おまえのそばにいると、なんだか面白い 悪魔×葬儀屋のエタニティーラブ!

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表題作悪魔と

召喚され、そのままとどまっていた悪魔 サタさん
印象の薄い葬儀ディレクター 静内劫・25歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

幼い頃からいろいろなモノが見える葬祭ディレクターの劫は、自殺志願者と間違って、悪魔に声をかけてしまった!そんな劫の力を面白がり、ひとつ望みを叶えてやると押し売りする悪魔に、劫は「俺を抱ける?」と口をすべらせ――!?
(出版社より)

作品情報

作品名
悪魔と
著者
李丘那岐 
イラスト
角田緑 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
ISBN
9784896018363
3

(12)

(0)

萌々

(3)

(8)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
36
評価数
12
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数7

どうもキャラクターの"素"が見えないとつまんない

李丘さん初読み。
たまたま手に取った一冊がどう面白味を掴めばいいか悩む話に遭遇してしまい、正直戸惑ってしまった。
どうも時節を掴めずに、これっていつ頃執筆された小説なのだろうか?なんて
古めかしさを感じながら読んでいたら、2012年刊と知って驚いてしまった。

とにかく前半は受け・劫の設定通りの存在感の薄さがモロに話にも反映されていて退屈で仕方がなかった。
人外のサタさんと偶然出会うも、劫自身、生まれた時からかけられている封印?を解いて貰うのを拒むせいで彼がどう変わるかってのが読めないじゃん!!
また、人外のサタさん(仮名)も悪魔というよりは『ブラックな天上人』止まりでオカルト風味も奇抜さもなく面白味に欠ける。

でも後半からは、劫の出生の秘密が明かされると共に、彼の只一人の親友やサタさんの天敵みたいなお邪魔虫キャラも加わって、やっと話が動いた感じがした。
ちょこっとずつ出ている劫の真実の受け止め方や考え方はネガティブ気味ではあっても、彼なりの人生観が滲み出た独特さってのを最初の部分から読めていたら印象が変わっていたと思う。

話全体はこじんまりとしたまとまり方だったと思うが、う~ん、やっぱりこの話、自分の趣味に合わないわ…。
時間が掛かっても何とか読み終えてほっとしているが、良くも悪くもキャラクターの"素"が見えないとどうもつまらないよなとつくづく実感した一冊だった。

0

やさしい悪魔

そもそも「悪魔」とか「ヴァンパイア」とかは好きなんですが、BLだと人外設定とても苦手です。

映画だと「コンスタンティン」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」、ミュージカルだと「ダンス オブ ヴァンパイア」なんかがとても好きです。
(たいへん余談ですがw)
で、結局BLだと萌えないかも思いつつも手に取ってる次第です^^;

作中でもファンタジーと言っちゃってるところがいいですね。そうなると個人的にもとても読みやすい…

葬儀ディレクターとして働く劫は誰からもかまわれないとても印象の薄い男で本人も気にはしてもそれでいいとどこかなげやり。
そんな劫があるビルから飛び降りようとしている男を助けようとそこまで行ってみるとその男は悪魔だった!
自分の姿が見えるという劫を面白がりつきまとうようになる悪魔サタさん。(←地獄の沙汰も金次第の沙汰からって^^;)
劫の唯一の友達の神父さんやサタさんに敵対する悪魔が登場し、いろいろとファンタジックにお話が進みます。

劫がいきなり悪魔と関係をもってしまったり唐突感は否めませんが、神父さんがアレだったり、劫自身もアレだったりといろいろオモシロ展開があります。←アレの部分は書かない方がいいと思うので…
結果的に人として寂しい人生を送っていた劫が最終的には前向きに幸せな姿はこちらも幸せ気分になれて良かったです。

0

残酷な悪魔の純愛

李丘那岐さんの作品で2番目に好きです(ちなみに1番は『この愛を喰らえ』です)

誰からも気にされずに孤独に生きてきた功(理由があるのですが…)
ある日、悪魔のサタさんと知り合います。

サタさんと関わっていく内に、諦めて過ごしていた功の毎日が、意味あるものへと変わっていくのです。そして、今まで知らなかった、人と肌を合わせる心地良さや、誰かとケンカをする高揚感に気付くのです。

