運命の歯車は廻る。愛と哀とを絡めながら──。

螺旋の素描

rasen no sobyou

螺旋の素描
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×24
  • 萌3
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
7
得点
35
評価数
9
平均
3.9 / 5
神率
22.2%
著者
 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
シリーズ
POEBACKS Baby comic(コミック・ふゅーじょんぷろだくと)
発売日
価格
¥580(税抜)  ¥626(税込)
ISBN
9784893935908

あらすじ

時は大正末期、場所は花街。
「夢二」と名付けられ男娼として働く少年・秋斉の
母親への想いと絵師・奥村への慕情を描く表題作を筆頭に、
秋斉の初恋、そして成長後が語られるシリーズ番外編も収録。
他、人形浄瑠璃の世界に身を置く少年同士の密かな恋物語、
呉服屋奉行人の、坊ちゃんへの淡い恋心をわずか8pで見事に描き
第5回ジュニア大賞で佳作を受賞した話題作「まぶたの恋」も収録。

期待の大型新人・会田薫が放つ、しっとり儚いジャパネスクの恋心。
舞い落ちる花弁のように、柔らかにアナタの心に降り積る──。
出版社より

表題作螺旋の素描

奥村,絵師…等々
夢二,男娼の少年

同時収録作品あやつれ

玉美,兄弟子
玉艶,弟弟子

同時収録作品まぶたの恋

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数7

粋と耽美の融合

ふゅーじょんさんが少し前にセールしてくれたのがきっかけで目に止まった1冊。
電子のセールは古い作品探しにほんと重宝してます。オマケにお安く買えるんだからありがたい限り♪

カラーの色づかいといい、白黒の塗り分けの鮮やかさといい、とても好みな作風でした。
BLはこの1冊っきりなのが惜しいですが、ITANで描かれているのを拝見すると作風的にはBLジャンルよりそっち系の方が合っているのかも。
サブカル女子受けする感性の作家様じゃないかなと、個人的には思います。
粋と耽美をうまく融け合わせた、現実からは切り離されたような夢現の世界観が非常に美しいです。

全体の3/4が表題作とそれに連なる作品群で、残りに32ページの短編がひとつと、8ページの掌編がひとつ入っています。
どちらかと言うと短編が上手いですね。

「螺旋の素描」「心化粧」「永日小話」
花街を舞台にした男娼のお話ですが、皆さん書かれているように、色恋に盛り上がる感じのお話ではなく、主人公〔夢二〕の半生を読ませるような作品でした。
画師になりたいという情熱と、師と仰ぐ男と交わした約束を糧に、花街で腐らず生き抜く夢二の切ない強さが胸を打ちます。
心化粧は「色」の部分を描いた危うげな淫靡さの漂う1編でした。
そして、永日小話でお話は辿り着くべき場所へと転がっていく、と。
着地のさせ方が美しかった!
ふらりと現れた日からその後ずっと夢二に連れ添ったっぽいタマ子ちゃんについて、(BLではあるけれど)もう少し詳しく知りたかったな。

「あやつれ」
人形浄瑠璃、曽根崎心中。
こうやって見ると歌舞伎なんかとはまた違うBL的醍醐味あふれる世界。イイ!
男達が人形を操って男と女の色恋を演じる。
人形が交わすその愛の台詞は人形の言葉か、それとも人形遣いの心の声か。
人形遣いの少年2人が燃え上がらせる恋が曽根崎心中をなぞりながら描かれていきます。
アーティスティックな表現が美しい短編でした。

「まぶたの恋」
たった8ページですが、読めば読むほど萌えます!
ふばばさんが春琴抄BL版と書かれていますが、谷崎作品を(嵌まりそうなのに)ほとんど嵌まることなく素通りしてしまった私には本家よりも魅力的な掌編でした。
BLになっただけでなぜこんなにも心を揺さぶられるものになるのか。(→腐女子だからでしょうね)
普通に愛を交わすのが許されない間柄だからこそ、坊ちゃんは小吉に甘い甘い「命令」をする。
「なら何も問題あらへん」
坊ちゃんが囁く誘惑、なんと魅惑的なことか。

