イラスト入り
天才学者×おバカな天然受♥
攻の農学者さんがとにかく素敵でした!
今までにいない攻のタイプ…だけどめちゃめちゃ漢前、みたいな。
挫折を味わった受くんの心理描写も分かりやすく書かれていて移入しやすかったです。
読んでいて、作者さんの伝えたいことは至極まっとうだけど、なかなか気づけないことだと思いました。
優しくて素敵なお話でした。
作家さま、初の単行本だそうで。
楽しませていただきました。
凡が年齢のわりに幼く感じてしまうのですが、個人的にはそういうの好きなので、問題ありませんでした。
凡の過去とこれまたヘビーな過去の持ち主の先生の話でシリアスなんだけども、ふんわりしたかんじで小椋ムクさんの挿絵もあっていて、悲壮感などはあまり感じませんでした。
イタしてる最中の先生の研究者気質には笑わせてもらいました。
そして、凡の天然純粋さ故のそのエロぷっりは先生を虜にしてしまいそうで(w*
凡の兄、平のブラコンぶりも可笑しかったです。白目向いて倒れちゃうところとか。
何気にイケメンな刑事さんなんか気になる存在。
ぜひ、番外編なぞ読んでみたいものです。
天才農学者×攻めの元でバイトすることになった中卒無職の天然くん。
攻めも変わり者なら受けくんも大概変わり者です。変わり者同士がほのぼのしたやり取りを生真面目に繰り広げるのがコミカルでシュールで楽しかったです。
2人ともノンケで真面目だし、攻めが研究者なので、くっついたあとのエッチがすごく個性的で萌えました。真面目だからこその積極性…新しいな。
もっとこの2人の日常のバイト風景が見たかったです。なんでくっついたあと、ほかのバイトに行くことになっちゃったんだろう。攻めの立場なら研究所を言いくるめて、手元に受けくんを置くくらい容易にできると思うんだけど。
ほのぼのとした展開の裏に、天才の陰に隠れた平凡な人間の悲哀や、思い通りにいかない人間社会や、腐ったマスコミや、いろんな社会的なテーマがありました。
おかげで、ほのぼのな話の中にも骨太な骨格が通ったような印象を受けました。
小椋ムクさんのイラストが絶妙なこともあり萌×2評価です。イラストほかの方だったら萌だったかな。
凡(受け)は、兄のもとを離れ自活すべく農学者・能勢(攻め)の研究室でアルバイトを始め…。
あらすじから、優しい年上攻めと一緒に野菜を育てるほのぼの農業BL…みたいな話を想像していましたが、良い意味で期待を裏切られました。
まず凡の人生がなかなかハードモード。
プロ棋士を目指して将棋一筋で頑張っていたのに、タイムリミットの26歳までに四段に上がれず、プロへの道を断念。
そのショックで解離性健忘に陥り、将棋の差し方を忘れてしまいます。
中卒でろくな働き口もなく、とりあえず知人の紹介でアルバイトを始める…。
本人が比較的のんびりした性格なので悲壮感は少ないですが、研究室の助手に低学歴を馬鹿にされたり、自分でも将来に不安を感じていたりと、たまに入るイヤ~な描写にリアリティがあります。
能勢は能勢で、複雑な家庭で育っていたり、何者かに研究データを狙われていたり、研究室の助手に性格の悪いのがいたりと、こちらもなかなか大変そう。
他にも農家の経営難だったり研究者間の確執だったりと、現実にもありそうな問題がリアルに描かれています。
しかし全体としては、攻め受けのほんわかしたやり取りやビニールハウスで野菜を育てるシーンなどに癒し効果があり、そこまで暗い印象はありません。
受けが年上攻めに可愛がられる話がお好きな方にはおすすめ。
凡が再び将棋をはじめるでもなく、地道に就職活動するという結論も、現実味があって良かったです。
◆余談◆
プロ棋士になるためには26歳までに奨励会三段リーグを突破する必要がありますが、プロ棋士編入試験に合格すれば26歳を越えてもプロ入りは可能なんだとか。
しかし現時点で3人しか合格者が出ていないことを思うと、やはり相当狭き門なのですね。。。
ある特殊な経緯から無職状態の青年・凡と、彼がアルバイトをすることになった研究室の天才農学者・能勢との物語です。
小椋ムクさんのふんわりしたイラストと爽やかな風景が目に浮かぶようなゆったりした序盤の雰囲気とは裏腹に、二人のバックボーンと後半のお話はシビアというかリアルというか…意外な展開でした。それ自体は嫌いではなかったのですが、二人の恋模様以外の情報量が多くて肝心の萌えをあまり感じることができませんでした。
二人の初めてのエッチは非常に研究熱心で情熱的で面白かったです。色んな意味で勉強になりました笑
ちなみに小椋ムクさんの最近のイラストの作品を初めて読んだのですが、ちょっと絵柄が変わったんですネ…。この作品には合っていたと思います。