谷崎泉×高座朗が贈る、泣けない大人たちのアダルト・ラブ第2弾!

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表題作好きになるということ

灰田織永,31歳,受けの事務所に就職希望 
丹野壱,30歳,デザイン事務所所長 

あらすじ

一度は体を重ねたものの過去亡くした恋人の事が忘れられない壱は、未だ灰田の想いを受け入れられずにいた。しかし切ないほど純粋に壱を求める灰田の姿を見ているうち、自分の中に芽生えた新たな感情に気付いてーー?
出版社より

作品情報

作品名
好きになるということ
著者
谷崎泉 
イラスト
高座朗 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
シリーズ
愛するということ
発売日
ISBN
9784044544034
3.4

(15)

(5)

萌々

(0)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
50
評価数
15
平均
3.4 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数4

泣き虫王子と泣けない従僕

前作「愛するということ」の続編になります。
「愛する~」の終わりが完全に二人が恋人になったわけでもなく、これからですよ、みたいな終わり方だったので、今回で二人はいよいよ恋人になるのか?と思いきや・・・
どうもまだまだのようで、多分まだ続きそうです。
谷崎さん!いっつもこの手だよ~ルビー文庫!!と叫んでしまう。

壱の側にいたいからと、今まで築いた全ての名誉を捨てて丹野事務所に来たはずの灰田は一カ月連絡もなく行方不明。
その始まりに、まず疑問。
灰田、何で一から出直す為に全てを清算するからと何の連絡もしないんだ?
だから壱も、もう灰田が帰ってこなければいいって思っちゃうんですよ。
だって変に期待すると、もしものことがあった時の落胆が大きいことは、恋人を失くして5年経ってもまだ引きずっているくらい、壱の愛は強いんですものね。
しかし、折しも事務所は大きなプロジェックトの契約を結ぶために超忙しくて猫の手もかりたいほどの状況だったので、いきなり帰ってきた灰田を歓迎する仲間達。
灰田は壱と同じマンションの上の階に居を決めて、壱の面倒を、会社の雑務をてきぱきとこなしていくのですが、壱をそっと見守るだけで積極的に近寄っていこうとはしないんです。
灰田が来て随分仕事が助かるスタッフ達ですが、紅一点の綾子は複雑だったんですね。
実は壱が昔から好きで、むくわれないって知っていたけど、その才能と人間が好きだから、生活能力の全くない脆い部分のある壱を、恋人音羽の存在が大きすぎたから、彼がいなくなった今は自分が支えてあげなくてはって思っていたからなんです。
それらの話を聞いた灰田は心が苦しくなるのですが、それが「泣く」という感情表現に繋がる痛みだって初めて知るんです。
灰田は悲しくて泣くという経験を今までしたことがなかったのですよ。
壱は泣き虫ですから、真逆ですよね。
その灰田の気持ちを見破った壱。
少しだけ二人の距離が近づいたようですが、まだまだ恋人と呼べる関係ではありません。
まだ壱が灰田をどうしても手放したくない大事な人とは思えてないのですから。
灰田はちゃんと「好きだ」って改めて言ってます。

ということで、まだまだこれからの二人、一体どうやって恋人になるんでしょうね~
今回は割と灰田目線で話が進むので淡々とした流れでしたが、それにしても灰田の気持ちがあまり明らかにならないのですよね。
そんなじれったさもありながら、次を待ってしまう自分なのです。


1

まだ片想い?

『愛するということ』の続編になりますが、
まだ想いを通じ合わせられないもどかしさで
前作以上に切なさ溢れています。
特に今作では、自分の気持ちを無理矢理押し付けたりせず、
一途に壱を想い続けている灰田の心境がメインに語られているので、
壱の厳しい態度やセリフにこっちまでつらくなってしまいました。
でも、やっぱり前作よりは少しは2人の距離が近付いたかな?

