胸の中で想うだけだと誓うから――好きになってもいいですか?

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表題作どこにでもある恋の話

日吉慶太,秀夜の教育実習の担当教員
宮木秀夜,教育実習中の教育学部三年生

その他の収録作品

  • むすばれる恋の話
  • はぐくまれる恋の話
  • あとがき

あらすじ

心に秘密を抱える秀夜が出逢った行きずりの男・日吉。一夜、抱いてほしいと迫るが、窘められ断られてしまった。これきり逢うこともない…そう思っていた秀夜だが、翌日教育実習先に指導教官として現れたのは日吉で──!?
(出版社より)

作品情報

作品名
どこにでもある恋の話
著者
柊平ハルモ 
イラスト
宝井理人 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
ISBN
9784896017724
3

(6)

(0)

萌々

(2)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
16
評価数
6
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

過去のトラウマ

話がとにかく今まで読んだがありませんでした。
教育実習生の秀夜と教師の日吉の話です。
秀夜は過去の親に従弟との行為を家族に見られてしまい、一族から非難の目で見られて以降トラウマになってしまいます。
私はここまで同性愛者な自分は気持ち悪い、汚い、など重い話を読んだことがなかったので癖になりました笑い
普通に同性を好きになり周りの目はあまり気にしないオープンな作品が最近多いのですごく刺激的でした。
現実にあったらここまでトラウマになってしまいそうな、本の中の話ですがリアルを求めている私にはピッタリな一冊でした。

0

トラウマを乗り越えて、自分の性癖を認める

作者さんお休み後の二年ぶりの作品。
トラウマを抱えた後ろ向き健気受けの教育実習生が主人公。
一方、お相手は学校の先生で、静かに優しく、しみじみとしみわたるように展開し、そのトラウマを乗り越えていくといったお話。

同じ過ちを犯したのに、従兄弟の奈々生は罪を被り家を出て音信不通に。
一方の秀夜は、親に逆らうこともできず、奈々生を亡くしたことを心の傷に持ち、自分の殻に閉じこもり亡くなった奈々生の振りをすることで、それによって彼を知ろうとしている。
そんな時、奈々生と勘違いして声を掛けてきた男性が日吉でした。
その時はそれきりだったのに、教育実習に出向いた先に指導教師として彼と再会するのでした。

自分の性癖をはっきりと認識することも怖くて、自分らしくあることができない秀夜ですが、決してウジウジした性格ではありません。
ネガティブで、出来るだけ人と関わらないように注意し、しかし、それが却って人には優しさと勘違いされて慕われてしまう、そんな性格。
自分がわからないのは、恐ろしい程にマイノリティを犯罪ででもあるかのようにきめつける、教師である親からの刷り込みのせいでもあります。
なのにマイノリティ性癖を持つ日吉は、教師らしく秀夜を見守るように、ズケズケと彼の心に踏み入ることはしません。
だから、秀夜は日吉の優しさに惹かれていくのですね。
彼から貰う言葉によって、態度によって、彼を好きと思うのに、日吉は奈々生が好きだと思い込んでいるからその心をしまいこんでしまう。
奈々生の死も知らず、気楽な関係だったと、すぐに気が付いてもよさそうなものなのに、恋愛をしたこともない、人と心を触れあわせることをしてこなかった秀夜は、それがわからずに遠回りしてしまう。
でも、その時間は、秀夜が奈々生へのトラウマを乗り越えるのに必要な時間になるのに充分必要だったんだな~と思うのです。
日吉は根っから教師だな、と思いました。
我慢強かったから。

じっくり、じわじわなお話ですが、後半2編でクリスマスに初体験するお話など、かなり甘くイチャイチャした関係を見ることができます。

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自分を見失っても

今回は受様の教育実習の担当になった教員と
付属小学校で教育実習をする教育学部三年生のお話です。

攻様との出会いから受様が過去を克服して
攻様との恋をして結ばれるまでになります。

受様は教員一族の中に生まれ、
ほとんど選択の余地なく教育学部に進学、
付属小学校での教育実習を控えた三年生です。

受様は団体行動を好まず
大学でも他人との関わりを極力さけていた為
実習自体が気が重いモノでした。

受様が他人との関わりを
極力避ける正確になったのは
ある過去の出来事が原因でした。

受様は高校生の時、
女の子と上手く付合えず年の近い従兄弟に
密かに相談を持ちかけます。

従兄弟は同性に惹かれる事もあると
女性に鈍かった受様の半身に触れて
導いてくれようとしたのですが

その場を受様の親に見られてしまい
驚愕した両親にその出来事も
それに至った受様の気持ちも否定され
全てを無かった事にされてしまいます。

両親は受様の葛藤を異常な事と全否定し
受様は自分の異常性を知られない為に
人との接触を極力抑えるように
行動するようになってしまいます。

その上、
従兄弟が事故で他界してしまった為
受様は得られなかった答えを探して
従兄弟が通っていたその手の趣味のバーで
今は亡き人の影を追う事になります。

従兄弟に似せた格好でバーに通い始めて半年、
他人の気配を生々しいと感じる受様は
誰の誘いにも応じずにいましたが

ある日
従兄弟と関係を持っていたようなのに
彼の死を知らない男に出会います。

この彼こそが今回の攻様になります♪

もしかして攻様と触れあえれば
生身の従兄弟を知る事ができるかも…

しかし攻様は
受様が従兄弟自身では無いと判ると
受様を諭して去っていきます。

不意に
彼を追いたい衝動にかられた受様ですが
攻様とは思わぬ所で再会を果たします。

なんと攻様は
受様が教育実習で配属されたクラスの
担当教員だったのです!!

個人的にも親しくなりたいと言う攻様に
最初は警戒していた受様ですが
次第に攻様に惹かれていき…

久しぶりの柊平さんの新作は
過去のトラウマから後ろ向きな受様が
大人な攻様に出会って前向きになっていく
という柊平さんお得意のお話でした♪

従兄弟との出来事を両親に否定された事で
自身の立ち位置が大きく揺らいだ受様。

攻様との出会いで少しづつ
今の自分を認める事ができるようになりますが
長らく続いた自分不信はなかなか払拭できずに
二人がまとまるまではもう一山あって
最後までドキドキ続きで面白かったです。

本編の二人はキスどまりなので
二人が結ばれるクリスマスの夜と
攻様視点での暴露話が収録されています♪

本作は特定書店で買うと
作者とレーターさんの二人のコメント付きの
書き下ろし番外編ペーパーがもらえますよ。

今回は本作同様、自分に自信の無い受様のお話で
青野ちなつさん『不遜な恋愛革命』をご紹介します。

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ちょっと無理です・・・

とにかく暗くて陰気で(キャラクターではなくトーンが。キャラクターも暗いですがそれは別にいいんです)、どうにも面白いとは思えませんでした。
『重い』『暗い』ストーリーが即ダメなんじゃないんです。どちらかというと好き要素でさえあるんですが、これは合わなかったですね。

何より、キャラクターがどちらも好きになれませんでした。秀夜(受)が特にうっとうしいですが、日吉(攻)も私は魅力を感じませんでしたね。
秀夜は、これならまだ『自虐的でぐるぐるうじうじ悩む受』の方がよっぽどいいと思いました。

柊平さんは好きなんですが、これはダメでしたね。なんというか、柊平さんの『よさ』がどこにも感じられなかったんです、私にとって。

復帰後初の新刊だったので、かなり楽しみにしていたのですが、がっかりでした。

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