普通のひと

futsu no hito

普通のひと
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神33
  • 萌×215
  • 萌16
  • 中立1
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
19
得点
274
評価数
67
平均
4.1 / 5
神率
49.3%
著者
榎田尤利 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
価格
¥1,190(税抜)  
ISBN
9784813011958

あらすじ

コンビニのおにぎりなら『赤飯』。それがマイルールの花島光也は、ある夜、最後のひとつの赤飯おにぎりを見知らぬ男から譲ってもらった。『お洒落』よりも『誠実』という表現が似合う、でも、どこにでもいるような男だ。数日後、編集経験があると偽って入った出版社で光也はその男、的場宗憲と再会するのだが!?
普通に生きてきたはずが、恋した相手が同性だったら? 臆病な大人たちに贈る、思わず恋がしたくなる物語!
『普通の男』『普通の恋』に書き下ろし『普通のオジサン』も収録。
出版社より

表題作普通のひと

的場宗憲・花島が再就職した出版社の営業マン
花島光也・出版社に中途入社したリーマン

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数19

“普通”という概念が覆される感じ

ノンケのリーマン同士の恋、と言えばあっさりしすぎですが
それがメインなのでそれ以外に言いようがないのが本音ですw
でも、内容は決してあっさりしたものじゃありません!!

偶然コンビニで赤飯のおにぎりを譲り合った相手が
思いもよらず会社の上司と部下になってしまって
最初の印象が一瞬吹き飛ぶような態度をとられるも
仕事に熱心で親切な面を見せられ
ただ懐いているのとは違うと意識して……。

長いつきあいの友達からゲイバーだと知らずに紹介された店で
毒舌なママに唇を奪われた花島は
“普通”と言ってママに叱られた事と
男同士のキスが今までの概念をとっぱらってしまうような出来事で
ただ親切な上司であるだけの的場に惹かれつつある自分を抑制したくなります。
でも、それは無駄な努力で恋は自分の意思ではどうにもならないと落胆します。
それが、的場も同じ事で…。

“普通”であれば、人生なんでもなくいつの日か終わりを迎えられる。
誰からもはじかれないし、居心地良く暮らしていける。
どれだけそれを意識したところで
定食で自分が残したプチトマトをひょいっと手づかみで食べる花島、
酔うと普段には見せないほんのわずかなくだけた口調が愛おしい花島、
よかれと思って、仕事のミスで大げさに怒鳴った事が
予想以上に落ち込ませてしまい食欲さえ失っていた花島、
そんな震える肩を抱きしめたい衝動に駆られた自分すらもう否定出来ない。

想いを伝えあった後でも、すんなり体を繋げなくて
ちょっとしたすれ違い、勘違い、嫉妬で上手くいかないのは
年齢ゆえの妙なプライドがありつつ、
誤魔化せないくらい心から好きでどうしようもないから。
ノンケ同士でお互いが状況に戸惑いながら育んで行く恋、
初々しくて何か所もきゅんきゅんしました。(一読目じゃないのに)

書き下ろしの『普通のオジサン』は付き合い始めて5年後のお話。
5年も経てば世間も自分も色々変化していますが
二人は相変わらず…かと思いきや、まさかの花島の転職!?
ただの口喧嘩じゃ済まされない雰囲気にハラハラしながらも
結局好きで好きでしょうがないという…w
何年経っても初々しいけど男前な面もある花島と
年上だから余裕がありそうでみっともないところを見せたくない的場、
ちゃんと気持ちを伝え合えれば、思いやりを持てば
いつまでだってきっと側にいられますね。


文庫版を読ませていただいたのは、
今から数年前、ようやくコミックスだけじゃなく
小説も読んでみようと思い始めた頃でした。
当時は作家さんのお名前もどんな作風の方々なのかもわからず
評価の高そうな作品を手当たり次第買っていた記憶があります。
その中で、ノンケ同士の恋が書かれていた今作。
数年経った今、当時は予想もしていなかった程BLにのめり込み
ライフスタイルにまでになりました。

BLが好きな事が、一般的に“普通”じゃないとしても、
そうでなかったら私ではないと言い切れるし
BLにだからときめくし切なくなるし興奮することも勿論あります。
もし誰かに「そんなのおかしいよ」って言われたら
「じゃあ私は普通じゃなくていいです」と言いたい。きっと。
“普通”のひとが理解できない世界でも
分かり合える仲間が、ありがたい事に今はいてくれるし!!

