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表題作抜群で行こう! 上

望月我久,イギリス留学から帰国した高校生,19歳
江藤未先,美貌と粗暴さで有名な高校生,17歳

あらすじ

誰もが振り返る美貌ながら、中身は喧嘩っ早くて凶暴な江藤未先。ある朝登校中の満員電車で自分の足を踏みそのまま去った男を校内で発見した未先は、一言詫びを入れさせようと詰め寄るが、その男―イギリス留学を終え隣りのクラスに編入してきたという二歳年上の望月我久が、禁句である未先の美貌のことに触れたため、思わず殴り倒してしまう。だがそれ以降、なぜか我久は何かと未先にちょっかいをかけてきて―。

作品情報

作品名
抜群で行こう! 上
著者
佐野裕貴 
イラスト
amco 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778118662
3.3

(3)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
10
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

男前受けの片鱗あり?

鳩村衣杏さんが佐野裕貴のPNで書かれていた時代の作品。「東京コンバース」と世界観が繋がっています。

日本人離れした美貌と凶暴な性格で有名な高校生・未先(受け)は、イギリス留学から戻ってきた編入生・我久(攻め)に一目惚れされる。
コンプレックスの顔を褒められキレる未先だが、辛いとき助けてくれる我久に徐々に惹かれていき…というような青春学園ドラマ。

「東京コンバース」は受けの女々しさが何だか今の鳩村さんの作風と結びつかないなぁと思ったものですが、本作の受けはかなり男っぽく強烈なキャラクターで、だいぶ今の鳩村さんの作風に近づいている気がします。学生同士の喧嘩のシーンもなかなかの迫力。

受けの未先は一見かなり尖ったキャラクターですが、実は粗野な言動の数々は私生児の生まれと女のような顔へのコンプレックスの裏返し。本当は非常に繊細で可愛らしい人物であることが、我久と打ち解けていく過程で分かってきます。

我久は、未先に殴られても怒鳴られても動じない穏和な王子様タイプですが、もしやキレると未先より恐い?
未先のピンチに金属バットを持って現れたり、火災報知器を叩き割ったりと、いざというときに見せる大胆な行動に底知れぬ迫力があります。

そんな我久に、未先が自身のコンプレックスを打ち明けるシーンが好きです。
我久は未先の顔も生まれも全て肯定し、そのままの抜群の未先で生きていけばいいと励ます。
タイトルの抜群で行こう!の意味が分かる感動的なシーンでした。
このように、未先が我久に抜群に愛され丸くなっていく物語…かな?
Hはなく、清く真面目に青春してます。
(下巻に続く)

6

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