彫師のセイナを訪れた、ちょっと変わった客・ジン。意外と世話焼きな彼に、清名はすっかり懐いてしまったが……。

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表題作ブラザー・オート・スポット

ジン,ちょっと変わった彫り屋の客
セイナ・ハイネス,彫師

その他の収録作品

  • ブラザー・オート・スポット after(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

ほっとけないし、突発的にキスもしてしまったし好き……ってことかな

彫師のセイナの元にやって来たジンは、こだわるべき彫りの図柄を一任するという、ちょっと変わった客だった。面食らったものの、実力を認められたようで嬉しいセイナ。意外と世話焼きなジンに、すっかり懐いてしまった。家を飛び出し、実の兄とは気まずい仲であるセイナにとって、頼れる兄貴分ができたようで信頼していたのだ。ところがジンは兄の友人で、彼に頼まれてセイナの元を訪れたと知ってしまい……。

作品情報

作品名
ブラザー・オート・スポット
著者
乃一ミクロ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
ISBN
9784829685440
3.1

(14)

(0)

萌々

(5)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
41
評価数
14
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数5

みんな、セイナが大好き

乃一ミクロさんの初商業本。
ライトでポップな感じの感覚が、心地良い作品でした。
マンガの画風も、ひょっとするとすごく好みかもしれない♪
小説の挿絵だけじゃなくて、これからもマンガを楽しみにしたいな。


古本屋をやっているジンが友人のトーマに紹介されて行った彫り師のセイナのところ。
今までも刺青を入れようとして気に入らなくて失敗した痕が背中に残ってる。
デザインは最初から最後まで任せて入れてもらう事にしたのだが、そこで名前を聞いてビックリ!
何とトーマの弟だったのです。
7年も前に家を出てしまい、どうやらセイナにトーマが嫌われているらしいとの事で、実は様子を見に行って欲しかったのだと言う。
そして、家族はセイナに会えないから代わりに見守ってやってくれとお願いされるのです。

筋としては、セイナが家を出た理由とこだわりを。
見守ってくれとお願いされたが、彫り師としても腕を認めており、そうした付き合いの中でセイナに惹かれていくジンと、ジンに惹かれて行くセイナというものが結びついたお話。

セイナ、長髪で一見女子っぽいのだが、男の子って感じかな?
肩と胸と足のタトゥーはもちろんだが、左のこめかみのアシンメトリーな刈り上げの際にあるのが印象的。
髪をおろしてしまうと、まるで飾りのようにチラ見えするのがカッコイイ!
彼の実家は政治家を出す家で、優秀な一家。
セイナも本当は政治家を目指していたのに、どうして家を出て彫り師になったのか?
結末にて、その理由が分かった時、ええーっ!?と驚くに違いない(笑)
セイナにとってはとても大事な事だったのだとは思うが、実はトーマや家族が溺愛すぎるんじゃないか?
かわいすぎて、腫れものに触るように遠巻きにしか見守れないってw
しかも7年だよ~!(きっとそこには彫り師として道を究めるのを見守る時間だったのろうと、勝手に解釈した自分)
セイナがとてもかわいい性格なので、よく7年も一人でやってきたな、と不思議に思ってしまうのですw

さてジンですが、彼はトーマに言われたからじゃなくて、自分の身体に彫ってもらうことでセイナと向き合って人を知り、更にトーマからの情報によってほだされる要素満点。
ジンも一人暮らしらしいので、一人同士ちょうどよいぬくもりなのだろう。

エッチはラストにちょっぴりだが、セイナがかわいらしかった。
セイナの元に出入りする青年達、トキとアンジー。
彼等は何気にセイナの代わりの家族(弟?)みたいな存在で、ジンにセイナを宜しくと言っている。彼等にもセイナは愛されみまもられているのですね。
そのトキとアンジーももしかして?というのが描き下ろしで。
兄のトーマにも?というのもある。
兄は弟を心配していたが、皆に愛されて見守られて、好きな仕事をして、セイナは誰よりも幸せなんじゃないだろうか?

