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表題作鬼哭繚乱

鬼束暁景
命を助けられた国の国主
清音
村を守る桜の精霊

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

小さな村で守り神として崇められる桜の精霊・清音は、矢傷を負った国主の曉景を助けた。ところが、その愛情深さに魅了されて執着を募らせた曉景は、村人達を人質に取って清音を犯し、城へ攫ってしまう。まるで己の想いを孕ませるかのように抱く曉景に、いつしか清音は、今まで知ることのなかった感情を覚え始める。だが国主の座を狙う曉景の義弟に、本体である桜を切り倒され…!

(出版社より)

イラスト:嵩梨ナオト

作品情報

作品名
鬼哭繚乱
著者
宮緒葵 
イラスト
嵩梨ナオト 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829625361
3.5

(65)

(22)

萌々

(16)

(12)

中立

(6)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
11
得点
216
評価数
65
平均
3.5 / 5
神率
33.8%

レビュー投稿数11

桜の樹霊と武将の恋

宮緒先生の和風執着愛は、素敵。
「羽化」の1-2巻を読み、過去作品を数冊読みました。
洋風アレンジの和ものは、独特な世界観が創られていて引き込まれます。

里を守る鎮守の桜の樹、その神木の桜の樹の精が、うっかり武将に一目ぼれされて捕まって樹に戻れなくなり、
なんと、武将の弟に本体の樹が伐採されてしまう。
樹木の精霊は、本体を失うと死滅する。
樹の伐採の後、清音は消えてしまう。
自分への酷い仕打ちを、責めない桜の樹の精霊・清音は、それを待っていたのかもしれない。

残された暁景は、狂気を帯びた鬼になる。

・・気になる展開。一応ハピエン。

--
さくら、さのくら=「さ」とは穀物の神 
=田植えの時期を教える、農業開始の指標。

サクラは木を傷つけるとそこから腐りやすい➡切られたら、清音の命も消える

1

碧雲

再読したら、粗筋の読み間違いに気づいてしまった。
訂正不能が悔やまれる。

不器用だけど愛が重たい執着攻め!!

私の中で1~2位を争うくらい好きな作家さん買いです。

今回は異色の人間×妖精。
舞台は現世ではなく、戦乱時代なので戦国~江戸くらい?
戦争真っただ中です。

攻めは国主で子持ち、奥さんは子を産んで亡くなっていて、愛はありませでしたが地雷の方は注意です。
ただ、この子供も受けによって幸せになっていくので私はこの設定はあって良かったなと思いました。

タイトルにある「鬼」ですが、実際鬼が登場するわけではなく「鬼のような非常な人間」である暁景のことです。
見どころはこの鬼と恐れられる暁景が人情を取り戻し優しくなっていくところ。

愛を知らない、いらないと思っていた攻めが一目ぼれした受けに「愛されたい」と懇願する場面などは、私的に最高視聴率でした。
とにかく愛が重い、依存していて受けを欲っするあまり、乱暴なことでしか手に入れられなかった子供のような攻め。
さすがにその行為はやりすぎでは…と引いてしまいましたが、そんな攻めにも受けは聖母のように優しく接します。

攻めによしよしと膝枕してあげる所も良い!!
冷酷非情そうな攻めが子供のように甘えるところにキュンキュンします。

そしてそんな攻めから初めて受ける狂おしいほどの激情に、だんだんと絆されていく受け。
そんな二人は一体どうなるの!?と読むページが止まりませんでした。

2

人外モノで合わなかったのは、初めて

宮緒先生の作品は大好きで、読み尽くしてしまわないように大事に一つずつ読んでいるのですが。
本作はちょっと好みじゃなかった……残念。

どうしても萌えられなかった点は、受けが人間じゃないこと。
“人間じゃないから決して手に入らない存在。でもそれをどうしても欲しいと無理矢理奪おうとする攻め”っていうのは大好物なので、もう絶対萌える!と期待して読み始めたので、自分でもちょっと意外でした。
でも、酷いことをされても無理矢理されても、どこか「人間ってそういうものなのか……知らなかった」と冷めている受けがどうしても好きになれなくて。
そこは絶望して攻めを憎んでなんぼでしょ!と思ってしまう。
また、村人を守って欲しいという願いから生まれた精霊で、村人を守るための存在であるはずの受けがエロエロ地獄に落ちるのも何となく……納得がいかない……。
守るためだけに生まれた精霊なら、なぜ快楽があるのだろう……もっと言えば、ちんこも穴もいらないんじゃ……?とか思ってしまって。
そこから本質に変化が生まれるというストーリー展開はわかるのですが……。

