• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作身代わり花嫁の誓約

鷲津威仁,26歳,元華族の企業グループ創業家次男
烏丸珠里,21歳,家臣である忍者家系の子孫で大学生

その他の収録作品

  • 身代わり花嫁の新婚生活
  • ご主人様と身代わり花嫁
  • あとがき

あらすじ

幼い頃から鷲津家の次男・威仁に仕え密かに想いを寄せてきた珠里は、彼の婚約者を守るため身代わりの花嫁を演じるが…。

作品情報

作品名
身代わり花嫁の誓約
著者
神楽日夏 
イラスト
壱也 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344829985
2.8

(6)

(0)

萌々

(2)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
15
評価数
6
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

幼馴染みで主従で身代わりで・・・

と、何かと盛りだくさんな設定でした。

元大名で元華族の子孫と家臣で忍者の子孫の、幼馴染みで主従かつ身代わり花嫁・・・なんですが、和の雰囲気で進むのかと思っていたら(大名と忍者の子孫だからね~)なぜかいきなり『アラブ』風味?←『アラブもの』ってわけじゃないですよ。まあ、名前だけですがアルハラード(ローズキー文庫のアラブものシリーズの舞台)』が出て来たりしてるけど。

警備会社の跡取りの珠里(受)は、幼い頃から多くの武道の修行を積んで才能を認められています。
そして、主家の次男・威仁(攻)を特別に慕っているんですね。

大元のラブ面は『主従・幼馴染み』としては、もう甘い王道だと思います。

2人の絆を結果的に強めたのは、10年前に16歳の威仁が暴漢に襲われた際に、11歳だった珠里が助けようとして怪我をした事件。
いまも珠里の額には傷痕が残っています。

威仁は大学卒業後、中東の国ザーミルに赴任したんですが、4年後の現在ザーミルでクーデターが起こったために帰国しました。
婚約者だという16歳の王家の姫を伴って。

そして珠里は、なぜかいきなり『姫の身代わり』を命じられ、化粧して鬘をつけ民族衣装や装飾品で飾り立てられ・・・

王族である姫は命を狙われる危険があるため、人前に出る時は珠里が影武者を演じることになり、半月後に結婚式を上げるまでの間はもちろん、式当日さえ身代わりをと言われるんです。

珠里は、威仁に対する気持ちはあくまでも『主に向けるもの』だと認識しています。主とその愛する者を守ることこそ自分の使命だと信じている。

身代わりを務める途中で一度襲撃されたものの、大した被害もなく結婚式を迎え、式の後身代わり役を終えて本物の姫と入れ替わるつもりだった珠里に威仁が告げたのは・・・


まあ、読みながらなんとなくわかっていた通りの結末ではあったんですけどね。←もちろん、姫が狙われた理由を始めとして細かい部分は別ですが、シンプルにラブ・入れ替わりに関しては。

やけに決着早いな~と思っていたら、これ中編2本にSS1本の構成なんですね。表題作の時点では2人のラブは成就するもののそれ以外放置状態だよね・・・


2編目『身代わり花嫁の新婚生活』

表題作では解決しないままの『襲撃者』については、こちらに続いています。

『襲撃者』を誘い出す機会を作るためにも、(もちろん珠里は姫として)新婚旅行に出掛けるんですが、時間が経ち接する人が増えることで様々な問題も浮かび、そもそも一時的ではなく『完全に他人と入れ替わる』ことに限界を感じる珠里。


『クーデター』や『亡命した姫との結婚』等、仕掛けが大掛かりな割にはあっさり気味かな。これは1冊まるごとの長編じゃないのもあるでしょうね。
ただ、ラブ以外の部分はちょっと簡単に流し過ぎじゃないのかなあ・・・

う~ん、個人的に『身代わり』も『花嫁』も結構好きではあるんですが、一時的ではなくこういう『完全に身代わり(入れ替わったまま)』っていうのは、正直なところちょっと苦手なんですよ。

こちらの場合は『入れ替わり』というより『二重生活』ですが、結局これをずっと続けるのか?
とにかく、いろいろ気になることが多過ぎてラブやストーリーに集中できないんだけど・・・

それでも、ラブは甘くて結構よかったんです。もともと、神楽さんの甘口ストーリーは大好きなので。
トータルでも決して悪くはないんですよ。評価はすごく迷ったので、ちょっとプラスして『萌×2』で。

そういえば、2編目に出て来た『警備会社社長の降旗とその妻』は、神楽さんのデビューノベルズ『巫女姫の結末』の勲と雪緒だよね?←これ大好き。

イラストは綺麗で可愛くてよかったんですが、珠里が『姫の扮装』をしてるシーンが多くて(肌の色まで変えるから、女装・民族衣装とかいう以前に)『威仁×珠里』って感じしないよ・・・

6

なぜ身代わりにするのかな

身代わり花嫁ものですが、読んでると何故異国の姫の身代わりをしなければ
ならないのか主役ふたりの関係を考えるとイマイチ納得出来ない流れでした。

内容は、代々主従関係にある家同士で幼馴染でもある威仁と珠里が攻め受けですが、
5歳離れた珠里は、一足先に独り立ちして海外のクーデターが頻発している国で
支社の代表をしている主筋の威仁の無事の帰りを待っている。
まだ学生で威仁のために働けないもどかしさを感じている時に威仁が帰国するが
連れてきたのがクーデターが起きていたその国の姫で威仁の婚約者だと言う女の子。

ほとんどの王族が反政府の人に殺されたことで、愛する婚約者を助けたいと
威仁が連れ帰ったと言うことで、日本で直ぐに婚約会見し1週間後には結婚と
予定されているが、珠里は何者かに狙われている姫の身代わりに影武者をするのです。
一生威仁を守ることを誓う珠里は、威仁が結婚相手を連れ帰ったことで沸き起こる
胸の痛みをしまい込み忠誠を尽くす展開でした。

過去の出来事がふたりの気持ちを親密にしているのですが、それが恋なのか、
主従愛なのか珠里ははっきりしていないながらも感じは相愛です。
それなのに、姫を助けるために身代わりは解っても、そのあとがイマイチ。
姫を無事に国外に逃がし、ふたりの気持ちが通じ合った後もずっと姫になる珠里。
威仁が珠里と結婚したいのはわかるけれど異国の姫の身分をもらってずっと婚姻は
流石にしんどい感じがしますよね。

同時収録には新婚生活&1編目で出てきた姫を狙う暗殺者なども現れ
もろもろ解決編にもなっていますが、恋愛ものとして読むとちょっと物足りないかな。

3

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP