amazonの電子書籍版です
好きな作品です。旧版も持っています。
描き下ろしがあるとのことで購入しました。
「誰にも必要とされなかった私を、太子は求めてくれた」
好きなセリフの一つ。
この小説がきっかけで月心のような境遇の受けが出てくる作品を買い漁りました(笑)
月心も大牙も好きなキャラだけど、火鳥がなんとなく好きなキャラだった。
大牙の学友で大牙への「言うことは言う」的な遠慮のない立場が好きだったのかも。
大牙に心開いていく月心。
大牙が月心に「火鳥に似てきたぞ」というシーンがあって思わず笑っちゃいました。
描き下ろしは月心が初めてお酒を飲んだ時の話でした。
桃の味が美味しくて、たくさん飲んで自分でも気付かないうちに酔ってる。
足がふらついて頭をぶつけるんだけど翌日になって月心は頭のこぶが何でできたのか覚えてなくて、大牙も爺も教えてくれないっていう可愛いエピソード。
中華モノ!
とっても面白かったです。
中華風な作品のキャラクター名を覚えるのが少し苦手……ひどい時は間違った名前で読み進めてしまい、書き下ろしやあとがきで間違いに気付く私です_(:3」z)_
こちらの作品はありがたいことに、地名、人名共に一般的な漢字の音読みで事足りることが多かったです。
大牙(たいが)×月心(げっしん)のように。
これならさすがの私も大丈夫。
そういう意味でも読みやすい作品でしたし、振り仮名、注釈も多かったので、より読みやすいよう工夫された親切な作品だという印象。
ストーリーは初っ端から、サラッとですが無理やり致していて、そういえば表紙もえらく落ち着いた感じだし…もしや仄暗いトーンのツライ作品!?と一応気を引き締めたのですが。
いやいやいや、とんだ勘違い!!
めちゃくちゃ甘いラブストーリーでした。
ただ、甘いといっても攻めの大牙の悋気もすごけりゃ、愛の激しさもすごいです。
月心に逃げられるくらいなら『追いかけて捕らえて、手の中で絞めて二度と逃げられないようにしてやる』だそうです。(し、絞めちゃうのか(゚∀゚))
また、盲目の月心を気遣い、衛士に、転んだりしないように注意をはらっておけと言うクセに、凝視するのはダメだって言うんだから本当無茶苦茶。好きです、そんな攻め(^-^)笑
私、佐倉先生初読み作家さまだったのですが、読みやすい文章でした。
あと、表現がかわいかった!例えば、今作の受けさまである月心を表すのに「もうひとつの月」「美しい月」と月になぞらえてみたり、月心の住まいの淡宮にかけて「淡宮の想い人」と言ってみたり。それが私にはとてもかわいく感じられ好ましかったです(^-^)
あ!あと!!佐倉先生自体、中華モノ時代モノがお好きなのか、詳しいのではないかと思いました。作中使われている言葉など含め、丁寧に作り込まれているので。
激しい攻め×健気美人受けが好きな方にはぜひおすすめしたい作品です!
私のように古の作風も愛す方にもぜひ!です。
シリーズの続き(本作→羞花閉月→月に歩す)も楽しみ♬
紙初版日 2003年6月30日 240頁
BLと言っても、読み物として楽しめる良作でした。
こんな小説が、BLジャンルにあると知らなかったので、見つけた時とても嬉しかった。
背景は、殷の後の時代かな?周辺りだと思う。
「昔、太陽が10あった」・・・天照大神の原型、『山海経』に載っている、扶桑国の「義和が産んだ10の太陽」の伝承についても触れて居たり、殷の文明の資料をよく調べているんだなー、と感心しながら読みました。
滅ぼされた文化度の高い国:湘の国の盲目の美貌の第一王子は、居ない者として幽閉されており、囚われた時に名も無かった。
唯一の呼称が「水月」=水に映った月=実態が無いもの。
湘の王族は全て処刑されたが、盲目の水月のみ「月心」の名を得て、記憶する湘の500巻の書物を文字化する作業の為に、ただ一人生き延びる。
生母譲りの美貌を備えた月心に、王太子・煬大牙が恋慕する物語。
不満は一つ。
BLにしなくてもよかったんじゃないか、と思ったのは、3巻目。
ちるちる姐さん情報によると・・大牙が女性の妃を得る展開になって、
どうやら月心が登場しない空白があるらしい。
・・ファンタジーなので、現実にありそうな構成にしなくても良いのでは?
著者、真面目過ぎ。
でも、2003年当時の風潮が、そういう展開を著者に選択させたのかもしれない。ヤオイ云々と取りざたされたころですよね。
まあ、最後まで読んでみようと思ってますけど。2巻で読み止めするかもしれない。
是非続編を書いて頂きたいと思っている『緋色の海賊』の作者
佐倉朱里先生の名作と言われる作品の文庫化、
しかも挿絵が雪舟薫先生とくれば、これは読まずにはおられまい!
中華風の世界観の作品。
新興の琰国により滅ぼされた湘の国。
王族は総て根絶やしにされた中、廃嫡されひっそりと生きてきた月心は
その貴重な蔵書を伝える為に琰に引き取られる。
盲目の月心と、琰国太子大牙の触れ合いと芽生える恋。
物語自体は、平凡と言える程にオーソドックス、
受け身な月心のキャラクターも決してツボではないのだが、
美しい言葉で丁寧に描かれる世界には魅せられ、切なく心惹かれる。
太陽のように生命力溢れる大牙と、静かな月心。
大牙の腹心の火烏もいいキャラクターで、
一応のまとまりで終わった物語の、続編を期待したい気分で読み終えた。
10年前の新書判では全3巻。
次なる2冊の文庫化を待ちたい。
皇子の存在が何とも儚く切なかったです。
自国と共闘するといった国に裏切られことにより滅ぼした国で見つけたのは
城の奥で幽閉されていた盲目の第一皇子だった。
すごく世界観をしっかり作りこまれていたのですんなり話に入っていけました。
皇子の自国での扱いの酷さだったり、それでも生きているだけで感謝している皇子が切ないのにかっこいいです。
十二国記だったり、彩雲国物語系統が好きな方はたぶん好きなテイストなのではと思います。
自身がそうなのでwww。
全体的にきれいに話がまとめられているので読みやすかったです。
できれば続きを見たいなーと思える作品でした。