自然に「好きだ」って気持ちが、やっぱり一番大事ですよね。
大きな事件や派手な展開が一つとしてないけれど
ノンケ同士でそんな若いとも言えないリーマンの恋模様に
最後は涙が滲みました。
脇キャラの個性もいつもながら流石だなと今更思ったりしながら
やっぱり榎田さんは素晴らしい作家さんです!!!
これも、何年経ってもこれからも変わらないだろうなぁ。

7

大人の不器用な恋にキューンとなります

以前文庫で出てた『普通の男』と『普通の恋』の二冊をまとめたものに、書き下ろしの『普通のオジサン』が加わり、ボリュームたっぷりの分厚い一冊になってます。
大好きな二人だったもんで、書き下ろしで幸せそうな五年後の姿が読めて嬉しい。

正直いうと私は、「普通とは何ぞや?」でぐるぐるしてるところはあまり好きじゃないんですよね(テーマなのに…)。
けど、三十路を超えた二人の大人の男が、すれ違いながら不器用に恋に悩んでいる姿が大好きで、切なくて、文句なく神評価にしました。
私も三十路を超えてますが、恋愛をするたびに悩むのは昔と一緒です。いや、一緒どころか、昔よりも保守的かつ臆病になってるような気がする。
そういう、この年代特有の微妙な心の機微の部分を、榎田尤利さんは上手く描かれてました。
スゴイ。

あと、榎田尤利さんの他の小説を読んでたら分かる、いろんなお遊びが詰め込まれてる一冊でもあります。
ゲイバーのお客さんたちが、榎田尤利さんの他の著作の登場人物なのだ。『ハンサムは嫌い。』とか『猫はいつでも甘やかされる』とかで主役してた男たちがチラホラと。具体名が出てくるわけじゃないけど、こういうファンサービスには「おおっ」と思ってニヤニヤしてしまいますねー。

4

“普通の恋”がしたいっv

タイトルにもある“普通”をテーマに語られる
ノーマル同士の恋物語。

おぼつない花島をかわいがって面倒みてくれる営業マン 的場
Gデザイナーから編集者として転職した 花島

職場の先輩後輩的な関係から、恋へと落ちるんだけど
ふたりともノーマルで男性経験はないw

ゲイバーのママ達のアドバイスなどもあって
“普通のひと”だったノーマルふたりが、ゆっくりと恋をはぐくむ。
分厚い本のページは、じれったいほどゆっくりと時間が流れてて
エッチなシーンまでたどり着くのが長い長いw
でもね、この焦れったい甘酸っぱい気分が恋なんじゃないでしょうかーv

受け視点と攻め視点を交互に読みすすむ手法で
ゆっくりと加速する恋心を両方味わえます。
焦れはしましたが間延びすることはなく
ずーっとドキドキしながら読んだ。

38歳と32歳。
お互いいい歳で、ちょっと恋愛を知ったつもりでいても
新しい恋には、いつだってドキドキして翻弄されて自分を見失ってしまう。

それが、誰にでも訪れるであろう“普通の恋”なんでしょうね。
はぁーv恋がしたいーっ。

2

普通ってなんだろう

半分だけ再読です。
この本は以前に文庫「普通の男」「普通の恋」として出たものの再版です。
もし両方持っていたら、二冊まとめて発売&書き下ろしってどんだけって思うところですが、幸い?私は前者しか読んだことなかったので無問題。手に入らなかった後者も読めて大満足です。
うっかり新刊で買って(千円越え!)懐は痛みましたが、ぜんぜん後悔してないよ。うん。

この作品はマイノリティに転がる葛藤というか、普通っていうものに対する疑問がテーマ。
いわゆる”普通の”BL小説ではスルーされがちな部分を真っ正面から描いています。
そうやって考えるとあんまりボーイズラブっていう感じではないのかもしれません。
ゲイノベル?っていうとまた違うのかもしれませんが。
全体的にファンタジー色の強いBLの中ではだいぶリアル寄り(視点とかがね)の作品だと思います。

二人双方の視点から描かれる恋の行方は、とても自然でもどかしい。
しかしこのオジサンたち。
書き下ろしでは結構?いやかなり?いい年なのにやってることが中学生の恋愛みたいで本当にカワイイんですが。
相手に嫌われたくないから臆病になり、一人で無理して逆に相手を傷つける。
切ないなあ。

今回のアドバイザー役、コーちゃんがやたら格好良かったです。
いつもはネエさんしゃべりでオカマバーの店長をしている。
花島に惹かれ始め迷う的場の背中を押したり、時にはゲキをとばしたり。
コーちゃんと恋人のイズミの話が読みたいなあ。

