なりたかったの、あなただけに愛される花嫁

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作オーダーメイド花嫁

館花久弥, 財閥御曹司・花嫁達の権利に理解 28歳
雛菊, 人工製造された『花嫁』・不良品で廃棄対象

その他の収録作品

  • 花嫁は勉強中
  • あとがき

あらすじ

心も身体も、ただ一人の旦那様のためだけに存在する、ひたむきで健気な生きもの――“花嫁"。
男の身体を持ったことで不良品とされた少年を救ったのは、冷たい風貌の男・館花だった。
雛菊という名を与えられ、不器用な愛情を示された日から、少年にとって館花は唯一無二の旦那様になった。けれど彼は慈しみこそすれ、決して雛菊を抱こうとはしない。
雛菊の気持ちが落ち着いた頃に、より雛菊が幸せになれる相手に嫁がせようとさえしてくる。
ただ彼に愛されたい、ずっと一緒にいたい――そう願う雛菊は、渋る館花に夜伽をねだるが……。

作品情報

作品名
オーダーメイド花嫁
著者
高峰あいす 
イラスト
小路龍流 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773087314
3.6

(8)

(2)

萌々

(1)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
29
評価数
8
平均
3.6 / 5
神率
25%

レビュー投稿数4

人工生物の「花嫁」 SF系BL・・泣けた

高嶺先生の今作は、「 なん ちゃっ て SF」・・試験管ベビーの花嫁。
分かりやすく言うと、「綾波レイ」みたいな培養生命体。
この作品の造りこみはとても丁寧。
難を言うなら、D4はの結末は無理やり入れ込んでいる?設定の矛盾を感じた。

●舞台背景:近未来の日本。
伝染病で、女性が絶滅寸前。 国の対策で、試験管培養の女性を製造。
人工生命体の女性「花嫁」は、老化も、出産もしない。
試験管の中で培養する間、大卒レベルの知識を脳に導入、5年で成人。
培養中の成長期に、過度なストレスを受けると、男性化や、自己消滅する。
成人後の処分は、薬殺。

●「花嫁」D4/雛菊:
意図的に、研究者が1年未満で培養液から出した、違法培養による発育不良。
「廃棄処分確定D4レベル」の状態。ストレスで男性化+白髪+外観15才・・弱くて幼すぎるD4。
ガラスケースに入れられ、髪をピンクに染めて、展示される。
或る日、所長が「あの子になにをした」と怒り、D4を個室に移動
・・放置され処分を待つD4を望月博士たちが救い出すが、ストレスで記憶を失う。

●「花嫁」晶穂:
政治家の長男の嫁に相応しいプログラムで培養。
過度のストレスで男性化。男性化以外は、全て高スペックの大和撫子。
研究者の同意を得られず、廃棄も返品も不可。
情報を書き換えて、次男 志貴の花嫁になる。
D4を、我が子のように面倒を見て、常に気にする。

●新城 志貴:28才 政治家の次男。館花久弥の友人。
長男用に制作された花嫁を、次男の志貴が花嫁を娶り、「晶穂」と名付ける。
ベタ惚れの晶穂がD4にかかり切り、久弥に預かりを頼む。

●館花 久弥:29 歳 館花財閥の顧問。
館花財閥 の第一後継者、 継承権放棄、本家と縁を切る。
「花嫁」の扱いに疑問を抱く久弥は、弱者庇護本能が強い。
違法培養の「花嫁」の少女を見て以来、「花嫁」の保護活動に参画。
志貴の依頼で、処分寸前のD4を預かり、仮の名を付ける。「雛菊」

●十津川:悪徳研究者

・・D4が、十津川を見て思いだす記憶・・「名」とD4が造られた目的が悲しい。
命をおもちゃにする、笑えない場面が悲しくて、泣けた。
「花嫁」は、今でいうデザインベビー。
近未来、遺伝子操作と培養で、実際にこんなことが起きないことを願ってます。

0

コメディかと思ってたら違ってた

いや、笑えるところはあるんだけれども。
主に志貴w
思ってたよりシリアスで途中で(´;ω;`)ブワッてなりかけたり。
雛菊がとても可愛らしかった。
いじらしいというか、ホントに。

花嫁モノとか苦手であまり読まないんだけれど、これは読んで良かったと思わせられる1冊だった。
満足(*´ω`*)

0

女子!??

花嫁物大好物ですし、小路龍流先生の画綺麗ですね(*´∀`*)
表紙からしてイチコロです

最初、普通に身寄りのない子が花嫁として育てられてと・・・
思っていたのですが、そうではありませんでした・・・
SFです!そして人工的に作られた人ですよ!
ロボットというわけではないのですが・・・とにかく人間ですよね・・・
人工的に作られるので見た目も力量も欲しい人の好みにできるという高性能な人間
ですが・・・規定外ということで受け様廃棄処分の身だったのを
攻め様に拾われると言いますか預けられる形になります

花嫁として生まれてきているがゆえに、攻め様でもあるご主人様の事を愛し・・と
ロボット的な考えでこちらとしては読みがちですが
そうではなくきちんと「人間としての心」も持ち合わせているので面白いです!
本当に人間ですよね、ちょっとした特殊能力あるみたいな感じです

とりあえずですが、無口とまではいきませんが言葉足らずな
攻め様が最後には受け様にメロメロな所で話は終わります

説明が難しくてあれですが、この人工人間設定でスピンオフ的なものが
いけるぐらい世界観が好きです

3

設定がちょっと複雑?

雛菊(受)の思考も出てきますが、久弥(攻)の視点がメインに進みます。

女性の人口が減り、「花嫁」と呼ばれる人工的な女性の製造が行われている世界。「花嫁」をめとる気がない久弥ですが、友人から「不良品」として処分されそうな雛菊を保護してほしいと頼まれるという話です。

舞台となる社会背景、普通の「花嫁」、友人・志貴の「花嫁」晶穂、特殊な不良品の「花嫁」雛菊とそれぞれの設定を読んでいるうちに終わってしまった印象でした。丁寧に説明されているのですが、晶穂の言葉では「ほとんど寝ていない」のに雛菊は「普通に眠る」と語っていたり、どの段階でどの状態だったかについていくのに頭を使いました。もっと単純にできたんじゃないかと思うのですけど。

二人の恋愛話もちゃんとあるのですが、そちらは久弥の気持ち次第で、対して障害があるようではなかったので。むしろ、友人の志貴と晶穂の方が今に至るまで色々あったようで気になりました。ラストも、消滅してしまうと悲嘆していた割にはあっさりした解決だったなと拍子抜けでした。とはいえ、ハッピーエンドなのにはほっとしましたし、後日談ショート「花嫁は勉強中」での甘い二人は微笑ましかったです。

世界観や登場人物がとても魅力的でしたので、スピンオフや続編がでるのでしたら、ちょっとしたストレスで弱る不良品の「花嫁」を癒す主人という世間的には逆の二人や、意外と若くて驚いた望月博士の話が読んでみたいと思う作品でした。

1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP