マイ・ディア・マスター

my dear master

マイ・ディア・マスター
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×23
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
38
評価数
9
平均
4.2 / 5
神率
44.4%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
新書館
シリーズ
モノクローム・ロマンス文庫(小説・新書館)
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784403560255

あらすじ

19世紀、自殺を決意した元軍人の貴族・アランは街で拾った男娼と一夜を過ごす。
生意気でよく喋るその男・ジェムと過ごすうち、アランは自分の変化を感じていた。
ジェムを屋敷に住まわせるようになったある日、アランはかつての部下の娘が、ある危険な男の庇護の下で暮らしていることを知る。
ジェムに励まされたアランは彼とともに少女を救出にむかうが──。

深い愛情と勇気溢れる、ヒストリカルM/Mロマンス!
翻訳:一瀬麻利

表題作マイ・ディア・マスター

サー・アラン・ワトレー,元軍人の准男爵
ジェム・ブラウン,男娼,19歳

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レビュー投稿数4

身分を越えて

身分差ものの決定版ではないかと思うくらいすごくよくて、興奮止まぬまま最後まで読んだのですが、最初にひとつ難を挙げさせて下さい。

挿絵のジェム(受け)がどう見ても子供にみえないです。
絵は綺麗でとてもよかったのですが、そこ、私にはけっこう重要な部分でした。なにせ大人と子供という歳の差の組み合わせが大好きでして、その条件を満たしているのに表紙を見て子供と大人だとは思わなかった。
なので、ジェムが自己紹介の時に15歳と言ったのを見てマジですか⁈と思いました。
(実際はもう少し上ですが)
ジェムはしっかりしているけど背伸びしている、せざるを得なかったという人間ですので、もう少し面影に少年らしさを残したほうがしっくり来たのではないかと思います。

お話の舞台は19世紀のイギリス。同性愛は違法の時代です。
絶望に身を落として自ら命を絶とうとした准男爵のアランが、最後に一晩だけと男娼のジェムを買います。
そのジェムに感化されアランは死ぬのをやめて、昔の約束を果たすため、ある少女を救いにジェムと2人で旅にでる、というものです。

ストーリー部分だけでも充分面白く、ドキドキハラハラの冒険劇というか、正直身分差のラブストーリーだと思って手を出したのに最後のほうなど展開が気になって怖くて一気読みしてしまいました。2人が幸せになるまで、目が離せない展開です。

しかしこれ、恋人らしい甘さは、ほぼない作品です。
お互い承認して恋人になろうと確約するようなシーンはありません。
普通ありそうな、ふたりでイチャイチャしたり、甘くて蕩けそうな睦言を言い合ってギュッとするようなぽかぽかするシーンもありません。
アランは厳格で、石頭で陰気で堅苦しく、結局甘い言葉は一言もありません。
それが私は結構不満でした。

しかし、読んでいると、甘い言葉を囁き合う以上に意味のある目配せだったり、ふとした瞬間に心の深いところで絆が強まっていくのが感じられます。
甘い言葉がないために、この静かな絆の強さが引き立っている作品なのだと思います。
厳かな絆、とでもいうのか…。

ジェムとアランの間には身分差があり、アランが何も言わないために、ジェムは自分を少しでも大事にしてくれてるのだろうかと不安になるシーンが何度もあります。
ジェムは自分がアランの一言で簡単にお役目ごめんになる身分だとわかっているのですね。
そしてその通りで、おそらくアランは一回もジェムを愛してるとは言わないのですね。

でも間違いなくこの人は自分を好きだと確信できる、ビビッと電流の走るようなシーンがあり、これは愛を何度もささやき合うお話よりもずっと描ききるのが難しい作品だと思いました。
究極の身分差のラブストーリーを見た気分です。

2人とも、タイプは違えど、人に言いたくないような悲惨な人生を歩んでいます。本当にこの先一生、寄り添って幸せに暮らして欲しいと願わずにいられない2人でした。
アランの過去については結構記述があるのですがジェムはほとんどないため、ジェムの強さを作っているものが何なのかが少し知りたい気もしました。


最後に、ベッドシーンですが、リバーシブルがあるためご注意です。
しかし不思議なのですが、身分は圧倒的にアランが上なのに、経験はもちろん男娼であるジェムのほうが高く、ベッドではジェムが主導権を持ちます。
アランは厳格で厳しい男なのに、支配されることも許容していて、そういったシーンが非常に倒錯的でした。

甘さが少ない分、2人とも男そのものだなあという感じがしました。
BLはファンタジーという感じではなく、ピリッとした作品です。
ちょっと堅苦しい雰囲気もありますが、クオリティの高い、高評価をつけたくなる作品でした。
非常に読み応えがありますので、長丁場になっても軸のしっかりした、ピリっとした作品を読みたい方にオススメしたいと思います。

