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全部で4つの短編が収録されているのですが、そのうちの3作品になんらかの形で水が使われていて、その印象が読後にも残りました。
その作品は表題作、「海を抱く」と「凍える唇」なんですが、雨であったり海だったり雪だったりと色々な形で使われています。
主人公達は一番若いキャラで20才なので、どの作品にも大人な雰囲気が感じられます。
中には少し展開が急な感じがする作品もあったのですが、お話の筋としては通っていると感じました。
やっぱりこの作家さんの作品にはどこか切なかったり暗いところが感じられるのですが、それを乗り越えていく主人公達を見るのは好きかなと思います。
4つのお話が入った短編集です。どのお話も切ないけど、全てハッピーエンドなので、読後は胸がホッコリします。
好きだったのは、『海を抱く』です。
10年前まで近所に住んでいた野地と雅春。野地が引っ越しても、雅春との交流は途絶えなくて。
そして、クリスマスにやって来た雅春は、あいつと同じ匂いをさせていたのです。よみがえる、あの日の嫌な記憶…。
野地の昔の辛い過去は、読んでて胸が苦しくなります。
それを知らずに、野地に好かれようとしたことで、野地を傷つけたことを知った雅春の切なさにも。雪が降ってるのに、匂いを消そうと海に飛び込んだ雅春にキュンとなります。
この二人には、10年前の約束を叶えて、幸せになってほしいと思います。
最後の描き下ろしでは、それぞれのカップルがリンクして登場しています。どのカップルも幸せな様子が見れて、幸せな気持ちになれます。
いくつかの作品がはいっていました
作品のテーマとか話の内容としては嫌いな部類ではなく
どちらかと言えば切ない感じで
好きな方ではありましたが
話の展開が急にやってくるような
急ぎ足の感じがしました
その急ぎ気味な展開に
感情がついていかず
終わったんだとしか
受け止められなかったです
雨の日にしかみかけないのは
晴れている日はバイクで彼氏に送ってもらっているから
というのは、すごく良い話だなと
思いましたし
他にも、なるほどなというくっつけは
あったので、他の作品を知りたくなりました
4つのストーリーが入ったコミックス。
「濡れたシャツを脱いで」
雨の日に偶然出会ったカイと君島。
君島の性癖を見抜いたカイは強引にベッドへと誘い、そんな関係を続けることになるのだが…。
見えている部分と見えていない部分と。
真実はどこにあるのか。
いつから始っていたのか。
ちょっとカイの心情がわかりづらいかなーとも思ったりもしましたが…。
「海を抱く」
幼い頃、近所にいた少年・雅春は毎年のようにクリスマスには野地の前に現れるようになって。
今年も現れた雅春だが、雅春はあの男の匂いを漂わせていて…。
なかなか梅太郎さんらしい昏い過去のあるお話でした。
素直に男の言葉を信じて片想いしていたような雅春。
けれど、野地が告げた真実はそんなやさしいものじゃなくて。
少しでも野地の好みに近付きたいとやったことは裏目にしかならなくて。
思い違いがどこか野地を傷付けているようであって。
でも、野地自身はそんな中でも感じた自分を恨めしく思っているようでもあって。
コレ、今回の本の中では一番好きです。
「夢をみる病」
姉の夫になった義理の兄・草介に恋する仁太は自分の想いは病気だと思っている。
叶わない現実から逃げるように夢想する世界で幸せな時間を築くのだが…。
義兄に恋する自分を病気と捉えているところがなんだかせつなく感じられました。
手を伸ばして現実に触れれば幻想世界さえ壊してしまうことになるとわかっていて。
触れないように、壊さないように。
そう思っていたのに、つい「一度だけ…」と手を伸ばしてしまう。
梅太郎さんの描かれる攻にしてはちょっと不思議な感じの攻でした。
「凍える唇」
高校時代、一緒に雪山に登った計と景。
遭難しそうになり肌を温め合ったことは2人だけの秘密。
そう約束して忘れるべきなのに計は何かと自分だけが意識してるように感じられて。
8年ぶりに再会して…。
計が自分でちゃんと結論を出すまで待った景。
計の性格を知っていて。
だからこそ、強引に欲しがらなかった景。
その想いがなかなかステキでした。
「ある日の風景」
描き下ろし。
この本に収録されてる4作がリンクしてます。
が、最初、仁太気付きませんでした!
ピン止めしててかわいい感じだったのでフツーに女子の歯科助手だと思ったよ(苦笑)
帯『抱きたい。』
ほぼ同じ位のボリュームの短編が4作収録された短編集。
どの話も梅太郎さんらしさがよく出ていて、好きな方なら楽しめる筈。
登場人物には痛さを抱えた人物も出てくるのだけれど、それも梅太郎さんの持ち味でそれをストーリーに変換させている所がやっぱ好き。
多少、強引に感情が進んで行っても唐突感が無いのは、おそらく自分が梅太郎さん作品の波長というか感性が好きだからだと思います。
タイトルの付け方もなかなか秀逸。
そして作品内に出てくるモチーフや台詞、例えば冬の海だったり香水だったり水族館であったり、雪女という単語であったり。
作家買いをしている作家の一人です。
最後の登場人物勢揃いのオマケ漫画が楽しい!こういうオマケは嬉しいものですなー
ニヤニヤしちゃいましたですよん