お願い、信じてよ…本物の「恋」だって。

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表題作初恋は終わらない

近衛勇大,嶺の後見人で弁護士,堅物男
宮野原嶺,大金持ちの息子,おねだりしまくり高校生

その他の収録作品

  • 愛は終わらない
  • あとがき

あらすじ

大好きで大好きで、ずっと一緒だと思ってた。5年前、嶺の前から大好きな彼が姿を消した。寂しくて哀しくて、次は絶対に離さないと決めていた――。両親を亡くした今、彼・勇大が再び現れる。優しい教育係だった勇大は、弁護士となり、冷淡なくらいの保護者顔で、嶺を「御曹司扱い」するのだ。昔よりもっと近くで体温を感じたいのに――。嶺は意を決して、勇大のベッドに潜りこむ。だが、勇大には誘惑に負けられない大人の事情があった。弁護士×御曹司のすれ違う恋の行方は…?
出版社より

作品情報

作品名
初恋は終わらない
著者
妃川螢 
イラスト
香坂あきほ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784877249762
2.4

(9)

(0)

萌々

(0)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
18
評価数
9
平均
2.4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数7

欲望に忠実になれないヘタレな攻様

今回は恩人の息子の未成年後継人になった弁護士と
代々続く家柄の御曹司のお話です。

二人の出会いから再会を経て恋人になるまでの本編と
後日談として受様が根性でプロポーズさせるお話を収録。

受様は代々続く家系の御曹司ですが、
祖父母も両親もひとりっ子同士の結婚で
頼れるし親戚はほとんど有りません。
しかも両親は国内外を問わず飛び回る多忙さ。

受様の父親は気心の知れた使用人達ばかりとは言え、
物心ついた一人息子に淋しい思いをさせない為にと
大学進学を目前に親をなくした攻様に
受様の遊び相手と家庭教師を条件に援助を申し出ます。

攻様が引取られたのは大学生の頃ですが、
幼い受様にとって年の離れた攻様は
何でもできるスーパーマンのよう。
まるで孵化した雛鳥が親鳥を慕うように
受様は両親以上に攻様に懐いて成長します。

やがて攻様は受様の父の会社に就職、
企業弁護士として働き始めますが、
出合った頃から無自覚に攻様が大好きな受様は
中学生になっても子供っぽい態度は相変わらず。

甘える受様は攻様にとってまだまだ子供、
庇護の対象でした。

しかし、
そんな穏やかな関係はある朝を境に崩れてしまいます。

年よりも未成熟だった受様は
攻様の出てくる甘い夢から覚めた朝、
自分の股間が湿っている事に慌てて攻様に泣き付きます。

攻様は微笑ましい事だと笑って迎え、
今まで色々と教えてきた様に対処方法を教えるのですが、
受様が自慰に耽る様子に自分の方が危ない状態に!!

攻様はぐるぐるしたあげく、受様から逃げて米国へ。
受様は攻様の気持ちも知らないまま、取り残されます。

それから5年、
受様の両親の死により一人残された受様の前に
未成年後見人として攻様が現れた事から物語は始まります。

はたして受様の初恋は成就するのでしょうか?

幼い頃から誰よりそばにいて
自分だけのものと思っていた攻様が忘れられず、
成長して大人な攻様の事情に思い至っても諦め切れず、
迫りまくって陥落する受様の話です。

ホントは仕事ができる大人な攻様ですが
所詮、受様に甘々なので逃げ道は有りませんし、
結果的に受け入れてしまった後に
受様に嫌われたら立ち直れないというヘタレさんなので
もう最初から勝負は見えてますが、
どんな過程で攻様が落ちるのかと
攻様をいたぶる友人と女性秘書の会話を楽しんで欲しいです♪

番外編は本編から更に7年、
ラブラブな二人ですがまだまだ往生際の悪い攻様に
受様が誕生日のプレゼントをおねだりする話です。

今回は同じく教育係の攻様を口説き落とそうとする御曹司で。
水瀬結月さんで『貴方に奪ってほしいのに』をご紹介します。

3

受けのおねだり攻撃に耐え続ける男三十代

表紙の絵からしてショタではないですが、
設定としては受けは幼少の頃から攻めに育ててもらったような感じなので、ショタ臭さが随所に漂っていました。

攻めの後見人で弁護士の男、勇大は、
宮野原嶺(みやのはらたかね)受けの屋敷に若い時住んでいました。
受けの父に学費や生活など面倒見てもらっているという、いわば書生さんのような立場でした。しかしある日、彼は当主の息子坊ちゃまである嶺に欲情してしまい、そのショックからお屋敷を出ます!

