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表題作また君を好きになる

嘉威雅将,サラリーマン
友原(樋口)真幸,サラリーマン

その他の収録作品

  • おかえり
  • あとがき

あらすじ

どうしようもなく魅力的で酷い恋人だった嘉威と酷い別れ方をした真幸。五年振りに再会した嘉威は、かつてのような暴君ではなく……?
(出版社より)

作品情報

作品名
また君を好きになる
著者
きたざわ尋子 
イラスト
鈴倉温 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
また君を好きになる
発売日
ISBN
9784344820821
3.5

(49)

(7)

萌々

(19)

(19)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
171
評価数
49
平均
3.5 / 5
神率
14.3%

レビュー投稿数10

別れた男と再会したら・・・

設定はよかったです。とにかくロクデナシ攻が痛い目に合うのが好きなので(厳密には、最初から『ロクデナシ』が出て来ないに越したことはないんですが)。
でも、これじゃまだまだ足りないけどね!

とにかく嘉威(攻)がダメすぎで、真幸(受)の心情に共感し切れなかったんですよ。いくら改心したって、結局過去の所業は消えることはないのに、いいのかそれで!?と私の方がイライラしました。

いえ、それ以前に嘉威は本質的には何も変わってないと思うんです。真幸に対する思いを自覚して、真摯にはなったかもしれませんが、それだけ。

もちろん、真幸にとってはそれが大事なのはわかるんですよ。ただ、私には嘉威のどこにそんなに魅力があるのかが理解不能でした。つーか、私なら(という仮定に意味があるかはともかく)戻って来たって受け入れるなんてありえねえ!蹴り倒してオシマイですけどね。

それでも、作品としては決してキライではない、どころか好きなんです。
嘉威はダメですが、真幸のキャラクターやストーリーは結構好みなんですよ。なにより嘉威がいったんは完全に振られるのがよかったですね。本音はもっともっと痛めつけてやれ!と思いましたが。

私はこの作品で、2人が別れに至るシーンがいちばん好きなんです。
『やっとわかった。お前だけが好きなんだ』と言う嘉威を『もっと早く言って欲しかった』『もう素直に信じられない』と拒絶する真幸。

ホント遅すぎ。いざ離れて行きそうになったら惜しくなった、としか思えねえよ!しかも拘束・監禁して・・・とかふざけんな、と読みながら無駄に熱くなってしまいましたよ。

後半、結局元の鞘に収まるのはお約束なんですが、それにしても真幸が嘉威を『また好きになる(許す?)』のがあまりにもあっさり過ぎな気がして、そこはちょっと拍子抜けでした。
もう少し後半の分量を増やした方がバランスよかったんじゃないかな。

もっと、真幸に捨てられてからの嘉威の『努力』や『必死さ』が見えていたらまた違ったと思います。作中では真幸と離れていた5年が全くブランクなので・・・
それに、終始真幸視点なので嘉威の内面がよくわからなかったんですよね。それがちょっと残念でした。

ただ、あっさりしすぎて物足りない面はあれど、読後感はいいんです。
それに、嘉威が結局は大元の部分は変わっていないのも、読み終わったらそれでよかったのかなと思えるんですよ。人間、そんな簡単に変われないよな~と。
ホントに『生まれ変わって』たら、それこそ嘘くさいと感じて醒めちゃったかもしれません。

でも、ホントに悪くはないんです。確かに好きなんですよ。
これの前しばらくのきたざわさんは申し訳ないですがいまひとつが多くて、これもかなり迷ったんですが結果的には買ってよかったです。
当時、久々にきたざわさんで読んでよかった!と思った作品でしたから。

そして、なんとも存在感のある脇の千倉をメイン(受)に据えたスピンオフが出ています。私は、きたざわさんのこういうパターンではたいてい本編CPが好きなんですが、これは珍しくスピンオフも好きなケースですね。

8

恋の再スタート

こういうの探してたんですよー!!!
女関係フラフラフラフラしまくりの攻めが受けに愛想つかされて「もう知らん!」って捨てられてから、ものすっごーい反省して後悔して受けを取り戻すために奮闘してまたくっつく的なお話!

