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表題作みずのいろ。

礼夏(リーシア).記憶喪失の子供.攻め受け不明
世都(セツ).子連れの殺し屋.攻め受け不明

同時収録作品みずのいろ。

ロマネ/シュラール,世都を拾ったプロの殺し屋
世都(セツ).子連れの殺し屋

その他の収録作品

  • chapter1 a wonderful day.
  • chapter2 天国となる縁。
  • chapter3 幸せという言葉を。
  • chapter4 赤のいろ。
  • chapter0 wonderful days.
  • 表紙裏:『こじらせてる人』『あとがき語り』

あらすじ

生と死が隣り合わせの街「天国」。
記憶のない少年・礼夏は、
全身傷だらけの殺し屋・世都とこの街で暮らしている。
彼はいつも礼夏に赤い服を着せ、
とても優しく、ふとした瞬間泣きそうに笑う。
それはいつも礼夏を不安にさせた。
けれどある日、世都の過去を知る男・ロマネが現れてからいつもの日常は変化して……

作品情報

作品名
みずのいろ。
著者
槇えびし 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics CRAFTシリーズ
発売日
ISBN
9784813031024
4.2

(92)

(54)

萌々

(17)

(13)

中立

(6)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
11
得点
383
評価数
92
平均
4.2 / 5
神率
58.7%

レビュー投稿数11

「みずのいろ」が何の色か分かった時の衝撃…

ちょうど去年の今頃出会って読んだ作品なのですが、その時の衝撃といったらなかったです。
そこから何度も読み返し、レビューを書いては消し、書いては消ししているうちに1年が経ってしまいました。
万人受けするとは言い難く、ハマる人/ハマらない人がハッキリ分かれる類いのお話だと思いますが、私は全力でオススメしたい!


犯罪者やはみ出し者が集う、法も秩序もない街「天国」。
そこで殺し屋として生きる全身傷だらけの青年〔世都/セツ〕と、セツに引き取られて暮らす記憶のない少年〔礼夏/リーシア〕
そして、セツの過去を知っていてセツを救いたいと思っている〔ロマネ〕
3人の物語です。

良い意味でまったくBLの域を逸脱しているような作品。
愛とか絶望とか贖罪とか希望とか、そんなキーワードが散りばめられていて、「儚げで綺麗な表紙だなー」で読み始めると、しばらく現実に戻ってこれないくらいガツンとやられます。
読み終わった後、「救い」という言葉の意味について深く考え込んでしまいました。

この作品がハッピーエンドなのかそうでないのかを考えることは、あまり意味のないことのように思います。
むしろ、そのことを教えてくれている作品なのではないかな。
ロマネがセツを想って考えた「幸せ」な未来は、セツにとっての「幸せ」ではなかったし、シン(リーシア)が外の人たちから与えられた「幸せ」な生活も、シンにとっては「幸せ」ではなかった。
「幸せ」というのはその個人のものであって、幸せの定義は他人には決められないんだよ、と。
だけど、そう解っていても自分の幸せの定義を他人に適用しようとするのが人間で、なぜかと言うとそこには相手の幸せを願う愛があるから。
「愛」ってなんだろう
「幸せ」ってなんだろう
自分にとっての「天国」ってどこだろう
人によって答えの変わるこれらの問いは、感受性の強い人ほど苦しめられると思うのです。
槇えびしさんが考え、出した一つの答えが〈chapter1 ...a wonderful day.〉で始まって〈chapter0 wonderful days.〉で終わるこの作品なのかなと思いました。

作中では「愛す/愛されたい」の同義語のように「赦す/赦されたい」という言葉が使われます。
帯に大きく書かれている「僕を愛して」の文字は、そのまま「僕を赦して」なのだと解釈しています。
表紙のセツが流す涙は赤から透明に変わっていて、贖罪に生きたセツは過去に流れ去ろうとしている。
それならラストシーンのセツの穏やかな表情とシンの幸せそうな笑顔がきっとこの物語のすべてで、セツの赤い涙が全部流れ去った時、新しい希望(chapter1)が始まるはず。

カバー下に、ほっこりするようなその後の3人が少しだけ描かれています。
3人がどういう関係になったのかは分かりませんが、楽しそうに暮らしていそうでホッとしました。
英語の訳としては正しくないかもしれないけれど、
a wonderful dayが1日1日積み重なってwonderful daysになるという解釈以外に、誰かと誰かのa wonderful dayが集まってwonderful daysになるんだという解釈もアリなんじゃないかなと私は思っています。

【電子】ebj版:修正-、カバー下○、裏表紙×

13

2.2cm

槇えびし先生の作品も今年出会いまして、こんな素敵なBL作品なのに一冊しか出てないなんて…。と思っていた。

そして、出た新刊。
2.2cmの厚さに驚いた。
槇えびし先生の新作BLが本当に読みたくて、読みごたえのある厚さに感動もした。
この一冊に10年の重みがある。
本当にすごい。

