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表題作魔法のキスより甘く

クロード・エミリア 大英帝国魔術省の魔術士
ルカ 「リベルタリア」号副船長で米国の傭兵

同時収録作品七つの海より遠く

ライル・アディクトン
夏河珪

その他の収録作品

  • 星空散歩
  • あとがき

あらすじ

元主人で幼馴染みのクロードの元を逃げ出したルカ。しかしクロードはいっそうルカを追い求め……!?

旧世界に属する仏蘭西の港町。リベルタリア号の副船長ルカは大英帝国の天才魔術師クロードと再会する。「おまえの居場所は私の隣だ」とクロードから少し威張ったように告げられたのは昔のこと。クロードのために左手を失ったあの日、ルカは二度と彼に関わらないことを決めた。だが今でも、クロードを前にするとルカの心は掻き乱されて……。

作品情報

作品名
魔法のキスより甘く
著者
和泉桂 
イラスト
コウキ。 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344830042
3.3

(3)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
10
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

希望のスピンオフです

前作「七つの海より遠く」のスピンオフで前作の攻め、ライルの片腕とも言うべき
副船長のルカと前作でも気になっていたクロードとの因縁関係を詳らかに出来る話で、
前作を読んでいた時に気になっていて、是非続刊を読みたいと思っていたので嬉しい。

前作でのクロードはもっと冷淡な感じかと思っていたのですが、蓋を開けてみれば
堅物朴念仁系でプラス天然思考の変わった持ち主だと判明して、
かえってそのギャップ感が好みかも知れないと楽しませて頂きました。

今回の二人はある意味非常に不器用な人たちだと読んでて思えるのです。
クロードは育った環境や立場に貴族のプライドなども多々あって性格的にも
自分の恋愛の気持ちすらまともに理解できていない天然さんですが、
相手を欲する気持ちは何より強くて執着具合もいい感じでした。

ルカはかなりのツンデレさんで、クロードが心配でたまらないから、身を削って
魔法を使う相手を見ていられないほど好きだから傍にいることが出来ない、
そんな切なさを感じますが、本当に不器用な二人です。
前作の二人とは明らかにタイプが違うけれど、いつでも考えるのは互いのことだと
言うのはこのふたりの方が強いかも知れないです。

二人の出会いから、まだ子供だった故の素直さというか裏表のない時期が
1番相手への思いや好意を伝えていたかも知れないと感じるのですが、
二人が成長するにつけて、色々なことが見えてくると素直になれない。
ほんの些細な行き違いやすれ違いで離れてしまう二人。
ルカの義手の腕がどうしてそうなったのかと言うのも気になっていたのでスッキリです。

思いが通じ合ってもルカにはルカの居場所があるし、ツンデレさんでもあるので、
陸と海との遠距離恋愛的な感じになりますが、それでも相手は魔法使いの幹部。
どんなに遠くても一飛び、う~ん、やっぱりファンタジーならではのラブでした。
前作ではルカが立場的に弱いかと思ったけれどこの作品ではルカの言いなりに
結局はなっているクロードが可愛く見えます。

3

とってもファンタジー

『七つの海より遠く』のスピンオフになります。

前作を読んだ時から、もしかしたらこの2人で~と思っていた脇キャラクターのクロードとルカがメインです。

『七つの~』は、和泉さん作品で個人的に1・2を争うくらい好みです。と言いますか、和泉さんで(たとえ面白いと思っても)何度も読みたいと思った・または実際したのは『七つの~』と他1作だけですから。

こちらは、作家さんは『(前作より)ファンタジー寄り』と言われています。
確かに間違いなく『ファンタジー』なんだけど、それ以上に(前作よりさらに)『ライトノベル』風に感じました。←とは言うものの、私はライトノベルはほとんど読みませんので、あくまでも『私の思うそれっぽさ』ですけどね。

前作レビューでも書きましたが、私はもともと何に関してもスピンオフそのものを求めないので、前作時点ではクロードとルカにはたいして興味もなかったんです(CPとして)。
それでも、実際に読んだらまあ面白かったんですよ。

