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私生活の様々な痛みを抱えながら悶々としながら、日々があっという間にすぎていく高校生のお話でした。
10代、特に中学・高校の頃はクラスの行事や催し物もあって色んな人と触れ合いますよね。ただ生きているだけでは関わらないだろう人とも。クラスメイトだから当たり前と言えばそうなのですが。大人になってからでは、自分とは本質的に違う人、と深く関わろうとははじめっからしませんし、取捨選択もする。
主人公の夏海と尾栗(ミチル)たちも、もし、もっと大人になってから出会っていたらこうして関わることもないような性格の差を感じました。
夏海は明るくて少し調子乗りの節があって(それは女子から総スカンを食らった出来事も含め)おしゃべりなところもあるごく普通のどちらかと言えば賑やかな子。一方ミチルは、運動はそこまで得意ではないけれど勉強はできるタイプでやや大人しい、横顔が絵になるような育ちの良さそうな品の良い子。
正反対というまでではないけれど、でもそれに近いくらいの遠い位置にいるふたりが、少しずつ距離を近づけていきました。もっとも、それを望みながらも長らく欲を出さずに見つめていたのはミチルなのですが。
この、ミチルがそうして夏海のことを慕っている…んだろうなぁと読み手としても思うのですが、紙面上でもなかなかどうしてミチルが想いをあらわにすることがないのです。せいぜい頬が赤らむくらいで(タイピンをプレゼントしたところでは照れと喜びがしっかり表れていましたが)、それもしっかりと隠そうとする。普段はまったくなにも感じさせないような、ただのクラスメイトに見せています。
もっとこう、露骨なシーンがあるかと思いきやそれに至らない。夏海がミチルの感情に気が付かないように、こちらにも見えない…けど慕っているのは感じとれる。ミチルのいじらしさが、そっと想うだけに留めようと隠しているのが一層良いのです。
一年そこそこの間に凝縮されたお話ではなく、ページを捲るごとにどんどん月日が流れてゆきます。はじめは中学3年の夏、そして上巻が終わる頃には高校2年の冬。
ふたりそれぞれに共通する苦悩や境遇を乗り越えようと、もがきながらそして恋もしながら…。彼ら以外に登場するキャラクターたちにも魅力があり、ギャグとシリアスも好い具合に混ざっているのでトントンと読み進められます。
ミチルの舞い、とてもきれいでした。軽々しく応援するだけなんて言えやしないから、つたない言葉ながらも、必死に伝えようとしている夏海もまた素敵なんです。
屋上での場面、ふたりだけで夕陽をあびて長い影を伸ばしているシーンがとても印象的でした。
夏はホントに暑いですね!
タイトル通り、アイスクリームが欲しくなります。
たし先生は「かきかけとけしいん」という非BL作品で出会いました。
毎度の事ながら、本屋さんでジャケ買いでした。
今回は、たし先生だから買いました!
デジタル仕様の絵柄はスッキリとしていて読みやすく、とても綺麗です。
上下同時発売で、なんとオール書き下ろしだそうです!
