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自由恋愛系シェフ×オクテな会社員で贈る恋のレシピ
『恋はゲームというけれど』のスピンオフ。
私はスピンオフ元よりこちらの方が好みのストーリーとキャラクターでした。
クローゼットゲイな主人公が勘違いに勘違いを重ねて攻めに告白してしまう。この一連の流れが面白かったです。
浮かれている様子が可愛かった分、告白してからの主人公が可哀想でした。いきなりキスをするのは最悪ですが、一人で浮かれて自爆してしまう様子が非常に痛々しく、ちょっとした共感性羞恥的なものがありました(笑)
そこからのすれ違いモダモダはわりと王道。
主人公がウジウジ系なので若干イライラしましたが、基本的に善人なので応援しやすかったです。
主人公の同僚女性が良かったです。
主人公の一人称なので明確に好きとわかる言動は見受けられず、気のいい友人のポジションに収まっているのですが、おそらく主人公に気があります。
当て馬状態で二人を掻き回すシーンもありますが、嫌な感じは全くせず、最後まで告白することも無く友人のまま主人公の背中を押してくれます。
実質フラれた状態になってしまうこの女性。クリスマスは家族と過ごすと言っていたのに、一段とお洒落して会社に顔を出したシーンが良かったです。切ない。この人にも幸せになって欲しいです。
初めて行った店だったが、トラブルに巻き込まれ、ワインをかけられたお詫びに、とシェフの氷見からパンケーキをごちそうになった椎名。
それをきっかけに、その店に定期的に通うようになったけれど、料理の味もいいのだが、どこか懐かしい味のするシンプルなパンケーキが忘れられない。
そんな時、再び顔を合わせた椎名に、もう一度、パンケーキを食べさせてほしい、とお願いしたところ、営業後に味見に付き合うことになる。
次第に二人の距離が近づき、椎名は氷見に惚れていくが、酔った拍子にしたキスを拒絶される。
ところが、その後しばらくして、氷見に押し倒されて、体の関係を持ってしまう。
「遊びの関係」だと割り切ろうとする椎名だが……
という、「攻めに振り回される受け」の王道物でした。
氷見に先に惚れたのは椎名で、椎名視点の話だったので、受けのモヤモヤがお好きな方にはオススメします。
『恋はゲームというけれど』のリンク作。
前作の主人公の初恋相手だった。椎名のお話。
一部かぶっているシーンはあるものの、単独で読んでも大丈夫な内容でした。
まず驚いたのが、椎名は攻様だと思っていたのに!
最初こそ、攻様を抱きたいと思っていたものの…好きならどちらでもいいなんて!
しかも、ゲイなのは自覚しているのに、男性経験はなく、普通に女性とも付き合っているという…ちょっと変わった、面白い設定でした。
今回のお話は、結構仕事も絡められていて、美味しそうな食べ物がたくさんでてくるので注目でした。
フレンチレストランシェフの氷見 × 経営コンサルティングの氷見の
思い切り勘違い&すれ違いラブ。
氷見が働いてるフレンチレストランで食事をしていた椎名は、マナー違反の客から、老夫婦を庇いワインをかけられてしまいます。
店側がお詫びに出してくれたパンケーキが忘れられず、それから1年!