2

敢えてノンケ同士の恋を描いたテーマが面白い

元々ノンケだった2人が悩み葛藤しながらゆっくり愛を育んでいくお話。
ストーリー展開させる上でどちらか片方がゲイであった方が何かと内容は膨らませやすそうな気もするんですが、そこを敢えてノンケ同士に焦点を当てた所がとても興味深く新鮮でした。まぁその分2人の関係はなかなか進展を見せず、ちょっとしたすれ違いや誤解でむしろ事態が後退してるのにハラハラさせられた場面も多々ありましたが…(笑


今回は双方の視点からお話が進められていくので感情移入がとてもしやすかったです。特に的場とは同世代なせいか共感を得る部分も沢山ありました^^
例えば花島への気持ちが恋だと薄々自覚しつつもことあるごとに「普通」を引き合いに出して、その感情をなかなか認めようしなかった辺り。イレギュラーでのリスクを考えた時、どうしても保守的な方向に向かっちゃうのは仕方がない気もするんですよね。だって多少の無茶がきく若い頃ならまだしも、この年齢で駄目になった時の事を考えたら想像以上にダメージ大きいですから(笑


今回は「普通」を題材にした「普通」の男同士の恋のお話なのでストーリー自体はさほどドラマチックな展開は見られないです。
でもその分「普通」の2人が恋に落ちるまでの過程と、そして恋が始まってからの様々な問題を試行錯誤していく姿が丁寧に書き込まれてるので作品としての完成度はとても高かったと思います^^


表紙とあらすじに惹かれて購入した本ですが、これでまた一冊お宝本が増えました♪

2

特にアラフォー世代の方にはオススメしたい!

クリスタル文庫で発売されていた、2003年『普通の男』、2006年『普通の恋』の新装版です。
新たに2人の5年後をかいた『普通のオジサン』が書き下ろされています。
全部を一冊にまとめてあるので、中の文章も2段構成になっています。
最初は「長い!読みにくいかも⁉︎」と驚かれるかもしれませんけど、ストーリーが素晴らしいので、私は気がつけばお話の世界に引き込まれて、あっという間に読んでました。

的場(38歳・営業部・バツイチ)× 花島(32歳・編集部新人)
異性が恋愛対象だった大人のノンケ同士の2人が、「こんなのは普通じゃない」と思いながらも惹かれあい、執着と普通との間で揺れ動きながらも、周囲の人たちに助けられ、やっと自分の気持ちを自覚し、決心して両思いになっていくお話。
恋人同士になってからも、男同士のリアルな現実問題にぶつかったり、ライバルや元嫁が仕事で関わってきて、やきもちを焼いたり、相手を疑ってみたり、余計に誤解を招いて拗れてしまったり…と、まるで10代の恋のような初々しい2人。
でも、世間体や仕事、男のプライドが邪魔をして素直になれないんです。
そんなもどかしいけれども、微笑ましい2人の恋路に、時にクスリと笑わかされ、感動もさせられてしまうお気に入りの一冊です。

ごく自然に恋をしながら、立ち止まる度に愛を確かめあい、共に人生を歩んでいこうとする過程が丁寧に書れていて、読んでいて、色々考えさせられながらも、とても幸せな気持ちにさせられます。

ヘタレだけど可愛いオヤジの的場と、マイルールにとても共感を覚えてしまう、頑固だけど、反応が凄く可愛い花島2人とも好きなキャラ。
何年経っても、お互いに相変わらずメロメロで、特に的場のデレさは、本当に可愛らしいオジさんで大好きなんです♡
そして2人を取り巻く脇キャラがとてもいい人達ばかりなのも好感でした。
特に、花島の友人若宮と、その繋がりで知り合った、ゲイバーのママ•光輝と恋人の西岡。
この人達がいたから、今の2人の姿があるといってもいい位重要な人達。
特に、ママだけれど1番エロくて男前で、懐も深い光輝のキャラは好きでした。

実は、10年前に文庫版を読んだ時は、大人のノンケ同士が恋に落ちていくいいお話だとは思っても、「30〜40代ってなんか寂しい人生なんだなあ…なりたくないなあ」と言うのが感想でした。
でも、この作品と一緒に、自分も年を重ねて読み返す度、20代の頃は理解できなかった憂いを実感します。
年を感じる点では辛いですけど(笑)
逆に、同じ年代の主人公達を見ていると、恋に仕事に結婚と、今の自分を重ねて見れるようになった事で、「分かるな〜」と共感できます。
逃げているわけではないんですけど、どうしても保守的になってしまい、なるべく『普通』に『平穏』でいたいと思うんです。
でも現実は、色々決めないといけない、人生の岐路にもたたされている年代。
毎日がいっぱいいっぱいなのに、先の迷いや悩みも出てきてしんどかったりするわけなんです(笑)
若い頃は早く大人になりたいと思っていたのに、実際『大人』と言われる年代になると若い頃が良かった…年は取りたくないよな〜と考えてしまいます。

