同期で部下で・・・そしてセフレ そんなポジションに満足していたはずなのに――

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表題作SIDE BY SIDE~恋人のポジション~

セフレで同期の部長 黒木孝志
アパレルメーカー社員 椎名歩

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  • あとがき

あらすじ

服飾メーカーに務める椎名は、同期であり上司でもある黒木とセフレの関係。恋愛の絡まない気楽な関係に満足していたはずなのに・・・!?
(出版社より)

作品情報

作品名
SIDE BY SIDE~恋人のポジション~
著者
浅見茉莉 
イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
ISBN
9784896018387
3

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萌々

(1)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
8
評価数
3
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

セフレから始まる関係は擦れ違いの連続

同期でリーマン同士の社内セフレから、恋愛を自覚するまでの長い道のりで
男同士だから余計にすれ違う、切なさと意地がぶつかるストーリーでした。

新人研修を終えた日に同期で集まり最後の打ち上げ飲み会で、いまだに学生のノリを
失っていない受け様と同期ながら既にデキる男と言われる攻め様と好奇心から
抱き合い、その後も恋愛感情を伴わない快楽だけの気楽な付き合いを続ける二人。

気の合う同期であり、友人としても気楽に付き合えて、面倒がないセフレでと
互いに納得しての付き合いが3年続いた時に、攻め様から新しいブランド立ち上げの
企画を聞かされ、その創設メンバーに誘われる受け様。
そして順調に業績を伸ばし、同期では出世頭の攻め様は初の20代部長にまで昇進。
受け様は、その下で、自分に出来る努力をしているが、攻め様の仕事ぶりや
新事業のメンバーは社内でも生え抜きメンバーで、自分は少し見劣るなんて事も
受け様は感じるようになるのです。

既に二人の関係も7年目に突入しているのですが、相変わらずの関係維持が
攻め様からの見下されたような言動や、都合の良いセフレ扱いを受け様は初めて
悩むようになり、男として対等な場所へ行きたいと、攻め様にセフレ関係を
解消されても仕事面ではこれからも一緒だと思わせたい思いから受け様は
別ブランドのボーイズを企画するようになるのですが、攻め様にそんなもの扱いされ
初めて無理やり犯されるような形で関係を持ったことから、受け様は関係を解消すると
攻め様に言い放ち、ボーイズブランドの準備に没頭していくのです。

傲岸不遜な攻め様なんですが、案外不器用で焦れったいのですよ。
この攻め様は初めから受け様狙いだと思えるような気がする内容なんです。
初めての時は、軽いノリで好奇心旺盛で快楽に弱い受け様を言葉巧みに唆して
関係をむすんでる感じがするんです。

でも、受け様は本気でセフレ気分、それにかなり天然的に自分の気持ちにも気づけない
鈍い人のようで、攻め様を好きだと気づくのもかなり後半まで引っ張ります。
お互いが一緒にいるためにはどうしたらいいのかなんて考える程相好きなのに
二人とも肝心の言葉も出せないダブルヘタレさんですね。

攻め様は俺に付いてこい的なタイプで、受け様は楽チンが好きな軽い感じに見えますが
やっぱり最後は働く男、やる時にはやる感じで、攻め様も受け様の能力を見誤って
いたことに気が付いて、自虐的に告白するんです。
ホントに暴君なのねぇ~って思うし、受け様も意地っ張りでこの恋に対しては
ネガティブなんです。
7年以上も付き合ってのラブストーリーはかなり読みごたえもありました。
お互いが恋人のポジションを得る前に、仕事で傍にいるポジションを考えるのは
同じ会社にいるリーマン同士だからなんだろうって思えるストーリーで
リーマン萌えになるお話でした。楽しめる作品でしたよ。

0

思う所はつまり同じw

お仕事がっつりリーマンものを、いくらかライトに読みやすく表現されている本作品。
お仕事もののよいところは、働く男だからこその男の矜持と恋愛が絶妙なコンビネーションを見せるところ。
この作品もまた、主人公達の性格からくるすれ違い(まくりw)がプライベードの始まりからして、そして、仕事を通して発生するという、本来ならへこたれそうなくらいヘビーだったりするのですが、主人公の頑張りに思わず応援したくなる作品に仕上がっていました。
キャラ萌えは自分的にはあまりないのですが、傲慢×健気(意地っ張り)の組み合わせに、特に傲慢攻めの見えない優しさもいいけど、もうちょっと言い方なんとかしろよ!ってイラっとしてみたり、憤慨してみたり、ニヤニヤしてみたりw
受けは、お前何ていい奴なんだ!だけどあまりに健気すぎて(仕事態度が)リアルだったら、絶対この頑張りは無理かもしれないなんて、思ったりもみたり。。。
本当、この受けちゃんの性格さまさまですわw

新入社員研修が終わった打ち上げの晩、ちょっとした言葉の勢いで関係をもってしまうことになった主人公・椎名と黒木。
それぞれ課は違えど、何となくセフレのような関係が続いて3年後、黒木が新しく起こした新ブランドの立ち上げに椎名も誘われて一緒に加わることになる。
自分とは違う優秀な黒木を認め、彼の補助に徹していた更に3年後、黒木にとって椎名は身体だけの関係のものと受け取れるような言葉にがっかりし、仕事で何とか黒木と対等に立ちたい、見返したいと、自らの発案で新ブランドの男子モノを発案する。
渋る黒木だったが、何とかそれを立ち上げることが決まり、忙しくする椎名は黒木に相談しようと久々に彼の家を訪れた時、いきなり彼の自由を奪いセックスされて、改めて自分のポジションが都合のいい相手であることにショックを受けると同時に、なんとしても新ブランドを成功させようと頑張るのです。

何となく始まった関係を、あいまいなまま過ごした年月。
これがすれ違いの根本w
椎名が自分と黒木の能力の差を自分でわかっており、彼を盛りたてるためにそして、それをきちんとやり遂げることで自分を認めてもらうと思った矢先のがっかりする言葉。
このがっかりした時点で、自分が黒木に対して抱いていた感情が特別なものと思うのだが、二人とも、元々がバイで結婚は女性とするからいつかは別れが来るだろうという前提の思考があるから、ちょっとこじれちゃったんですねw
椎名は絶対健気だと思います。
黒木の為にまず、彼の部下になり、
そして、彼と対等になりたいから新しい事をやりたかった。
黒木もまた、椎名と側にいるために新ブランドを立ち上げ、彼を失いたくないから、椎名の新しい仕事を渋る。
互いに、互いの為を思い行動してるのが、言葉にして相手に伝えないからすれ違ってしまう。
まさに傲慢攻め♪
独占執着欲なのかもしれないが、ちょっと相手を見下しているな~と思わなくもない。
でも、ちゃんと結果を出して自分を改めて見直させるという点が仕事でなされたのは、気分がいいものでした。
ただ、その苦労が結構大変だよね、、、と本当に椎名をねぎらいたくなるようでしたよ。

ちゃんと仕事をしてる関係って、キャラクターより”働く男”に萌えるっていうことで、これがいいところでした。

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