いやらしのポールダンサー

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表題作DANCING COLORS

エースダンサー
なぎさ
人気ダンサー

その他の収録作品

  • ENCORE(描き下ろし)
  • AFTERWARDS(あとがき)

あらすじ

いやらしのポールダンサー
堅物×ビッチのライバルBL

ステージが終われば
男に抱かれにいく。
人気ダンサー・なぎさは
そういう男だった。
華はあっても本気になれず、
貞操感もゆるい。
ゆえに、踊ることにすべてを賭けた
堅物のエース・航とは
犬猿の仲でだった。

そんな軽薄ななぎさを変えたのは
ある夜の、航の見せつけるような
本気のステージ。

美しさに圧倒されたなぎさは
それを認めたくないと思うと同時に、
航に惹かれている自分に
気づいてしまう――。

onBLUE育ちの逸材、初コミックス解禁!

作品情報

作品名
DANCING COLORS
著者
フルカワタスク 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE COMICS
発売日
ISBN
9784396783716
3.6

(84)

(23)

萌々

(30)

(13)

中立

(13)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
12
得点
287
評価数
84
平均
3.6 / 5
神率
27.4%

レビュー投稿数12

黒から溢れる色彩ーonBLUE発、新たな才能

特集目当てで購入したonBLUEで
はじめてフルカワタスクさんの今作を読んだとき、
皮膚の内側に入り込んで語りかけてくるような熱を感じました。

画が秀でて巧いわけでも、魅せ方が超一級というわけでもない。
それなのになぜ、静かに心を揺さぶられたまま
離れることを許さないみたいに惹きつけられるのか。
フルカワさんは読み手を虜にする繊細な熱量と才能の持ち主なのだと、
コミックス化した今作を読んで改めて思いました。

なぎさはマネージャー付の人気のポールダンサー。
他人の踊りには興味を持たず、自分のステージが終わりさえすれば
男に抱かれることを楽しむ、そんなダンサーだった。
新しいステージのひとつ、クラブグランドブルーで
エースダンサー・航の踊りの美しさに魅せられるまでは―

ポールダンサーというのが目新しくて良いですね。
男たちがポールと共に、美しく妖艶に踊る世界。
そんな世界でふたりの異質な者同士が出会い、
反発し、魅かれ合い、踊り続けてゆく物語です。

なぎさは航に出会うまでは、
確固たる熱意を持って踊っているわけではなかったのだけど
航の、表現の神髄のような本物のダンスを見て
彼の実力を認めた上で、今度は彼に認められたいと思うようになります。

一方、慕われることはあっても人との距離を一定に保ち続ける航が
なぎさの才能に早くも気づき、ダンスを指導し絆を深めていく様子は
密やかに熱く、又、色気を感じさせるものでした。

けれど、航には顔の火傷と同じように、もしくはそれ以上に
深く黒く抱え込んでいる闇があって。
追い詰められた彼がきこえるのは波の音と漆黒の音だけ。

誰にも頼ることなく、たった一人で戦い
亡き父親(彼もまたダンサーだった)が遺した
グランドブルーを守り続け、ボロボロになった航の
豊かな才能・なぎさの成長を目の当たりにしたときの焦燥感、
居場所を失くすこと、踊れなくなることへの闇...
想像しただけでも苦しくなります。

ふたりがぶつかり合い、本音を曝け出し合った上で
踊り続けていくことを決めたシーンに、涙が止まりませんでした。
『踊ることは生きること』
あとがきでそう書かれているフルカワさんがふたりに託した想いが
読み手にぎゅっと伝わってくる、素晴らしいシーンでした。

そしてクライマックス、
ふたりのペアのダンスシーンで再び熱いものが込み上げてきます。
モノローグも、台詞も、ダンスの描写も、すべてが輝いている。
まさに黒の世界から、カラフルな色彩が溢れ出すかのような
そんな彼らのダンスに、観客と共に
スタンディングオベーションを捧げたい気持ちでいっぱいでした。

新しいステージへ羽ばたくふたりを、
フルカワさんの物語への愛情と
キャラへの信頼たっぷりのあとがきを含めて、
どうか最後の最後まで見逃さないでください。
(脇役のオーナーの愛しいキャラも必見!)

個人的にどうしようもなく魅かれた、文句なしの神評価作品です。
最後に、onBLUE発の新しい才能に、
センシティブに語りかけてくるその熱量に、もういちど拍手を...!