話はそれから月日が流れての再会もの。
嶺の両親が亡くなったため、勇大は後見人として、再び宮野原家に呼ばれます。
受けの嶺坊ちゃんはいまだ勇大のことが好きで大喜び。ことあるごとに勇大に絡み付いて、誘ってきます。

しかし勇大はタジタジ。お世話になった宮野原家の坊ちゃんであり、今は自分の雇い主でもある人物を抱いてしまうわけにはいきません。しかも、昔よりは大人になったとはいえ、まだ高校生!

勇大、欲望に耐える日々なのです……。

積極的で可愛い受けに対し、攻めはなんとか性欲を抑えようとするが、
結局は、抗えないという……。

【こっからネタバレバレ】
一番萌えたシーンは嶺が子供だった頃の回想シーンです。
ズバリ初めて精子が出ちゃった日の思い出♪

ビックリした嶺は、
勇大に『これな~に? おもらし?』的な質問をwww
それに対し勇大は『それはね~、男性なら生理現象で…云々』って教えてあげるんです。
中でも「保健体育の授業で教わりませんでしたか?」ってセリフに萌え~!!!

しかもそこで、
“そのような状態になった時、どうしたらいいのか”具体的なレクチャーまで!
つまり自分でのやり方を伝授してあげてました!
おいおい、抱かなきゃいいってもんじゃないから!それだけで十分淫行だよ?
と、思いましたが、雰囲気的には“教育の一環”って感じで。
教えてる側の勇大も何故かここでは罪悪感感じてない!なんかエロかったです。

受けの可愛さに攻めがとうとう陥落してしまう。そういうお話。
まぁありがちな設定だけど、結構良いですよ~。

2

期待を裏切らない後見人×おぼっちゃまモノv

15歳年上の後見人と、小悪魔おぼっちゃまというCP
セオリーどおり孤児だった攻めを引き取り
おぼっちゃまの世話係り兼家庭教師に据えているうちに
すっかりふたりは恋愛感情を持つv

攻めは15歳年上ということと
恩義のあるお宅のおぼっちゃまに手をつけるなんて!
そして未成年へ欲情する自分にビビッて逃げ出す・・・

5年という月日が経ち、おぼっちゃまは天涯孤独へ
そこへ颯爽と国際弁護士の肩書きを身に着けた攻めが登場☆
後見人として、おぼっちゃまを支える。

手は出さないように踏ん張る攻め。
おぼっちゃまは、あの手、この手で、攻めを篭絡させるわけですv

後見人とおぼっちゃま。ザ・定番☆なパターンですが
受けであるおぼっちゃまが超積極的☆
期待を裏切らないというか、定番なつくりに
ワンパターンだったとかそういう不満はまったくなく
かなり楽しめましたv
香坂あきほさんの挿絵も良かったですvvv

1

King of ヘタレ

あとがきにもご本人が書いてらっしゃいますが、今回の攻めさま“King of ヘタレ”でございました。ここまでのヘタレ、初めてかも。ヘタレワンコとかはすっごい可愛いなぁ~って思うけど、弁護士をやっている仕事の出来る男なのに、受けちゃんに関してはとことんヘタレ。ってか、未成年だからってこともあるとは思うんですが、絶対手を出さないぞっ! って決めてて。受けちゃんがあまりにグルグルするのは、イヤになることもあるんですけど、今回のヘタレ攻めに関しては、「こらぁ~行かんかい!」と、思わず背中を蹴飛ばそうかと思いました。

宮野原家のひとり息子・嶺は高校3年生。宮野原家に引き取られていた勇大に、小さな頃から忙しい両親に変わって、いろいろと面倒を見てもらっていました。
嶺が中学生になってすぐ、突然アメリカへ渡ってしまった勇大。何も知らされず、捨てて行かれたと思ってしまう嶺。
そして、勇大がアメリカへ行ってから5年。いきなり両親を喪ってしまった嶺のもとへ、勇大が戻ってきます、嶺の未成年後見人として。

