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表題作素晴らしきこのクソ世界

橘ヨウジ,α,元リーマンのヤクザ
五嶋八代,β,満島組の若頭

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

サラリーマンからヤクザに転身したαの橘は、βの若頭の五嶋の下で共にΩ風俗のケツ持ちをしている。実は、橘は五嶋を密かに監視するよう命じられていたのだった。βで若頭に登り詰めた五嶋の知られざる秘密とはーー!?

作品情報

作品名
素晴らしきこのクソ世界
著者
たうみまゆ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
秋田書店
レーベル
プリンセス・コミックスDX カチCOMI
発売日
電子発売日
ISBN
9784253154987
4.3

(64)

(33)

萌々

(20)

(9)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
11
得点
274
評価数
64
平均
4.3 / 5
神率
51.6%

レビュー投稿数11

オメガバ×裏社会に見る正解

あくまで個人的な意見を申しますと、オメガバ作品はあまり得意ではありません。産まれ持った能力差による階級差別のある世界をエンタメとして求めていないのと、その世界そのものに萌えを感じないからです。
でも、そんなオメガバの世界にさらに裏社会という設定が混じると、こんなにシニカルながらも強いメッセージを発する作品になるのか…と目から鱗でした。

「人間がこんな 生まれながらに身分階級がない生き物やったら こんな理不尽な世界やなかったんちゃうかと 思う時がある」

この作中のセリフがそのまま現実社会への訓戒のように思えてとても印象的でした。
この現実の社会ではオメガバの世界ほど明確な産まれながらの身分階級差はない筈なのに、これほど人種差別、性差別、あらゆるマイノリティ差別が起こっているのはなぜなんだろうと考えさせられます。作中での五嶋の葛藤は、現実世界で今まさに起きている差別問題に置き換えても考えられる…。

商業BL、オメガバと言う設定、さらには1冊完結作品内で、こんなにも風刺の効いた濃厚なストーリーが表現出来るのはお見事です!

完成度が高いだけに、関西弁監修はされているのか、ネイティブ関西弁の方が見たらどう思うかは、ほんの少し気になるところではありますが、その他にもオリジナリティある設定のレイコさんと言うサブキャラクター、和彫×和彫という性癖を刺激する色気ある絡み、物語のキーとなる組長のお話、そして何よりも、最高のラストシーン!オチが秀逸な作品が大好物なので、久々にわぁ!と声が出てしまうぐらい良いラストでした!

たうみ先生だからこそ描ける、オメガバ×裏社会という濃厚異色ミックスの今作に対してこの意見を抱くのも変な話ですが、個人的にはこれ以上真っ当なオメガバ作品は無いんじゃないかな…とさえ感じる素晴らしい作品だと思いました!

13

面白い

オメガバース物は数々あれど、よくぞこんな設定を思いつかれたと本当に感服しました。最初の方はパッとしない感じの橘さんですが、読み終わる頃には「この人、男前だなー」と思うようになります。ストーリー重視の方に特におすすめです。

6

任侠BLの頂上作品

オメガバースとヤクザ屋さんに辟易してたのに、おじさん受けという情報を小耳に挟み秒でポチリました。おじさん受けを渇望しているんです。

今作は他の任侠BLとは一線を画すとてもリアリティを感じる世界観だと思いました。

私は海外ドラマが大好きなんですが、海外ドラマで弁護士とプロファイラーの仕事を学んだような気になり、BLではヤクザを学び(んだような気になり)ました。
こんなにBLと裏社会の相性が良く、ジャンルと言って良い程作品が充実しているなんて、商業BLって何なんですか一体!

辟易と冒頭に書きましたが、今作を読んで反省しました。この組み合わせまだ無限の可能性がありますね。

橘と五嶋、まずこの名前が格好いい。
橘は元営業マンのヤクザ屋家業入ったばかりの三下です。
橘は年下ワンコ攻めのくせに豪胆さや非常さも持ち合わせており営業マンとしてもヤクザとしても仕事ができるのですが、結局のことろ、ビジネスに非情な面があり極道に仁義があるからなのでしょうか。
結局できる人間というのはどこの世界線ででもできる奴なのか‥そして「この素晴らしいクソ世界」というのはシャバの事ですかかそれともヤクザの世界ですか。

この世の何処へいってもクソなら、惚れた男と添い遂げましょうという橘がカッコ良すぎます。
五嶋もまた格好いい。五嶋は橘によって自分が暴かれ滅びるかもしれないことを覚悟して側に置いていて、クールでどこか投げやりです。
橘に好かれている事もわかってて、時折からかうところが大人の恋って感じ!知らんけど!

最後の一コマで萌えが尽きて灰になるという本当にストーリーが最高です。

からの特典も良くて‥
1冊で大満足できます。
めちゃくちゃオススメです!

