ボタンを押すと即立ち読みできます!
恋の痛み 切なさ 希望 ――すべて君が教えてくれた
短編集5本。先生の初単行本ですかね。
俺と上司の〜がとてもよかったので読みました。
絵が初々しい感じ。お話も。
あとがきでめっちゃ謝ってらしてかわいらしいやらおもしろいやら笑ってしまいましたw
そして本作のタイトルのお話はないというのもおもしろい、
「流星の下で」
最初に登場した人物が誰かを好きになってくっつくものだと思っていたら、キューピッド役だった!
その彼が恋に落ちるところは、きゅんとくる瞬間がわかって萌えでした。
その彼も、巻末の描き下ろしでどうやら新しい恋?に出会ったようでよかったよかった。
「あこがれレストラン」が好みのお話でした。
右腕になります、と言いたいのを、二の腕になります!!と真剣に言ってたとこがツボで笑ったw
・流星の下で
お互いに一切の努力をすることもなく当て馬的立場の男に結び付けてもらう話。
他の作家さんだったらこんな話はズルくて嫌いなのだけど、ナナメグリさんの作品はこの2人が善良であって幸せになるのが分かるので、いいかな?と。
・あこがれレストラン
ちょっともうwwwww爆笑しましたwwwもうww天才!?
BL作家さんとして天才なのは知ってるけど、ギャグでも天才なんですね!!もう爆笑www
サラダとかごはんとかwww腹がよじれましたww酸欠になりそうでしたwww
・オトナコドモ
俺と部下恋シリーズの原型みたいな感じ。
・片側視線
これはカバー下までがストーリーです。そこまで読んで相手がどんなキャラクターなのかわかる。
大人の恋の話ですwww
・青い恩返し
ナナメグリさん作品の中で一番ナマケモノでずるい人の話だと思いました。
あっさりし過ぎていてあまり印象に残らない話もあれば、あっさりしていてもどこか余韻を残す話もあり、どれも短くけっして濃い内容の作品ではないのですが、ナナメグリ先生の可愛らしい絵を味わうにはまあ十分な内容の短編集だったかなと思います。ただ、長編作品とオムニバス形式の作品とを比べるのはナンセンスだとは思いますが、『俺と上司の恋の話』シリーズのクオリティとは大分差があるようには感じました。
◆流星の下で
最初に収録されているこの作品が一番好きでした。大学の天文サークルで知り合う生徒の川元と事務員の黒木。黒木は学生時代からサークルの教授に片想いをしています。美しい星空を見ながら徐々に黒木に惹かれていく川元は、教授を牽制してみたところ、実は教授も黒木を想っていたことを知ります。私はそれでも川元は黒木を諦めないだろうと考えていたので、まさか彼が教授と黒木をくっつけてあげる展開になるとは思わず、びっくりしました。彼は自分の短期間の恋よりも、黒木の7年間の恋が報われる選択をしたんですね。好きな人の幸せをとった川元に感動しました。あまりこういう展開の作品は見ないので、とても良かったと思います。
◆オトナ+コドモ / 恋を語らない唇(表題作)
生徒×教師もの。ゲイだと自覚し学校に居場所がないと感じ始めた生徒の高柴。1人の先生に気にかけられ、彼にだけ打ち明けたところ、彼も同じくゲイであることを知ります。先生といる時は居心地良く感じ、彼に惹かれていく高柴ですが、先生のガードは硬い。しかし、ある日倒れた先生の元に真っ先に駆けつけてくれた高柴に、先生の気も変わります。短編なのでどうしてもトントン拍子に進む感じは否めませんが、ゲイの生徒に居場所を与えてくれたり、生徒と同じ目線に立ってくれたりする先生が素敵だなと思いました。
ナナメグリさんの作品って、別の作品でも思ったのですけど、なんだか危うい。こう細いバーの上でギリギリのバランスを取ってるみたいな感じがするんです。
例えば、シリアスとギャグタッチのバランスとか、ちょっとした間とか…。普通だったらこう来るよな…というところを敢えてハズしてきている感覚。
そのバランスがうまく取れた時は、読んだ人の心にストンと落ちる繊細な作品になるし、ちょっとずれると「なんだかイマイチ」となる。そんな感じがします。やっかいなのは、そのハズし方やバランスの「ちょうどいい塩梅」が読む人によって違うところなんじゃないかなー。(抽象的なことばかり書いてすみません)
この短編集でも、大人と子供が見た目は逆とか、熱い視線を送った側ではなく送られた側がグルグルする様子とかのハズしが楽しめます。
なんだか妙に心に残ったりするので、読んで損はない作品集だと思います。
短編集。どれも澄んだ世界。
人を想う気持ちが純粋で、
直球そうなんだけど、直球では見せないからこその世界とか気持ちがダイレクトにくる…みたいなのがあって、
ナナメグリさんの世界っていいなーと改めて思う一冊でした。
「流星の下で」
「あー忘れてたな、こういうの」とふと気付く瞬間を感じる作品。
「また明日」って当たり前の言葉なんだけど、「また」って言葉で人って関係を築いていくんだよなぁと改めて思った。
最後は失恋だし、せつないんだけど、次が絶対あるって思える最後。
ちょっと綺麗すぎてこそばゆい気もするけど、でもここは素直にこの感覚に浸りたいって思う感じが好きでした。
「あこがれレストラン」
お話も登場人物も、そして終わり方も好き。
お話として、まだまだ序章の展開なので、
この先が読みたい!と思うお話でした。
だったんですけど!!
始めに出てくる主人公が作ったサラダでげんなり。
人の顔みたいな、こんなん店で出す訳ねーだろ!っというリアル感ゼロの絵にげんなり。
センスゼロってはよぉ〜く解るし、ちょっとギャグ感入ってるっというのを考慮しても、
私にはいくらなんでもの雑なもんにしか見えなくて…
すんません…イラッとげんなり…そこだけがちょっと残念。
「オトナ+コドモ」
先生と生徒のお話。
最初はこの2人が絵面的に逆に見えて、うーむと思ってたんですけど、
読んでいくうちになるほど…
最後はちょっと感動って程ではないけど「いいなぁ…」と心にじわっときました。
このカップルもこの先が読んでみたい。
「片側視線」
ある日見られてる事に気付いて、気付いたら気になっちゃって気になっちゃって…
で、最後に恋に落とされましたっというお話。
ものすごく短かくて、お話もただそれだけ?っというお話なんですけど、
いいんですよね〜。
ナナメグリさんってテンポがいいのかな?
あんまり技術的な事は解らないですけど、改めて世界を作るのが上手い作家さんなんだなーと思いました。
「青い恩返し」
これも好きでした。
「元気出して欲しい」から始まる相手を想う純粋な気持ち、いいないいな。
それでもってこれも終わり方がいい。
「逃げていいよ」
「ぜんっぜん、よくない…」
でお付き合いがスタートする訳ですが、絵でも台詞でもお付き合いスタートは解らない。
満面の笑みの2人がいる訳でも、キラキラの飾りがある訳でもない。
でも話の流れから言わなくても全然解るって具合が好きで…
全作品そうですが、こういう感じが好きでした。
巻末とカバー下に、それぞれの書き下ろしが入ってます。
「あこがれレストラン」の書き下ろしが1番笑った。
確かに気がそがれたよなー(笑)