13

冬草

詩雪さん

ううー、お褒め頂いて恐縮です!ありがとうございますっ。
わたし、本について、読んでいる時の感動とか、心の熱さとか、そういうものを伝えることができたら良いなあって思いながらレビューを書かせて頂いているので、詩雪さんがそれを感じ取ってくださってすごく嬉しいです。

もし今作を読まれたならば、是非、詩雪さんのレビューも読んでみたいな。どんな感想を持たれるか、個人的にすごく楽しみ☆

onBLUEさん、レーベルとしても、輩出される作家さん作品も本当に素敵ですよね。向かっている方向性にとても好感が持てるし、益々ファンになってしまいました♡

冬草

なぎさの表情が堪らない

どことなくセンスの良さを感じる作家様です。
季節は夏でしょうか。海沿いのクラブにラフな私服と全体的にオシャレ感漂う雰囲気です。

舞台が海沿いという事で物語の見せ場のシーンでは崖の上の灯台、ショーが成功した後2人きりの明け方の浜辺などロケーションが上手く生かされていて良かったと思います。

最初は生意気で「アンタみたいな男すっげぇ嫌い」と言っていたなぎさが「お前になら何されてもいい」とまで言うようになるとは···
もうなぎさが可愛くて仕方無いです(笑)

航に認められたい、ダンサーとして生きて行こうと決めたなぎさですが、一方踊る事に全てを掛けて来た航は様々なプレッシャーから不安定になり、薬無しでは満足に踊る事も出来ません。
唯一の居場所であるステージもなぎさに取られてしまいます。
居場所を見つけたなぎさと居場所をとられた航。。。

航のなぎさに対する嫉妬や羨望がついに形になって出てしまいます。(無理矢理なぎさを抱いてしまいます)

ですがなぎさはそんな航を受け入れ、踊る意味を見失いかけていた航に自分の為に踊って欲しいと告げます。
それぞれの踊る理由が相手にあるというのはお互い必要としている感じがして良いですね。

色々あって結ばれた2人ですが、お互い作中で一度も『好き』という気持ちを言葉で伝えていません。(一緒に踊りたいとは言っていましたが)
でもお互い共に歩んでゆく大切な存在というのは明白です。

そういった台詞が無い事でパートナーとしてのより深い繋りを感る事が出来たし、パートナーになるという事はそういった感情よりももっと深い所で繋がっているものだと思うので、この台詞が出てこなかったのは逆に良かったと思います。
(仮にこの作品の世界感で「好き」とか「付き合って」みたいな台詞が出てきたら一気に作品が薄っぺらいものになってしまったと思います。)

後日談での2人の休日では航のシャツとなぎさのパンツが···お揃い!
航がなぎさの服を借りてるのか、一緒に買ったのか、どちらにせよなぎさの趣味と思われる服を着てるのに萌えました!

個人的に絵柄はとても好きですし、ポーズや身体のラインも不自然な部分も無く決まっていたと思います。

明るく華やかなシーンもありますが全体的にどことなく薄暗い雰囲気のある感じで、久しぶりにハマった作品でした。

1

無題が3枚

見た目にわかりやすく難があるってのは大変ですよね。

目や耳の障がいみたいに周りから配慮されるわけでもない、こういう境遇で生きておられる方に深く同情いたします。

ふたりがダンサーというのもいやらしポイントの一つですね、身体が柔らかいからエッチの体位も深そうでいい。

煌びやかな作品でした。

0

魅力的な素材

ポールダンスという新鮮さと、on blueのセンスに対する信頼感で購入。
結果はなかなか魅力的な作品だった。

ポールダンスは、シルクドゥソレイユや7Fingersのショーで見たことがあり
どちらかというと女性のイメージだったが
アクロバティックで独特の色気のある世界だと思っていた。

その雰囲気が漫画の中でよく表現されていたと思う。
体の描き方が綺麗で躍動感もあり、踊りのシーンがいい。
「いやらしの」なんてキャッチコピーがつけられているが
話はダンスを通じて心を通い合わせていく対照的な二人という、
ある意味典型的で真摯な芸術系の話。

シリアスなストーリーの中のオーナーの茶目っ気や
仲間達の描き方の軽さといった、緩急も悪くない。
ただ、全体としては消化不良気味の印象も。

航の過去の傷や現状に関しては雰囲気どまりで説明不足、
絵も繊細で魅力的なのだが、
絵もストーリーももう少し整理されてメリハリがあると
さらに魅力が増すと思う。

絵の印象が全体に自然光で淡くて黒でもカラフルでもなく、
夜のシーンと昼間のシーンコントラストなども控えめ。
黒の世界から色が飛び出す……というコンセプトが
絵だけでインパクトを持って伝えられたら
ノックダウンだったかな……と思う。

今後に非常に期待です。

6

息を詰めて読んだ

独特の空気感でした。時々onBLUEで見かけて、気にはなっていたのです。こうしてまとめて読めて、よかったです。

ポールダンサーの話ということで、エロ目的で買いました! ですが主題はそこではなかった。エロよりラブより、ダンス。(ただし技術的なことは描かれていませんので、スポーツマンガを楽しむような読み方はできません)踊ることが生きることのすべてというストイックな航(攻)と、才能はあるんだろうけどポールダンスをなめてるなぎさ(受)とのお話です。

芸術を極める、二人で高みを目指していく、ということの前においては恋もエロも霞んで見えました。

舞台の空気感。二人が踊っているところは、読んでて背中の辺りがざわざわしました。

萌えとは違ったけれど、すごく気持ちのいい読後感です。

5

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