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表題作天国までもうすぐ

狩野暁(16)
品川りす(16)

あらすじ

同級生の少年との心中未遂事件を起こし、ひとり北海道から上京してモデル事務所を営む叔母の家にやってきた狩野暁。
彼はすべてを、思い出も夢もそして心さえも、北の凍てつく最果ての地に捨ててきた。
最愛の恋人、事件の相手である品川りすとともに。
叔母の勧めでモデルの仕事を始めるが、虚ろなままそれでも何かにつけりすの面影を追わずにはいられない自分の心に苛立つ暁。
そんな中、自分から別れを告げたはずのりすが突然上京し、ふたりは再会をはたす―。

作品情報

作品名
天国までもうすぐ
著者
五百香ノエル 
イラスト
藤たまき 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
ISBN
9784883023394
5

(1)

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萌々

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中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

人間ドラマでした。涙、涙。

油断してました。この本の前に読んでたのが「王子様は魔法使い」だったので・・・。
超泣いた~。
今、ひとり五百香ノエルさん祭り中なのですが、この人の作品の振り幅はすごいですね!もう目も当てられないドエロ(褒めてます)を書いてたかと思うと、心臓がキリキリ痛くなるような繊細な作品もあり。
この作品は後者でした。
かなり痛い家庭内暴力のシーンがあるので、地雷な人もいるかもしれません。
このお話は本当に子供に容赦なかったです。でも子供目線でストーリーは進んでいくのですが、この描写が神だと思いました。
この作中の子供たちは一見大人を小馬鹿にしたように、本性を隠して生活しています。表向きクールで何を考えているのか分からないと大人たちは言います。暁と「りす」(名前です)が起こした少年同士の心中事件も、なぜ?という疑問のまま生活していきます。とてもそんなことをしでかす子供には見えないのです。
でもそのなかでもやはり子供の浅はかさ、無意味なプライドが透けて見えてきて、もう昔の自分が思い起こされてきて恥ずかしくなるほどでした。

お話は2人の少年の心中事件を柱としていますが、小さなエピソードがたくさん積み重なっているので、一口にまとめるのがとても難しい~。もう人間ドラマ!という感じでした。
そしてエロが少ない!五百香さんなのに!いやでも今回のこのお話はエロ少なくて大正解だと思いました。濡れ場は回想シーンでちょこっとあるだけです。
最後はなんとかハッピーエンドなのですが、最後までこの主人公2人にはイチャイチャの「イ」の字もありませんでした。
「二人は人前ではほどよく離れている」のです。これも好感度大でした。

あ、あと女の子の扱いもいいです。最初登場してきたときは性悪な感じの同級生の女の子が、暁と付き合いだして、そしてセフレになって、最終的に姉弟みたいな関係になったり。五百香さんの作品に出てくるちょいビッチな女の子たち、好きなんだよなー。

イラストは藤たまきさんで、これがまたぴったり!頭の中でストーリーが藤さんのマンガになって展開してました。

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