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今、砂原ブームが来ているので、既刊本を一気買いしちゃったわけですが、実はこれを真っ先に読もうと思い、ん?ホスト物?じゃ、「夜明け~」が先の方がいいんじゃない?って思ったので順番どおりに読んで正解!番外編でした。
あの金崎くん(前作では、もっとキツネ顔の、今時よくいる自分をイケメンだと勘違いしてる系のお顔だと思っていました)が、こんな展開をしてくれるとは!津久井さんアナタは奇特な人です。ここまで猛獣な金崎をよくもまあ見放さず、飼い馴らされましたね。拍手!体中のピアスといい、無鉄砲なケンカといい、痛いことだらけのお話ですが、そこに金崎の金崎である所以があるんだなとわかりました。
子供の頃の親や先生の態度で世の中を悲観的に見ることしかできなくなり、自分すら大切に思わなくなった分傍若無人に振舞っていた金崎が、愛され愛すことにより、自分を大切に思えるようになった分臆病になる・・・それっていいことですよね。
今作もホストクラブの内面が伺え、なかなかハードな内容ですが、ハリネズミのようだった金崎が少しずつ丸くなっていく様がうれしいです。
特に最後の黒石(前作:「夜明け前には好きと言って」の主役)が経営するバー(津久井さんが内装設計した)に行こうとし、ユーターンするところで、大人になったね新二って思っちゃいました。
この作品、一言で言っちゃえば
傷だらけで、気の荒い野良猫ちゃんを拾っちゃって、その可愛さにメロメロになって、快楽で餌付けして、とうとう手懐けちゃうお話。
津久井って、相当「S」だよね。
ピアスだらけの新二、
津久井とのセックスで、ピアスをはずしたり、つけたりするシーンが切ないなぁ
体中のピアスや、透けるほどに色を抜いた金髪と、心のありようがストレートに外見に反映している新二。
ピアスをはずして、黒髪で現れた新二。
臆病でいて、飢えている新二。
かわいくって、かわいくって、しょうがない
これって確かCD化されてたと思ったら、新二はよっちんくん
脳内変換もそうだったから、アタリだったんだ。
津久井の方は上川隆也イメージで、声優さんだとゆうきゃんかなぁって思ってたら、十郎太様で予想外なアダルトボイス。
CD化の時期を考えると、納得。
十郎太様は好きだけど、祭り開催したことはなかったので、このCDはノーチェックだったよう。
今度、スピン元の「夜明けには好きと言って」の本と一緒に探してみようっと。
個人的には大好き!!
クソ真面目×愛に飢えてるホストって設定だけでも美味しいんだけど、不器用で不格好な恋愛って感じが素敵でした!ますます砂原糖子さんにハマっていきます。。。
受けの新二くんはどうしようもないクズなんです、でもそれは過去に受けた傷、虐待や避けられて苦しくて、でもそれを解消するすべさえ知らない子供、その子がそのまま大きくなった感じがしました。どこまで行っても孤独で、その孤独ゆえにだれにも頼ろうとしなくてって感じがめちゃくちゃ切なかったです。
基本攻めより受けが好きな人間なので、こういう切ない子は本気で幸せになってほしいなぁと思います。。。
ほろにがテイストの大人BL!
恋や愛に戸惑う受けがここにいますよ!!
ツンデレな受けがかわいかったです。子猫というよりも、毛並みをたたせたトラみたいな新二でしたが、ちょっとずつ心を開いて行く様子、また反抗期に戻っちゃう様子がほほえましかったです。まっすぐとした心の美しいキャラクターよりも、ちょっと性格が歪んで不器用で、上手に生きられない感じのキャラクターの方が好きです。愛されずに育ったキャラは、応援したくなります。ただ別の小説でも悪役ポジションで登場していて、嫉妬で人を傷つけるようなこともするような人間なので、性格が悪いキャラが嫌いな人には、おすすめしません。
受けを温かい心で包み込み、全てを許すような攻めは、イケメンだなあと素直に感じました。ちょっとドSなところにも、きゅんとしました。
前作があることを知らずに読み始めたので、最初はなぜこの人たちが?と思うような人物が序盤に出てきて不思議だったのですが、気付かないくらい自然だったので、本作だけ読んでも問題ないと思います。私はこの後に前作も読んでみようと思いましたが、全く違和感なく順番通りに読みたい方は本作から先に読まないようにお気を付けください。
ちなみに、この作品は受の新二がすごく好みでした。捻くれてるし気性も荒いし、とチンピラ感満載なのですが、あまりにもチンピラに寄りすぎてレアな受けだと思います。ツンデレというにはデレが少なく、しっかり成人男性として描かれているのがすごく良かったです。こういう受がHの時にトロトロになるのが最高なんですよね。砂原先生、BLの醍醐味わかってらっしゃるなぁと思います。欲を言えば完全に両想い後の濡れ場が見たかったですが、全編通して完全な両片思いなので、読了後に不完全燃焼にはならなかったです。大量のピアスを外して津久井に再調教された新二がこの先どんな風になるのか妄想するのが楽しく、自分に余裕が生まれて、他人に対して優しくなれるようになった新二を象徴するようなラストがすごく叙情的で良かったです。なんか砂原先生の作品って全てにおいてラストが本当に綺麗なんですよね。めでたしめでたしのバリエーションが豊富というか、すべて解決じゃないけど未来は明るい、と言えるような描き方に毎回感動します。
また、本作の描写で他に好きだなぁと思ったのは、津久井の「君があんまり捻くれてるから、自分に都合の悪いことは全部君の嘘に思える」というセリフですね。好き以上の告白じゃん、と思いました。このセリフが一つあるだけで、津久井は新二の意地っ張りに騙されずに二人は上手くいくんだろうなと思える。事件も色々起きますが、それ以上に総じて描写が素敵な作品だと思いました。