身体中に傷があるとか鋏で傷つけられていて鋏を見るとパニックになるのとか、受けの要素としてめっちゃ良い。

ロマネの世都を愛してはいるけど途中からは利用するためだったってのが…悲しくて泣きたい。
まあ、そんなことはすぐに問題じゃなくなるんだけど。

タイトルの「みずのいろ。」って自分の血ってことだったんだ。
「みずしかでない 冷たい 冷たい 」と泣く世都をロマネが抱き締めるシーンには切なすぎて込み上げてくるものがあった。
世都の見てる世界は白と黒、赤しかないようで色を認識できないようです。
ロマネと出会うまでは赤が認識できなかったようです。

世都とロマネが一緒に暮らすようになって、二人は恋人同士になって、不感症でイクことが出来ないからロマネがあの手この手で頑張ってるんだけど、それに対して謝った後に「好きだよ ロマネ」という世都が可愛かった。

5年後の世都は人形のようにベッドに座っているだけ。

ラストはバッドエンドではないものの、世都はロマネを忘れ、シンを過去に自分が殺してしまったリーシアだと認識。

カバー裏の描き下ろしなどから3人は一緒に暮らしているらしいですが、どんな関係かはわからない。
仲は良さそう。

自分的には世都とロマネが恋人同士に戻っていることを願いたい。

ちるちるではリーシアことシンが攻めに登録されてるけど、シンとは5年後の再会でキスのみ。
ロマネとはそれ以上の関係。
過去に恋人同士で帰ってくる言ったロマネが仕事で戻らず、後に世都がロマネの「3日帰って来なかったら死んだと思ってくれ」という言葉を思いだし、ロマネの死体探し→危ない目に何度か合う→最終的に殺し屋となる模様→6年たちロマネが表れる。
(かなり、ざっくりだけど)

本当に壮大なストーリーだった。
評価もすごく迷うところですが、神をつけます。
このラストだけだったら、えっ?なに?これ?で趣味じゃないだったかも知れない。
始まりから終わりまで、この世界観と10年という重み、世都のキャラや表紙の美しさなどを含め神をつけました。

で、コミコミで購入しましたがイラストカードが表紙のイラストを全面に使用し縦11センチの横21センチで素敵なイラストカードでした。

槇えびし先生のメッセージで「世都があなたにも愛されますように」とあります。
世都のキャラ愛してます。
(レビューでも愛してるっていうの恥ずかしいが)

ゆっくりじっくりと約2時間かけて読んだのですが、また日を改めてゆっくりじっくりと読みたいです。

槇えびし先生、10年の絵柄の変化を危惧しているようだけど「きみにあげる。」同様に丁寧で綺麗な絵でした。

帯が付いてる表紙が素敵です。
帯は白で大きく「僕を愛して」と書いてある。
この帯あってこそのこの表紙だと思います。

最後に世都の母はどうしてそこまで狂って世都を傷付けるようになってしまったかは疑問です。

10

恐ろしい

恐ろしい作品だった、読み終わった瞬間息も出ない溢れそうだった涙も出ない。
とにかく衝撃的な作品

4

甘さはない。でも読みごたえしっかり。

今日の私は、長期連載コミックス化まとめ読みの日。
この淡い淡い、きれいなカバーイラストからは想像もつかないような、硝煙と血にまみれたオープニング。
長い年月をかけて完結した物語は、その年月に見合うだけの時間の経過の重みがあります。
世都と礼夏が暮らす「天国」と、その崩壊をもたらすロマネと世都の因縁。
ロマネによって「天国」から救い出された礼夏=慎の成長。
「天国」に捨てられた世都を拾うもう一人の礼夏の話。
そして、慎とロマネが世都のためにたどり着いた結末は、、、。

堪能しました。

3

一度では足りない。

本屋でたまたま題名が目に入り、手にとって表紙を見たときに衝撃が走り衝動買いしました。表紙の絵が本当に美しくて…。槇えびしさんのことは別の作品で知っていたので、この人BLも描いてたんだ…!と驚きました。
分厚いこともあり読み始めてこれはどんな展開になるのだろうとドキドキしながら読みすすめました。世都の放つ独特な雰囲気と「天国」という場所の異質さが読む人を引き込みます。ロマネが現れることによって明かされる過去も衝撃的です。礼夏が幸せのために選んだ決断。正直なところ、読み終わった後うまく話を整理できず、すっきりしませんでした。これはきっと何度も読むべきものなんだろうと思い何度も読み返すうちに、だんだん納得していったというような感じです。本当に読み応えのある作品でした。読み終えてからまた表紙を見るとああこの表紙はこういうことだったのかと分かります。
未だに完全に消化しきれたわけではないですが、とりあえず人それぞれ「幸せ」の形は違うのだなあと。
萌、という評価の基準とはまた違う魅力を持つ作品なので少々評価に悩みましたが最高評価で。BLとか関係なしに素晴らしく、繊細で美しい作品でした。

3

この作品が収納されている本棚

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