二月病

nigatsubyou

二月病
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神11
  • 萌×217
  • 萌2
  • 中立6
  • しゅみじゃない8

--

レビュー数
16
得点
135
評価数
44
平均
3.4 / 5
神率
25%
著者
尾上与一 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
黒沢要 
媒体
小説
出版社
蒼竜社
レーベル
Holly Novels
発売日
価格
¥857(税抜)  
ISBN
9784883864072

あらすじ

一九九八年二月、突然おそった出来事が、親友だった彼らの運命を変えた――。
それは幸せだったのか、不幸だったのか。


高校の同級生で親友の蒼司に突然告白された千夏は、恋よりもずっと一緒にいられる道……
友人であることを選び、やんわりと蒼司を拒絶する。
その翌日、蒼司は学校に現れなかった。
千夏が自宅や携帯電話に連絡を入れると知らない男が電話に出た。
しかし異国の言葉で聞きとれない。
不安に駆られた千夏は蒼司の家を訪ねるが、そこに彼の姿はなく――。

(出版社より)

表題作二月病

高校3年生 島田千夏
同級生で親友 木ノ下蒼司

その他の収録作品

  • 花嵐
  • あとがき

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数16

このヒリヒリ感を刮目せよ!

尾上さんの作品は「二月病」は私的に一番ウルッときました。
「蒼のかたみ」「天球儀の海」より泣けました。

受の蒼司は親友で女子にモテモテな攻の千夏にずっと叶わぬ思いがあり、ずっと諦めようとしていたが、卒業前に思わず千夏に吐露しちゃう。
千夏は蒼司の想いに全く気付いておらず、それを知っても「蒼司が女だったらいいのに」とやんわり断り、このまま一番の友人でいようと収める。
が、翌日、蒼司が学校に来ない。
千夏は昨日の事が気になり、蒼司に連絡するが音信不通、実はこの時蒼司は殺人事件に巻き込まれ、監禁されていて、それを知った千夏は蒼司を助ける為に、開放条件の鉄塔のボルトを外し続ける。
殺人事件に巻き込まれ、犯人グループに監禁され、いつ殺されてもおかしくない状態の蒼司。
蒼司の命を護る為、誰にも相談出来ず一人で立ち向かおうとする千夏。まぁ、若田さんていう助っ人が出てきますが。
二人の行く末はいかに?っていうお話。
他のレビュアー様が書いておられるようにはっきりいって、話の筋的に疑問点が多すぎです。犯人グループの設定があまりにもボンヤリしすぎてモヤモヤしますし、ツッコミ所満載なんですが…。
しかし!!!!!それを軽~く凌駕してしまう蒼司と千夏のお互いの恋がんもぅ凄いんですよ!!
納記帳に書かれた蒼司の想い、それを読んで自分の一番に気付く千夏。
毎日ボルトを抜いて監禁場所に行き、語られるお互いの激情。
もう涙がポロポロ出ちゃう。女の子だもん。
明日死ぬかもしれない。やはりこのヒリヒリ感のある状況で恋愛からませないとここまで盛り上がらないですよね~。
もうとにかく読んでない方は読んでみてください。泣ける。
騙されたとおもって読んでみてください。騙されたと思って。
大事なことは二回。

じつは私的ですが、この「二月病」を読んでる途中で、丁度香川にうどんを食べに行きまして…。タイムリーでした。
高速に乗り、坂出に下りて「がもう」でうどんを食べながら、「あーこんなとこで二人はうどん食ってたんかー」と思ってジーン。
車で次のうどん屋に移動しながら坂出の景色を眺めながら「あーこの辺りを千夏はバイク走らせてボルト抜いたんかー」と思ってジーン。
八島水族館に行ったらすぐそばがお遍路のお寺があり、「あーこんな山の上まで二人で歩いて蒼司は祈ったんかー」と思ってジーン。
帰りに瀬戸大橋渡りながら旦那に倒れた鉄塔を教えてもらい、「この鉄塔かー。オイオイこの鉄塔だけ電線が瀬戸大橋の上に伝ってるじゃねぇの。電線緩んだら車の上に落ちるし。これ倒したの確信犯じゃねえのよ。うわー。でも千夏頑張ったんだねー」と思ってジーン。
隣の旦那は「????」でしたが。あっはっは。

尾上さんの個人サイトSSにて彼らのその後が書かれています。
貧しいながらも幸せそうにしている二人にホッとしました。
本編とSSの間の長い物語もいつかは発表したいとおっしゃっているので、その「いつか」を熱望いたしております。



3

待望の大型新人、ついに登場!!

