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表題作初恋の棘は甘く

玖珂仁志,警察学校時代の同期
藤崎亨,捜査一課の刑事,28歳

その他の収録作品

  • 甘い棘に抱かれて
  • あとがき

あらすじ

捜査一課で最年少だった藤崎に初めてできた後輩は、警察学校時代に体を繋げてしまった同期の玖珂だった。望まぬ再会に戸惑いつつも、一緒に仕事をする最中、玖珂の隠されていた想いと執着を知って…。

彼にだけは、絶対に会いたくないと思っていた。捜査一課に配属された藤崎に初めてできた後輩。それは、警察学校時代、強引に体を奪われた同期の男・玖珂だった。過去の行為がトラウマになり、玖珂を憎んでいた藤崎。だが、彼の相棒に任命され、一緒に過ごすことを余儀なくされてしまう。戸惑いに身を置く日々の中、彼もまたあの夜を悔い、謝りたいと思っていたことを知る。時を経て語られた玖珂の一途な想いに藤崎の心は乱されて…。見た目も性格も正反対な二人の大人の恋物語。

作品情報

作品名
初恋の棘は甘く
著者
井上ハルヲ(オハル) 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041036020
2

(21)

(0)

萌々

(0)

(7)

中立

(9)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
6
得点
30
評価数
21
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数6

結論はルビー文庫仕様?

捜査一課の刑事・藤崎(受け)は、警察学校の同期で自分をレイプした玖珂(攻め)と再会。
彼とコンビを組むことになり……

ルビー文庫からは初めてのハルヲさんですが、いつもの持ち味は健在。
刑事の仕事描写やレイプのトラウマ描写など、男っぽくリアリティのある世界観が展開されます。

藤崎は小柄で童顔な容姿にコンプレックスを持つ刑事。
相棒となった玖珂が190センチありそうな大男で、刑事としても優秀なので、自分と比べ落ち込むこともしばしば。
レイプされたことは夢に見るほどトラウマになっていますが、その一方で自分はゲイかもしれないという疑いもあり、再会した玖珂に惹かれていきます。

玖珂は、寡黙で面倒見の良い男前攻め。
とても藤崎をレイプするような人物には見えませんが、残念ながらレイプは誤解ではなく本当にやっています。
ただ、本人はそれを心から反省しており、再会後は藤崎に迫られるまで自分から手を出さないところは好印象…かな?
酔った藤崎に目の前で寝られても、素直になった藤崎に誘われても乗ってこない(後者ではむしろ激しく同様w)しており、ややヘタレな言動がレイプの過去を和らげていました。

ただ、レイプのトラウマについて藤崎が出した結論はやはり納得できないかも。
自分はゲイで、玖珂に犯されたのも本心では嫌じゃなかった、実は玖珂のことも好きだった
って夢に出てくるほどのトラウマだったのにそんな結論でいいの?
いくらルビー文庫だからってそこまでポップに解決しなくても…と釈然としないものを感じました。

生々しいレイプシーンやトラウマ描写があったわりに結末はファンタジーで、何だかアンバランスな印象。
キャラは攻め受け共に立っていて可愛いだけに、いっそレイプは誤解ということにするか最初から設定自体なかった方が違和感なく読めたんじゃないかと思いました。

7

突っ込みどころ満載

警察学校で同期だった男に強姦された過去を持つ受け。その男が、受けの所属する課に異動してきた。過去のトラウマから素直に接することができず、心揺れる受け。しかし徐々に気持ちは変化して…。


