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表題作元カレと今カレと僕

訴訟を依頼された弁護士 朝倉英明
デザイナーで漫画家アシスタント 川島郁見己

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

恋人を事故で亡くしたデザイナーの卵・川島郁己(かわしまいくみ)は、未だ消沈中。元恋人の野口(のぐち)は、そんな世間知らずで天然系な郁己が心配で成仏できない。そこに、郁己のデザインの盗作事件が勃発!? 担当に決まった弁護士は朝倉英明(あさくらひであき)だ。初めはクールな対応をしていた朝倉。けれど、郁己の無垢な人間性を知り惹かれていく。仕事を越え急速に親しくなる二人を、実体のない野口は複雑な思いで見守るが…!?

(出版社より)

作品情報

作品名
元カレと今カレと僕
著者
水無月さらら 
イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199006487
3.6

(12)

(2)

萌々

(6)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
42
評価数
12
平均
3.6 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数6

元カレがいい男で泣けるぜ。

題名から三角関係モノを想像しちゃいましたが、いやいや、全然違いました。

受け様は、デザイナーの卵の郁己。
元カレの野口は、郁己がキャラデザインしたアンドロメダくんを売り出す企画を計画中に、亡くなってしまう。
生きることに不器用で生活能力が低い郁己が心配で、幽霊となって郁己を見守っている野口。
でも暗がりで物を動かすくらいしか能力のない幽霊ぶり。

その後、郁己が知らない内にアンドロメダくんが商品化されていて、自分のデザインと野口の企画が、野口の部下により盗用されていたことを知る。

そこで、アンドロメダくんを取り戻すため郁己は弁護士の朝倉を頼むことに。
この朝倉が今カレになる攻め様。

郁己が朝倉への依頼にたどり着くまでの、野口の涙ぐましい暗躍ぶり。
元カレ野口は頑張ってたよ(^_^;)

訴訟のため2人で動く内に、郁己への庇護欲がわき、その純粋さに惹かれていく朝倉。
2人の初えちでは、郁己の為、野口へやり方を朝倉に副音声にてレクチャーしていて、男前やわ〜。
幽霊であり見守ることしか出来ない野口が、なんとも切ない。

盗作訴訟の方は、証拠がしっかりあったようで、スムーズにいきそうだったけど、盗作した部下の暴挙がひどかった。
追い詰められた人ってこんな風になるんだっていう乱暴さ。

郁己を託せる相手も見つかり、郁己への危険がなくなったことを見届けて、去っていく野口。
最後までかっこよかったです(*´ω`*)

そしてまた、朝倉のお祖母さんが軽やかで、素敵な存在でした。
アンドロメダくんのTシャツを着てるおちゃめなお祖母さんのイラストも見てみたかったな(^-^)



0

価値観が合いませんでした……

 雇われ弁護士の朝倉英明と、イラストレーターの卵・川島郁己と、事故で亡くなってしまった野口(幽霊)の話。

 メインテーマは、郁己が心を込めて作ったキャラクタが盗作されて、それを訴えるために朝倉の力を借りる、ですが。
 盗作されるまでの経過に亡くなってしまった野口が絡んでいたり、死んでしまったはずの野口が成仏できていなくて幽霊として郁己に憑いていたり、ちょっと設定としては斜め上なところもあります。
 まあ、それはそれとしてある程度書き尽くされた感のある現在としては致し方ないところかなあ……とは思っているんですが、個人的には野口の死が実は自殺ではなく殺人だったり、あろうことかそれを野口が覚えてなかったり……とか登場人物の設定に「?」が浮かぶようなことがたくさん。
 いくらなんでもそれはおめでた過ぎるのでないだろうか……? と思ってしまいました。
 そこは「人の死」を扱うんだから、コメディにしてしまわずにしっかり描いて欲しかったし、そうやってふんわり流すんなら、あからさまな悪意ではなく、「故意」とか「過失」ですむ範囲の描き方をして欲しかったと個人的には思います。
 大体、著作権侵害にしても「それ以外に悪いことはしてなかったからいい」はずがないし、殺意があったのにも関わらず「罪を償って出てきたらやり直せる」ってそんなにあっさり言って欲しくはなかったと思います。

