30年越しの告白

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作恋と罪悪

同時収録作品あいのいろ

同時収録作品きつつき、のノック

同時収録作品絵に描いたような。

同時収録作品2/3の世界

その他の収録作品

  • 恋は罪悪

あらすじ

―30年後の7月20日にこの場所で―
何度か体の関係を持ちながらも、
お互いそれ以上は踏み込めなかった学生時代。
くだらない約束を交わしたのを最後に、会う事もなく月日を重ねる。

警察署長になった飯田とマフィアの大物になった柴田。
追う者と追われる者として迎えた約束の日、2人は…。

出版社より

作品情報

作品名
恋と罪悪
著者
たうみまゆ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
ISBN
9784904101575
4

(46)

(18)

萌々

(14)

(13)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
15
得点
186
評価数
46
平均
4 / 5
神率
39.1%

レビュー投稿数15

30年越しの

前作『隅田川心中』がすごく良い作品だったので衝動買い。
さすがなウマさでしたヽ(*´Д`*)ノ
☆恋と罪悪☆
警察署長とマフィア。2人は高校生の時分おなじ空間にいた。
そんなに会話を交わしたわけではない。
声をかけられて何度か肌を交わしたこともある。
それは30年前・・・・・・
30年越しの告白。決して報われる思いではないのですが、お互いにお互いを思い追い続けるという設定が胸を打ちました。
なんだろうな~そんなに長い間思い続けるってすごいと思う。
それでいいと思える二人がなんともいえない雰囲気なのが好き。
好き・・・すき・・・スキ。30年ってながいぜぇ・・
☆きつつき、のノック☆
この作品スキです。まぁどれもスキなんですけどww
壁の薄いマンションの壁。トイレに入ると誰かがすすり泣く声が聞こえる。
何かが取り付いているのかと怯えてみれば、隣の住人だった。
それが解って行こうとなりの住人は家に押しかけてくるようになりそして・・・な感じですね。
や~・というか、カップル意外でやっていただけるとは思ってなかったんですが、切ない感じで嫌いじゃない。
思わずお隣さんの気持ちになってセンチメンタル。
テレビ番組「興味ないんだよね」で涙をこぼすシーンにジンときました。
この子に「スキ」って言われたら確実に落ちるとおもうorz
☆あいのいろ☆
藍と愛。さいしょから言葉は掛かってるんだろうな~とは思ってましたがウマ。
☆絵に描いたような☆
結局は、シンプルな答えが一番響くのですわ。
なんない作品だったような気がします。
シンプルな感じだったものの、それがいい(●´3`)~
センセイは受だといいなと思います。
☆2/3の世界☆
死エンドは。。。。切ないのであまりスキではありません。
しかし、故に良い作品には思わず涙をもっていかれてしまうわけで。
今回もそのひとつ。
愛とか恋とか・・・そんなものよりも。
同居な男の子が「いえばよかった」という表情。
これは意外でした。みんなに愛されていた。そんな堂々巡りが良い

愛とか恋とか。
まとめかた上手いです。短編が上手い作家さんって本物だって思う

3

OL (オッサン・ラブ)

隅田川心中で惚れ込み、本屋でこちらと出会い買うしかないと思いました!

 恋と罪悪
表題作。真面目な飯田と自由な柴田。別れる度に「じゃあな」と言っていた飯田とそれに一度もこたえられなかった飯田の今の関係は警察署長とマフィア…これだけ見たら切なく叶わぬ恋ですが切ないだけじゃないのがたうみさんの魅力です。
30年越しにやっとこたえられ、抱き締め返せたさわやかな甘さ。単純には行かないけど今更何十年かかろうとこの二人なら大丈夫だと思います(笑)

 あいのいろ
トウジが静かに一途にハルをあいする姿がもどかしくてもどかしくて…そしてあいであいを伝える、何とも粋な。
あと終盤の顔を寄せ合う場面にもうやられました。ちなみに柳梅のヘラヘラ感が大好きです。

 きつつきのノック(前・後)
二話編成、トイレで泣き声が聞こえたのがすべての始まり。関わらない、干渉しない、そうして自分を守ってきた桂がいろいろな「音」を感じていく。
面倒なくらい不器用で弱い桂の心、樋口の"きつつきのノック"で開くことは出来たのでしょうか。
ほのかな見どころ:なでギャラのあずさナナトがちょろっと出てくるんですよ!

 絵に描いたような。
これはいい生徒×先生。意外と余裕のない先生、余裕しゃくしゃくな生徒が好きな人は見たらいいと思います。見てください。
さらっと甘酸っぱい感じ。たうみさんも書いてますが、確かに青春くさい!笑
二人もいいんですが、何より佐藤先生が名脇役すぎます。たうみさんの描く女性はみんなが好きになる!

