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魚谷さんといえば、以前「華族花嫁」という作品がありましたが、同じ「花嫁」でも先の作品とはまったく違うテイストの花嫁です。
まず花嫁衣装は無いです。女装も無し。そういう「花嫁」を期待して今作を読むとちょっとがっかりするかも?
出会いは夜の公園。たまたま獣医の菅野が愛犬の散歩中に、というのはあらすじ通りなので割愛しますが、この松浦という大学生、完全にちょっとおかしな人です。(失礼ながらそれ以外言いようが無い)
怪我の手当をしてくれた菅野に一目惚れしてしまい「運命の人だ」と言って強引に居候までこぎ着けてしまいます。流される菅野も、年上なのに頼りなさ過ぎます。
でも、そんな流され体質だからこその展開。松浦の奇怪な言動も、読み進めて行くうちに慣れて行って最後はまあ可愛いワンコだな、くらいの感想に落ち着きました。
一貫して菅野を大好きな松浦に対して、菅野の方は最初こそ松浦にドン引きながら徐々に惹かれて行くわけですが、流されてエッチまでしちゃう割に気持ちはなかなか定まらず最後までフラフラしていた印象。優しいというよりは優柔不断なタイプじゃないかと。
ところでタイトルの「花嫁はペットドクター」。最初目が滑って「花嫁はペット」だと思い込んでいて、調教的な何かを想像していました。まったくそんな内容ではありませんでした(笑)
ただ、ペットドクターのお相手がワンコというのはちょっとしたロジックなのかな、と勝手に想像してます。
年下攻め、受けとの年齢差はおよそ10歳ほど。
獣医・菅野は父親と喧嘩した挙句に家出してきたという大学生・松浦を放っておけずに、自宅へ連れ帰ることとなった。
訳ありの家出人を連れてきたのはいいが、拾ってきた犬に懐かれるが如くの一目ぼれをされ、心を鬼にして叩き出す事が出来ない菅野。
そんな松浦、まるでワンコみたいに懐に飛び込むのが上手いな~と思いつつ、菅野に対して大人の好意と放っておけない責任感を解っていて、わざとずれているフリをしているのかとも疑ってしまった。
しかし、菅野の手伝いを通じて動物病院に通うワンコの為に何とかしてやりたいと奮起する姿にはほのぼのして、やるときゃやるぜっ!!って面も見せてくれる。
動物病院が舞台ってのもあるが、私自身犬好きってのもあり作中にワンコが出てくると何だか和むな~。
…のはいいけれど、最後まで年下攻め・松浦のワンコ度が目立った印象の一冊だったかも。
大人受けの菅野はお人好しで流されやすい性格が滲み出たままの、押しの弱いままで終わったかな。