おまえの全部が俺のものだ。

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表題作白衣の執着

玖木礼士,元医師で事故で片眼を失った事務局長
片瀬有沙人,父の病院を継ぎ院長ながら現役の外科医

その他の収録作品

  • ひとときの休息

あらすじ

医学部の双璧と評され、大病院の跡継ぎとして手腕を振るう有沙人と玖木。互いに抱えるものの大きさや重みまで知っていたふたりは、肉体関係込みの友情という不安定さのなかで深く結びついていた。――繋がりを求める心に、蓋をしたまま。そうして腹の奥にたまった独占欲から目を逸らしつづけた代償は、玖木が深い絶望に落とされすべてを失った時、歪んだ執着として解き放たれて!? 有沙人は玖木の絶望ごと、この手に搦め捕る恍惚を知る。恋より昏く愛より深い、この感情の名は…。.
(出版社より)

作品情報

作品名
白衣の執着
著者
妃川螢 
イラスト
水貴はすの 
媒体
小説
出版社
ブライト出版
レーベル
ローズキーノベルズ
発売日
ISBN
9784861234460
3

(4)

(0)

萌々

(2)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
11
評価数
4
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

大切な人を守る為に

今回は事故で片眼を失った元外科医の事務局長と
救急医の資格をもつ外科医で総合病院院長カプのお話です。

攻様を巡って伸びた攻様自身への誘惑と
受様の病院へ妨害の顛末をえがいた本編と
騒動後のラブラブな後日談を収録。

受様は
個人病院の院長である父の背を追うように
医学の道を目指します。

受様は進学した大学で
入試でも断トツの成績を収めた同級生と
医学部の双璧と評されますが

受様の成果は努力の賜物であり、
受様は弟同様天才肌の件の同級生に
ある種の羨望さえ抱いていました。
その同級生こそ今回の攻様です♪

ある飲み会で隣りあった2人は
お互いの境遇や考えが近しい事を知り
急速に親しくなります。

飲み会後にしけこんだ攻様の部屋で
興味翻意を言い訳に身体をつなぐ程に…

互いに惹かれながらも
互いの家を背負う2人は医大を出て
研修医と務めてからもその関係は変わらず
友人という立場をとり続けるのですが

高速での玉突き事故に巻き込まれた攻様が
片眼を失明したことから事態は急変します!!

この事故は攻様の医師としての未来を奪い、
跡取りの失くしたと嘆き続けた
攻様の義父との関係をも決定的にこじらせ
攻様は己の存在価値を見失いますが

絶望に沈む攻様を救ったのは受様の言葉でした。

お前の絶望すらもお前を手に入れる好機と思う
恋人ならこんな執着も許されるはずだ

受様は攻様を友としてではなく
恋人として手に入れるべく躊躇なく手を伸ばし

この後受様の父が急逝、
受様は院長として父の病院を継ぎますが
攻様は常に受様の理想を形にすべく
尽力する道を歩み続けます。

医療崩壊が叫ばれる中攻様の支えも有って
受様の病院は成功例と囁かれる事になります。

すると一度は攻様の手を離した攻様の義父が
再び攻様を跡取りとすべく接触してきて?!

既刊『白衣の報酬』のスピンオフで
既刊カプの受様の兄カプのお話になります。

『白衣の報酬』で既にラブラブというか
お互いへの執着がプンプンな2人なので
続編は馴初めの過去編かなと思っていたら
回想を交えながらも既刊の後日談も絡めての
未来編でちょっとびっくりでした(笑)

学生時代からお互いのみを見てきた2人ですが
病院の跡取りと言う立場から
互いを縛る事は出来ませんでした。

しかし攻様が失明した事をきっかけに
受様は攻様を己のものとし
自らの存在価値すら見失っていた攻様は
全てを捨てて愛しい人の手をとります。

事務局長となった攻様は
理想とする医療の実現を目指す受様を
支え続けますが、

そうした姿は
病院経営に行き詰まりを感じていた義父に
希望と映ってしまうのですね。

兄を頼りとする異母弟に懇願させると言う
情に訴えられた攻様はいい迷惑です(苦笑)

それでも楽観視していた攻様ですが
勤務医の引き抜きまで画策されるに至って
義父を受様の未来を邪魔する相手として
徹底的に叩きのめす道を選びます。

普段はさり気なく影に回っている攻様の
本領発揮で大団円を迎えるまで
弟カプのその後のラブっプリも楽しめて
とっても面白く読めました♪

妃川さんの次作は本作で
受様の病院の経営コンサルタントとして
名前だけ出ている人物のお話のなので
もしかして2人の客演かも?!

本作は単巻でも読めると思いますが、
今回はシリーズ既刊『白衣の報酬』をおススメです。
何気に出てくる弟絡みの会話の裏が判って
更に楽しくなる事は間違いありません(笑)

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