「…お前が離れたとたん、好きだって気付いたんだ」諦めた相手から、11年後の告白――。

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表題作戀愛-koiai-

イベント運営会社勤務 奥田時彦 29歳
大学からの同期で同僚 橋田達巳 29歳

その他の収録作品

  • 恋々-renren-
  • 得恋-tokuren-
  • あとがき

あらすじ

橋田達巳は大学のサークルで出会い、今は同じ会社に勤める奥田にずっと片想いをしていた。だが、男前な容姿と明るい性格で彼の傍らにはいつも女性の影が。3年前、ある噂を聞きやっと想いをふっ切った達巳だったが、仕事帰りに突然、奥田に暗闇の中でキスとともに告白される。戸惑い混乱している中、身体だけでも自分のものにしたいと強引に迫られて……!? アラサーの11年越しの恋模様。

作品情報

作品名
戀愛-koiai-
著者
崎谷はるひ 
イラスト
タカツキノボル 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861346613
3.2

(22)

(1)

萌々

(7)

(11)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
68
評価数
22
平均
3.2 / 5
神率
4.5%

レビュー投稿数9

ちょっと大人な物語

 この間会った友達に、感想読むと、その本、読んでみたい!! ってなるよ!! って嬉しいことを言われたので、調子に乗って再開してみる。

 橋田達巳は大学で出会った男にずっと片想いしている。
 そんな男から、クリスマスイブに唐突に告白される。
 今までずっと歴代の彼女も知っている達巳は彼の告白を信じられずにいるけれど……

 という話でした。
 ちょっと大人な物語でした。

 達巳はずっとずっと相手のことを好きすぎて。
 気持ちが盛り上がる時もそうでない時も経験してきて。
 自分が彼と付き合えることなんてない
 って諦めてる気持ちは、すごく理解できる。

 相手は達巳に対して「好きだ」「前から好きだったかも……」とか言ってくるのに対して反論してるのも好感が持てます。
 ただ好きに流されるだけじゃなくて、相手に怒るのでもない、穏やかでもある作品でとても読みやすかったです。

0

他人が諫めても聞く耳持ってなさそう

既にくっついているカップルの現在と過去から、受けにとって気持ちが揺れ動いた分岐点を振り返る回想で構成されている一冊。
しかし、単純に話を楽しむよりも攻めの人物像が結構シビアに映ってしまうのは、この構成と受け目線が災いしているとしか考えられない。

イベント企画会社のスタッフ同士という背景から一般的な会社員とは違うラフさ、Twitterのやり取りを意識したノリでテンポの良さを演出しているが、文章をおしゃれに飾るって感覚はどうも軽々しく感じる。
それがウケるかどうかってのは自分にはピンと来ないなぁ…

攻め・奥田の押しの強さって、こういうのを『オレ様攻め』って言うの?
いや、何か違う気がするのだが…
恋愛沙汰に聡くて大学生の事から受け・達巳の秋波を察知していたのに、肝心の達巳の淡白さに業を煮やしてやや強引に抱いて、恋人同士になりましたって既成事実を作った経緯はちょっと引く。

奥田って他人から諫められたとしても、自身はこう思うってのを正当化して聞く耳持たなそうなタイプだな~とは思った。
大学生の頃は女の子をエッチするってところを目撃されるし、大人になっても達巳とのいちゃつきをTwitterで暴露してしまううっかりさから、いくつになっても若気の至りが抜けなさそうな軽率さを感じるんだな~。

話はフィクションなのに、どうも実際にいそうなタイプで苦手だなってのを感じたのだった。

0

こんな会社…ヤダ

崎谷はるひさんの(しかも最近の)作品を久しぶりに読みました。結構あっさり目で読みやすい作品だと思います。

崎谷さんの書く受はタイプは違えど思考がすごく乙女だと常々思っているのですが、今作の主人公・達巳も例に漏れず…ダメ男に惚れて「恋は盲目」状態から11年も抜け出せない女そのものでした。

親友でもあり会社の同僚でもある二人のお話で、そのうち一篇にTwitterで業務連絡をするやり取りがあるのですが、思わず「こんな会社ねーよ。あったらヤダ」とツッコんでしまいました。いくら重要機密はツイートしないとはいえ、実名であんなやり取りする会社なんてないですよ…。あれを取引先の誰かが見てたらどうするんでしょう。

崎谷さんはこういうオンタイムなネタをお話に登場させるのが好きなのかなぁとたまに思うのですが、どうもこう…ちょっと感覚がズレているというかあまりリアリティを感じない結果になることが多く、そんな微笑ましいところも含めてファンを魅了しているのかしら、と想像しました。

1

力加減がちょうど良い

「戀愛」「恋々」「得恋」の3作品が収録されています。

「戀愛」は、達巳(受け)は好きになって11年の奥田(攻め)にキスされ、告白され、抱かれてしまうという急展開の60ページです。でも作中の奥田の言動はともかく、急いだあまりの物足りない内容ではなかったです。

「恋々」は、前作の一週間後、大晦日の夜が舞台。奥田は、抱いたけれどそっけない達巳に不安で、ついサービス停止状態のツイッターに好きだと告白します。ところがそれが流れていて…前作が2人の会話で終始したのと対照的に、こちらは全世界にバレる運びになりました(笑)

「得恋」
本の半分以上の長さです。
二人が、初対面の大学一年(達巳目線)、大学二年、大学三年、社会人四年目、半年前、そしてまた初対面の大学一年(奥田目線)と、思い出を振り返ります。現在と交互に入れ替わる展開が、とても良かったです。

達巳が奥田を諦めた、奥田を見ることを止めたことが、奥田が達巳を意識するきっかけになったというのが面白いと感じました。11年好きだったのは達巳ですが、だからといって奥田が上位なわけじゃない。二人の力加減がちょうど良く、「友達からの恋人」という雰囲気が良く出ていると思いました。

達巳の、本当に諦めた、けれど好きなのをやめたことはない、という言葉にじんと来ました。自分の感情なのに自分の思い通りにならない、という嘆きを思いました。

この作者様の本は、辛く、切ない印象が強いのですが、この作品は明るい雰囲気でさくっと読めます。
片思い中の達巳の心情を思うと切なくなりますし、達巳に告白するまでに女性と同棲をしていたことを思うとちょっと複雑な気持ちにもなりますが、深く考えず読み進めれば、11年経ての二人のラブラブっぷりを楽しめます。

2

嫌いになりたくても嫌いになれない複雑な想い

「ビーボーイ&ダリア ノベルフェア2013 inアニメイト」
の告知で初めて知りました。
新刊チェックで粗筋を読み、興味を持ったので、
今回はフェア特典のために新刊で購入しました。
しかし、某店舗の不備で特典CDが貰えないという被害に遭い、
一悶着ありました。
どういうトラブルに遭ったのかは、このレビューでは記載しませんが、
作品自体や先生は何も悪くないのに、購入前は読むのを
とても楽しみにしていたのに、販売店や出版社のために
作品や先生に対する心象が不本意に非常に悪くなってしまいました。

受けについて、何度も何度も攻めのことを諦めようとしているところや、
辛く苦しい想いから解放されたい思い、嫌いになりたくても
嫌いになれない、という様々に複雑な思いがとても伝わってきて、
好感を持ちました。

攻めについては、どうしても好きになれず、
どうしても好感が持てませんでした。
だからといって何故か嫌いになれず、
受けが「こんな人をどうして好きになったんだろう」
という風な実際の台詞や心の中の台詞でもよく登場しますが、
受けのそんな複雑な思いに何度も共感しました。

読む前まで、表紙絵の攻めの顎の部分は、髭ではなく単なる影が濃い目に
描かれているのだと思っていたのですが、読んでいると髭だということで、
他の挿絵も見ましたが、自然な感じに生えて揃えているというより、
某有名アニメの顎髭に似ていて、顎髭だけがアニメ絵のようにベタ塗りの
筆づかいが、非常に強い違和感を覚えました。
タカツキ先生の綺麗な絵が好きで、表紙絵買いすることも
多々ありますが、顎髭の描写で綺麗な絵が台無しになったという思いが
拭い切れませんでした。
顎髭が影だと思えば、寒い冬に温かさが伝わってくる絵で
とても良いのですが、影ではなく顎髭だと一度 認識してしまうと、
影だと思えなくなってしまいました。

崎谷先生の作品を読むのは、この作品が初めてです。
以前から崎谷先生の作品で読んでみたい作品があったのですが、
まだ一冊も入手していなくて、そんな中、今回、フェアを機に
新刊で購入したのをきっかけに、非常に多くの作品を出している
先生の作品を読むのを楽しみにしていました。

届いた本を手に取った時、約170ページと薄かったので、
また、あらすじを読んだ時は好みの設定だったので、
直ぐに読み終えられると思っていたのですが、いざ読んでみると、
文章が読み辛いわけでもなく、不快に感じる表現もなく、
とても読みやすいのに、何故か読み終えるのに随分と時間がかかり、
250~260ページくらいの小説の読書時間と同じでした。
結局は読む時間がかかってしまった原因が分からず、
最終的には第六感的に波長が合わなかったのかなと結論づけました。

この作品が発売される前、どのBL作家さんだったか忘れてしまいましたが、
その作家さんのツイッターで崎谷先生のツイートをリツイートしており、
そのリツイートを見て、崎谷さんの体調不良を知り、心配しました。
あとがきでも病気について触れていて、早く病気が治ってほしいなと
思いました。

今回の評価は、あまり迷うことなく「萌」です。
物語の内容や展開、絵など、一部を除いて、適度に萌えました。
購入時のトラブルで嫌な思いをさせられたり、何故か読む時間が
かかってしまったり、攻めの性格と攻めの顎髭に好感が
持てませんでしたが、それでも不思議と「中立」評価が
頭を過ぎることはありませんでした。

本来、特典が付かないのなら新本で購入するつもりではなかったところを、
店側の都合や不手際でもキャンセル出来ず、無理やりに新本で買わされた
形になってしまいました。
この作品を見たり手に取ったりするたびに嫌な思いをさせられたり
思い出さされたりするのが非常に残念に思いました。

1

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