表題作 夜明けには好きと言って

黒石篤成 → 森川智之

白坂一葉 → 福山潤

その他キャラ
金崎新二[吉野裕行]/ 片桐京吾[中村悠一]

あらすじ

生まれ変わりたい。今ならそれができる。アイツはここで死んだ。もう、どこにもいない―交通事故で一命を取り止めた白坂一葉は、大怪我を負った顔を形成手術で変え、名前さえ捨て、別の人間として生きることを決意した。惨めだった自分の過去をすべて封印して―。だが、新たな人生を歩き出そうと夜の世界へ足を踏み入れた白坂は、出会ってしまった。ホストクラブ「プラチナ」のナンバーワンホスト・黒石篤成―それは、白坂にとって、もし再び会うことがあったらどんなに詰ってやろうかと、真剣に憎んでいた男だった。中学時代に告白され、夏の間だけ付き合い、信じ、そして……嘘に騙された。復讐を胸に、『一夜』の名で黒石と同じホストの世界へ身を投じてゆく白坂。だが、運命はまるでループを描くように、白坂を十年前と同じ境遇へ追いやり始めた。黒石から再び向けられる好意。自分は、いったいこの関係を楽しんでいるのか、それとも苦しいのか……。劣等感から解き放たれ、生まれ変わったこの『顔』でなにができるだろう。だが、白坂の人生は再びループを描き始めた―『…今度は、なんの罰ゲームなんだ―』(メーカーより)

作品情報

作品名
夜明けには好きと言って
著者
砂原糖子 
イラスト
金ひかる 
媒体
CD
作品演出・監督
鈴本雅美
音楽
宮本空
脚本
水谷成也
オリジナル媒体
小説
メーカー
サイバーフェイズ
シリーズ
夜明けには好きと言って
収録時間
78 分
枚数
1 枚
ふろく
なし
パッケージ発売日
3.8

(28)

(6)

萌々

(12)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
106
評価数
28
平均
3.8 / 5
神率
21.4%

レビュー投稿数12

メインの4人の声の魅力と迫力がすごい

原作未読。
メイン、脇、4人の声優さん全員が好きなので聴取しました。

昔の作品で、その時代の外見至上主義、いじめ、言葉の暴力などが色濃く反映されています。
メインの2人とも、過去につらく苦しい経験があったり、今も争いがあったりと、昼ドラのような強烈展開でした。

最も台詞が多く、主観で話が進む福山潤さん演じる白坂一葉は、子どもの頃から養母に顔で疎まれ、学生時代は20点と揶揄され、社会人になって2年でリストラされ、自暴自棄になり交通事故を起こして大けが、という散々な人生。
大けがをした顔を形成した際に、顔を変えてもらい、従兄の名前を拝借して、新しい人生を送り始めます。
導入からなかなかハードモードです。
しかも、あるきっかけで足を踏み入れたホストクラブで、中学時代の告白され、友達から、と付き合い始め、1か月後に引っ越しで別れ、あとに同級生に罰ゲームだったと明かされ、散々いじめを受けることになった原因、黒石篤成に再会し、見返して復讐するためにホストとして働き始めます。
ここまでもかなりハードモード。

しかし、白坂一葉に同情し興味を持ったのはここまででした。
ここから後、白坂一葉には呆れ、いらいらさせられ、最後のは強い嫌悪感を持ちました。
あまりにも浅はかで伝聞ばかり信じ、本人に確認しない、思い込みでネガティブ思想を深めひどい態度をとる、という人物だと感じたからです。
この辺は好みがわかれるところだと思います。
まったく真逆の感想を持つ方もいるはずです。

私は森川智之さん演じる黒石篤成があまりに一途でけなげでまじめでいい人なのが、心に響きました。
黒石の恋を追いかけ、成就するのを追いかけたくて最後まで聴取しました。

吉野裕行さん演じる金崎新二が、一本突き抜けた感じがする、すごい悪い嫌な奴で、迫力がありました。
白坂一葉が嫌いになった理由もひどいし、中学時代もホストになってからもいやがらせもひどい。
いい人を演じさせたら相当にいい人感がふわふわ漂う吉野さんの、最低糞男、印象深いです。

最後、ハッピーエンドなのですが、一葉はこの後もきっと噂をうのみにしては怒ったり暴言吐いたりするんだろうなと、黒石が心配になりました。
幸せになってほしいと思わされる最後でした。

0

良い感じでした!

原作既読です。
テンポよく進み、よくまとまっていますので、未読でも大丈夫ではないかと思いました。CDで端折られた部分を原作小説を読んで補完という順の方が良い気がします。

私の原作を読んでのイメージと、CDの声とがぴったり合っていたので、違和感はゼロでした。そんなこと余りないのでちょっと嬉しかったです。頭のイメージとの違いなんて、声優さんの演技とか演出とか一切関係ないので申し訳ないのですが、違和感はどうしようもないので…。

原作の雰囲気そのままでした。福山さんってあまり声の特徴が浮かばないのですが、主人公である白坂の抑えた怒りなどすごく良く表現されていたと思います。福山さんが主役のCDってこれでまだ2枚しか聞いていないのですが、声の特徴がこれといって浮かばない分、ドラマCDではどんな役にでも演技力でハマらせることができる素晴らしい声優さんだと思いました。森川さんは一途で淡々とした黒石にぴったりでした。雨の中での泣き声、素敵でした!あと、中村さんを片桐ってちょっともったいなかったのではと思います。

フリートークは主役の福山さん、森川さん、吉野さんの三人で1分12秒。
自己紹介の後、ホストにスカウトされたとか、ホストと間違えたとか、ホストに絡んだ話をちょこっとしたと思ったらおしまいという短さでした。でもまとまりはありましたよ!