【電子】シーモア版:修正-、裏表紙○

0

独特の雰囲気に満ちた一冊

【螺旋の素描】【心化粧】【永日小話】
大正時代の娼館が舞台で、そこで働く男娼の夢二(少年)が主人公です。
幼い頃から絵を描くのが好きだった夢二が、とある絵師に水揚げをしてもらった後、その絵師に弟子入りを希望します。三日間でデッサン100枚描けたら絵を見てやってもいいという絵師だったが、その後、娼館にやってくる事はありませんでした。

娼館が舞台ではありますが、性愛や色恋沙汰がメインではありません。夢二と幼馴染の初恋といったものも描かれていますが、それは彼の人生を決定づけるようなものではない。
やがて揚屋を営む傍、絵師としても少しずつ名を馳せるようになった夢二の前にとある画商がとある依頼をしにやってきて…。巡り巡った因縁とでもいうべきか、感慨深かった。
気怠げで退廃的な雰囲気が作品全体に漂っています。

【あやつれ】
この作品が一番好きです。人形浄瑠璃の人形遣いのお話。まるで二人の魂が身体から抜け出し絡め取られたかのような描写が見事だと思います。

【まぶたの恋】
主従関係もの。呉服屋の目の見えない坊ちゃんと、手曳き役である奉公人とのお話。決して逆らえない事を知ったうえでの甘い拷問のような命令をする坊ちゃんはいぢわるだなぁ。

答姐の「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」で教えていただいたのが、こちらの作品です。
どれも大正・昭和初期のお話で独特の雰囲気をお持ちの作家さんだと思いました。初読み作家さんでしたので読む機会を与えてくださり本当にありがとうございました。

1

文楽を知りたくなった

表紙と口絵の色合いが美しい!全編カラーだったらどれほど幻想的になるだろう?

「螺旋の素描」
大正6年、男娼館に預けられた娼婦の息子の物語。
絵を描くことだけが好きで、身売りも母親も何物にも執着せず、勃起もしない不感症の夢二。
水揚げで画師と出会った彼は、今迄とは逆に狂ったように絵を描き出して、画師が自分の絵を見てくれることを待ち焦がれる。
幼い頃、目の前で客を取ったり、多分ネグレクトしていた母親に絵を褒められた記憶、それが嬉しくて、ずっとご褒美を待っていた自分を自覚する夢二。

「心化粧」
夢二の幼馴染、女衒の2代目花田純一。
何物にも執着しない夢二だけど、純一とは際どい遊びになぞらえた歪んだ絆がある。うなじの傷は所有のマーク……

「永日小話」
昭和6年。夢二は揚屋の主になっている。そして夢を叶えて画師にも。そこに贋作を描いて欲しいという客が…
彼はいつ筆を取る?客の情熱を感じた時。この客はその想いを見せてくれたから引き受けてみるか。あの優しかった画師の絵を。

「あやつれ」
文楽の人形遣いの戯れ。
2人遣われる人形になって、夢かうつつか。まるでATG(アートシアターギルド)の映画の一場面のよう。耳に浄瑠璃の三味線が響いてくるよう。
筆の文字が広がる地平で裸で絡み合う2人の姿、漂う魂、黒子と手を取って首を絞めるのは夢の中なのか。非常に幻想的です。

「まぶたの恋」
呉服屋の坊ちゃんの手挽き役は、奉公人の小吉。
坊ちゃんは小吉の主人だ。何でも命令する。甘い命令をする。
春琴抄BL版。たった8Pで、坊ちゃんの支配欲、小吉の鼓動、周囲の邪推、坊ちゃんの抱える障害、2人の未来、その全てが伝わる。鮮やか。

4

切ない時代モノ

初読み作家さんです。
表題作は元々は同人誌だったようで、今回それに描き下ろしで『心化粧』と『永日小話』という作品を描かれたようです。
この描き下ろしの作品は表題作から約1年と15年後位のお話です。
主人公の夢二の心境だけでなく、男娼としては先輩の不二彦、お客の奥村、そして大崎のそれぞれの心境までも細かく描かれています。
必ずしもハッピーエンドではない、人生の中で色々起こる出来事をそれぞれが経験して生きている様子が淡々と語られている作品でした。
そして最後に追加された『永日小話』のラストが秀逸で、ジーンとしました。

同時収録の作品も2作品とも時代物でとても日本的なお話です。
なかなか見ることがない人形浄瑠璃のお話『あやつれ』は曽根崎心中と重なって、どこまでが現実でどこまでが夢なのか…という感じの作りで雰囲気のある作品。
こういう作品も個人的には好きです。

3

fiona0109

ふばば様、初めまして!