2

悩める貴族とセクシーなならず者

海外ドラマのダウントンアビーを彷彿させるイギリス貴族アランとストリートボーイジェムのお話。
戦争の暗い記憶、自分の性癖、家族との死別、様々な苦痛から人生に絶望したアランを
生まれは貧しいけどたくましく生きてきたジェムが持ち前の明るさとユーモア、そしてセクシーな体と愛で癒していきます。
時間をかけて少しずつお互いを信頼し認めていく二人の気持ちの移り変わる描写はとても自然かつ繊細で丁寧ながら、M/Mお得意のドラマティックに物語が動くアクション映画のような要素もいいスパイスになっていて完璧。
19世紀のイギリスを舞台に、惹かれ合う貴族と男娼の緩急のあるストーリーはまるで一本の映画のようでした。
特筆すべきはM/Mは30代40代が多い中、19歳のジェムのピチピチさ!
若いけどバカじゃない、ガキじゃない、ツンデレでもワガママでもない、でもちょっとだけ生意気でエロティックで、とてもかわいかった。

ただジェムは口調が、、、
端的に言うと子分っぽいです。
これ慣れるまでって設定なのかなと思いきや最後まで口調が変わらず。
絵とも合ってないかな。
独特の話し方を表現したかったんだろうけど自分的には萌えを損ねてたのが残念。

それでもキャラクター、ストーリー共に文句なしで神評価です!

2

ギャップロマンスの王道

19世紀ロンドン舞台の小説で、高貴な紳士と低俗の男娼、王道のギャップロマンスの設定だが、読んでいて好きでたまらなかい一冊だった!

戦場から復帰した紳士のアランは、戦争の傷がいえない上家族も失った。生きる意志をなくし、最後に連れ帰った少年男娼と一夜を過ごし、人生を終わりにしようとした。だが、連れ帰った少年に惹かれ、自殺の計画も狂わされてしまった。

当時同性愛が法律上の禁忌、結ぶ欲望が宗教上の罪という認識に縛られ、ジェムという少年を憎みながらもどうしようもなく惹かれていた。時に心を開き、時に冷たくする。ジェムに当惑しながらもだんだん自分の感情を認めるアランの心理的変化はとても読むに値する。ジェムに感情移入しすぎて、アランに誤解されるジェムがとてもかわいそうだと思うし、ジェムを失いたくないアランにも感動!

M/M小説も何冊を読んだことあるが、設定や背景をしっかりする先生に出会えてよかった!キャラの感情をあくまで丁寧に描いて、自分の夢に想像していたものが本書で実現されたと思う。そして訳者がとても素晴らしい。翻訳気味がなくとても読みやすかった!

2

男前従者受けが大活躍

舞台は19世紀ロンドン。
元軍人のアラン(攻め)は、気まぐれに買った男娼・ジェム(受け)を気に入り、従者として側に置くことに。
戦争のトラウマを抱えるアランが、ジェムと過ごすうち人生に楽しみや幸福を見出し変わっていく。そんな甘くロマンティックな物語です。

本書の面白さはジェムのキャラクターの魅力によるところが大きいかと思います。
男娼で性技に長けていますが、女々しさは全くなく、誰に対しても物怖じしない男前。
アランに対してもかなりズバズバ発言しますが、持ち前の愛嬌とユーモアセンスのおかげで全く嫌味になりません。
生きることに罪悪感を感じていたアランが、そんなジェムを愛することで精神的に救われていく展開には、大変説得力がありました。

物語後半は、アランとジェムがひとりの女の子を救うべく奔走する話。
彼女はアランの戦死した元部下の娘で、元軍医の変態医者に囲われています。
彼女を逃がすべく、医者の家に忍び込むジェムがここでも大活躍。捕らえられた彼が医者を話術で懐柔しようとするシーンには緊迫感がありました。
医者はジェムの性器を切断しようとする等、なかなかのサイコパスでしたが、すぐアランの助けが来るため怖さはそれほどありませんでした。

無事娘を救出したことで、アランは過去と少し向き合うことが出来るようになり、ジェムはジェムで、アランや娘という家族を手に入れることが出来た。
幸せな結末に温かな気持ちに包まれます。

ちなみにラストでリバが一度だけあります。
ジェムは男娼としては受けメインでしたが、攻めの素質も十分。
アランとは騎乗位でリードすることが多いし、眠るアランのアナルを弄る等、好きな人に入れたい願望はずっと持ち合わせていたのでした。
アランが眠っていたり疲れていたり…でそれはなかなか実現しないのですが、ラストでついにリバ展開が。
ジェムを信じ身を任せるアランも、アランを気持ちよくさせるべく頑張るジェムも、どちらも男前で素敵でした。

すごく萌!という感じではありませんが、ラブラブ甘々な雰囲気はとても素敵な作品。
ラストのリバを除けば、かなり間口の広い一冊なのではないかと思います。

11

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