キャラクターは、特にクロードは前作の印象とはまったく違いました。
何とも不器用というのか生真面目で融通の利かない朴念仁。すでに別人じゃん!『イヤな奴』というわけじゃないんですが、コイツ何かと面倒そうだよ・・・
ルカはそこまでイメージ変わらないかな。


前作で断片的に提示されていた2人の過去の関わりが明かされていきます。

少年時代、魔術士の修行中のクロードが、不思議な力のために(?)棄てられて身寄りもないため働いて(暮らして)いた船から、投げ出されて浜辺に流れついたルカを助けたのが2人の出逢いです。

その後、魔術学校で魔術士を目指すクロードと下働きのルカは共に過ごし、クロードが魔術学校を卒業する時に、ちょっとした感情の行き違いで喧嘩別れのような形になり数年。

過去の出逢いから現在(『七つの~』に引き続き)、そしてその間の時々が交錯する構成なので、一瞬『いまはどの時系列?』と混乱しますが、まあ複雑過ぎてわからないということはありませんでした。

え~、途中『・・・私はいま何読んでんだっけ?』と思ってしまうくらいストーリーとしてはBLから離れた感じがします。

だからといって、まったくラブがない(見出だせない)わけじゃないんですよ。その点はちゃんと『BL』ではあるんです。
お互いに想いがあるのは(自覚はなくても)わかるんですけどね。

それでも、ラブ面の流れはちょっといきなり過ぎるというか強引な感じがしました。イヤ、クロードの変化が唐突に感じちゃったからか?

とにかく、ラブよりストーリー(ファンタジー)重視の印象を受けます。相対的にラブが薄い。
『七つの~』にも出ていましたが、アンブローズ(幼児から成長しない呪いを掛けられた侯爵)の存在がより『ファンタジック』さを強調しているような・・・

ファンタジーは大好きなので(とはいえ『魔術・魔法』だけは苦手要素ではあります)、何かと言いたいことはあっても決してキライではありません。
ただ、個人的好みで言えば前作の方がよかったかな。

ちなみに、前作のメイン(ライル×珪)は登場はしますが、ライルはまだしも珪はホントにただの脇。台詞もなかったんじゃってくらいです。


う~ん、これもやっぱり前作同様好みが別れる作品かもしれませんね。

とりあえず、前作でも思いましたが『もともと和泉さんの作風が好きな方』ほど合わないんじゃないかなという感じがします。
私は基本的に和泉さんとは合わないので(キライじゃないですよ!)、このシリーズはとても好き。

4

色々と惜しいなぁ……

前作を読んだ時に、気になっていた二人の話だったので
スピンオフ歓迎!

しかし、熟れていないなぁと思った世界観は
筆者がファタジー寄りという分さらに
既視感のあるもののツギハギな感じが否めなく、
嫌いじゃないし面白くはあるんだけれど、今ひとつ入り込めない感じがある。
挿絵の服装も、もっとクラシックな方が雰囲気があると思うし。


それはさておき。
今回の主役は、リベルタリア号の副官、日本マニアで黒髪のルカ。
彼の義手と、前回敵対していた英国の魔術師サリエル(本名クロード)の
因縁が過去に遡りながら描かれている。

一番の感想は、あれ?クロードってこういう人だったのね?
単に不器用なやつってこと?
もっとクールで策略家なイメージだったので(というより期待w)
ちょっと拍子抜けしたというか、残念というか……


これ、もっと続く予定なんでしょうかね?
珪のお父さんのことも決着がつかないし、
ルカの過去は分かったし、二人の関係も決着がついたけれど
(相手の為ならば命も惜しまず、相思相愛なれど別々に生きる……は好み♥)
まだまとまりきらない印象があるんですが……

そもそも和泉さんの作品ではダントツに清澗寺が好きな私、
あの濃厚に浸りきる世界観を知っているだけに、余計評価が辛くなるのか。
作者が和泉さんじゃなければ、もうちょっと気楽に読めたのかも。


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