そのお店を経営面でサポートしつつ、またパンケーキが食べたいと思う椎名。
このパンケーキがきっかけで、氷見と接点をもち、料理を通じて段々仲良くなり、恋に落ちていく椎名。
でも、キスをして告白するものの、氷見の答えは「ごめんなさい」。
椎名もはっきり好きだとは告げれず、誤魔化していくうちに、どんどん言い出せなくなって、身体の関係だけが先立って続いていきます。
好きな相手と出来るなら、身体だけの関係でも構わないと考える椎名ですけど…
氷見の料理を食べて感想をいったり、食べ歩きに付き合ったり、最初は会話があったのに、段々それすらもなくなって、本当に身体だけの関係が辛くなっていきます。
一方の氷見も椎名の事が好きなのが伝わってきます。
例えば、店に女性の同僚や女性や友人を連れてくる事に対して、誤解して嫉妬していたり。
気持ちのすれ違いと誤解でお話が展開していきます。
成宮先生に、片思いのせつない気持ち、受様の焦れったさやウジウジ感を描かせたら、本当にうまいなあと思います。
今回の勘違い加減も、最後の方は一部イラっとはさせられるものの、全体的には面白くスラスラ読めました。
キャラのギャップがいい感じのテイストになっていて面白かったんです。
氷見は女顔で草食系かと思いきや、恋のスタンスは雑食。
本気になれば、独占欲の強い肉食系。
椎名も、男前受で仕事も出来て、華やかでモテモテなスマートなタイプかと思いきや…
まさか、こんなに初心で、恥ずかしがり屋で、内側にため込むオクテタイプだとは思いませんでした。
ある意味、意外でギャップ萌でした。
椎名の同僚&友人でもある枝野さん好きでした。
多分彼女の思い人は椎名なんですよね…。
椎名の性癖も知っている上でも好きだった彼女。
最後、友人としての位置を決めた彼女は、告白はしなかったものの、 その後の態度に現した潔さは気持ちが良かったです。
最後の告白シーンは美味しかったです♡
恋人になった途端、遠距離恋愛になる2人なんですけど、甘〜い雰囲気を醸し出してくれているのでニヤニヤ安心して読めました。
このシリーズは、多少物足らなさはあるものの、さらりと読みやすく、すれ違いラブがお好きな方は楽しめるんではないかと思います。
『恋はゲームというけれど』のスピンオフ作品です。
でも内容的に単体で読んでもまったく問題なし。
私は『恋はゲームと~』が隅から隅まで地雷だったもんでかなり不安に思いつつ恐る恐る読みはじめたんですが(地雷にぶちあたっても成宮ゆりさんは作家買いしたい作家さんなんですよね~)、大丈夫でした!面白かったです。
エッチするようになってもお互いに「相手は本気じゃない」「相手には他にもたくさんセフレがいる」と思ってる、勘違いとすれ違いのお話。私このパターンが妙に好きなんですよね。成宮ゆりさんはまたこのパターンを描くのが非常に上手いんです。
エッチする前は「客と料理人」という関係だったんですが、二人の距離感がじわじわ少しずつ縮まっていく雰囲気が好きでした。
カラダの関係を持つようになって、むしろココロの距離ができてしまったのもひしひしと伝わってきました。
あと、お料理関係の描写にはいちいちワクテカしました。
ホットケーキミックスを常備してるほど大好きなんですが、氷見の作ったのが食べたくて腹がぐーと鳴りました。
なんと言うか…、女性と付き合える受って初めて読んだかも。
なかなかにかっこいい受ですが、中身は可愛い人です。
男性でかっこよくて、可愛い人ってあんまりいませんなぁ。
攻は見た感じ甘いマスクなんですが、中身はけっこう強引で男前。
いいっすねぇ、このカプ。
攻、ちょっと策士。
もう、ずるいなぁって苦笑しながら読んじゃいました。
でも恋したとたんに臆病になってる受にグイグイ迫っていく攻。
料理人とは思えない大雑把さ加減。
受け同士を、お互いの攻をヤキモチ焼かせる存在にしちゃうとはなかなかやりますね。
つまりそれだけいい男なんだなぁ、二人とも。
今回の受けは、素敵な女性の同僚の気持ちに全く気がつきませんでした。
鈍すぎるにも程があります。
桜城センセのイラストは攻のほうが線が細かったです。
でもキスシーンはきれいでした。
鎖骨に優しくキスをしているところは、悶絶モノです。
ラストのほうで『ゲームと言うけれど』のカプがまた出てくるんですが。
そっちの攻がどうにも今回の受を牽制しまくります。
すごいヤキモチ焼きで、でも受が気がつかなくて…って部分に微笑んでしまいました。
二組とも、素敵カプですね。
今回のキーワード
『月がきれいだね』