御曹司の嶺は、あれやこれやと手を変え品を変え、勇大を堕とそうと頑張っちゃうわけです。微笑ましいっちゃ~微笑ましいんですが、恩のある嶺の両親の手前、わがままを言っても断れない立場だから、自分の立場を利用しちゃって! って思えなくもないから、こういった甘ったれた御曹司っていう設定が苦手な方は、地雷かもしれません。
まぁ、甘ったれた御曹司ではあるけれど、忙しい両親には「仕事だから」と言われると、ちゃんと我慢出来る子だし、親のあとを継ごうとちゃんと勉強も頑張ってるし、私はダメではなかったですね。

お互い好きでいるということに気が付いてはいるけれど、いやはや、勇大はマジで焦れったかった。この我慢強さは、いったい何だ?!
逆に言うと、好かれているのがわかっているから、強引に誘っているんだよなぁ、嶺は。こういうお坊っちゃまっぽいところも、地雷かもしれません。

なんとか出来上がった後日談もあります。
あれから7年、甘ったれていた嶺も、大学を卒業し会社へ入り頑張っています。まだ大学院で半分遊んでいる状態の一番の親友から『婚約しました』なんていうハガキをもらっちゃった嶺。
こうなったら自分も、勇大から確固たる証が欲しくなるのも無理からぬこと。
ですが、ここでも嶺が頑張らないと、行動が起こせないんですよねぇ。7年経っても、まだヘタレでした。
多分、仕事はきちんと出来るんだろうから、嶺をしっかりサポートするんだろうなぁと思えました。だって、かなりの年の差もあるんですよね。15歳くらいは違うのかな?
ホント、ヘタレを返上して頑張って欲しいものです。

0

受けに萌えられない…。

「お坊ちゃま」には、実に様々なジャンルがあると思います。
いかにも高潔な、優雅で気高いお坊ちゃま。己に自信たっぷりの、傲慢なお坊ちゃま。
色白いたいけな、浮世離れした儚きお坊ちゃま。金にモノを言わせる、いかにも二世なお坊ちゃま。
ちなみに私はこの中で言うと4番目以外は大好きです――が、
今回登場するお坊ちゃまは、蝶よ花よな、甘ったれお坊ちゃんです……。

勇大大好きな嶺のことを少しだけ避けて、アヤシイ空気からはすぐに逃げてしまう勇大。
私は勇大の行動はかなり好感が持てました。
坊ちゃんに仕える周りの人間や坊ちゃんに色々と文句を言われていますけれど、
どんなに好かれていようが、まだ18にもなっていない少年の誘惑になびく方が有り得ない!
そこはちゃんと大人としての立場だとか責任だとか、大切にしなければいけませんよね。
むしろそこで踏みとどまる事こそが愛情だと思います。
ん~でも、勇大は何だかんだ言いつつ本音は嶺が好きなので、
拒否するのもきっぱりすっぱりとは行っていないのがちょっと苦笑いです。

しかし…この嶺のアタックがまたこの上ないです。
それこそ重箱入りなくらい大切に育られてきたのであろう彼は生粋の甘ったれ体質らしく、
お迎えには抱きついたり、勝手に寝室に入って色仕掛けしたり、
舌ったらずな声で誘ったりとまぁ色々やってくれちゃっています。
これは、お互い思いあっているはずなのに!という明確な自信がないとできないだろうなぁ…。
だって、もし勇大に何の気もないならば、はっきり言って迷惑な言動です。
どこから湧いて来るんだその自信?な誘いっぷり。読みながらちょっと引いちゃいました。
食事など生活のマナーや礼儀は習っても、エチケットは学ばなかったのかなぁ…という自由ぶり。
言葉やキスやセックス以外にもある愛情表現に、気付いているのかいないのか
殊更にそれらばかりを望む姿が、無い物ねだりな我がままに思えてしまう。
正直この子はあんまり好きになれなかったです。

最後までそのお姫様ぶりは弱ることなく、結局勇大が折れてしまいました。
う~ん…。
途中変な奴らにレイプされかけて痛い目を見ている嶺ですが、
それとは別に、それこそ勇大によってその甘ちゃんを一掃してもらいたかった…。
いや、私が我がままな子にとにかくムカつく質なのでイライラしただけなんですけれど、
彼はこれから一生その性格のままで、果たして企業を引っ張っていけるのでしょうか?
なんというか…良いお家柄のお坊ちゃん特有?の、凛としたところなんかを見てみたかったです。
ただの我がままだ…。

1

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