でもこの作品を読むと、主人公2人やその周りの個性的な登場人物達含めて、一緒に仕事をできる仲間、悩みを相談できる人達、皆それぞれに葛藤しながらも、生き生きと地に足を着いて暮らしている感じが凄く心地良く感じられて、人間年を取るのも悪くないなあと素直に思えます。
恋愛面だけでは終わらない、人生や生き方についても深く書かれているので、心の中が温かく満たされる作品でした。

そういった事全て含めても、やはり榎田先生の執筆力は凄いなあと思わされます。
普通のサラリーマン2人の、普通の恋物語を、ごくごく普通の日常の生活の中で展開されていて、一歩間違えたら、本当に面白みのない作品になりそうな所を、『普通とはなんだろう?』の小難しいテーマと共に、溢れんばかりの愛をも感じさせてくれる、面白いだけじゃなく、妙に感心も覚える作品でした。

視点が交互に変わりながら、2人の心の動きの描写も、しっかり書かれているので、感情の移り変わりも分かり易かったです。
三人称で展開されていくんですけど、花島視点と的場視点で主語を使い分けている所なんかは凄いな〜と思いました。
些細な事かもしれませんけど、榎田先生が言葉一つ一つを大切にする気持ちが伝わってきます
あと沢山好きな言い回しや、表現の仕方、名言だなあと感動してしまう言葉やシーンがいくつも登場します。

Hなシーンは殆どないんですけど、身体に触れ合うシーンだけでも、心のエロを感じられます。
ノンケ同士が戸惑いながらも、お互いに好きだから…と溢れんばかりの気持ちが、言葉や仕草で官能的に書かれているので、大人のオジさん2人の初々しい姿が、只々可愛すぎてドキドキでした(笑)

「普通と違ってもそれが自然ならええやん。誰かを好きな気持ちが、自分にとって自然やったら、それでええんとちゃう?」、

 「普通の恋がしたい、でも世の中には特別な恋しかない。ところがそれは全部、普通の恋でもある」
胸にくる好きな言葉です。

自然と好きになっていって、2人が一緒にいたいと思うことが、2人には自然なことで…
それが同性であっても、オジさんであっても、歳が離れていても、当の2人が幸せだったらそれでいい。
そんな幸せそうなカップルをみていると、片思いでもいい。せつなくてもいいから、ただ恋がしたい、この2人のように、バカみたいに、たまらなく誰かを好きになって、胸をときめかせてみたい…。
「普通」の定義を考えさせられながらも、人にとってとても大切な気持ちを思い起こさせてくれるような素敵なお話でした。

木下先生のイラストも素敵で癒されます。
長々とすみません。たくさんの方に読んで頂きたいオススメの一冊です。

2

人間味あふれています

この作品はもう何度も何度も読み返してしまうくらい大好きです。
花島が自分の気持ちに戸惑っている姿も、
いろんな状況で追い詰めてしまったり周りの人に助けて貰いながら前に進んでいく姿も、
もう、感情移入せざるをえないです。
的場も普通ってなんだろうとか結局は逃げてるだけなのかとか、
相手の気持ちが分からないとか自分の気持ちが伝わらないとか、
すっごい悩んでいて重いっちゃあ重い。笑
でもそんな両方の心境がきれいに伝わってくる作品だと思います。

元ノンケのふたりが悩んで悩んで。
でも暗いとか重っくるしくは全く感じなくて、
二人の純粋な気持ちを応援したくなるような。

不器用だけど少しずつ分かりあって、
周りの手を借りながら近ずいていく。
ゲイなコーちゃんとかライバル青野教授とか朋美さんも
人間身あります。
とても長い作品だしなんか比較的少し高価だけど、笑
深くてとてもよかったと思います。
木下けい子さんの挿絵もさすがって感じです。

1

特別な恋はすべて普通の恋

 榎田さんの作品でノン気同士なのって、久留米と魚住くん以来では・・・と思いながら読みました。珍しかった。事件らしい事件が起こらないのも珍しかった。ひたすら的場と花島の心の移ろいに焦点があたる。珍しい。

