今からあなたを襲います

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表題作ターン・オーバー・ターン

千原,企業アドバイザー会社チーフで受様の上司
花川夏生,肉親に縁が薄いが明るく真面目な攻様の部下

その他の収録作品

  • ターンアウウンド・タイム

あらすじ

――嫌なら逃げてください。逃げないなら、このままあなたの上に乗りますよ?
会社員の花川は、さりげない優しさや強さを持った上司の千原に憧れていた。その気持ちが恋に変わったのは、近づく千原の吐息を意識した時。気持ちを抑えられず告白したが、答えは否。傍にいられるだけでも幸せだと思っていた矢先、同じく千原を想う女性と共同戦線を張ることに。しかし、彼女と千原の距離が縮まっていく様子に耐えきれなくなった花川は、深夜千原を呼び出して……。
(出版社より)

作品情報

作品名
ターン・オーバー・ターン
著者
火崎勇 
イラスト
麻生海 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773085563
3.1

(8)

(0)

萌々

(3)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
24
評価数
8
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

あとがきは読後にお読み下さい^^

あとがきの序盤にネタバレがありますので、最後に読まれることをオススメします。あとがきで題名の由来を読んで、なるほどーと納得でした。

表題の「ターン・オーバー・ターン」は花川(受け)視点であり、50ページ弱の「ターン・アラウンド・タイム」は千原(攻め)視点です。

明るく分かりやすい展開です。途中で、千原が何を危惧して誰に嫉妬しているのかが分かるのですが、花川と行き違ったまま会話していくのが、読んでいて楽しかったです。

花川は社会人として特別優秀というわけではないのですが、一生懸命努力をする姿勢が、好ましかったです。

花川と共同戦線を張る倉敷という女性は、フェアでさっぱりとした性格の持ち主で好感が持てました。千原へのアプローチとして、男の方が有利な点と、これは女性の方が有利な点、と分析するのが面白かったです。

イラストを描かれている麻生海さんは、コミックも持っているのですが、可愛い受けに比べて、無骨な攻めは本当に見事な無表情で「もうちょっと感情の片鱗があっても良いのでは・・・」と思う時もあるのですが、この本では作品とぴったりで素敵でした。

4

火崎さんて、本当スゴイと思う

本編とは関係ないんですが、火崎さんて個人ですか?
毎月毎月必ずというほど、どこかから新刊が出ていて多いと複数新刊が出る時もある。
一人の作家さんでこんなにハイペースで商業本が出る作家さんて稀だと思うんです!
だから思わず「火崎勇」っていう名前のユニットなんじゃないか?って思わず疑ったこともありました(汗、、)
そんなに熱い盛り上がりは滅多に見せないものの、淡々とした表現が特徴で、ある一定のパターンを周到しながらも、それでも大人の働く男の話が大変に上手くいつも一定の基準はクリアしてそんなにはずれることがないといういう、いい作家さんだと思うんですよ。

さて、本編ですが、今回は結構ディープな過去を背負いながらもまっすぐ真面目に成長した実に気持ちのよい青年が主人公。
バイト先で上司になった男性を好きになり、その会社にそのまま就職してから、同僚先輩の女子社員もその上司が好きということを知り、二人で共同戦線を張っていくのですが・・・というお話。

女子社員と共同戦線を張った段階で、ああーこれは上司の嫉妬とかやきもきを生むなw
という部分は見えてるんですが、そこからはきっかけですよね。
どこかでどっちかが殻を破らないと恋人にならないという。
でも、それ以前に充分伏線はあるんです。
バイト先で就職が決まった時に、花川は上司の千原にすでに気持ちを伝えてある。
「好きでいてもいいか?」
もうその時点で女子より一歩リードですよv
ここは千原が大人だけに随分年下で、しかも千原に対してが初恋だという花川に対して慎重にならざるを得ない。
この時点で千原の気持ちの描写は全くないですが、ハッピーエンドを前提で考えるにw
花川の気持ちとアプローチはもうすでに充分しめされているので、あとは千原の気持ちと度強次第というところ。
千原の気持ちについては、いつもの如く書き下ろしにて千原目線の物語が展開するのですごく解りやすいです。
まるで実地検証をしてるみたいですね。

この話が気持ちがいいのは、何と言っても彼等が仕事を通してという部分のその仕事がきっちりと描かれて、きちんと働いているということです!
そして花川と共同戦線をはった女性社員・倉敷が実にさばけたイヤラシイところのない気持ちよい女子というところでしょう。
さっぱり爽やかなワンコ受け、攻めちょっと臆病後野獣(爆!)
気持ちのよいお話です。

3

年上の矜持の在り処

今回は企業アドバイザー会社チーフの受様の上司と
肉親に縁が薄いが明るく真面目な部下のお話です。

受様視点で二人の出会いからまとまるまでの本編と
攻様視点で回想を交えた後日談を収録。

受様はドコにでもいる平凡な青年です。

しかし
両親の離婚と祖父の死、祖母の病気で
大学二年の時には
一人で生きる事を余儀なくされます。

受様は職学金を受けつつ
色々なバイトをこなして生計を立てますが
ゼミのOBから紹介されたバイト先で
攻様と出会う事になります♪

紹介された会社はこれから起業する人や
企業についてのアドバイスをする会社で
攻様はそのチーフアシスタントでした。

咥え煙草の攻様は
職人肌だった祖父に似ていて
受様は攻様のアシスタントとして励みます♪

攻様と働くうちに受様は
攻様への恋を自覚するようになり
就職試験に受かった時に
ともに働く事になる攻様に告白を決意します。

攻様に気持ち悪がられたら
就職も辞めようとする超真面目君なのですよ(笑)

そんな受様なので攻様も
コレが初恋だと言う受様の恋心を
勘違いや誤解じゃないかと言いながらも

ただ好きなだけならと
「攻様を好きな事」を受入れてくれて
受様は攻様の側に居場所を得るのです♪

いくら可愛いバイト君でも
攻様もちょーっと寛容過ぎないかしら???
と思う私ですが

受様が正社員となっても
二人の関係は変わることなく一年がたち・・・

受様は
一つ年上で社内でも評判の美女である
先輩社員から攻様への恋を知らされます。

幸いにも姉ご肌でサバサバしていた先輩は
受様の恋も認めてくれて
共同戦線はる事になってしまいます(笑)

果たして受様の恋は実るのか?!

素直で真面目で可愛いワンコ系部下と
少し粗野で口が悪くてワイルド系な上司の
オフィスラブになります♪

男親との縁が薄かった受様は
ガールフレンドはいても本気の恋は
攻様が初めてだったので

受様よりずっと年上で
酸いも甘いも噛みしめた攻様としては
受様に好意以上の想いを抱くようになっても
受様に強く迫る事はしなかったのです(笑)

なので
受様が女子社員と仲良くなると潔く?!
受様を逃がしてあげようとするのですが
却ってソレが受様をキレさせちゃって
襲われちゃうのですよね。

まぁ、実際は
抑えてた攻様の逆襲にあって
美味しく頂かれちゃうので
どちらの勝ちかというと疑問かも?!

ハッピーエンドがお約束の火崎作品ですが
どうやったら受様の恋が実るのか
先が見えなくてとっても楽しく読めました♪

同時収録の短編は
攻様視点での後日談になります。
本編の受け答えも攻様から見ると
全く違って見えて面白いですね(笑)

本作はフェア店限定ですが
番外編を収録した特典ペーパーが2種あります。
どちらも甘々な後日談ですよ。

今回は本作同様、俺様系攻様がほだされるお話で
崎谷はるひさん『不埒なモンタージュ 』をおススメです。

2

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