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少年たちの歌と友情と、恋の物語
表題作と短編集が一つ収録されています。表題作では、少年たちの純粋さと不安定な恋心に、途中ウルッとくる場面やキュンとなる場面があって面白かったです。
舞台は、名門の聖歌隊寄宿学校です。優秀な生徒が集まった学校の中で、ただ一人しか選ばれないソリスト。
2年前に選ばれて喜んでいたのは、アントンでした。でも、転校生としてやってきたユーリに、その座を奪われて。悔しいけれど、ユーリの歌声は素晴らしくて、彼に感じるのは嫉妬と羨望…。
それなのに、なぜかユーリはアントンを慕って、仲良くなろうと話しかけてきます。そのことにイライラしながらも、ユーリを強く拒否できないアントン。
そんな中、ユーリがソリストを辞めると聞きます。そのおかげで、アントンがソリストに返り咲くんだけど、いてもたってもいられなかったアントンはユーリを問い詰めるのです。
ユーリの病気や、アントンへの隠していた想いが切なくて胸が痛かったです。アントンも、そんなユーリにちゃんと気付けて、自分の想いとも向き合えたのが良かったです。
最後の音楽祭に、ユーリもメンバーだからと、連れてきたアントンにキュンキュンしました。
中でも一番感動したのは、歌声だけを誇りに思っていたユーリから声が失われた時のアントンからの熱い告白で、2人の涙がたまりませんでした。
エッチは無かったけど、2人の心の強い結びつきに胸がいっぱいになって、むしろ無くて良かったと思いました。