 「この作品を書くために小説家になった。」という言葉を時々目にしますが、一作目にして、この作者のこの作品への熱い思いが全編から感じられ。

 読後は、「久しぶりにいい小説よんだなあ…」という充足感でいっぱいになりました。
 五條瑛さんの『プラチナビーズ』の雰囲気が少しあります。
 BL小説というよりはJUNE小説に近い気がします。
 だからなんでしょうか。新作なのに懐かしく。けれど、今までに読んだことのない発想と独特のキャラクターと少し硬めの文体と個性的な言葉選びと。
 「小説を読んでいる。」という喜びをタイトルから最後の一行まで遺憾なく、感じさせてくれます。
 もちろん、好き嫌いはあるかと思いますが。
 あえて内容には触れません。
 騙されたと思って。
 ぜひぜひご一読をお願いいたします。
 特に、「なんかパンチのある作品よみたいな。」とか「甘々はなんか食い足りなくなってきたなあ~。」とか「昔のジュネに載ってたみたいな小説よみたいなあ」という方には激おススメです。
 ドラマCD化超絶希望!できれば映画も舞台もいいと思います。
 骨太作品、万歳!
 早く尾上さんの新作よみたいなあ。

2

純愛、そしてテーマ性

あらすじは割愛させていただきます。

まず軽いネタバレですが、メリーバッドエンドです。そして、ひたすら低いテンションが続きます。
苦手な人は苦手だと思います。

しかし、テーマ性を以て伏線が張られているために分かりやすく、物語が進むにつれ受け攻め双方の愛情がだんだんとかみ合っていくさまが丁寧に描かれています。

細かい設定が曖昧という感想も多いようですが、恋愛モノとして読むには十分な情報はあり、基本的には学生の主人公視点で進むためそこまで違和感は感じませんでした。
とても良いラブ・サスペンスとして読めました(・ヮ・)

1

心奪われる二人の恋

これから先、二月が来る度に、閏年が来るたびに、その地の名前を聞いたときに、鉄塔を見るたびに、異国の地でひっそり暮らす二人を思い出すのかと思うと、本当に不治の病みたいだ。いつまでも心の奥底に残るようなお話でした。
至って普通であったはずの二人の日常がある日崩れて、緊張の中で少しずつ千夏の気持ちがはっきりしてくる。蒼司の為にボルトを運ぶ千夏や蒼司の恋する気持ち、恐ろしい現実もどこか美しく見える。文章や挿絵を通じて、恐怖や焦り、どうしようもない恋の熱の交じる二人の世界が恐ろしいほどリアルに感じ取れました。
普通の高校生だった二人が、あんな目にあった二人が、やっと気持ちが通じ合った二人が、あれからどうやって生きているのか……とか、そんなことをこれからもずっとふとしたときに思い出すのだろうと思います。読み終えた後にもう一度冒頭を読んで、やられた!と思った。すごすぎる。

1

架空のルポルタージュ

1998年、香川県で起きた鉄塔倒壊事件。あの事件の裏にこんなドラマがあったら…という仮定のもと描かれるミステリー仕立てのお話で、かなり読ませます。

私の二月は、三日足りない…という台詞が意味深な2013年の冒頭。
そこから始まる15年前の物語。
家族の死とともに姿をくらました少年と、
鉄塔からボルトを抜き取り、黙々とある場所へ運ぶ少年。
ある事件に巻き込まれた二人の運命と、互いを救いたいと思う気持ち。
元記者・若田を巻き込んでの脱出劇。そして鉄塔倒壊が起こり、真相は全て闇に葬られ…という話。

序盤は事件の真相をたどっていくミステリーとしての面白さがあり、
中盤以降は切ないラブストーリーやアクションの要素も出てきて息もつかせぬ面白さで
一気に読めます。

犯人側の実態(動機、組織など)がハッキリ説明されておらず視点が狭かったり、
見張りの男が甘すぎだったり、二人の行く末がそれまでの展開の割にご都合主義的だったりと、細かいところは気になるのですが、題材の斬新さと文章力で最後まで持っていった感じです。

個人的に印象に残ったのは、二人が寝た後のシーン。抱かれて「切ない容れ物」になってしまったと自分の身体を思う下りが甘いだけじゃなく切なさと痛々しさがあって好きです。