まー、嘉威は一応二股はしてはいないということでしたが…はっきり言って「お前いい加減にしろよ」と言いたくなるような人でした。
女の子と付き合うために真幸と別れては、女の子と別れたからと真幸のもとに戻ってくるを一体年間に何回繰り返しているんだ…という。
それを許してしまっていた真幸もアレなんですが、臨界点突破して「実家に帰らせて頂きます!」(家の都合で大学も退学)をやるのです。
ほいほい女の子と別れてもう1回真幸とーなんて思っていた嘉威としたら寝耳に水状態ですね。
しかもそんな段階になってようやっと真幸じゃないとダメって気付いても…遅いわε=(怒゚Д゚)ノノ ゴルアァアァアァアァアァ!!!!!
もっと早くいってやれよ!と思いつつ読んでいたんですが、真幸スパーンとお別れします。
間に監禁→友人による救出がサラッと入ります。
そこも個人的に美味しかった!

で、社会人になった真幸の前に大手企業に就職した嘉威が仕事相手として現れるんですよね。
大人になって紳士的で気遣いとかできちゃう男性になった嘉威。
もうね、5年間真幸を取り戻すためにめちゃくちゃ励んだ模様ですね。

嘉威のことを快く思っていない義兄への対応策が面白いw
よくそんな立地条件でほどよい価格の物件見つけてきたなー…。
確かに道路渡ればぜんぜん違う住所ってありますもんね。
私も数年前に住んでいたところ、前にある信号を渡れば都道府県が異なるという場所でしたし。

個人的に心残りなのが、真幸に振られた直後の嘉威を見ることができなかったことです。
もう、ものすっごくズタボロになったらしいのですよ。
攻めザマァwww展開が好きなので是非ともそこを読みたかったです。

嘉威の友人で真幸の先輩である千倉さん、美味しい役どころしてるなーって思ってたんですが、彼のスピンオフも出ているようですね。
しかもこの2人もガッツリ載ってそうなんで…よし見つけたら買おう!

7

もっと早く言って欲しかった

真幸と雅将は高校時代からの後輩と先輩。同じ「まさゆき」なので、雅将は真幸を「ゆき」と呼び真幸は雅将を苗字で、「嘉威」と呼んでいた。
そんなふたりは恋人同志ではあるが、嘉威は他に好きな女の子が出来ると必ずゆきと別れ、そしてしばらくするとまたゆきのところへ帰って来るを繰り返してきた。そして、7回目。
ゆきは実家の事情もあって、とうとう決心する…

嘉威がゆきのところに戻ってくるくせにふらふらしてしまうのは、性格的なものなのか…。そんな仕打ちに耐えてきたゆきだけれど、限界はやってきた。
ゆきが嘉威から離れようと決心したその時、ようやく嘉威は気付く。でも遅し!
それまでの行いが悪いので、この辺りはちょっと爽快です。でもゆきも嫌いで別れたわけではないので、切ないです。

そして月日は流れて約5年。ゆきが再び東京へ戻って、ふたりはそれぞれ社会人として生活をしています。
共通の友人を通して、会わずともお互いの状況は少なからず知ってはいたけれど、ゆきにはもう嘉威に会う気持ちはない。
それでもこの会わなかった期間、実は嘉威は心を入れ替えてずっとゆきを待っていたのです。そして行動を起こします。

お互いの就職した会社が都合よく業務的に絡んでふたりが再会するなんて偶然が偶然過ぎてって感じではあるのですが…
そこからの嘉威の頑張りとか、結局ゆきは嘉威が政治家の家系であることとか会社での立場とか、ぐるぐる考えて、せっかく嘉威が本気で想ってくれているのに再び離れようとしてしまう、その健気さとか、終盤の気持ちの動きが上手く描かれていると思います。
どこでどうお互いに素直になるのだろうとどきどきして面白かったです。

そんなにゆきが好きなんだったら、本当にもっと早くに言ってくれれば良かったのにね~な展開ですが、嘉威がやっとゆきだけのものになってくれて良かったです♪

ラストはゆきが義兄から独立して一人暮らしを始めるのですが、そこにちょっとした「からくり」があって、らぶらぶなふたりが見られます。
甘すぎて、ふたりの共通の友人の小倉じゃないですけれど、馬に蹴られそうなので退散します的な感じです(笑)

2

もうちょい反省ぶりが欲しいところщ(・д・´щ)

