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小冊子のリバーズエンドからキャッスルマンゴー、そして小説リバーズエンドとずっと十亀が幸せになりますように!と思いながら読み続けてきて、
小説リバーズエンドの書き下ろしで納得はしたものの、今回end rollでやっともう十亀は幸せだ!と喜べました(笑)
意識して幸せな結末を掴みにいくって大事なことなので。
万ありがとうありがとう!素敵眼鏡男子!!
他の作品も読んでない話も読んでみたいなって思わせる作りで導入にもなる素敵な一冊だと思います( ^ω^ )
(2013.10.31)
本編を読んでいたのは「リバーズエンド」と「明日も愛してる」のみでした。
リバーズエンドの番外編は、十亀が監督として評価され、
万もホテル経営のビジネスとして頑張っている話でした。
本編で登場した撮影チームの面々も登場して懐かしかったです。
すでに十亀組が出来ているんですね(笑)
十亀の自叙伝的シナリオを読んだ万が、
十亀の過去の辛さや寂しさを包み込むかのように頭を抱く姿がぐっときました。
明日も愛してるの番外編は、櫂と津田の変わらない日常の話でした。
12分毎に記憶をリセットしながら進む二人の生活は大変なものですが、そこには櫂が忘れてしまう記憶ごと受け止めてくれる津田がいて、本編と同様に深い愛情と絆がありました。
自分は櫂から離れないと津田が涙するシーンは切なかったです。
そのほかの作品も本編を読んでいなくても楽しめます。
「日月星、それからふたり」は本編未読なので、それ以外の感想です。植物の一生の様な一冊でした。種である二月病の蒼司の恋心に始まり、恋から愛に実った明日も愛してるの津田の献身。どのストーリーも大変良かったです。
◯真夏の花
二月病の番外編です。その後の話ではなく、本編より前の二人でお遍路へ行くストーリーです。1番札所である霊山寺の階段で恋の終わりを願おうと決意した蒼司。でもいざ参拝所にいくと、千夏をくださいと願ってしまう。御朱印帳に毎日千夏への愛を綴る蒼司は、本当に健気で痛々しくて何度も胸を締め付けられました。
◯間宮
碧のかたみの番外編。六郎が給糧艦間宮に嫉妬してる!!相手は船ですが!恒は疲れてるのにも関わらず六郎のため、必死で牛缶をゲットするんですが、恒よ…六郎は牛缶そのものが好きなんじゃなく、あなたと食べる牛缶が好きなのだ。ま、それに気付かないのが恒の愛くるしさなんですかね。ところで、シベリアって羊羹カステラなんですね。某超大作アニメに出てきてた謎の食べ物の正体が漸く分かりました。
◯end roll
キャッスルマンゴーとリバーズエンドの番外編。木原さんの作品は糖分30%オフくらいのビターな話が多いのですが、こちらの番外編は比較的温かなエピソードでした。でもまさか、十亀の壮絶な過去を映画にするとは!小春と俊介が生きている設定の撮影シーンに涙が出ました。万のお母さんも元気そうで良かった。
◯今日も愛してる
明日も愛してるの番外編です。本編から2年後、櫂が記憶できる時間はさらに短くなってしまっています。かつてはあれだけ激しく身体を重ね合っていた二人ですが、少なくとも今回の番外編でその描写は書かれていません。ですが、愛情はより深まった様に感じました。津田自身あの頃は、身体を重ねないと不安だったと言っています。かといって、現在がセックスレスというわけではないし、まして欲情しないわけではないと私は思っています。身体よりも、記憶よりも、より深いところで繋がる二人に感動しました。謎はあまり解明されませんでしたが、それもこの物語の魅力ではないかと。
「明日も愛してる」と「リバーズエンド」の番外編が載っているということで購入しました。後に、他の掲載作品も購入してしまいましたが(笑)
時系列的に本編作品の作中のものもありますが、私の当初の目的でした2作品に関しては、本編以降の話になります。
リバーズエンドの番外編「end roll」は、コミック、小説を経て、ここまで読んでようやく完結だと言い切れる内容でした。
「明日も愛してる」の番外編「今日も愛してる」は、本編と異なりツダ目線のため、彼の思いが分かります。私は2年後の彼の落ち着きが、逆にやけに切なかったです。
「碧のかたみ」番外編「間宮」は、シリアスじゃない明るい書きようでしたのに…あれこれ想像してちょっと泣いてしまいました。
本編のファンなら必読だと思います。
収録作家さん、作品、大まかなページ構成は以下の通りです。
1.尾上与一さん「二月病」番外編:約50ページ(+作品解説1ページ)
2.さとみちるさん「日月星、それからふたり」番外編:約45ページ(〃)
3.尾上与一さん「碧のかたみ」番外編:約20ページ(〃)
4.木原音瀬さん「リバーズエンド」番外編:約55ページ(〃)
5.安芸まくらさん「明日も愛してる」番外編:約70ページ(〃)
6.草間さかえさん「生田さんちのこめ王子」より 漫画:2ページ(〃)
7.黒沢要さん「二月病」より 漫画:3ページ(〃)
8.各作家さんによる短いあとがき
主に「明日も愛してる」と「生田さんちのこめ王子」のために買いました。
「明日も愛してる」:本編から2年後が舞台です。挿絵1枚あり。ツダ視点から描かれているため、それまで判らなかった事実がちょこちょこと判明し、本編の隙間を多少(※本当に「多少」です。やはりまだまだ謎だらけ……)埋めることが出来ると思います。
櫂の人生に影響を及ぼしたらしい「師」(※苗字でなく文字通りの師です。何の師なのかは不明ですが、おそらく機織り関連?)の事、その男をあまり好ましくは思っていない様子のツダ(その男が生きているのかどうか等も一切不明)、機織機についてや機を織る櫂(ツダはそれをあまり歓迎はしていない風)、ツダの職業や櫂のマンションにおける彼の部屋の事情等、櫂とツダ、二人の顔がよりはっきりと見えるような情報を読めて少しスッキリしました。ただ、櫂の記憶のリミットは13分間から12分間に減ってしまい、ゆっくりとでも進行しているという切ない現実も見せられます。そのためなのかどうか、二人が身体の関係を持てているのかが今一つよく判りません。何と言うか、スキンシップにおいてはよりよそよそしくなっている印象を受けました。時を経て多少ツダの気持ちの整理がなされ、焦燥感が少し落ち着いたということもあるのかもしれませんが……。恋人感やそういった接触というシーンは本編の方がぐんとありますので、それに比較すると少し寂しい印象があります。櫂の戸惑いに対してツダも以前の様にぐいっと踏み込んでは行かないと言うか。それでも、ツダの寝床に関するある記憶を、とっくに忘れているはずの時に櫂がふと口にしたりして、少し希望のようなものも感じました。そんなこんなで色々あって、一緒の寝床で眠れるようになりそうな感じで物語は終わります。何かが解決した訳でも、治癒の兆しが見えた訳でもなく、切なさはどうしても付いて回るのですが、「一緒にいる」という毎日を繰り返して、その中でツダが自分なりの落としどころを見つけると言うか、そのままを受け入れて二人で生きていくんだという、穏やかながらも強いツダの想いを感じる温かいお話でした。
「生田さんちのこめ王子」:2ページ(見開きで1ページ)の短い漫画です。おにぎりを小道具に、その後の二人が仲良くやっている様子が判る、何ともほのぼのなお話でした。久しぶりに本編も読みたくなります。