだからにはどんな結末になろうとも最後まで付き合うつもりです。
来年の春が待ち遠しくもあり、何だか怖い気分ですね(苦笑

5

絵柄のタッチもいつもと違う

少女まんが誌掲載のBLは要チェックですよ。
名作が多いです。

アクション、ファンタジー系を得意とする渡瀬さんが、ドロドロの愛憎劇を描かれています。
大正時代が舞台で主従モノ。
いい意味で王道中の王道。
外していません。

明るく真面目に見える正崇だが恵まれない幼少期を過ごし、屈折した感情を抱えていた。
そんな正崇を認めてくれた蒼磨。
正崇は蒼磨を兄のように慕い、彼の自分へ向ける真っすぐな気持ちに触れた蒼磨もまた彼を愛しく思うようになる。

上巻のラストで蒼磨の壊れた本性が露呈。
蒼磨はもう正崇を逃がす気はなく、力ずくで手に入れます。
信頼を裏切られた正崇は、中巻でどんどん追いつめられていき・・・。

下巻は来春発売予定。
正崇の憎しみのピークは越えたので、正崇が蒼磨を殺して終わりはないですよね。
短編では平気(というかむしろ好き?)なのですが、長編で主人公に死なれるのはつらいです。
渡瀬さんは主要人物をさくっと殺してしまうこともある人なので(今作でも既に死人あり)、ちょっと心配なんです。

ここからもう一度二人の距離を縮めていって、幸福な結末を迎えてくれることを希望。

5

心臓が痛い痛い痛い…。

上巻の、嵐の前の穏やかさとはうってかわり、この中巻は怒涛のような展開です。
悲しいとか泣けるとか切ないとかじゃなく、ただただ苦しくて苦しくて心臓が押し潰されそうに痛くなりました。
読むのがツラかった。

主役どっちの苦しみにも、等分に共鳴してしまいました。
崇敬の念を抱いていた男にプライドのすべてを踏みにじられ、絶望し、憎むことしかできなくなった少年と。
はじめて愛を傾ける対象ができたのに、憎しみでしか相手を繋ぎとめることができない男と。

後半は肉体的に痛い話になるんですが、精神的な痛みが少し緩和されて、痛くてたまらないのに何故かホッと息をついてました。

印象的なセリフやシーンが山のようにありました。
兄にもらったハーモニカを吹く正崇。
正崇が学友二人と川遊びをしてる様子を、車の中から見てる蒼磨。

「声が聞きたいのだ」
「君の声が聞きたいのだ――…!」
「未だ涙なんて残って居たのか――…」

下巻はまだですが、間違いなく名作です。

最後の蒼磨の顔、めっちゃ怖い。
そうだよ蒼磨、腑抜けてる場合じゃない。

続きはやく読ませてちょ…

3

むつこ

また匿名ボタン押しちゃってたorz
↓は私の書き込みです。

匿名さん

ともふみさんへ
アテント装備して読むのをオススメします!
でもほんと、水原さんを萌えながら読めるなら、たいがいのものは大丈夫ですって。うふふw

春発売は又聞きで、はっきりとは分からないので、情報が間違ってたらごめんななさい。
発売したら即買って即レビューさせてもらいます!

ともふみ

おはようございます、むつこさーん。

>>ほんと、つらい作品でした。
>>中巻の痛さは半端ないよ!
>>前半は精神的に痛くて、後半は肉体的に痛くて。
ひぃーっ、しみじみとしたコメントが怖いよ~
おっかなくてちびりそうです。

下巻発売春頃!!情報ありがとうございます。
どんなラストが待っていても耐えられるように、春頃までに腐女子マッスルを鍛えておきます。

むつこ

ともふみさんへ
ええー。
ともふみさんも一緒に「下巻まだかー!まだかー!まだかー!!!」って頭イカレポンチになりそうになりながら待つ仲間になりましょうよーw

といっても正直、私も「下巻が出てからまとめ読みすれば良かった…」って思ってたりします。
続きは春頃に出るっていう話をどこかで聞きました。

ほんと、つらい作品でした。
中巻の痛さは半端ないよ!
前半は精神的に痛くて、後半は肉体的に痛くて。
でも水原とほるさんに萌えてたともふみさんなら、きっと大丈夫wお互い痛いのは大好物だよね。つらくて泣きつつも萌えてる鬼畜だよねw
ああはやく下巻出ないかなァ。
下巻も楽しみだけど、ともふみさんの熱のこもったレビューも楽しみ!

ともふみ

おはようさんですむつこさん。
これずーーーっと気になって買おうか迷っていたんですよね。
レビュー読んでものすんごく読みたい病に拍車がかかりました…んが、

>>読むのがツラかった。
そ、そんなに!?鬱の神様降りてきちゃう??
悲恋話をかなり読破して鋼の心臓を持つむつこさんにそこまで言わしめるなんて…!
腰抜けなもんでかなり躊躇しつつも、

>>下巻はまだですが、間違いなく名作です。
という言葉に、わたしついていきますv
絶対続きが読みたくてたまらなくなりそうだから、下巻が出たらまとめて買うことにします隊長!

また不謹慎な感想

この巻もすごいネタ満載でした。しかも、上巻の感想でも書きました優れた画面構成によって、最も鮮烈になる「見せ方」で描かれているので尋常でない迫力です。

ただ、たいへん不謹慎であることは承知しているのですが、ページをめくって顔アップですとか衝撃的な場面があまりに次々に来るのでしまいにはちょっと笑いそうになってしまったり…。最初の一回はちゃんと神妙に読むのですが、繰り返し読んでいるとだんだん愉快になってきてしまうダメな性格です。ごめんなさい。

本当に不真面目な読者で申し訳ないんですが…

始めからずっと蒼磨様のターン!(な、長いし容赦無い…蒼磨様パネェ!)手札を伏せてターンエンド

今度は正崇のターン!(少ない手数で何と効果的な攻撃…恐ろしい子!)

また蒼磨様のターン!手札から“開かずの風呂場”を発動!(ヤ、ヤンデレ!?)
みたいな…
しまいにはそんな感じで読んでしまいました。(ちなみにカードゲームのルールは全く知りません)
いやしかし「これでいいかな…」の場面はすごかった。

正崇の温室の花束も蒼磨様の小倉百人一首も葛城の茶筅も、どれもアイテムの使い方はすごいのですが、やはり櫻子様のおままごとに勝るものはありませんね…一昔前の昼ドラを思い出してしまいましたよ。
櫻子様は何だか好きでしたね。つい櫻子「様」と呼んでしまい、脳内で某声優さんの声でアフレコしてしまう始末でした。


気を取り直して。
内容は悲惨ですが、胸に迫る切ない場面や色っぽい要素(平たく言えば萌え描写ですよ!)もしっかり織り込んで攻撃を繰り出していらっしゃる辺り、さすがに少女漫画の雄と呼ばれる(かは知りませんが)先生ですね…と思いました。
そしてだからこそ、この漫画をエンタメとして楽しめたのだと思います。


皆さん真面目に書かれている中でこんな感想で本当に申し訳ないのです…
バカな読み方する奴もいるんだな、という程度に流して頂けるとありがたいです。

3

瑠音

はじめまして、くもとり様。
レビュー拝見させて頂きました。
私も、この作品が好きで櫻子様はお気に入りなのですが
くもとり様が某声優さんでアフレコされていたというのが
とても気になります声優名をよろしければお聞きしたいくらいです。
おままごとのシーンは本当にすごかったですね、寧ろとても萌ました。

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