あらすじをまとめながら首をひねってしまうほど、いろいろと説得力の欠けた作品でした。強姦されてひどいトラウマになってるはずなのに、ちょっと酒が入ったら攻めにしなだれかかる(としか表現できない)受けが理解できませんでした。酔ってるからって、自分に危害を加えた相手に絡むって、この受けの危機意識はどうなってるんだろう。
最終的に、実は強姦される前から攻めが好きだった、というオチになるんだけど、それならあんなに激しいトラウマになってるのが理屈に合わないし。なんか、被害者ぶって男に責任を負わせ、落とそうとする女みたい。
攻めも、反省してるんだかしてないんだか、態度からわからなかった。酔っ払った受けを押し付けられてめっちゃ迷惑そうだったし、ずっと謝りたかったという割に受けから話を出すまでまるっきり知らん顔だったし。まったく何も考えてないような態度で、受けに強姦のことをほのめかされたときだけ悄然とするかんじ。
あと、許されて事に及んだとき、受けが「気持ちいい」って言って、そのあと攻めが「気持ちいいか?」ってしつこく聞くんだけど受けは恥ずかしがって答えない、その直後また受けが「気持ちいい」って呟く。そんな噛み合わないやり取りが盛りだくさんでした。
反省してないんだけど反省したように見せかけてる攻めと、嫌だったわけでもないのに被害者ぶってる受け、に見える人たちの萌えない話でした。

6

なんかちぐはぐな印象が・・・

あれれ?なんでしょう・・・。シーンごとの描写はうまくまとまってて良い感じなのに、全体としてみるとちぐはぐな印象なんですよね。レイプされたことに対するトラウマとか自分の性癖に関する苦悩とか、シリアスな感じで書かれていたのに、途中からあれれ?になってきて・・・。攻め様も、レイプしたことをずっと後悔してて、謝ろうと思っていたと最後の方で言っていますが、前半の攻め様視点の部分では全くその辺が出てきてないですよね?反省してる様子も全く分からなかったんですけど。え、いきなり?って感じでしたよ。
始終そんな感じで、シーンごとに考えたお話を無理やりくっつけた感がありました。前にレビューを書かれた方もおっしゃっていましたが、アンバランス、まさにそんな感じでした。

4

違和感が残るお話

先日読んだ井上ハルヲさんの本が面白かったので、購入してみましたが、今作は違和感、あっさり感が半端なかったです。

あらすじは、本の紹介に載ってるそのままで、いきなり強姦されている場面から始まります。

藤崎(受)の根底には玖珂(攻)への憧れや好意がある為か、何だかんだ強姦された相手である玖珂への対応が甘い。
結局最終的にはその強姦された相手に自分から告白して誘っているし(笑)ありえない、あっけない展開に…

玖珂は玖珂で強姦を反省していると言う割には藤崎を追って捜査一課に来るし、嫌われていると思っている相手に使うつもりでローションを買って用意してあるし。
しかもHの時にすぐ
「気持ちいいか?」と聞いたり
「嫌なのか?」と聞いたりと相手を思いやってというより、うざい。
鈍感でヘタレで、どうにもこの玖珂にイライラ。反省しているとしても強姦する程の理性が飛んでしまう人物とも思えないし。

主役二人が二人共に、行動、言動に一貫性がない為に読んでいても共感も全く出来ませんし、好きになれなかったです。
あまりにも軽い展開に、拍子抜けしたというか、ルビー仕様としたとしても、あっさりしすぎて物足りない。
強姦という重い導入部からは考えられないほどの違和感ありありの軽い展開と結末でした。

イラストも綺麗なのですが、話に合っているかと言われたら、違和感がある、あまり合っていないと感じました。

4

何から何まで??な話・・・

井上先生の小説は大好きで、今は自分的一押しの作家さんなんですが・・・
何だかこれはちょっと違う。
井上先生らしさが一切ない感じがしました。
受けの藤崎にも攻めの玖珂にも全く感情移入ができない。
これ本当に井上先生が書いたの?って思うくらい。
いつものぞくぞくするような痛さもなければ、男同士という感じのあのエロさもない。
強姦した側とされた側が反省と許しの果てに・・・というストーリーは別に悪くないのに、キャラがぜんぜん生きていないんです。
レイプから始まる話なのにドロドロした部分もなく、無理やり綺麗にまとめました感がいっぱいで、ちっとも楽しめない。
何で?ルビー文庫仕様だから?
好き作家さんなだけに残念すぎる作品です。

それとこれは本当に自分の個人的な好き嫌いなんで好きな方には申し訳ないんですが・・・
北沢先生のイラストがストーリーにぜんぜん合ってない;
どうして北沢先生チョイス?

何から何まで??ばかりの一冊でした。

2

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