 そういう意味で、作者様との価値観が個人的に合わない小説でした。
 娯楽として楽しみならいいと思いますが、細かいことが気になる人は読まない方がいいと思います。

1

ちょっとガッカリ

映画、小説、舞台、古典から新作まで、いろんなジャンルで傑作のある幽霊ネタということで!さあどれだけ面白いんだい!!---と期待したのがいけなかったのか。
 元カレが幽霊として出てくるんですが、期待したほど活躍してくれなかった、存在感が薄かった。---ああっもう、書くことがない。一行で済んでしまった…。

 幽霊ネタは逆にイージーにもなるんだけど、そこまでもいってない印象です。幽霊がさほどキャラ立ちしてないようにも感じた。もっと活かせなかったのなあ…。
 タッタカーと読んでアレ、もう終わり?と、終わってしまいました。
 主人公はいい子だし、共感できたのですが。
わたしはガッカリでしたが…軽い作品として読むぶんにはそこそこかと。「泣き」はなかったです。

1

なんなんだ、これは(嬉)!

なんとなく設定やイラストに惹かれて読んでみるか、と思ったんですが、作家さんに対する(マイナスの)先入観から、まったく期待していなかったんですよ、実は。
なのに・・・なんだこれは!いやもう大変面白かったんです。一瞬、水無月さんに土下座して謝るべきか?と思ったほどです。ご祝儀で(冗談です)『神』にしてもいいくらいでしたね。ホントに迷ってしまいましたよ。

郁己(受)がよかったですね。ホントに頼りなくて、ごく普通の生活力さえないダメっ子なんですが、作中で野口(元カレ・故人)も言っていましたが、何かに突出した才能を持つ人って、他の何かが抜け落ちてることも実際に多いですしね。逆に私は、『なんでもでき(過ぎ)る』キャラクターって胡散臭く感じてしまうんですよ。なんというか、郁己はものすごく私好みのキャラクターだったんです。(水無月さんではありませんが)他の私のお気に入りの作品にも、偶然職業も同じデザイナーで郁己と似たようなカテゴリーの受(そちらは甘やかされてきたために何もできなかっただけで、その気になれば何でもできるというところが違いましたが)がいて、私はこういう『才能があって、(運悪くそれが発揮できる場がなくても)やる気がある』というキャラクターがわけもなく好きなんだ!ということに気付きました。

朝倉(攻・今カレ)もよかったんですよ。最初はいかにも俺様?傲慢?って感じだったんですが、素はなんともいいキャラクターでした。ヘタレとも違うし・・・う~ん天然?いやぁ、こちらも私好みでした。
元カレ・野口の暗躍がまた涙を誘う(笑い過ぎての涙かもしれませんが・・・)んですよね。ああ、郁巳は決して気付かないんだろうな~というあたりが余計に。

それと、私は朝倉とその祖母がなんとも言えず好きでした。この2人のやりとりが、すごい爆笑掛け合い漫才って言うのとは違って、まあほのぼのテイストなんですが、じわじわと効いてくる感じなんですよ。いや、おばあさんいいわ~!

