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名前を奪われたら、たましいを縛られる。
読了後、胸がじーん…と熱くなり、
甘やかな気持ちが広がってゆくのを体感致しました。
以下ネタバレ+超個人的感想です。
まず装丁。
いま、水彩なら四宮先生!というほど先生の色使いや筆致に惚れ込んでいるので、手に取って思わずうっとり。舞い上がる綾錦の蝶にいつまでも見惚れていました。
そして表紙の素晴らしさに劣らず、内容もとても満足できました。
設定は民俗学…ファンタジー?とでもいうのでしょうか。
主人公 千佐のバイト先、オカルト対応可の探偵事務所を中心に展開します。
千佐と天花寺、事務所の鈴島と魚住…みんな「ワケあり」の人物で、依頼人や事件、過去を通してそれぞれの関係が明らかになっていきます。
私はふたつのカップルの過去編が印象的でした。
擬態で本当の自分を隠す千佐と、呪いを扱う家系に生まれた天花寺。
愛されない子供の鈴島と、逃げながら生きる人魚の魚住。
ふたりが出会って約束した「運命」は、今にちゃんと繋がっていて、これからも続いていく。
物語の終盤、千佐は今まで受け流してきた「千佐」自身を受け止めます。
鈴島のために身体を変えた魚住も、天花寺と向き合おうとする千佐も、
誰かが 想う相手のために動く姿はたまらなくいとおしい。
画面の描き込みは細かで、人物は可愛らしくもあり、色気もあり…。
物の怪の描写も雰囲気があってよかったです。
そして柔らかな線で描かれるHシーンは独特のエロさ。
まるで溶けるように交わる描写は艶めかしく、
「とととんでもねえ色気だ…!」とたいへん悶えました。
その他にも、何気なくふと語られる会話の中から、千佐という人物がするすると見えてきて、そういった所も四宮先生のうまさを感じました。
ページをめくるたびに起こるいろんな気持ちを、何度でも味わいたくなる作品です。
ひらひら舞う蝶の表紙イラストも素敵なノスタルジックな雰囲気があり、
更に人の縁が結ぶ不思議を感じさせる作品でとても面白い。
古き時代の迷信や言われ、古いものには森羅万象、八百万の神が宿っているような
アニミズム的な世界観も感じられるし、呪詛なんて怖いものまで感じられる。
そんな不思議な世界観がありながらも、人の縁と相手を思う気持ちまで描かれていて
読み込めば奥深い作品だと、かなり味のある内容で面白い。
この世ならざるモノも扱う調査事務所にアルバイトとしてスカウトされた平子。
偶然の出会いが必然だと、必ずいつかめぐり合うように縁が組まれていたと
思えるような展開が次第に明らかになるように描かれていて、
作者の不思議世界にどっぷり浸ってしまうような作品。
発売当初から気になっていた作品でしたが最近になってやっと購入しました。
全体に優しい雰囲気の作品になっています。イラストがあたたかく描かれてあり、そのためかストーリーが怖い流れになってもさくさくと読みすすめることができました。
がっつりファンタジーなので、大人の現実味のあるストーリーを読みたいと思っている方にはオススメできない作品です。
一方で非BLではありますが、CLAMP先生のxxxHOLiCが好きな方にはたまらないBL作品ではないかと思います。
2組のカップルがでてくる優しいファンタジー作品です。ちょっと疲れた時に読むと元気が出る作品だと私は思います。
「銀のくつ」で出会い、この作者さんの作風に惚れ込んでしまい、これを購入してみました。1度目読み終わった時は、「うん、変わってるし面白かったね。」程度だったのですが、ストーリーを知って読んだ2度目、主人公たちの感情に注意して3度目と読むと、この作品の味わいの深さに感動さえもおぼえてしまいました!主人公とそのアルバイト先の2人、縁がとりもつ不思議な世界が素直に優しく描かれています。また読み返しては優しい気持ちになれる作品に出会えて、良かったです。これから、今日は四宮しのさんの他の作品、購入して来ます!
表紙からして美しい。スマホ電子だと試し読みクリックしない限りこれが大きくは表示されないのか…そう思うと紙の本が売ってるって大事よね。
絵のタッチがたまんないのよね〜
"誰からも誰かに似ていると言われる"っていう設定と蝶の掛け合わせからしてもう大大大好きなんだけど、ストーリーも絵も演出も百点満点だから花丸です!大きい花丸!!可愛い!!!
天花寺くんと平子の関係性の作られ方も好きだし、鈴島と魚住も大好き。四宮先生の作品て一冊の中で登場人物も多く、付き合っている2人も多いのに、過不足なくまとまって満足感がずっしりあるのが不思議。優しい作品なのにこの満足感。和菓子みたいな。