事務所を経営するデザイナーの丹野壱が出会った灰田という男は、
様々な理由から大企業の社長職を辞め、壱の事務所で働くことになった。
けれど、数週間も音信普通の状態が続いており、
徐々に不信感を募らせていた矢先、やっと灰田が事務所に現れる。
ホテル住まいから壱のマンションへと引越ししていた灰田に驚くものの、
彼の部屋で手料理をごちそうになったり、穏やかな時を過ごす壱。
それでも灰田の気持ちには答えられないと痛感した壱は
「現われて欲しくなかった」と告げてしまう。

壱の仕事上のパートナーの綾子の気持ちも明らかになり、
壱・灰田・綾子がそれぞれ切ない想いに苦しんでいる。
タイトルの『好きになるということ』とはこの3人に向けられた
テーマであり、読んでいる時より読み終わった時の方が
タイトルの意味に改めてじわ~っと切なくなりました。

灰田はひたすら一途に想い続け、壱に昔の相手のことが忘れられず
他の誰かに恋することはないとまで断言されている状況。
久しぶりに攻に感情移入して応援したくなりました。
前作よりも彼ら3人の心情を丁寧に描いてあり、
何気ない会話に悲しくなったり、うれしくなったり...

でも、今回もっともつらい役どころは間違いなく綾子でした。
こんなイイ女、一生壱の子守り役なんてもったいない!
子守りは灰田にまかせりゃいいんだよ!
あの人、壱の世話することが生きがいなんだからww
ってぐらい、とことん尽くしてます、日常生活でもベッドでも★
イイ男(攻)がキレイめ態度Lの受に尽くしてる姿ほど
おいしいものはないんじゃないかとつくづく思いました♪

しかし、サザエさんなみに食べてるシーン多かったなぁ~
アイスに焼肉にデパ地下食材...
読んでてお腹すいてきちゃいましたww
次巻では食事シーンを減らしてラブラブ増やして欲しいなぁ~
今のところ続編は出てなさそうなんですが、
いつか灰田さんの想いが報われますように...

1

続きが読みたい!

 デザイナーの壱は自身の事務所の規模に合わない大きな案件を抱えて四苦八苦していた。
 ただでさえ、書類仕事は苦手で大学の同級生である綾子に任せきりなのだが、その綾子が音を上げるくらいの書類の量が積みあがり、いよいよ限界かと思われるような状況になりつつあった。
 頼みの綱は、「お前の傍にいたい」ただそれだけの理由で、壱のやっているデザイン事務所に、いくつもある会社の役員職を辞め、押しかけてきた灰田。
 ところが、それを壱が「OK」した瞬間に灰田は姿をくらましてしまった。

 怒る壱は戻ってきても「絶対雇ってやるもんか!」と思うものの、戻ってきた灰田は驚くほど簡単に事務所になじんでしまう。
 それどころか、その有能さをいかんなく発揮し、壱なんかが手も足も出なかった書類仕事をあっという間に片付けてしまう。

 けれど壱は、亡き恋人と同じ声を持つ灰田のことを完全には受け入れられずにいた。
 手を伸ばせば届くところにいながら、縮まらない距離。
 そんな状況でいつも余裕のある表情を浮かべていたけれど、ひょんなことから、壱は灰田が泣きたくても泣けないのだということに気がついてしまう。
 そんな灰田の姿を今の恋人と出会う前のかつての自分と重ねあわせてしまい……

 という感じで終わりました。
 結局のところ、少し、壱が灰田に抱く気持ちは動いたけれど、大きな変化はなく。
 ラブラブには程遠い……これなら一冊目の終わりの方がまだラブラブだったような気が……。
 これって絶対この続きが更にありますよね……?
 会ってほしいなー。
 最後、契約のためにアメリカに行った壱がどういう気持ちで帰ってくるのか、離れている間にどういう気分になるのか――。
 すごく楽しみです。

 これは続きを楽しみにして、次の話が読みたくなる話なので、後覚悟を。

1

まだ終わらなかった…

『愛するということ』続編。

灰田が壱のもとで働き出すところから始まります。
ぶっちゃけてしまうと、二人、全然進展しませんでした。
なんとなぁーーーーくそんな気がしていましたが、やっぱり続くのか…。

前作でなぜ壱が必死にエリエゼルホテルの仕事を取りたがっていたのかが明らかになりました。
そして、灰田がエリエゼルホテルの仕事に関わりたかったのかも。

羽田が昔の俺みたいだ、と壱が言っているのが気になりました。
つまりは、壱も音羽に最初から受け入れてもらったわけではなかったのか、と。

前作も今作も、音羽の存在が大きすぎて、苦しい。
音羽がもうこの世にいないからこそ、張り合うことも超えることも難しいんですよね。
そして忘れることも。

壱がNYに行くところでこのお話は終わっています。
今後、二人はどうなっていくのか。
このお話はどこまで続くのか。

最後まで付き合いたいと思います。

0

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