もうキャラクターがことごとく私の好みのツボにハマりましたね。みんなイイヒトと言えばそうなんですが、ただお綺麗なだけじゃないんです。
朝倉も単なる『正義の味方』ではなく、すごく人間的ですし(心の声がもうおかしくてたまらない!)、郁己だって死んだ元カレに思いを残しながらも、一途に操立てしてるわけではなく、生きて行く上で生身のぬくもりを欲しがっています。でも私は、かえってそういうところがリアルで好感を持てました。

私がBLを読む上で、受は結構好きなタイプに当たる(というか選んでる)ものの、その場合攻がどうにも好みじゃないことが多くて(『天然・健気』な受には『俺様・傲慢系』の攻がセットになってくる・・・)参ってたんですが、これは『攻も受も好き』というなかなか珍しい作品でした。

ところでイラスト。読みながら、郁己を見るたびに違和感を覚えてしまったのですが、決して水名瀬さんの描かれるキャラクターがイメージに合わないというわけではなく、とにかく郁己がなんとも純粋で頼りないので、実際以上に幼く思えてしまうんですよね。で、イラストの(年齢相応の)郁巳を見るたびに『えっ!?』と目と手が止まってしまうんです。でも改めてひと息入れて見直すと、『うん、やっぱりこれでいい』と思えるのですが。

ただ、水名瀬さんの絵柄上無理ないのかもしれませんが、元カレ・野口のイラストが『ワイルド』という感じではなく、ちょっとスタイリッシュ過ぎ?という気はしました。作中の描写同様、もっと今カレ・朝倉との対比がイラストでもハッキリしていた方がよかったかな、と。
でも、全般にとても綺麗でよかったです。

あ~、ホントに面白かった!水無月さん、ごめんなさい。これから過去作も読ませていただきます。

5

死んだらお終いなんだよね

タイトルだけだともしやの3P?なんて下品な事を思った私に
自ら反省の鉄拳を!ってくらいピュアなストーリーでした。
感じからするとデミ・ムーアが主演で出てたゴーストなんて
懐かしい映画を思い出したりもしましたね。
半年前に恋人を亡くした受け様は生活能力の適性が低めな人
それでも生きて好きなイラストデザイナーとしてなんとか
暮らしてる、そして受け様に気が付かれることなく亡くなった
元彼がいつも傍にいるんです、寝起きの悪い受け様の為に
全て止めた目覚ましを再び鳴らしてちっちゃなお世話をしてる
元彼、電車に跳ねられ亡くなったんですが、後にやっぱりの展開。
そして元彼と受け様とで作り上げたキャラクターが無断使用される
それは元彼が勤めていた会社でキャラクターも受けさまでは無い
別の人間が作成していたことになっていた。
その人物は元彼の会社の後輩で受け様の大学の先輩にあたる人で・・・
受け様がアシスタントをしている先生に弁護士を紹介してもらい
その弁護士が攻め様になるのですが前半は優しさや温かさには
多少欠ける事があるのですが受け様と元彼との事を知るうちに
次第に受け様に対して同情や好奇心を過ぎて愛しさを感じるように
元彼も結構健気に受け様を守ってるんですよね。
そして攻め様はその姿を感じたり見たりしても案外毅然としてる
かなり肝のすわった攻め様でしたね。
初めて対峙した時は一触即発で攻め様に嫉妬からくる憎悪を
向けますが結局死んでしまった自分には受け様を守る事が
出来ないと・・・・死んだらダメだったって言う元彼の切なさが
伝わってきます。
・・・ただ、亡くなって半年なんですよねぇ~
受け様不安な気持ちや心細さもあるでしょうけど自分から
攻め様を誘っちゃいます。
寂しいのは分かるけど・・・半年・・・まぁ、元彼が認めてるなら
良いんですが・・・心が狭い私は後1年くらいと思ってしまう(笑)
元彼と今彼の二人に守られ名誉と命が救われるのです。
3Pは無かったけれど攻め様だけに聞こえる声での音声3P?
男が初めての攻め様に元彼がHのご指導!
どんだけ受け様を好きなんだろうって思いますね。
嫉妬よりも受け様に痛い思いをさせたくないって・・・・
やり方をレクチャーしされる方もかなりの人物です。
でも今彼さんもある意味大らかですよね全て受け入れられる
大きな器の持ち主でした。
ちょっぴり切ないけどロマンティックなラブストーリーでした。

3

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