最初は、人間を殺すことも平気で(悪魔ですから)愛なんて…と言っていたサタさんが、どんどん功にのめり込んでいって封印にまで嫉妬するのに萌えました。

功の生い立ちとか、幼馴染の詞栄とか、設定もツボです。サタさんのライバルも出てくるけど、本当の悪役が出てこないのも好きです。

3

悪魔も天使も

悪魔も天使も、元々は同じ。
悪魔とは、神の庭の加護や便宜より、不便を伴っても自由を選んで住処を別かった黒い天使。

「見える」劫が出会ってしまったのは、気まぐれで美しい悪魔でした。
二人の出会いは全くの偶然のはずでしたが、それは劫の生い立ちと存在の影の薄さの秘密を解き明かす、大きな鍵となりました。

日常世界と、悪魔や神の世界が接触するファンタジー。
理不尽な位の絶対的力を持つ神の所行が、巡り巡って育てた劫。
そんな劫だから、最強の悪魔サタさんも惹かれたのでしょう。
悪魔だの、天使だのが登場する割には、なんだかほのぼのした甘いラブストーリーでした。

1

雀影

セルフつっこみ
このお話の作者が李丘さんって、なんだかとっても意外。
李丘さんって、九號さんやヨネダコウさんのイラストのヤクザ物の印象が強いけど、実は普通にロマンティックな作品の方が多かったりするのよね。


神の残酷さゆえに生まれた命

人外悪魔もののちょっぴり切ない、でもハッピーファンタジーラブでした。
受け様は葬儀会社で仕事をしてる25才、でも綺麗な外見なのに存在感が希薄
それも尋常でないくらい、世界の人間全てにネグレクトされてるみたいなんです。
そして受け様は普通ではありえない能力的なものもあって、この世に未練を残した
遺体の声を聞くことが出来るんですよね。
でも、遺体相手でも何か会話が出来るのを嬉しいと思えるほど孤独なんです。

そんないつもの日常で受け様が見たのが悪魔である攻め様、人間に召喚されて
人間界に降臨した悪まで、受け様はやっぱり見る事が出来たんです。
普通の人間には見えないはずの姿を・・・
でも、この受け様は怯えるとか、この世のモノでない者を見てもあまり驚かない
そんな受け様に興味をひかれる攻め様。

攻め様から召喚した人間の代わりに願いを叶えると言われても本当の望み以外は
物欲もない受け様ですが、攻め様の他人を害する事を脅迫のように告げられ
受け様は、妙な願いを告げてしまう、それは抱いて欲しいと言う事で・・・

初めて肌に触れてもらった事で、受け様は相手が人外でも嬉しかったりするんです。
それだけ、物心付いた時から孤独だった受け様に切なさを感じます。
それから悪魔の攻め様は気まぐれなように受け様の側にいつもいるようになる。
受け様はたとえ悪魔でも傍に誰かがいてくれることが嬉しくて、でもいつか
いなくなる存在だと諦めてもいるのです。

そして攻め様から告げられた内容は、受け様は誰かに存在感を消す為に
わざわざ魂の封印をされていると言うもので、攻め様に封印を解いてやると言われるが
受け様は、何か悪いことが起こるかもしれないと断るのです。
後にこの封印の原因が明らかになる事で、受け様はかなりショックを受ける事に・・・

BLで、このような悪魔ネタのお話が描かれる時に、対する天使のトップである
神様っていつも残酷で、ワガママで気まぐれに描かれている事が多いですよね。
そして嫉妬深い感じも共通的にあったりします。
今回のお話もまさにそんな神様の所業が原因のお話でした。

悪魔が天使に絆されて誑かされるってストーリーでもあるんですよね。
元々は悪魔も天使だからって設定で、忘れていた天使の善の気持ちが受け様によって
甦るって感じでしょうか、まぁ、受け様限定なんですけどね。
長い時間をかけて、全てを諦める事に慣れてしまった受け様が攻め様と共にあることで
少しずつ、本当の意味での生きる事の意味を知るお話でもあります。
受け様が人間の生を終えたときにどうなっているんだろうなぁ~なんて
思い描きながら最後は甘めで悪魔の独占欲も微笑ましいストーリーになってました。

2

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