そんな風に、受けがあまり好きになれない・納得がいかないので、いきなり恩を仇で返したり、初めてで公開レイプをしたりする攻めも好きになれなかった。
後半の、本体の樹が切り倒されて消えてしまった受けを取り戻そうとする攻めが行った行為も、なるほどとは思うものの、ちょっとご都合主義にも感じてしまって……。

うーーーーーん。
残念です。

3

他のレビューに惑わされないで!とてもいい作品。

ひとことで言うと凄くよかった!
こーゆう和がテーマというか、昔!!って感じの作品は読んでて疲れてくるモノが多いので買うときは本当に迷いました...。ですが買って良かったというのが感想です。

攻めは本当に受けのことが好きです。
執着してます、歪んでます。
読んでてなんか気分がよかったです
最後のほうは本気で泣きました。(感動で)
万人受けするかはわかりませんがぜひ沢山の人に読んでいただきたい素晴らしい作品だとおもいます


あまり関係ないですがこれ読んでて天上天下の「花と散るらん」と 十夜の「ゆらゆらり」っぽいなーって思いました。 これ読んだひとはいい曲なんでぜひ聴いてほしいです!

6

余りに強すぎる執着

宮緒さんの作品は、攻め様の受け様に対する執着や独占欲が強くて、今まで読んだ作品はかなり好みだったのですが、この作品は一際攻め様の執着心が強く、私のキャパを若干超えてしまいました(汗)。
舞台は戦国の乱世の様に、各地で領土を広げようと画策する武将たちが群雄割拠している時代。
登場人物も地名も全くのフィクションですが、その緊迫感も楽しめました。
 
執着心も独占欲も強い攻め様や、精霊であるが故に人の感情を持たず、攻め様に特別な感情を抱いていない受け様という設定は大好物なんですが、途中で少し苦手なシーンが何度かありまして、そのシーンで気持ちが引いてしまったため、評価は萌に抑えました。
そのシーンは攻め様の受け様に対する強~い想いを表した描写なので、そういうシーンもOK!という方はもっと楽しめると思います(すみません、ネタバレを避けるため、分かりにくい説明になってます…(汗))。
激しく受け様を求める攻め様のお話を読みたい時にはお薦めです。

1

久々に地雷踏みぬき負傷

※辛口注意※
基本的にストライクゾーンが広いので、生理的に受け付けないという話はあまりないのですが、これは駄目でした。
好きな方で酷評NGな方は回れ右でお願いします。

前回、素晴らしい執着攻を書ききって下さり、今後が楽しみだーと思ってた作家さんです。
今回はなんちゃって戦国時代なファンタジー。
一国の主と桜の精霊のお話でした。
ファンタジー大好物な上に、前回の期待値も相まって、イラストの綺麗さもあり読む前からもうワクワク!!

ワクワク

ワクワク……

ワクワ…………

萌えない|||orz
執着攻は好きですが、この攻はいただけない。
自己完結型で心中とか基本的に萌え大爆発しますが、これは全然ダメでした。
物語終盤は吐き気すら覚え、読むの止めようかと思うくらいのダメージ。
鬼も鬼のド鬼畜な攻の無意味な殺戮なんて読まされてもちっとも楽しくなかったです。
そんな攻を、人の愛情から生まれたはずの受が熱い情熱を注ぎ込まれた~い、あっは~ん、となってるのも理解できずに自分の脳の処理機能が軽くオーバーヒート。

あの過程で人間に生まれ変わる?
いやいや、よっぽどかバッドエンドで土に還って消滅した方がキレイに終われたんじゃないかとすら思いました。
言葉は悪いですが、読んで具合が悪くなった小説は久しぶりです。
そういった意味で攻が鬼っていうのは確かに確かですね。
タイトルそのままで、作者の書きたいものが存分に書けてますし、上記のようにド鬼畜なので大成功してると思います。

女性の扱いが個人的に好ましくなかった点も含め、最後までカケラも楽しめませんでしたし、何ともいえない後味の悪さを感じました。
好き嫌いが結構分かれる話ではないかと思います。

6

狂気すら感じる鬼わんこ

攻めの執着やばいー。
受けのために生贄を探し回る姿はもう…狂気の沙汰だよ、鬼だわ。
下手したら味方諸共贄にする気だし…あぶねー((((;゜Д゜))))

ってか清音愛しすぎて人目に触れさせずに閉じ込めときたいレベルの割には初めては公開、その後も側室候補集めて~の…いやあれ絶対若い女の子…しかもお嬢様系にトラウマ生み付けただろ。
側室候補の女の子たち(´・ω・`)カワイソス

生きる者皆平等に愛おしんでいた清音が少しずつ精霊らしからぬ感情を抱いていくのがいい。
嫉妬とか、恋情とか。
清音の桜…現実でも見てみたいなー…花見(((o(*゚▽゚*)o)))←

曉景、清音、鷺丸の3人でいるシーンが好き。
何げに小さいのに策士www

でも個人的に印象に残ったのは…ものっすごく脇役なんだけど、曉景の愚かな義弟に仕えていた老武士の熊谷さん。
本当にどうしようもない主人だとしか思えないのに…見放さずに仕えておられました。
「最期まで」って言った時の覚悟とか思うと悲しくなる。
責任感じて自害とか…本当にもう…。。。
良い人やったのにー…(´;ω;`)ブワッ

2

鬼もやっぱり犬属性w

やっぱり宮緒さんの犬はいいですね!(笑)
犬というか執着がすごい。愛に餓えた攻め様がすべてをなぎ倒して受け様を手に入れる様に毎度萌えてしまいます。そこにちょっとかわいらしいところがあったりするのがまたよし。
鷺丸と三人で過ごしているシーンは攻め様も可愛くて、たいへんほほえましかったですし、かと思えば、戦いのシーンの攻め様は猛々しくも悲しくて、格好良かったです。

そして今回、受け様のキャラが立っていてより良かったと思うのです。清音のキャラが精霊という設定のおかげなのか表現のうまさなのか、純粋無垢さに無理がなかったように思います。だからその分純粋に作品世界に没頭して楽しめました。

お話としても、宮緒さんって途中で惜しげもなく終わらせる、というか。起死回生のストーリー展開多い?ここからどうまとめるつもり!?と思うほど、ばっさりと思いきりよく絶体絶命に追い込みますよね(笑)お話の起伏が激しくて、ハラハラさせてくれるので余計に甘々なシーンが身に染みますね。
ドラマチック、と言えばいいんでしょうか。読んでいる方はその分ジェットコースターのように振り回されるのですが、それがまた面白かったです。

いい意味での裏切りと、はずしちゃいけないところの抑え具合が私にとってはまさにツボ。面白かったです。

2

可愛い俺様わんこ

宮緒先生の激しすぎる執着愛はやっぱりよかったです。

あらすじを読んだ時に、矢傷を負った攻め様は精霊の受け様に執着を持った上に村人を人質にとって受け様を犯し、城に連れ去られたとあり…どんな鬼畜かと正直少し抵抗がありました。

しかし読んでみると確かに生い立ちからくる鬼畜な面もありますが、精霊である清音には身体のダメージを含め悲壮感もなく、戸惑いながらも曉景がぶつけてくる激情を新鮮に感じ人間らしい感情を芽生えさせていき安心して読めました。
清音には悲壮感や憎悪感がないため重くなり過ぎず、設定が設定だけに軽くなり過ぎず微妙な匙加減は 作家力を感じさせます。

曉景は天然で博愛主義な清音に振り回され、苛立ちから大人げなく執着心を見せつけますが、清音の笑顔や一言で鬼のナリを潜め全身全霊をかけて守る姿は俺様のはずなのに…かわいいわんこです。

5歳の息子と本気で清音を取り合う姿は子連れのBL定番ですが、微笑ましくも殺伐としています。

清音と再開を果たした後の2人の続きをもうちょっと読みたかったです。

4

お犬さまの次は精霊さま

作家さま、4作目のお話は桜の精霊さんのお話でした、かなりお犬さまってイメージが
強い作家さんですが、執着愛は精霊さんが主役でもやっぱり凄まじいですね。
これだけ凄まじい攻め様の執着話ですが、くどく感じさせずに読ませてくれるのは
やっぱり上手な作家さんなんだと思います。

そして攻め様はと言うと、やっぱりどこかケダモノ的なダメワンコをイメージさせます。
一心に相手を求める姿はやはりヤンデレ傾向で、後半では鬼神のごとき惨殺を
精霊である受け様を追い求めるあまり繰り返す事になります。
どんな事をしても、誰に何を言われようと追い求める愛しい存在を手に入れる為には
どんな事でも平然としてしまう、そしてこれをすれば願いが叶うと思い込む姿は
切なくも哀れでもありますね。
結局は願いが叶うと言うよりは、そんな攻め様を見て、傍にいたいと強く願った精霊が
戻ってくるような展開でしょうか、でもそんな誰か一人の為の強い思いは清廉で自然界の
精霊にはあるまじき感情なんですよね。
攻め様と出会った事で、人間に等しく愛情を捧げて来た受け様が精霊としては
許されざる存在になってしまう。
攻め様の執着が清く美しい受け様を醜い人の世に堕とした感じですね。
なかなか読みごたえがあって楽しませて頂きました。

3

怖すぎるほどの愛

執着愛を描かせたらすごい!という評価が定着しつつある作者さんの新刊は・・・
「鬼!?」
犬→蛇→犬ときて今度は鬼ですよ!
パラレル戦国時代を舞台にした今回のお話は、その戦国設定が鬼になりうるにJUSTなシチュエーション。
対するお相手は愛から生まれた桜の精霊。
そんなファンタジーな設定は、その鬼(と言っても人間だが)の持つ人間臭さとの対比が見事にされていたと思われます。
そして、結末はハピエンではあるのですが。。。
とても起伏があって面白い話でありました。
やはり、ユニークで面白い!と思いますが評価には苦しみます。

清音はその昔、村人に手厚く看護された高僧が感謝の意を込めて村を見守ってくれという願いも込めて植えた桜の木に宿った精霊です。
それはいつしか人の形をとり、ささやかな力ながら村を守る者として村人を愛し村人に愛され過ごしてきました。
村の平穏が破られたのは、川中に倒れている一人の武士を助けたのが始まりでした。
その男は実は国の国主・暁景で、健気に看病する清音に執着を示し、村人を人質に清音を脅し強姦し、彼を城へ連れ帰ってしまうのでした。

こんな発端で始まるお話。
暁景の人柄がかなり激しい気性なのですが、それは彼の生まれにありました。
ワケアリの生まれで、国主の父親に疎まれ、義母と弟からも憎まれ排除されるような、愛を与えられずに育ったせいだという過去。
国主として名君ではあるのですが、それは民への国への愛ではなくて、自分の国を守る為であり、人に対しては容赦のない面を見せます。
対して清音は純粋無垢で、人を疑ったり憎んだり、負の感情は持っていません。
ひょっとして、清音のその清らかな心は本当は欲しかった肉親からの愛情を感じたに違いないと思ったのですが・・・
誰をも優しい心で(暁景に対してでさえ)対する清音を自分だけのモノにするために、実の息子にさえ嫉妬する姿は、まるで小さい子供が駄々をこねている見たいですw
そんな親子のやり取りのシーンが、唯一修羅の気配を帯びる本作品の中での唯一の安らぎの場面かもしれません。
そうして、清音だけを想うために清音の為ならと、利己的ではあるが少しずつ人間らしさを見せる暁景。
暁景に、一途な執着愛を注がれてほだされていく清音。
暁景が愛を知り、清音が欲を無自覚に覚えていく。
密かに静かに、二人が歩み寄っていくのです。

クライマックスでは愛する人を失いたくない一心で鬼はより激しい修羅と化し、愛しい人の再生を望み、
無垢な心は万人に平等に持っていた慈悲の愛が、ただ一人の人を求める心となり、

その結末に、若干違和感を覚えなくもないのです。
場合によっては、精霊は人の心を得、煩悩を覚えたためにともすればそれはモノノケとなる可能性もあったのでは?と思われたからですw

しかしながら後半へかけての怒涛の盛り上げは、舞台が戦国だけにうまく生かされていて、中々に勢いがありました。
初めてこの作家さんに出会ったときの衝撃や、前作ほどの激しい興奮はないのですが、やはり、執着愛を描くのが独自のモノがあり、上手い!と思った一作であることは間違いありません。

7

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