• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作普通のひと

的場宗憲
花島が再就職した出版社の営業マン
花島光也
出版社に中途入社したリーマン

あらすじ

コンビニのおにぎりなら『赤飯』。それがマイルールの花島光也は、ある夜、最後のひとつの赤飯おにぎりを見知らぬ男から譲ってもらった。『お洒落』よりも『誠実』という表現が似合う、でも、どこにでもいるような男だ。数日後、編集経験があると偽って入った出版社で光也はその男、的場宗憲と再会するのだが!?
普通に生きてきたはずが、恋した相手が同性だったら? 臆病な大人たちに贈る、思わず恋がしたくなる物語!
『普通の男』『普通の恋』に書き下ろし『普通のオジサン』も収録。
出版社より

作品情報

作品名
普通のひと
著者
榎田尤利 
イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
普通の男
発売日
ISBN
9784813011958
4.2

(96)

(50)

萌々

(25)

(18)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
23
得点
405
評価数
96
平均
4.2 / 5
神率
52.1%

レビュー投稿数23

ノンケ×ノンケの不器用な恋の葛藤劇★

(以下、ブログよりほぼ転載した感想になります)
BL本だけど人目にさらしたくなる美しい表紙!

ぎゃ~~~!花ちゃん、かわいすぎ~~~!!!

とにかく花島をはじめ、人物がとってもステキに書かれているので、面白かったです!

花島は、元グラフィックデザイナーということで、センスがよくかわいい顔立ちなので女性に結構モテます。一見とっつきにくそうだけど、天然はいってて可愛いところのある、マイ・ルール男笑

コンビニのおにぎりは赤飯!トマトは残してはいけない!
お茶漬けのあられが大好きだ!

へんなマイ・ルールを持っている、ちょっと変わった人です笑

的場もそんな花島がかわいくて、しょうがない・・・でもお互い「普通」の枠からはみ出ることがコワイ・・・。

そんな二人の背中を押す人として、若宮のいとこが経営するゲイバーの愉快な仲間たちが大活躍笑

二人に男同士のHのハウツーまで教えてくれます笑

犬みたく的場の評価で一喜一憂する花島が可愛いよ~今までどうして無事だったんだ?

いえいえ、無事はなずがない笑

有名な、ゲイの経済学者の青野が、ひとめで花島を気に入っちゃって、新人なのに、自分の担当にしろって大抜擢!!



何とかそれを阻止しようと、「花島の仕事のできなさ」をあえて強調して、なんとか花島を担当にさせまいと、嫉妬むき出しの的場~っ( ´艸`)

でも自分がオトコに狙われていることにも気づかず、そんな的場の行動に傷つくボケボケな花島~っ

天然でかわゆい受けちゃんが、二人の男の間で取り合いになる、なんともオイシイ図~~~(//∇//)

↑私はこんなBLが大好物だ~~~~!!!

(そしてもっと際どいトコまで花島をどうにかしてくれるようなやつなら余計にすばらしかったのですが、無駄に紳士的でした、青野さんは笑)

的場の離婚した妻まででてきて、一人でぐるぐる勘違いして傷つく花島が、かわいい!

的場は嫉妬心も強いけれど、虚栄心も強いので、なぜかいつも裏目に・・・ちょっとかっちょわるくてかわいそうなオッサンです笑(そんなオッサンが花島のかわいさに、キスしたり抱きしめたくなる衝動を抑えるのに必死な姿に、萌え)

すれ違いの危機を乗り越えて、二人の5年後の話の書き下ろし『普通のオジサン』に続きます^^

本格的なHシーンがなかったので、書き下ろしでもしや!?・・・とおもったのですが、残念。書き下ろしはラブラブな二人を拝むことはできますが、Hシーンはなし笑(本編の微Hシーンでも十分萌えますが)

でも本当に読み応えがある一冊でした!やっぱ榎田先生にハズレなし!

4

普通って何だろう…

三十路の男が「普通」という枠からはみ出さないように必死に踏ん張る姿はどこか滑稽で、でもそれが非常に人間くさくて良い作品でした。

最初にこの作品に興味を持ったのは、ちるちるさんの特集コラムでした。
その時はまだこの新装版が出るとは思ってもいなくて、必死に探したのですけど見つからずにずっと気にはなっていたのですけど。

「普通」の人が「普通」に出会い、「普通」に仕事をして、「普通」に恋をして……。日常起こりうる出来事はたいてい「普通」を付けようと思えばどんなことでも「普通」になるものだと思います。ただその「普通」の出来事も、思い返せば何かしら「特別」が隠れていたりするもので、結局はそういう「特別」の積み重ねで人生というものは綴られて行くのだなぁ、と、何となく思いました。

ストーリーは、同じシーンを攻めと受けそれぞれの視点で交互に語られる形式で進行して行きます。同じシーンなのですが、まったく別個の人間の視点なのでくどさは無く、逆に「ああ、早く受け(攻め)の心情が知りたい」と、非常に楽しみになって来ます。
お互い30代独身男。それなりに男としてのプライドもあるし、元々がノンケなので自分の気持ちに気付くのにも時間が掛かれば、気付いてから認めるまでにも葛藤があって、特別ドラマチックな展開があるわけでは無いけど、さりとて退屈なだけの日常でもなく、なんというか、キャラクターそれぞれへの愛おしさのようなものがひしひしとわいて来て、読後とても温かな気分になりました。

作中、結局行為の描写は指での愛撫止まりで、その奥ゆかしさも何だか愛おしいのですけど、直接的な表現が無い割にはどこか官能的で、不思議な魅力があります。

メインストーリーのラスト、「普通の恋」の最後を締めくくるのが、攻めの的場でも受けの花島でもなく、花島の親友の若宮視点だったのがまた絶妙でした。若宮くんに素敵な彼女が出来ると良いなと思います。

4

恋することをおそれてはいけない!

