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表題作水の底に眠る恋

秋山隼人,35歳,義兄,旧財閥系の化学メーカー営業
緒川晶,25歳,霊感のある幻想小説家

その他の収録作品

  • 月と海に沈む恋
  • あとがき

あらすじ

「そろそろ私も、おまえの極上の蜜を味わうとしよう――」
幻想小説家の晶は、義兄の隼士をひそかに想っていた。
ある日、隼士の故郷へ同行した晶は、龍神が祀られた壊れた祠を見つける。
その夜、気づけば身体中に蛇が舐めるように這いまわり、味わったことのない快楽に嫌悪しつつも、身悶える晶。
いつしか隼士への恋情を重ね、体を弄られ犯される悦びに溺れていく。
しかもその蕩けきった痴態を隼士に見られて…!?
禁忌で淫靡な官能エロス綺譚!!

作品情報

作品名
水の底に眠る恋
著者
藤森ちひろ 
イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイSLASHノベルズ
発売日
ISBN
9784799725290
3.3

(6)

(1)

萌々

(2)

(1)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
18
評価数
6
平均
3.3 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数1

甘く切ないホラー風味BL

義兄弟のラブストーリーに
ホラーがくっついているような
奇妙な味の作品集(二話構成)。

ホラーと言っても、怖さより
悲恋の切なさを感じられるような
繊細なストーリーで、
心霊体験をきっかけに愛を深めていく
メインカプの甘い雰囲気も堪能できる
作りとなっています。


主人公の受けは、霊感体質の幻想小説家(25歳)。
攻めは、受けの義兄(亡くなった姉の夫)で、35歳。
受けは、攻めにひそかに片想いしていますが、亡くなった姉に対する後ろめたさもあり、ずっと想いを圧し殺しています。

こんな二人が、攻めの祖母の家で
蛇神が祀られた祠に立ち寄ったことで
心霊現象に遭遇。
受けは、蛇に獣姦された挙げ句
義兄に取り憑いた蛇神に
抱かれるという散々な目に遭いますが
このセックスのおかげで
義兄も実は受けを好きだったことが判明し
晴れて恋人同士に。
この義兄の告白については唐突で
都合が良すぎる感がありましたが、
とりあえず前半はこれで一件落着。

後半の話は、攻めの職場の後輩とその恋人(霊)の
切ない恋を描いたエピソード。
今度はこのカップルが、攻めと受けの身体を乗っ取って(セックスはしませんが)生前のすれ違いを解消するという展開です。


全編通して、受けが姉への後ろめたさや
いつか義兄に捨てられる不安について
延々悩んでおり、
霊にとり憑かれるたび死を覚悟するような
ネガティブで繊細な性格なので
人によってはイラッとするかもしれません。
個人的には、受けの色んな負の感情と
霊たちの悲恋や無念とがシンクロして醸し出される
厭世感や、儚い雰囲気になかなか心惹かれました。

攻めは、霊感体質の受けに巻き込まれ
しょっちゅう霊に取り憑かれてますが
持ち前の優しく男前な気質で
最後にはしっかり受けを現実世界に引き戻してくれる
なかなか頼れる攻めキャラでした。


ホラー要素とエロとラブとが
バランス良く盛り込まれた一冊かと思います。
毎回何かしらのオカルト現象に巻き込まれる
ラブラブ義兄弟~みたいな筋立てで
シリーズ化希望ですv

10

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