 いやあ、しかし、もどかしかった。恋愛!!だった。的場は花島よりも6歳上で、職場でも先輩なもんだから、かっこ悪い時分とか嫉妬してる自分を花島に見せたくなくて、ひたすらクールに振る舞う。そんな的場の態度に「もう自分に興味ないんだ・・・」と勝手に結論付けて別れを切り出す花島。
 
 おい。オイオイオイ!!あんたらお互いのこと意識しだして、好きだと認識するのに150ページくらい使っといてそんな・・・しかも、視点は的場と花島の両者で進むから、こっちは二人がどれだけお互いのことを好きかわかるから、もうもどかしくてじれったくて仕方なかった。
 二人のそばに、コーちゃんと若宮がいてくれて本当によかった。たとえ二人が、オッサンになろうとジーサンになろうと、ずーっといちゃいちゃしていてほしい!!

4

的場さんに怒鳴られたい

この作品を読んでセクシャリティについて考えさせられました。
グレーゾーンが多いのだそうですね。
恥ずかしながら目から鱗でした。
白黒つけて線を引いて分かった風になっていたし、自分の”普通”が狭くあてにならないものなんだと気付かされました。
でも改めて考える機会もあんまりないんですよね。なるほど…
読む前だったらノンケ同士ってありえるのかよと思いましたが、自分の中の”普通”がぐらつくので、広い世の中そんなこともあるかもしれないと少し考え方の幅が広がったと思います。
なので自分は普通と思っている人には特に面白いんじゃないのかなと思いました。

萌えの部分ですが、私はリーマン物が大好きなのでバリバリ働いている人達の恋というのはそれだけで萌えます。
働く男って本当にかっこいいですね。
攻めの的場さんはくたびれたオッサン描写でしたけど、できる男臭が溢れでているので飾らない人という風にかえって好印象に映りました。
見た目は関係ないとも思いましたし、内面は見た目に滲み出ちゃうものなんだなとも思いました。
そりゃ美人の奥さんもゲットできると思います。
そんな大人な的場さんが花島君に対してヤキモキする姿がとても良かった!!(>_<)
年甲斐もなくという言葉がありますが、その言葉がこれほどまで萌えたことはなかった。
おっさんに興味が沸いてきました…二次元限定だけど。

あとは他カプの西岡君(受)がめちゃくちゃ可愛くて個人的にツボでした。
一生懸命オムライスを食べる受け…可愛すぎる。

2

お初の榎田作品。

『普通の男』、『普通の恋』に『普通のオジサン』の書き下ろしを加え、『普通のひと』と冠して刊行された新装版。大好きな木下けい子先生の挿絵で満足度倍増!(木下先生の描くリーマンが好みなもので…。)

グラフィックデザイナーとして勤めていた前職を会社の倒産で失い、主にビジネス書を手掛ける中堅どころの出版社に編集として再就職した花島。そこで営業一課の的場と一緒になるが、それ以前に二人はすでに出逢っていた。ノンケ×ノンケの恋物語に発展するのか、しないのか。どうなっちゃうのか知りたくて、でもって二人が近づいていく過程が面白くて、すぐに読み終わってしまった。

受け攻めどちらの視点でBLを読むかについては、もともと無自覚だったのもあって、どうせならどっちも楽しめる第三者の視点なのかな〜?といったスタンスなのですが、花島・的場両方の視点から描かれるこのお話では、断然的場に注目して読み進めました。花島よりも的場の描き方に、作家さんの腐視点が冴え渡っているように思えてならなかったのです。的場の仕事に対する姿勢。女性との関わり方や花島との距離の取り方。休日の過ごし方。部屋の様子。煙草を吸うタイミングや仕草…。よく観察していないと描けない、けれど全然美化していない男のリアルな姿が満載。なんとなく花島には同化できなかったのですよねー。彼はうじっとしてて、好きな人に自分のことを追っかけて欲しいっていう、ちょっと女のコっぽい欲求があるように感じて。

よく普通っていう言葉を使ってしまうけど、一体「普通」って何だろう?というのが大きく打ち出されているテーマ。普通って他の言葉の概念についても言えることで、解釈は相対的なもの。また、その概念に当てはまる人数が多い方が「普通」と多数決で決定づけられるものでもなし。そんなメッセージを受け止めました。

さすがにファンが多い作家さま。メインの二人を取り巻く魅力的な人物達も多く登場し、飽きさせません。読んでいる間は、次回が気になってしまう連続ドラマを観ているような、ワクワクドキドキの時間を過ごさせてくれた作品でした。そりゃもう、他の作品も読まなきゃ、でしょう!

2

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