ロクデナシの攻め様が、受け様に愛想つかされて捨てられてやっと……、というお話。
攻め様ざまぁ大好物なので、好きなやつです(*^^*)


受け様は大学生の真幸。
攻め様は真幸の先輩になる嘉威。

真幸が高校生の時に嘉威に一目惚れして、玉砕覚悟で告白。
受け入れてもらえ、恋人となったけど。
大学1年になった今現在、嘉威から別れを告げられ、また戻ってくる、という事が7回目だという状況。

嫌われたくなくてNOとは言えずにいたけれど『好き』だという気持ちがどんどん歪になっていく。
そんな自分自身も嫌で、真幸は母親の再婚を機に、嘉威と別れ、大学も辞めて心機一転を決心。

一方、真幸はずっとそばにいてくれる、真幸の気持ちに胡座をかいていた嘉威。
別れを切り出され、やっと真幸の存在の大事さに気づく訳ですよ。
縋りつくけど、もうその時には真幸の気持ちはなくって。
この1度は別れるシーン、心からざまぁです( ´゚∀゚`)

で、反省して、もう一度真幸と恋人になるため、心を入れ替える嘉威。
5年後に再会した時は、めっちゃいい男になってて、もう一度改めて今の嘉威を好きになる真幸なのだけど。

これなぁ、もうちょっと、嘉威の頑張りとか必死さの描写があればもっと萌えたんだけどなぁ。
前がロクデナシでマイナススタートだったんだから、それがゼロになったくらいじゃねぇ(^_^;)

最後に短編がありましたが、これが嘉威視点だったら私的には更によかったのになぁ、なんて思っちゃいました。

イラストは鈴倉温先生。
真幸が可愛くって、こんな子を泣かすなよ~と庇護欲をくすぐられました( ^ω^)

0

壊れた、壊した恋をもう一度。

気持ちを残したままの再会モノなので、ふたりがどうやって再びくっつくのか?が読みどころかと思われます。

好きだから、甘える。
好きだから、物分かりの良いふりをして受け入れる。
その甘え方が卑怯過ぎる攻めでした。
そして、そんな卑怯な甘え方をしてくる攻めの嘉威を受け入れる方も受け入れる方だ!と思ってしまった。
それでも、好きという気持ちはどうしようもなく、感情が麻痺しちゃいそうなぐらい疲れているのに諾々と受け入れている受けの真幸。
その諦めっぷりが半端ないです。
元恋人が新しい彼女を連れてやって来ても、『恋人』から『友達』に関係が変わっただけなので、内心ではどう思っていようが平気な顔をしてやりとりする。
ちょっと異様ではあるけれど、それは今まで積み重ねられてきた経験によるもの。
出来ればこんな悲しい経験は積みたくないですが・・・

高校の頃から付き合っている恋人同士だけど、ふたりの関係は甘いものとはほど遠く。
嘉威は真幸と別れては付き合う、を繰り返していた。
初めは良かったんだと思う。甘い時間もあったんだろうなぁと思うと余計に切なくなってくる。
前半はふたりの関係と別れが書かれており、後半からはいよいよ再会、そして再び真幸を手に入れようと嘉威が動き出します。
嘉威は真幸に別れを告げられてから、居なくなってから、本当の意味で真幸がいかに自分にとって大切でかけがえのない人だったかを思い知る。
心を入れ替えて、ただひたすら真幸と再び恋人という関係になるために頑張るのですが。
きっと本質的な所は変わってない。
紳士的に振舞い、会社や外向きには丁寧な態度と口調で話すけれど、地を出せば性格だって、口調だって変わっていない。
変わったのは、ただ、真幸を想う気持ちの重たさかなと思うのです。
だから、真幸を怖がらせないように怯えさせないように、ちょっとずつちょっとずつ距離を縮めて行く。
真幸も昔の嘉威との恋愛は辛くて、しどくて堪らなかったけれど『好き』という気持ちがずっと心にあったから、真幸の為に変わった嘉威にだんだんと、前よりも強く惹かれて行ったんじゃないかと思うのです。

ふたりが恋人関係に再びなった後はひたすら甘く、高校生の頃の出会いから長く長くかかったけれど、ふたりがやっと今度は本当の意味で『両想いの恋人』にちゃんとなったんだ、と切ない話でしたが最後はほわっと暖かかったです。

3

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