中学から大学まで(大学は任意?)エスカレーター式の学校に通う二人のお話です。
中三の体力測定で話をしたのがキッカケの夏海とミチル。
上は、中三~高二の修学旅行後まで。
下は、その続きから高三の夏休みまで。
エロなしの青春ストーリーです。
上巻で大事なのが、ゆっくり育まれる二人の友情と愛情です。
夏海光太はサーフィンを辞めて、日々ダラダラ過ごす男の子。
美人でビッチな姉と、ユルユル仲間の友人二人、姉の先輩の鵠沼さん、中学までサーフ仲間だった良介。
賑やかな周囲だけど、何だか変わり映えしない日々。
尾栗満とは中学でも高校もクラスメイト。
ミチルは神社の家に育ったお坊っちゃまで、いつも一人で静かに過ごす男の子。
習い事が忙しく、帰りはいつも急いでいて誰かと遊ぶ事もない。
カラオケもファーストフードも経験ない箱入り息子です。
上巻のキーワードは誕生日プレゼント。
二人のゆっくり育つ関係が、じわじわ染み込むお話でした。
上巻ではとにかく、無くてはならない存在になっていく過程が丁寧に描かれています。
中学3年の時に出会って、高校3年の夏に恋愛が
始まる。
そう言う二人の高校2年の冬休み前までの話が
展開されている巻です。
どう言えば良いんでしょう。
確かに恋物語なんだけど、この二人の編み出して
いるペースは世間の求める恋愛のペースとは
随分隔たりがあります。
恋仲になろうと言うよりは親友になろうと
右往左往してる、そう言う認識の方がなんとなく
しっくりくる感じ。
その右往左往の中にいささかの欲でも混じっていれば
ボーイズラブの世界観における恋愛にさらりと
転ぶのでしょうが、その気配は微塵もない。
恋に落ちるのではなく、恋をゆっくり築いている。
何となくそう言う空気が物語を支配しています。
普通の高校生の、普通の学生生活。日常。
けれども多感かつ、
多くを選ばなければならない時期だから、
ただ平凡と呼ぶには色々と胸を痛めるんだよなと
なんだか懐かしく思い出してしまう、
そんな一冊でした。
エスカレーター式私立に通う主人公・夏海が
学園生活を送る中で同級生・ミチルへ
柔らかな独占欲を感じ始めて行くまでの上巻。
中3から高2の冬までが一冊かけて描かれる。
上巻中で、夏海はミチルへの想いが
ちょっと特別なんだって気付くけれど、
それを「恋」と呼ぶには、まだ境界がとても曖昧。
本当に途中までは「少し特別な友情」。
ただ、夏海の中でミチルの存在が
少しずつ確実に変化していく。
視点はずっと夏海に固定されているからこそ、
読者はそのゆっくりで無自覚な変化を
自然に受け入れられるんだろうな。
そして「恋物語」ながら、
恋だけに特化していないところが、
このお話をとても魅力的にしていると思う。
夏海にとってのサーフィン。
ミチルにとっての舞い。
それによってお互い、
心が何らかの支配を受けている。
打ちのめされるミチルと対面した時、
夏海が葛藤した末に出した気持ち。
『何がわかるっていうんだろう』
なんだか、自分でも体験したことがあるような…
少し息苦しい感覚に襲われた。
読み返せば、物語の端々に
サーフィンを連想させる無言のシーンが
いくつも挟み込まれており、
夏海が恋だけでなくサーフィンと
どんな決着を付けるのかという意味でも
下巻が気になってしまうのだ。
恋迄の過程描写が好きな方にオススメですが、
恋だけでなく、常に自分に付きまとう葛藤や
学校行事に絡んだエピソード、特別な友情に
懐かしく甘酸っぱい気持ちにさせられます。
BLの香りのする青春物語が好きだと言う方も
入り込める世界観なのではないかな。
BL感は薄いので、好みじゃない方も
いるだろうなぁと感じるものの、
とても丁寧な、秀作だと思います。
ずっと装丁が気になっていたのですが、息抜きに夏の話が読みたくて購入。
絵はちょっと固いかなあと思うのですが、淡々とした話に合っていて私は好きです。
がっつり地元(湘南)がモデルの話でした。
主人公周りも地名なので不思議な感じです(笑)
そうすると、姉ちゃんはFM横○のアナですかね。
絵柄だけで、受けの子、いや相手の子が好みだろうなあとは思っておりましたが、矢張り好みでした(笑)
長く漫画読んでると、俺レーダーって結構外れないものですね。
育ちの良さそうな子、好きです。
1巻はプラトニックどころの騒ぎではないくらい何もないです。
未だ本人もはっきり自覚しているようないないような。
淡々としているし、特に山場も少ないのですが、この雰囲気、私は嫌いじゃないです。
時々、「ああ、わかるよ!」っていうシーンがあって、好感持てます。
特に相手の子(受けと書きたいけれど、何もないので)が女子に告白されているのを影でみているシーンで、「自分がずっと仲良くしてきたのに、横からかっさらって」って主人公が思う所が好きです。
ある、ある!分かるよ!!
特に進展したような、しないようなで終わり。
次では何か起こるのかな。
でも正直、何もなくてこのままでも私は平気な気がします。
淡々とした日常話が退屈な人には、合わない話かもしれないですね。
淡々としている割に、時間の流れだけは妙に早いのは気になりました。まあ、ページ制限ありますものね。
仕方ないか。