“普通”でいたい営業のオジサン・的場×かわいい編集の妖精・花島

出版社に勤める営業さんと編集さんのお話です。
リーマン物はお仕事の内容が結構描かれていて、必ずしも恋愛要素だけではないのが好きです☆
2人は直属の上司と部下というわけではありませんが、
編集経験があると嘘をついて入った花島の為、的場は営業先へ連れて行ったりと世話をします。
この的場さんという人が、まぁ入れ込みすぎだろうと思うくらいの良い先輩ぶりです。
最初こそ単に先輩として接していたのだと思いますが、
絶対にここはターニングポイントでしょう!と思うのは2人が定食を食べていた時です。
花島のちょっとした行動に的場が少し強く意識をしたようですし、
またある時は花島の一言で、眠れなくなってしまうのです。
「的場さん。『普通』 ってなんでしょう?」
普通って何か。これはその夜的場を寝れなくするほど考えさせただけでなく、
この前半 『普通の男』 の最後までキーワードになっています。
普通、という言葉は、私も結構嫌いなのですごく考えさせられたんですけれど…すごく曖昧です。
2人は少しずつ気持ちが近づいて、でもそれぞれ悩んでしまいます。普通じゃない、と。
男同士での恋愛は普通じゃない。
男同士なのに惹かれるのは普通じゃない。
じゃあ普通って何なんだ?と悶々としています。
普通とは世間の大多数の人が考えていること。じゃあ大多数が考えていると誰が知っているのか。
普通とは正しいこと。じゃあどうやって正しいと定義しているのか。
法律や条例ならば、それが一定の約束となるから 『普通』 と言えそうですが
人の気持ちや考えについては、『普通』 ほど不確かなことはないんだなと思えました。

しかし花島が相談したゲイのコーちゃんは、名言とも言えることを話しました。
「普通と違(ちご)ても、自然ならええやん…
 誰かを好きな気持ちが、自分にとって自然やったら、それでええんとちゃう?」
この言葉を読んだ時に、ハッとしました……。
この言葉を何度も読んで、仕舞いには泣けてきました。。
好きは好きで良いんですよね…。そこに普通がどうとか、無いんですよ!
この言葉が出てきた榎田先生、凄いなとつくづく思いました。

的場の年齢の半分も行っていない私ですが…そしてBL自体がファンタジーですが、
このお話はすごく等身大というか…リアルに思えました。
そもそもの題材である 『普通って何?』が、全ての人に投げかけられる事だったし、
それに真剣に悩む2人がすごく生を感じさせてくれます。
ページ数も多いのに二段構成なので、お話が長いです。
でも引き込まれました!
書き下ろしのラストがずるい終わり方なので笑
「ここでッ!?」(*゚∀゚) と…良い意味で、すっきりしません☆

4

“普通の恋”がしたいっv

タイトルにもある“普通”をテーマに語られる
ノーマル同士の恋物語。

おぼつない花島をかわいがって面倒みてくれる営業マン 的場
Gデザイナーから編集者として転職した 花島

職場の先輩後輩的な関係から、恋へと落ちるんだけど
ふたりともノーマルで男性経験はないw

ゲイバーのママ達のアドバイスなどもあって
“普通のひと”だったノーマルふたりが、ゆっくりと恋をはぐくむ。
分厚い本のページは、じれったいほどゆっくりと時間が流れてて
エッチなシーンまでたどり着くのが長い長いw
でもね、この焦れったい甘酸っぱい気分が恋なんじゃないでしょうかーv

受け視点と攻め視点を交互に読みすすむ手法で
ゆっくりと加速する恋心を両方味わえます。
焦れはしましたが間延びすることはなく
ずーっとドキドキしながら読んだ。

38歳と32歳。
お互いいい歳で、ちょっと恋愛を知ったつもりでいても
新しい恋には、いつだってドキドキして翻弄されて自分を見失ってしまう。

それが、誰にでも訪れるであろう“普通の恋”なんでしょうね。
はぁーv恋がしたいーっ。

4

普通ってなんだろう

半分だけ再読です。
この本は以前に文庫「普通の男」「普通の恋」として出たものの再版です。
もし両方持っていたら、二冊まとめて発売&書き下ろしってどんだけって思うところですが、幸い?私は前者しか読んだことなかったので無問題。手に入らなかった後者も読めて大満足です。
うっかり新刊で買って(千円越え!)懐は痛みましたが、ぜんぜん後悔してないよ。うん。

この作品はマイノリティに転がる葛藤というか、普通っていうものに対する疑問がテーマ。
いわゆる”普通の”BL小説ではスルーされがちな部分を真っ正面から描いています。
そうやって考えるとあんまりボーイズラブっていう感じではないのかもしれません。
ゲイノベル?っていうとまた違うのかもしれませんが。
全体的にファンタジー色の強いBLの中ではだいぶリアル寄り(視点とかがね)の作品だと思います。

二人双方の視点から描かれる恋の行方は、とても自然でもどかしい。
しかしこのオジサンたち。
書き下ろしでは結構?いやかなり?いい年なのにやってることが中学生の恋愛みたいで本当にカワイイんですが。
相手に嫌われたくないから臆病になり、一人で無理して逆に相手を傷つける。
切ないなあ。

今回のアドバイザー役、コーちゃんがやたら格好良かったです。
いつもはネエさんしゃべりでオカマバーの店長をしている。
花島に惹かれ始め迷う的場の背中を押したり、時にはゲキをとばしたり。
コーちゃんと恋人のイズミの話が読みたいなあ。

6

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP