お菓子の家~un petit nid~

okashi no ie

お菓子の家~un petit nid~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神229
  • 萌×257
  • 萌32
  • 中立13
  • しゅみじゃない17

119

レビュー数
46
得点
1482
評価数
348
平均
4.3 / 5
神率
65.8%
著者
凪良ゆう 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784829625385

あらすじ

大事なものはひとつでいい
リストラされた加瀬は、強面なパン屋の店主・阿木に声を掛けられ、バイトをすることに。無愛想で人との付き合い方が分からない加瀬にとって、店の温かな雰囲気は馴染みがなく、戸惑うばかりだった。けれど火事に遭って阿木と同居することになり、彼の優しい手にどうしようもなく惹かれていく。優しくされればされるほど阿木に依存してしまい、溢れそうになる感情に加瀬は……。

(出版社より)

表題作お菓子の家~un petit nid~

元ヤクザでパン屋の店主 阿木仁 38歳
リストラされ攻様に雇わるバイト 加瀬弘明 28歳

その他の収録作品

  • 甘猫

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数46

欲しいものが手に入らないもどかしさが切ない

「夜明けには優しいキスを」のスピンオフで、病んでるDV男だったトラウマ持ちの
加瀬弘明が主人公の切なくて苦しいけれど、ラストは心がほっこりする作品です。
本当にこの作家さんは甘さのある切ない系を書かせたらぴか一さんだなと毎回思わせる。
前作でDV男だった加瀬は、典型的な心的外傷で、更に優しくしたい相手に解っていても
自分ではどうしようもない程の破壊衝動まで起こしてしまう心に闇を抱えてる。
前作では攻め様だった加藤ですが、今回は元ヤクザのパン屋さんに抱かれる側で登場。
その意外性も、今回の作品ではぴったりしていて、とても良かったですね。

不愛想で眼つきも悪くて、一見するとチンピラに見えるような受け様で、リストラされ
就活しているつなぎに、半分強制的な感じでパン屋の店主に丸め込まれるように
バイトを始める事になり、満足な会話も出来ない受け様が攻め様や店で共に働いている
女性とその子供との交流の中で、心の底から欲しいと思う相手を見つけ、
更にその相手の守るべき存在に嫉妬し、切なくて苦しい恋心や自分の心の中に巣食う
残忍な願望に嫌悪や恐怖を抱きながら苦しんでいる受け様の姿は苦しくて寂しくて
知らないうちに手を伸ばしたくなる雰囲気がありました。

そんな野生の野良猫みたいな受け様に手を差し伸べる攻め様もまた、心に傷を持ってる。
その後悔と贖罪の意味から一緒に店で働く女性と子供を守る事を誓っていて、
受け様に思いを告げられ、必死な感じで傍にいたいと言われても、恋愛的な意味で
応える事が出来ないとしながらも、受け様の側にいたいと言う願いは聞き入れる。
攻め様は自分の寂しさに気が付かないタイプでしたね。
受け様の執着じみた態度を見ていると、飼い主の後を着いて回りながらも、
しつこくして嫌われたらなんて怖さと戸惑いが見えて、誰かに構って欲しくて甘えたくて
でもそれが叶わない過去の受け様を感じて苦しくなるのです。
自分の異常性に怯え、欲しいものは手に入らないと諦めながらも必死で縋りつく、
そんな受け様が攻め様と出会えた事で、少しずつ心の平穏が訪れる。
シリアスだし、切なくて苦しいし、痛みも感じるけれど、いわゆる普通の幸せって
実は手に入れるのが本当は難しいことなんじゃないのかって思えるのです。
受け様の対比対象に出てくる野良猫や、無邪気な子供が重くなりがちな空気を
軽くしながら、読み終えるとほのぼのとした温かい余韻も感じる作品になっています。

11

可愛いノラネコ

作家買いです。

凪良さんは「人の孤独」を書くのがとてもお上手な作家さまだと思います。
誰もが本当の一人ぼっちにはなりたくない。でもそうせざるを得ない事情や環境もあって。

受けである加瀬くんもそうです。彼の生育環境は最悪と言っていいほど悪く、そうした事情もあって彼は人に心を開くことができません。常に警戒しているため目つきも悪く、愛想も悪く、リストラされるという悪循環が繰り返されます。

そして無条件に愛される経験が少ないために、相手からの愛情を確認しないと不安でたまらない。ゆえに恋人にDVをしていた過去があります。個人的にDVは許し難い。どんな理由があろうとも人に暴力を振っていいわけがない。でも加瀬くんもそう理解していたんですね。自分から恋人に別れを告げます。唯一の大切なものだった恋人と相手のためにと別れた加瀬くんが、そして恋人と別れたあとかつての恋人に貰った黄色いシャツを唯一の心のよりどころにしている加瀬くんが、あまりに不憫で哀れで涙が出ました。

対して、ヤクザさながらの風貌ながらパン屋さんを経営している攻めの阿木さん。なぜパン屋さんをやっているのか、全くの他人である加瀬くんに親切にするのはなぜなのか。彼にも過去にどうしても消せない悲しい記憶があり、それゆえに加瀬くんに親切にするのですが。

このお話は「野良猫」がポイントになっています。人に裏切られ、痛めつけられ傷ついた気持ちを描写するのに「野良猫」を使っています。

人から、世間からはじき出されたノラネコ。
両親と死に別れ、親代わりになった親戚に虐待され続けた加瀬くん。
親に捨てられ人を信じることのできなかった阿木さんたち。


優しくされたい、信じていいのかわからない、でも愛してほしい。
警戒するノラが可哀想で、ついつい餌付けしているうちになつかれて、いつの間にか可愛くてたまらなくなってしまって。

そのキーワードを軸にとても上手に話が進んでいきます。最後の阿木さん視点の短編で黒猫に例えられている加瀬くんがとてもかわいらしかった。亭主関白ぶりたいのにしっかり尻に敷かれてる阿木さんにも爆笑。二人にはこれからずっと幸せでいてほしいと願ってやみません。

前作である「夜明けには優しいキスを」は未読ですが、そちらも読んでみたいと思います。

11

本棚に残します。

捨てないで本棚に残す本になりそうなので、神評価にしました。
凪良ゆうさんの作品のなかでもっと優れている本は他にあるのかもしれないですが、自分にはこの本が、凪良作品のなかで一番再読率が高いだろうと思えるのです。すでに2回読んでるし。

カバーイラストの、グレーやセピアトーンの色合いが、せつなくしっとりとしたこのお話にあっていると思います。口絵もエロい場面でなく、腕枕で身を寄せ合う阿木と加瀬(と、猫)のシーン、というのがこの物語を象徴しているようです。レーターさん、GJ。

『夜明けには優しいキスを』で主人公を殴ってたDV男、加瀬(身長180センチオーバーの目つきの悪い受け…)が、同じように心に疵をおった、しかしこちらは幼い頃の辛さを笑ってしまえてる男、元ヤクザの阿木と出会い、やっと愛を得る物語。(あ、でもわたしは加瀬のエピソードをぜんぜん覚えていませんでした~)。
 人との距離がとれない加瀬にすぐに共感でき、お話にはいりこめました。暗い性格のわたしにはぴったり(←自虐)。
加瀬がTVドラマを、人付き合いを学ぼうとマジメに見てるのが滑稽で、子供みたいで、哀しい。
餌が、ぬくもり欲しいのに、威嚇する猫を加瀬とダブらせてあります----ありがち…なのに陳腐と感じなかったのは腕だろうか。
阿木と出会えてよかったね、と素直に思えました。
子供もかわいかった。いじめられてるのにすごく素直。子供にたいしてもどう態度をとっていいかわからない加瀬が、動物園で肩車をしてやる場面はほっこりしました。

雨の日やなんかに気分が落ち込んでるようなとき、ひもとけばゆったりした気持ちになれそうです。
 補足:後日、元気な日に読もうとしたら、加瀬の暗さをややウザく感じました…;

10

前作、覚えてなかった

前作というか、スピン元というか、「夜明けには~」の内容はほとんど忘却の彼方だったんですが、全く問題ない。
この1冊だけでも、十分。
「夜明けには~」の感想を見返すと、加瀬を何とかして欲しい、加瀬の続きが読みたいって。
すっかり忘れていたけれど、待望の1冊だった訳で、
加瀬の物語は、とても幸せな結末を迎えて、
作者様に感謝です。

この本、他の方も言っていたけど、葛西さんのイラストがすごくいい。
甘さと、エロを排した、陰りある絵。
シャツを膝に抱える加瀬、
加瀬の肩の上で歯を剥く猫。
加瀬と猫と阿木以外はまったく描かれていないことも。
皆さん、軒並み「神」評価なんで、私も一緒になって「神」じゃなくてもって、天の邪鬼な心が一瞬頭を擡げたけど、葛西さんのイラストに萌+で、やっぱり「神」

9

たったひとつの居場所

リストラされて途方に暮れていたところ攻めに声をかけられて小さなパン屋さんでアルバイトをすることになった受けと、強面だけど優しい攻めの話。
この受けの加瀬くんがとにかく読者を泣かせにきます。
凪良ゆうさんは「愛情や他人のぬくもりに飢えた居場所のない寂しいひと」を描くのがとても上手い作家さんだと個人的に思っているのですが、加瀬くんが阿木さんとのコミュニケーションを通じて悩んだり立ち止まったりしながらも少しずつ成長して居場所を得ていく過程がたまらなく愛しかったです。

6

本当は寂しがりやな野良猫

「三つ子の魂百まで」と言いますが。
人格が形成される頃に刷り込まれたトラウマが、その後どれ程大きく影響するか・・・
加瀬を見ていると、痛いほど思い知らされます。
前作の「夜明けには~」で、恋人の要に対してかなり酷いDVをしていた加瀬ですが、
その時から加害者であるにもかかわらず被害者の要と同じほど痛々しかったです。

そして今作は、その加瀬目線のお話。
本当は誰よりも愛情と人の温もりに飢えているのに、
そのあまりにも不器用は姿に、読んでいる間中涙腺が弛みっぱなしになりました。

加瀬が求めているものは、何も特別なものではありません。
ただいまと言えばお帰りと返してくれる笑顔だとか。
髪や頬にふれてくれる温かい手だとか。
自分だけのあたたかなもの、あたたかな場所・・・
普通の人が、皆が、ごく自然に当り前に持っているそんなささやかな物なんです。

だけど、幼いころに事故で両親を亡くし、叔父宅で虐待を受け続けていた加瀬は、
まるで痛められ続けた野良猫のよう。
いつもお腹を空かしていて食べ物探しているくせに、与えられると爪を出して威嚇する。
差し出される手を、本当は何よりも求めているのに。

自分が求めている自身の姿と、現実の自分とのギャップに
必死でもがいて傷ついている加瀬が、
なんかもう、痛くて可哀そうで、何度も泣きました。
要にもらった黄色のシャツに執着する姿が、余りにも哀れでした。

そんな加瀬が阿木と出会ったことで少しずつ心を開いていきます。
そしてある日突然、阿木に恋をしていることを自覚をしますが、
欲しがり過ぎて加減が出来ない自分を自覚している加瀬は、
阿木との距離の取り方が分からず、くっついたり離れたいしながら悩み続けます。

ところで、話の中に出てくる黒猫、まるで加瀬そのものです。
だから加瀬も放っておけなかったんでしょうか。
阿木と加瀬がじゃれあっていると、あてつけのように阿木の横に粗相をする猫が、
まるでヤキモチを焼いているようで可愛かったです。


最後はハッピーエンドで本当に良かった。
この本は、私は連続で3度も読み返してしまいました(笑)
加瀬の体に残る虐待の後や心の傷は、これからも消える事は無いでしょうが、
これからはそれも含めて阿木が大きく包み込んでくれるのでしょうね。
心に染みるお話に出会えて良かったです。

5

キタコレw

ドンピシャでした(*´д`*)
個人的には神評価にプラスαしてもいいと思うの。
だって可愛いんだもの!!!!!!!!!
世界の中心で萌えを叫びたいw

スピンオフのようですが、元々は未読。
こっからで十分なのですが、元々が読みたくて注文も致しました。

さて、お話。
いろいろ陰鬱抱えている受が、アットホームなパン屋さんに拾われて
幸せを掴んでいくというお話なのであります。
誰にも懐かない猫が自分だけに懐く。
ここがポイントですねww
攻も言っていましたが、それがどれだけ可愛いか!!
だって、他には脇目も降らず自分だけを見てるんだよ!?
可愛いじゃないのぉぉぉぉおおおおっ!!!
過去の反省が大いにあるから、控えめというか、ネガティブというか
ネガティブなのに~な受の発言もこれまた可愛かった。

おすすめはやっぱり
攻の後ろを追いかける受。の後ろを追いかけるクロネコ
のエピソード。
「甘えます」のセリフ。
とにかく可愛い。
めいっぱい愛されて、めいっぱい幸せになって欲しい。

5

ほんわかできる本

評価の決め手はとにかくかわいい!
脇役の男の子も可愛いし、にゃんこもかわいい
受の鬱陶しいネガティブ思考まで可愛く見えてくる不思議!
ぐるぐる考えすぎるキャラクターが苦手な方は避けて通った方がいいかもしれませんが、ここまでネガティブにぐるぐる考えてくると逆に愛しくなってしまいました。

作品のストーリーとしてはよくある感じですが、丁寧に心理描写がされていて飽きずに読むことができます。
本編は受け目線で、正直本編だけだと攻がなんで相手を受け入れたのかが分かりにくいところもありました。
しかし、番外編(みたいな短編)は攻の視点で書かれていて攻の受への気持ちもわかって二つ合わせて完成された物語だな、と思います。

どうしようかな?と悩んでいる方にはとりあえず読んでみたら?とオススメできる作品です。

5

キュン死、初体験!

凪良さんのシリアスタッチの作品は初読みです。
でも、すっごい良かった!
はー、もっとはやく読めば良かったー。


加瀬はチンピラなみに目つきの悪い28歳。
これでも受け。
スーパーネガティブ男で、コミュニケーション能力がマイナス値。

攻めの阿木はパン屋のオーナーで38歳。
ヤクザと言ってもいい強面ながら、愛想も面倒見も良い。
実はもとホンモノの方。


主な登場人物は他に、パン職人の知世、その息子の理央、そして阿木の幼馴染で暴力団員の武藤です。
このお話は誰が欠けても成り立たなかったなあと思います。

ほとんど阿木に拾われた形の加瀬。
はじめこそ阿木にも知世たちにも、傷つけられないためにバリアを張り巡らしていましたが、加瀬がぎこちないながらも、理央と交流しながら人間関係を学ぶあたりはジーンとさせられてしまいます。

加瀬と阿木のゆるやかな関係がとても素敵。
年の差カップル万歳!という感じです。
阿木がもう!素敵すぎて!
特に加瀬を甘やかすさまが…
これが世に言う『キュン死』ってやつなのね!と実感。
もうもう飄々とした昼行灯男、大好きです。

最後に非日常的なちょっとした(当人からしたらちょっとじゃないけど)事件が起きますが、それ以外は本当に淡々と日常が語られ、またそれが心地よく気持ち良く読めました。

加瀬は、『夜明けには優しいキスを』に出ていたとのことですが、そちらは未読です。
ただ、それでも問題はありませんでした。
きっと、『別れた恋人』というふうに表現されているのが、前作の主人公なんだろうなあと想像するくらいです。
それも、名前を出さない表現の仕方が良いなあと思いました。
スピンオフなどで、本人は登場しないのに名前だけが出ててくると、読んでない方としては若干置いてけぼりされている感じがしてしまいます。
登場してきた時にやっと名前が出て、こちらにもその時初めて知らされ(前作をお読みの方はご存知だったとは思いますが)素敵な演出だなあと思いました。

後ろのSSは阿木目線。
メタメタに加瀬を可愛がりたい食べちゃいたい的な様子が垣間見られ、ひじょうに美味しいSSでした。

5

素直にすごく良かった

『夜明けには優しいキスを』のスピンオフ。
できれば続けて読もうと改めて読み返しました。

何度読んでも、いい。
男気のある阿木。生き方がカッコいい。
決して幸せとは言えない生い立ちや、やくざという世界にいたこと
自分の気の緩みから、大切な仲間の命が消えたこと・・・
たくさんの苦しいことや辛いことを、顔に出さず
いつも加瀬のことを心配し、優しい阿木。

前作からのあの乱暴者の加瀬とは思えない怯えたような暮らしぶりには
ちょっと驚きましたが、要からもらったシャツをいつも抱えている加瀬が
なんだか哀れで、そのシャツを家事の中から持ってきてくれた阿木の優しさに
もうジーンときてしまい、
「服の形してるだけでこいつにしたらなんか別のもんなんだよ」の一言に
もう涙腺が緩んで加瀬の代わりに号泣してしまいました。

阿木を好きになったり、知世たちにやきもち焼いたり
勘違いしたり、嬉しく想ったり・・・・
めまぐるしく変わる加瀬の気持ちに、思いきり感情移入しながら読んでしまいました。
加瀬の気持ちになって、イライラしたり悲しくなったりきゅんとなったり・・・
とても丁寧に加瀬の心理描写が書かれていて、1冊の本の中に
どん底から阿木に引っ張り上げてもらう加瀬の心の変化はもちろん
前作のひどかった加瀬の部分にも触れていて
どんなふうに加瀬の気持ちが前に向いて行ったかが理解できました。

知世と阿木が結婚すると勘違いした加瀬ですが
以前の加瀬なら、狂ったように暴れるところですが
相手の幸せのために、自分から身を引いて阿木の幸せを願うなんて
前作からの成長ぶりというか、加瀬の変わりように驚きました。
「かまどに放り込まなくてよかった」という一言は
まさに加瀬の本心だったんだと、改めて感じました。

前作ではさんざんな加瀬でしたが
こんなに良い人に出会えて、愛してもらえてホントに良かった。
しかし、今まで鬼のような攻めだった加瀬が阿木の腕の中で
可愛く喘いでるのはなかなか読みごたえありました。
阿木がうけというのは絶対ありえないので、やっぱりこれで良かったんですね。
加瀬もこれで受けに目覚めたってことですね。

5

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