ラストは、二人の運命に関わり、秘密を背負ったまま生きることとなる若田と一緒に
ポツンと取り残されてしまうような、少し寒々しい読後感とともに「二月病」の意味を噛み締める…という単純にハッピーエンドでは終わらない作品でした。

前述の細かいところが気になるのと、その後二人を待ち受けたであろう厳しい現実がぼかされていた点がやや不満でしたが(『花嵐』はキレイに終わりすぎな感がありました)、
BLにあって大変斬新な設定に星4つ。この路線でもっと書いていただけたらと思います。

5

BLの域を越えた一冊


新書二段………開いた瞬間に掻き立てられました。
あ、これは、やられるなと。もちろん不確かな直感ですが。

まさかこんなに重い話だとは思ってませんでした。BLを読んでいることすら忘れそうになるくらい作品に引き込まれました。

登場人物の感情が苦しいほどにわかりやすく描かれているし、若田のキャラクターもいい。死を間近にして事件に巻き込まれながら愛情が恋情に近しいものだと気づく千夏。ずっと隠してきた想いがもっともっと募って、狭い小屋の中やり場のない感情に打ちひしがれる蒼司。

私としては、納経帳に綴られていた蒼司の感情にたまらなく涙腺が緩みました。ああ、こんなに想ってたんだなって。
ですが、蒼司の気持ちは本当によくわかるのですが。惜しいことに、私の頭が足りないのか、千夏の気持ちの変化が少し早すぎたんです。恋情を友情としてみていた、ホントの気持ちに気付かなかった。蒼司が失うかと思うとやっと気付いた。確かにそうなのかもしれません。でももっと欲しかった。千夏が蒼司を好きというまでに、蒼司がずっとずっと千夏を想って隠して苦しんできたその重い期間が描かれてるように、そこまでの過程をもっと長くして、もっとゆっくり鮮明に千夏の心情の変化・気づきがみたかったんです。

唯一わがままをいいたい部分はそこだけです。それがあったらこれほどまでに神作品に相応しいものはないかなと思います。

彼らにとって二月とは特別な意味を憚ります。もちろん、若田も含めて。

二月に起きた事件。空白の三日。閏年であると一番良くわからせてくれるのも二月。
最後は逃亡で終わりますが、その後の彼らを気にならずにはいられない。

尾上先生ご自身のサイトにアップされているSSと、後日談が含まれる同人誌も出してくれるそうなので、これからも追いかけていきたいと思います。


3

幸せの形

もしもあの事件の裏にこんな真実が隠されていたら・・・
なんてかなり本格的なミステリーですっかり惹きこまれてしまいました。
坂出市の事件をモチーフにしているお話みたいで、読む進めるうちに事件を思いだし
ました、不思議な倒壊事件だったので未だに記憶に残ってました。

千夏と蒼司は高校3年で同級生の親友同士、千夏は幸せになりたいと運命の女性が
現われるのを待っているような感じで、今までも何人も女の子と付き合っても
何故か違うと言う思いが常にあるのです。
その日も女の子に告白されるが、やはり違うとしか言いようがなくて・・・・
見ていた親友の蒼司、憮然と嫌な顔をされるが、モテる自慢ではなくて
自分でも分からないが今までに出会った人では何か違うと心が感じてる。
そんな時、突然蒼司から千夏が好きだったと過去形の告白をされてしまう。
でも告白が過去形で今まで通り親友でいたい千夏は蒼司が悩んでいただろう思いを
感じるが、慰めるのも違うし、過去形にしての告白なのでこれまで通りに・・・
そして明日からも今まで通りの日常と親友との変わらぬ付き合いを信じていた。
しかし翌日から蒼司と連絡が取れなくなり、それが二人の運命の歯車が突然回り出す

蒼司はトラブルに巻き込まれ命の危機に陥っていて、それを助け出そうと千夏も
逃げられない呪縛の世界に巻き込まれていくのです。
その事件が起こったことによって千夏の自分でも気が付かなかった深層の思いを
どんどん自覚していくんです。
あまりにも切なくて死ぬか生きるかギリギリのところで葛藤していく若い二人

その様子を、元新聞記者が千夏と偶然出会い、千夏とは違う形で巻き込まれていく。
どうしていいにか分からない現実に立ち向かっていく二人
でもこれが最善の方法だったのか、本当に幸せになれるのか、ちょっと考えてしまう
かなりシリアスなストーリーです。4年に1度届くハガキが希望に思える。
元新聞記者が回想しながら過去を振り返る、拭えない痛みを抱えて・・・
この作品はじっくり読んで欲しいなと思う1冊でした。

2

お話とイラストのシンクロ率が凄い

尾上さんのデビュー作です。
新人さんが出て来た、と当時表紙の美しさだけで購入したまま積ん読。
そのまま新作が発表されるたびに、何となく買い続け、やっとタワーを崩す気になったんですが……。

早く読んでおけばよかった……っっ!!!