物語の舞台が政治不安から暴動がおきたりする国という設定らしく、テロみたいなものも発生して結構物騒さから、南米とかのイメージがする。
作者さんがタトゥーに興味があると言う事で、今回はその設定になったようだ。
和彫りでなく、多分機械彫りだと思うが、いわゆる洋彫りと言われる類のモノでした。
刺青が見えるような、部分が露出した服を着ている主人公達だったので、描くの大変だったろうな~なんて苦労を思ってしまいますw

5

ツレって…

刺青の彫り屋にやって来た客×その店の腕のいい彫師のお話で、
その刺青(というよりタトゥー)が、とても美しいのが印象的な本でした。
ヤクザが背中に背負っているのとは全然違って、
特に攻めが受けに彫ってもらったのは、
アシンメトリーで、ああ、こういう彫りもあるんだなーーキレイだなぁ…
素直にそう思う感じのものでした。
絵の雰囲気とも合っていて、それもとてもいいなぁと思いました。


ただ、ちょっと、
わたしは勝手に勘違いをしてしまって…!

攻めがツレに紹介された彫り屋に行くと、
その店の彫師(受け)が、とても腕がいいということと、
ツレと同じ名字、つまりツレの弟だと知ります。
そしてツレは、
今は自分も家族も弟には会えない状況なので、
どうか弟を見守ってやってほしいと攻めに頼むのです。
攻めはめんどくさいと思いつつ、受けに惹かれていって、
受けとツレが7年も疎遠になっている理由を知って…と話は進んでいきます。

ツレは男性で、単に攻めの親友だったのですが、
わたしは長く一緒にいる恋人なんだと勝手に勘違いをし、
(だって、ツレって普通夫婦に使う言葉ではーー??違うのかな?)
すでに疎遠な兄弟が男を巡ってさらにドロドロな展開!?
そう思って、ドキドキしながら読み進めてしまいましたよ…(^^;)
(ちょっと最近心が弱っていて、誰かが傷つく展開にとても弱いのです…)

で、そうじゃないと分かって、
あれ?となって、
さらに、兄弟が疎遠になった理由が思ったほど大事ではなくて、
も一度、あれ…??とw
勝手な話ですが、
どうも肩すかしをくらった感じになってしまったのですよね…

再読すると、
タトゥーが素敵なほのぼの話、といったところかな?
ちょっと印象は薄めなお話かと。
でも、
乃一さんの本は絵柄と雰囲気が好みなので、新刊が出たらまた読んでみたいです♪

3

江名

りひと12345さん

はじめまして、コメントありがとうございました。
そうなんですよね、ツレは友達という意味でもよく使うらしいですよね、無知な自分がお恥ずかしいです(^_^;)
このレビューを書いた当時はツレという言葉を「ツレがうつに~」という作品くらいでしかわたしは聞いたことがなくて、すっかり勘違いしてしまいました。
もしまた何か発見したらお知らせくださいm(__)m

りひと12345

その言葉を普段使わない私が言うのもなんですが、ツレは友だちにも使うみたいですよ。
たぶん関西の人がよく使いますよね。
関西人の知人が、友だちという意味で使ってました。

以外に軽い

彫師のセイナが主役なのだけど、舞台はどう見ても海外もので社会情勢が
ちょっと混乱している異国、そんな街で彫師をしているセイナことセナは
政治家一家の息子みたいなんだけど、訳有で家族と離れ今は親しい仲間と
一緒に賑やかに暮らしている。

何やら家族との確執がシリアス的にあるのかと思ったら、ラストでまさかの内容は
それって勘違いの一方的な兄弟ケンカで、解ってみたら即家に戻れるレベル。
政治的な混乱とか色々作品内に盛っていたから、どんな展開かと思ったら
ブラコン兄と、誤解したままの弟がブラコン兄の友人のジンに刺青を入れた事から
結果的にジンの強引さで兄弟仲が解決し、ジンとも相愛の関係になる内容でした。
内容的には誤解と擦れ違いの話でしたね。

1

雰囲気とキャラがカッコいい

とにかく全体的に雰囲気とキャラがカッコいい作品だな、ということにつきます。

セイナもジンもスリムだけど華奢じゃなく、キレイでカッコいい。

セイナの最初の登場のときの姿も、2回めに出てくる時のパーカー姿も、なんかカッコいいです。
だいたいマンガだと、話の中で「あれ?気付かなかった」っていう見た目でも、読者には、あまり違って見えない事が多かったりしますが、セイナは確かに顔は同じなのになんか違うーって感じられました。

それにセイナ兄のトーマとも、顔は似てるのかもしれないけど、似てるかな?って思っちゃう感じで違って見える。

お話の方は、セイナが家族と仲違いして家に帰れなくて7年という、わりとシリアスっぽい設定ですが、その理由がわかってみると、あんまりたいしたことなくて拍子抜けで、シリアスさを求めると残念に思うだろうと思います。

本人にしたらそう思い込んじゃったらそう思っちゃうのかもしれないけど、兄は別にツンデレでもなく、弟大好きな感じっぽいし、そんな感じで接してたなら、その一言だけで誤解するかなぁ?という気もしてしまいました。
「母さんごめん」の寝言も、特に母と何かあったってわけじゃなく、ただ期待されてたのに政治家になれなくて〜という、これもまたただの自分勝手な思い込みなだけで・・・。

そこら辺は、深く考えず突っ込まず、サラッと流して読むやつだなと思いました。

ジンの仕事も、なんとなく趣味でやってる程度な感じの古本屋と、メインの稼ぎは株だそうで、全然ガッツリ仕事してるふうじゃなく、そこそこいい部屋に住んでて、あーほとんど遊んでるっぽいのに、軽く「株で〜」とか、マンガだからこその軽い感じでうらやましいよねって思いました。

ジンのいれた刺青ですが、最初の案はだいぶラフな感じだったんですね。
もっと幾何学模様っぽいのかと思ったら、出来上がりが写真みたいなタイプの人物像で、「え?こういうのだった?」って思って最初のデザイン画を見直しちゃいました。

作者さんが刺青大好きだそうで、私はセイナのみたいなのとか、昔の部族?っぽい幾何学模様なのとかは好きでカッコいいと思うけど、写真ぽいタイプは暴力団ぽくて好きじゃないなー。

とにかく、ストーリーはあまり深くどうこうじゃなく、全体的にカッコいい雰囲気を楽しむ作品だなと思います。

作者さんの他の作品を探してみたら、マンガはあまりなくて、小説のイラストが多いんですね。マンガも試し読みしたら、この作品みたいなかっこいい感じのキャラなのがなくて、ちょっと残念。

1

おそらく乃一先生の好き!が詰め込まれている

あとがきで書いていらっしゃる、刺青に対する憧れが当方にもよーくよーく分かります。
写真等を眺めているのが好きです。
ヘソや腰骨の辺りに入っているタトゥーはエロティックですし、背中一面のモンモンとなればこれまた重々しいかんじがたまりません。筋肉で盛りあがった二の腕に描かれるものもまた素敵だと思います。

ですので、わたしは[彫師・セイナ]をお目当てに拝見いたしました。
彫り物が入っているのはセイナだけではなく、登場するキャラそれぞれに入っていましたので目でも楽しめましたし、少しやんちゃなキャラたちですが皆お茶目で可愛らしくほのぼのとする連載で不安もなく読了しました。
またブラコンお兄ちゃんもいい味を出しています。舞台がこの世界ではないまた別の場所の話、という辺りも好きな点です。(政治抗争のある不安定な地域、ということなのでもしかしたらこの現代かもしれませんが、なんとなく違うように感じました)
作中、見た目のやんちゃさとは裏腹になんども無邪気な笑顔を見せるセイナはとても可愛らしく、この華のような表情こそ兄やジンを惹きつける理由なんだろうなと感じました。
そしてうっかりキスをしてしまったジンのあの、とんでもない顔ったら!(笑) 仕方ない、恋には勢いとタイミングが必要ですもの!
お話の内容自体はやや軽めで、私にはグッと入り込むことができなかったので中立とさせていただきましたが、キャラクターのデザイン等々はとてもおしゃれです。
セイナももちろん綺麗で可愛らしいのですが、攻めのジンももちろん格好いい!黒髪短髪ヤンチャって極みだと思います。

本編ではキスのみのふたりでしたが、描き下ろしではベッドシーンをしっかり拝見できました。大の男ふたり狭い作業台で…、というのは読者側、燃えます…!
アンジくんがかっこよかったり、ベッカー先生がブラコン兄ちゃんに矢印出ていたり、気になることをぷんぷん匂わせた内容でしたので、ぜひともその辺りの詳細を知りたい限りです。

3

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