ほとぼり冷めてからなんて仰らずに、是非是非レビュー書いて下さいませ。
最近の作品だけでなく、古い作品のレビューにもレビューして頂けると、私も心強いです!
私は海外住みというのもあって、最新作を入手するのは難しいので、レビューするのはほとんど古い作品ばかりです^^;(2009年発行なんて私の中では新しい方です 笑)。
レビューは自分が読んだ作品の整理のためという目的もあるので、古い作品でも気にせず、どんどんレビューされたらいいと思いますよ!

ふばば

初めまして、fiona0109様。
この2016年に私以外にこの作品を読んでレビューする人がいたとは!
いや、まじ書こうと思ってたんです。遅れをとりました!
でもレビューありがとうございます!私はほとぼり冷めてからひっそり書きますね。

ある意味耽美、独特の世界観が魅せます!

表紙はパステルの色調のちょっと癖のある線、でも中を開くとそこに広がる世界は独特の雰囲気を持つ、黒とその陰影のはっきりしたノスタルジーを感じさせる色気のある絵。
でも決して古くはなく・・・独特の間合いと雰囲気で、とても魅せる作家さんだと思いました。
はっきりいって好きです!!

表題から永日小話までは夢二という男娼のお話。
しかし、ただの男娼ものではないのです。
画家にあこがれ、水揚げの相手となった画家との出会いが、最後まで彼という人物を作り上げている。
そこに入ってくる、仲間の不二彦、おかみ、Sの大崎、そんな彼等を通して、夢二という人間が見えてくるのです。
幼なじみの女衒との関係は、夢二が焦がれる画家とは違った、囚われた過去のような、彼の身体を傷つけることで所有の証とする歪んだ愛の形も見せる。
そんな中少女のタマ子が深く夢二に関わっていることが注目される。
彼女は彼の一体なんだったんだろう?
蛸の羽織が印象的で目に焼き付いて、夢二が「蛸さん」たるその心を思うと、少し切ない気持にもなる。

『あやつれ』は文楽を舞台にしている。
この世界を舞台にすることはとても珍しいと思うが、その演題を主人公の関係にあてはめれば、とてもドラマティックな展開は間違いなく、作者の画力もあり、まか不思議な雰囲気を醸し出して魅了する。
脇の登場人物が文楽の人形を模した顔になっているのが愉快だ。

『まぶたの恋』は主従です。
エチは一切ありませんが、ほんの数ページの短い作品なのに滅茶苦茶萌えます!!悶えます!!!

とにかく、この作家さんの絵が好みですが、作風と雰囲気が大好きです!
注目すべき作家さんだと思いました。

4

今後が楽しみな作家さん

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
おおぅ、これはかなり好みの作風だなあ。
エピソードにややぶつ切れ感があるのが物足りないけど、独自の世界観が構築されていて、すごく可能性を感じる作家さん。
焦点は恋愛にはなく、花街に売られ男娼として生きた少年・秋斎の「夢二」としての半生。

水揚げの相手だった画家への慕情、かつての心の拠り所だった兄のような相手との束の間の夢、母への複雑な思い。
大正時代の花街という特殊な場所ならではの様々な情と非情が物語に潜んでいて、時折顔をだしては切なくさせられてしまう。
けれど、過剰な演出は抑え目にストーリーは淡々と進み、レトロな絵柄が哀しみを帯びた物語をうまく緩和してくれている。
心に残る作品だった。

デビュー作だそうですが、今後の成長がとても楽しみ。

4

自分の世界を持っている作家さん

表紙買いです。遊郭に身を投じる画家を夢見る主人公が淡々としていていいです。Hシーンもあっさりしています。同人からの作品が一冊の本になったということですが、絵も割と安定しているし、今後も期待したい作家さんです。

2

この作品が収納されている本棚

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