文章が少し硬質な感じで、読み始めた最初のあたりは失敗したかなぁ……と思ったのですが、読み進めていくとあれよあれよという間に引き込まれ、読後に長いため息がひとつ出ました。
一言では言い表せないような、何とも言えない余韻です。
これをハッピーエンドと取るかは人それぞれですが、私はこのモヤモヤ感が気に入りました。
そしてその後に続く短編が、受の苦しい気持ちが綴られていて、本編を思い返すとじわりと来るものがありました。
美しい言葉が並んでいて、非常に心地よいです。

サスペンス風味で、実際の事件をモデルに話を作られていますが、あの当時の事件を元にして、ここまで書ける才能に拍手を送りたい。
そして自分自身、あの事件で予定を狂わされたので、どんな風な結末になるのか気になって前のめりに……。
受が攻と行ったお遍路で、納経帳の隙間に書き連ねた思いの欠片が延々と出てくるシーンには、思わず目頭が熱くなりました。
どんなに受が攻のことを好きなのかが、痛いほど伝わってきます。
そしてそんな受の気持ちに気づかなかったどころか、持ち前の無神経さで優しく傷つける攻が憎たらしい。

私の中でどうもこの攻の性格や背景設定が好きになれなかったので、神評価には至りませんでしたが、受がもうもの凄く健気。
強気なのに健気というお得感。
そして脇でありながらも、実質主役と言ってもいいような若田が、物語を引き締めてくれています。

文章は少し読みにくいというか、癖があり粗削りな感じがしますが、これが書きたい!! という作者の強い思いが筆に表れています。
最近は文章は上手だけど話が無難で面白くない新人さんも多いので、このくらい大暴れしてる話は新鮮で非常に良かったです。

2

愛の行く先を見送るもの

作者さんの初の単行本。
これを読み終わった後、ひたすらに自分の気持ちは主人公達を見届けた若田の気持ちになり、まるで千夏が集めたボルトが一個、胸に埋め込まれたような感覚になりました。

実際に四国で起きた鉄塔倒壊事件、自分的にはその後のカルト集団事件に関連したもののほうが印象に残っていたのですが、その事件を題材にここまで物語を構想できる作者さんに素晴らしいと思いました。
場所が四国だけに霊場88箇所巡礼のお遍路も組み込まれており、またそれが主人公達の気持ちを表現するのに有効に使われ、思わず胸に訴えかけてくる真摯な想いもしかり。
片方が片想いをしている親友同士の千夏と蒼司、そして千夏と出会った事で彼等を見届けそして見送ることになったフリージャーナリストの若田。
それぞれの視点からがっつり2段組で表わされた若者の恋は、若者に背負わせるには余りに重たい現実を突きつけながら、しかし命より大事な片われで或る事を自覚したが故の固い結びつきが、あますことなくずっしりと描かれています。
「わたしの二月は3日足りない」若田を陥らせたその二月病は、一生治らない不治の病なのかもしれません。

1

じわりと痛い命がけの恋

文章がやや拙く、ところどころ読みにくいところもありますが最後まで退屈させない展開で、一気に読んでしまいました。
ストーリー自体が似ているわけではありませんが、中原みすずの「初恋」的な雰囲気です。(10年くらい前に宮崎あおい主演で映画化してます)

読み始めは千夏は嫌な男だと思ってました。が、読み進めていくうちに考えが変わった。人を好きになることを覚えた彼はとても素敵でした。奇しくも拉致事件をきっかけに、千夏は蒼司への恋を自覚していくんですよ。自分が犯罪に手を染めてるとか、家族が心配するとか、そういった後先のことよりも、ただひたすら目の前の蒼司を助けたい、とボルトを集める彼の姿に涙が出ました。無鉄砲というか、何というか。

見張り役の人って結局どうなったんだろ?

評価については迷いましたが最後がちょっと…。エピローグは、その後の二人の話かもしくは若田のその後が良かった気がします。

1

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