特典ファンブックには色々入っていました。
・福山さん、森川さん、吉野さんの三人の収録後の感想など。三人とも干すとは無理だというお話でした。写真有り。
・サイン&コメント。皆さん、楽しいコメントでした!特に福山さんのさぶいネタが面白かったです(笑)
・収録台本からの抜粋。つぶれた白坂を黒石が自宅に連れてきた翌日の場面、二人がエレベーターに乗り合わせる場面、金崎とのケンカの場面でした。見ながら聞くとまた一入でした。

1

展開は読めても・・・がっっ!!


これは予想外・・・!と感じることなくストーリーは進行

このキャラはたぶんこうなる・・・・、
結局2人はそうなるんだろう・・・・、
と、自分予想を裏づけ確認していくもの・・・・。

んがっっ!!!(見事、裏切られました←いい意味で)

この↑がっ、に辿りつくまで予想確認の単純さ連続ってことはなかったです。
終始、主役の感情模様としっかり地に足ついて役者陣の演技力も手伝ってストーリーはすすみます。
「なぜそうなる?」「ねじこみきつい」無理くりなくヘッドホン外したくなる瞬間もなく気づけば時間たってました

やっちまえ復讐劇!
そういう感情にもなっちゃうよね~、そう主人公に同調するもよし

攻めの誠実な好意に
受けの歪みと傷が包まれていくさまに、うんうん、頷くのもよしです。

話としての要ファクターではありますが
がっっ!の真実に驚かされはしても、ストーリーの主軸では決してなかったように感じます。

自分が感じたこの作品の聞きどころは
ずっと誰かを一途に思いやり何より相手の気持ちを尊重する、
暴走して突っ走る恋情もありだけれど、忍耐・包容力ってすげー大事
(あと、思いこみって恐いから気をつけようってのも)
そんな当たり前だけどついつい忘れがちになることを思い出させてくれたところでした

森川さん、ありがとうございます。

2

安定の森川×福山、二人とも珍しい役どころ

ホストものは敬遠しがちだけど、この原作者なので聴いてみた。

不思議な空気感のCDですね。
原作未読ですが、演出のせいか、世にも奇妙な物語みたい。

受けが、自分の顔の認識があれほど現実と解離していたら、
冒頭の中傷も幻聴なのでは?この人は何を生きているの?と思わせるミステリアス風味。

低音福山。落ち着いたトーンが、覚悟を決めて生きている人の声ですね。
特に仕事中の声は抑制的で、このトーンの福山さんをもっと聴きたい。
濡れ場になると、ブリ声やショタ声ではなく、少し上擦る艶っぽさが臨場感溢れてさすがです。

森川さんは朴訥と。

腐れ外道なホスト役の吉野さんが本当に嫌な奴でさすがでした。いっそ清々しい。

中村さんも嫌な先輩ホスト役ですが、出番は少し。

話の展開は読めるけど、丁寧な演技で一気に聴ける1枚。
かなり良い出来だと思う。

安定の森川×福山。
二人とも珍しい役どころですが、これが凄くいい。

2

脇が良すぎて

原作既読。
小説原作で2枚組じゃない作品でありがちな、原作カットがこちらのCDでも発揮されております。
原作の文字量を考えるとカットせざるを得ないという事情はわかりますが、そこは脚本頑張って欲しかったというのが本音です。

キャストは豪華で、受の白坂を福山さん、攻の黒石を森川さんが演じてらっしゃるのですが、個人的にもの凄く惹きつけられたのが、脇で出てくる金崎役の吉野さんでした。
チンピラホスト役なんですが、あまりの嵌りっぷりに正直主役2人が霞む勢い……。
ものっそ嫌な奴ぶりを遺憾なく発揮され、こいつ腹立つ! と聴いてる方に思わせてくれることが嬉しくて堪らなかったです。

肝心のメインカップルですが、始終さらっとした感じの仕上がりになってます。
原作ではもっと色々と見せ場もあり、切なく胸が痛くなるシーンが続いたりもするんですが、なんでしょう……何というか、上手く表現できないのですが、とにかくさらっとしてます。
原作がごろごろ野菜の入ったどろっとカレーだとしたら、CDの方は具が全て溶けた、さらさらな水分多めのカレーのような感じ。

福山さんも森川さんもとてもお上手で、息もぴったりなんですが、そつがなさ過ぎて印象に残らなかった。
けれど森川さんの泣き演技の所は、何だか新鮮な気がして良かったです。
雨の中で立ち尽くし声を押し殺して泣くシーンなのですが、これがもう切なくて切なくて。
そんな姿を見つめながらの福山さんの演技もきゅんとなる。
普段泣いたりしないキャラが、こうしてひとりで泣くとかって異常に萌えます。

1

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