半グレビジネスやフロント企業についても解りやすく描かれており、一体何を信じてサービスを受ければ良いのかわからなくなります。

今作ですっかりたうみ先生のファンとなり、他の作品も読みましたが、小学校低学年のうちから父親から任侠映画を与えられて育ち途中で腐ったと後書きに書いてあり、
天才の英才教育を受けてお育ちになられたんだなと思いました。

【脈絡ないですが追記】再読しましたが1話目の牛丼屋行くまでの件が本当に素晴らしいですよね‥。
αでも営業でドベとでたことあります。関係あらへん。という橘につい「お前のそういうとこ好きだよ」という五嶋の気持ちがわかる。フェアな精神を持ってるって事ですよね?からの全部の歯ァ抜くの面倒臭いという非常さ(笑)そして牛丼屋でレーコさんと五嶋の間に座る橘‥あんたは最高

4

自分らしく生きるために…

オメガバース×ヤクザという異色の組み合わせが最高にかっこよかった!
格差、性差、階級差……差別に溢れたオメガバースの世界。
その世界に一石を投じる「反社」としてヤクザが描かれてるんです。
いやー、めっちゃ痺れた♡


βから若頭にまで成り上がった五嶋の下で働く、元リーマンαの橘。
風俗のケツ持ちをする中、Ωをターゲットとした粗悪な薬物が横行していることが分かってきます。
薬物嫌いな五嶋の指示で調べを続ける橘でしたが、実は橘には別の使命があり……と、展開。

五嶋がとってもセクシー♡
弱者に優しく、頭が切れる魅力的な男として描かれています。
その五嶋を秘密裏に見張っている橘。
そして、五嶋には大きな秘密があり……

ハードな世界観の中に潜む優しさや愛が良かったです。
性差や階級差なんかより、仁義と忠義に基付く信頼関係が勝る任侠の世界に魅せられました。

「お前には〝嗅ぎ付けられる〟と思ってたよ」

五嶋の秘密と橘の想い──
惚れた男を守ろうとする番犬・橘が、カタギからどっぷりヤクザの世界に浸っていく姿にもグッときました。

薬物横行の黒幕は?
二人の恋路は?

ミステリアスな五嶋が橘によって性を解放していくところは妖艶で、オス同士のやり取りがかっこよかったです!
刺青も好き♡

〝才気があれば誰でものし上がれる〟というオメガバースにおける理想を、ヤクザの世界として描いているところがすごく面白いと思います。
恋愛だけに焦点を当てない、深い人間ドラマに魅了されました。
女性αのレーコと組長がこれまたかっこ良かった♡
意外な展開のラストもほっこり出来て良かったです。

7

信念を持つ男たちのカッコよさよ

たうみ先生のオメガバースもの、×ヤクザ。いや、これ面白くないわけないよね?ということで発売を心待ちにしていました。

ダークで、シリアスな描写はてんこ盛り。
このダークさの中に、萌えが滾るってどういうこと?めっちゃ良かった…。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





主人公はヤクザの橘。
大企業の子息で、αで、明るい未来しかなかった彼だけれど、とある事情から彼はヤクザへ転身することに。
現在彼は満島組の若頭である五嶋と共にΩ専門の風俗でケツ持ちをしている。

が、実は橘は五嶋の監視として送り込まれたスパイで―。

というお話。

ストーリー展開が実に秀逸です。

橘がヤクザに転身した理由。
五嶋を監視することになった経緯。
そして、五嶋の監視「される」ことになった、その理由。

少しずつ真相に迫っていき、さらにそこから二転三転するストーリー。グイグイと、この作品の持つ世界観に引きずり込まれていきます。

ストーリーも面白いのですが、とにかく登場人物たちたちがカッコいいの。

駆け引き、裏切り、本質を見抜く力。
敵か味方か。
何を信じればいいのか。

そのバランスが絶妙なんですよね。今作品は攻めである橘視点で進んでいきますが、彼の目を通して見えてくる「五嶋」という男性のなんとカッコいいことか。己の力だけで、信念を持ち裏社会を駆け抜けて生きてきた五嶋に、悶絶しっぱなしでした。

今作品はバックボーンがヤクザの世界なので、痛いシーンがてんこ盛り。
その闇の部分に、五嶋は自分の信念で切り込んでいく。

序盤掴みどころのなかった橘が、五嶋と出会い、そして彼自身逞しくなっていく様も非常に良かった。

で、この結末。
もう何よ、このハートフルな感じ。

幸せになりやがれ!

と、心の底からエールを送りたいです。

あ、あとこれだけは言いたい。

レーコさんがカッコよすぎて惚れました☆

7

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