 2/3の世界
伝えられなかった三人の言葉。残された二人がそれぞれの後悔を口にするページで涙が止まらなくなりました。
ある一人に想われていた、そして想っていた二人が柔らかに関わっていく。ハッピーエンドとは言えないですが、喪失感だけではありません。

 恋は罪悪
「恋と罪悪」の続き、書き下ろしです!
やっぱりたうみさんの描く女性はみんながry
恋と罪悪は追う側、こちらは追われる側。このオッサンたち可愛すぎて悶えました。四つ葉は柴田と飯田のモチーフです確定です。

やっぱりたうみさんは切なさもコミカルも甘さも葛藤も綺麗にはめ込んで一つの感情だけじゃ足りないような動悸が忙しくなる作品を描かれます。
甘すぎず辛すぎず暑すぎず寒すぎず…程よいこころが欲しい時にぴったりです。

2

所々出てくる漱石のリフレインが素敵

何度読み返しても大好きな作品集。
表題は特に最高です。
漱石の言葉を上手く活かしていて、さらっと使うのがすごく上手いです。エロは求めていませんしなくて良く、人間を描いてくださる作者様です。
全作品とても好きです。

1

四葉のクローバーと「逃げ水」のような恋

事情で追っても捉えられない相手、心の中でくすぶる消せない想い、
心理攻めの切ないお話が上手な作家だと思います。

「恋の罪悪」
優等生のクラス委員・飯田とヤクザの息子・柴田が恋をする。
柴田が退学になって別れる日に、タイムカプセルを二人で埋める
飯田は、警察官。柴田は国際手配のマフィアになっていた。
柴田は30年前の約束を果たしに来日。
柴田の宝物は、飯田の本・・夏目漱石「こころ」の「あなたは本当に真面目ですか?」の所・・に挟んでいた四葉のクローバーのしおりだった。
「本当に好きだった」と言って去る後ろ姿を見送る飯田。・・柴田の「じゃあな」に飯田が初めて応える「今度は絶対に捕まえてやる」

「恋は罪悪」
見合いを勧められている元委員長・飯田は警察署署長。
柴田は、有名な中国マフィアの大物幹部になっていた。
飯田が見合い相手から「あなたは仕事と結婚している」と縁談を断られた時、柴田から「四葉のクローバー」を乗せたデザートが贈られる。
柴田が報告を受けて言う。「四葉の男を待っている。何十年、なん百年経っても」
・・・二人とも、可愛そう。いつ成就するんだろう?

---
恋と罪悪 ★
あいのいろ
きつつき、のノック 前
々 後
絵に描いたような
2/3の世界
恋は罪悪 ★
---

★四葉のクローバーの花言葉:
幸福・約束・「私のものになって」
それぞれの葉に「Fame(名声)」「Wealth(富)」「Glorious Health(健康)」「Faithful Lover(誠実な愛)」の意味が込められ、4枚すべてそろって「True Love(真実の愛)」を表す

0

静かに熱い

「傘を持て」でたうみさんを知り、東京漫画社の2冊(本作と「隅田川心中」)でさらに好きになりました。
これら3冊に共通している静かに熱い空気感、とても好みです。


「恋と罪悪」「恋は罪悪」
夏目漱石著「こころ」
──『あなたは本当に真面目なんですか』
先生とKと私って登場人物しか覚えてなくて、読後思わず青空文庫からダウンロードしましたよ。学生時代に読むのと今読むのとでは襲いかかってくる重みが違いますね…ちょっと引きずってます。
それはさておき、内容ですが。
元同級生同士の30年越しの追いかけっこ愛!
真面目な学生だった〔飯田〕は警察署長に、不真面目だった〔柴田〕はマフィアのボスに。
真面目な飯田が柴田にだけ見せる不真面目さ、不真面目な柴田が飯田にだけ見せる真面目さ、これぞギャップ萌え、巧い…巧いよたうみさん…短いストーリーの中でまんまと掴まれました。
描き下ろしの方では、2人は会えてすらいないというのに萌えが止まらない…!
お見事です!

「あいのいろ」
これはまた粋な。
浮世絵、絵師と、彫り師と、刷り師の物語。
トウジ(刷り師)の内にこもっている熱、これは「傘を持て」の畑中に近いものを感じます。
オチのベタさも含めて好きな1編。
そして、キャラデザを大きく変えずして時代に合わせた雰囲気を作り出すところが巧いのも、私がたうみさんを好きだなぁと思う理由のひとつ。なかなか難しいことだと思うんだ。

「きつつき、のノック」(全2話)
他人と関わらなければ、腹を立ることも、キズつくことも、キズつけることも、失望することも、全てしなくて済む。
自分が傷付きたくなくて、自分を守るために他人との間に分厚い壁をつくって生きる主人公の「壁」が壊されるお話。
壁を壊す破壊音は、『大人になってから聞いた一番「優しい音」』
おま俺な主人公の心の中は私にとって透けて見えやすく、ストレートにグッときました。

「絵に描いたような」
この短編集の中で一番BLらしい萌えが詰まっているかな?
美大推薦を目指す生徒と、彼にデッサンモデルを頼まれた先生のお話。
これもひとつ前の「きつつき、のノック」と似た、他人に関心を持たず冷めた生き方をしている主人公の心が少しずつ熱を帯びていくのがいい。

「2/3の世界」
1人の人物を介して、2人の人物が巡り会うお話。
これ好きだなぁ!
ちょっと悲しかったけど、途切れたところには何かが繋がるべくして繋がって、世界は途切れることなくぐるぐると巡り巡ってゆくんだっていう、そんな「縁」の美しさみたいなものが切なくも素敵な短編として描かれていました。


お話ひとつひとつに何かしら残るものがある短編集でした。
繰り返しになるけど、漂う空気感がやっぱり好み。
単館でひっそり上映される良作映画のような、地味だけど味わい深い作風の作家様だなぁと思います。

【電子】ひかりTVブック版:修正-、カバー下○、裏表紙×

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP