その他の収録作品

  • ホームパーティ
  • 僕の見た風景
  • 踊る王子様
  • よくある一日
  • たまにあった一日

あらすじ

我が子ながら、なかなかうまくそだっている。親ばか承知でそう思っていた息子がガールフレンドをニンシンさせた!?
ふつうの生活の中にも、誰にも言えない『秘密』や『愛情』を抱え、僕らは暮らしてゆくのです。
表題作ほか、僕の見た“彼”と“彼”の生活を綴る『僕の見た風景』などシリーズ4篇を収録した傑作短篇集。

作品情報

作品名
こどもの体温
著者
よしながふみ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Wingsコミックス【非BL】
発売日
ISBN
9784403615122
4.5

(2)

(1)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
9
評価数
2
平均
4.5 / 5
神率
50%

レビュー投稿数2

白泉社文庫でも出ています

よしながふみ先生は素晴らしい作品を生み出し続けているんだな、ということがよくわかる20年以上前の単行本です。白泉社文庫で新装版が出ています。

◾︎こどもの体温
妻を病気で亡くした酒井の息子、紘一が、彼女を妊娠させたかもしれないと言い出して。中学一年生でこの真面目そうなお2人が…と。しかし真面目そうであってもやはり、こどもはこどもである。その塩梅がうまい。
よしなが先生の描く女性は儚さを持ちつつも強くて好きです。「踊る王子様」に登場する女性しかり。

◾︎ホームパーティー
妻が亡くなって1年の春、妻の両親の家に泊まる酒井父子。愛し合っていても多少の喧嘩はする義理の夫婦の描き方が好き。お綺麗なものだけ描こうとしているわけでは決してない。

◾︎僕の見た風景
最もBLの香りがするのはこちら。ただ、どれも男と男がどうのというか、人間と人間の話なのだ。
亡くなった高木の妻が、旦那のことをずっと高木ということに違和感。自分も高木だから名前で呼ぶのでは…
黒田は高木が来るから登山に来たんだろうなと思うと切ない。

◾︎踊る王子様
好きです。

◾︎よくある一日
「踊る王子様」の大人びた紘一と、この作品のそれでもしっかり"見栄"がある人間らしい紘一と。それを描く先生の作品が、先生が大好きだ。

◾︎たまにあった一日
最後このカットで終わる良さ。

1

誰かの体温を感じながら…

父と子二人だけで暮らす酒井父子を軸に、
その周辺の人々を描く短編が、表題作を含めて全部で6篇入っている。

中学1年の息子から「彼女を妊娠されてしまったかもしれない」という
衝撃の告白をされた父の話の表題作に始まり、
亡くなった息子の母の両親の話や(ホームパーティ)、
息子の同級生でローザンヌコンクールを目指す男の子の話(踊る王子様)、などなど。

どの話も、人間関係の機微や些細な心の動きを、細やかで優しい視線で描いており、
暖かな読後感があります。

BL的には、酒井父の後輩達の話が(僕の見た風景)すごくいい。
親友だった三人組、一緒に出かけた先で亡くなった友を巡る
二人の男の同性愛を秘めた友情の話。
プラトニックだからこそ、胸を打たれます。
この一編だけでも、☆4つかな〜と。

食べ物に拘りが見られるのは、相変わらず(笑)
よしながふみ先生らしい、秀作短編集だと思います。

3

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