イラストあり
あらすじ:
舞台は2100年の日本。
特殊絶滅研究所で飼育員のアルバイトを始めた千翔(受け・18歳)は、憧れの特殊絶滅種研究者・和久井博士と同じ名前を持つ、蒼甫(攻め・30代半ば)という幻獣医と出会う。
後日、千翔は実験室でのトラブルから、とある培養菌に感染。
ユキヒョウの尻尾が生えてしまい、蒼甫に診察してもらうことに……
5年前に表舞台から姿を消した和久井博士と蒼甫との繋がり等、ストーリー的には大変簡単に先が読めてしまう展開。
千翔はIQ170の天才の割にニブすぎる気がしますが、人付き合いに不慣れな天然君という設定なので、そこは大きな違和感なく読めました。
尾骨から生えた尻尾を触られて性的興奮を覚えたり、優しく抱きしめてもらったり…といった蒼甫との診察の時間を通じて、千翔が蒼甫に惹かれていくという展開。
千翔が和久井博士のこととは無関係に蒼甫に惚れたり、
数年後、自分の意志で蒼甫と一緒に働く未来を選んだり…と、
千翔が状況に流されず、一つ一つの問題に対して自分自身で答えを出していく流れは良かったと思います。
ただ、いくら人とのコミュニケーションに不慣れとは言え、会って間もない年上の相手をいきなり呼び捨て&タメ口で接する遠慮のなさにはやや違和感。
千翔のこの口調のせいで、年の差モノとしての旨味がかなり損なわれている気がします。
千翔の尻尾についても、ただモフモフプレイを描くためだけに生やした感があり、尻尾の生えた原因やその解決方法についての掘り下げが弱い印象。
最終的に蒼甫の薬のおかげで尻尾はなくなり、それでも油断すると再び生えてくる…というラストに落ち着きますが、尻尾がどんな風に消えてどんな風に生えてくるのか、はっきりした描写がないため、いまいち情景を思い浮かべ辛いです。
また、未来設定の割にあまり未来っぽい描写がない点にも物足りなさを感じました。
蒼甫が専門とする絶滅種(ドードーやサーベルタイガー)は2016年現在でもとっくに絶滅しているし、
絶滅危惧種研究所が具体的に何をするところなのか、今ひとつハッキリしない点もマイナス。
偽のジャングルで絶滅危惧種を飼う、程度の描写だけでは、ちょっと面白みに欠けるように思えました。
中立…にするほどではありませんが、星2.5くらいの評価です。
絶滅種だの研究だのIQ170だの、少しこむずかしいお話なのかな?と思ったのですが違いました。
IQが高い故に幼い頃から両親と離れアカデミーで暮らす千翔。
大人たちは自分に対してその天才ぶりを誉める陰で、気味悪がるような視線をおくってくる。
その中で唯一、自分を子ども扱いし大きな手で頭を撫でてくれた『そーすけ』。
後に彼が偉大な研究者と知り、彼に会いたい千翔は研究所にバイトとして訪れる。
慣れない幼獣の世話、行方知れずの『そーすけ』。
気分が暗くなってしまった千翔のもとに現れたのは、憧れの研究者と同じ名前を持つ蒼甫だった。
設定のわりには全体的にふんわりしていて、かわいらしいお話です。
モフモフゆえ、かもしれません。
研究やミステリアス要素をしっかり楽しみたい方は少し物足りなさを感じるかもしれませんが、細かい事は気にしない、わかりやすく展開がライトなものを求める方にはいいかも。
モフモフ好きならなおいいかも?生身の人間にしっぽが生えちゃうんですから!あと耳もね。
蒼甫の無骨な優しさと、にわかにしっぽフェチさがにじみ出ているところが素敵。
しっぽを完全に無くすのではなく、楽しんじゃう方向に持っていったことに笑いました。
いや、普通完全に治すものですよね。でもしっぽある方がかわいいもんね、と呆れながらもニマニマです。
千翔の教科書通りの頭脳は抜群でも、それ以外(ラブとかセックスとか)がからっきしなとこが、蒼甫のツボをついたんでしょうか。
タイトル、『しっぽが好き?』に好きです!と心の中で唱えたのはわたしだけ?(笑)
近未来、いろんな動物が絶滅、または絶滅の危機に瀕している世界が舞台です。
受けは幼い頃からI.Qが高く、天才を育てるアカデミーで育った18歳。6歳の時にアカデミーのパーティーで会った若き天才博士・和久井蒼甫に憧れ、行方の知れない彼を探しています。
絶滅危惧種の研究をしていた和久井の手がかりを掴めるかと、動物を繁殖させる施設の幼獣の世話をするバイトに応募。そこで出会ったのは、憧れの博士と同じ、蒼甫という名前のスタッフ。すぐに自分をからかってくるけれど、彼のそばは居心地がいい…とか思っています。
そんな折、研究室の細菌に感染した受けに、ユキヒョウの尻尾がはえてきてしまい…という流れ。
突っ込みどころの多い話でした。
受けは天才児で、同じようなI.Qの高い人間を集めたアカデミーの中でもずば抜けた存在、という設定です。なのにまったくそんなお利口な片鱗がうかがえない。何かといえば、優秀な受け、その受けを妬んで嫌がらせしてくるモブ、という場面が出てくるのですが、これ優秀だからじゃなく性格に難があるから持て余されてるんじゃないのかな、と思う。
頭がいいことを表す描写が、一度読んだ本の内容は忘れないということと、建物内の構造を一度聞いたら把握できるということくらい。しょぼっ、と思ってしまった。
おまけに、憧れの人と同じ「そうすけ」という名前の、憧れの人と同じような仕事をしている攻めと出会ったのに、それが同一人物だと思わない。人の顔は覚えるのが苦手、と書かれてあったけど、顔を覚えるとかそれ以前の問題だと思う。ていうか名字くらい聞こうよ。
あと、6歳で出会ったときの受けと攻めの会話が、それほど劇的な感じじゃなかった。一生を左右するインパクトとは思えない。
他にも、ユキヒョウのしっぽがはえてしまうようになった受けを「他の人にはバレないように気をつけろよ、俺が守ってやるから」的なことを言う攻め。バレないように気をつけろって、めっちゃ受け任せだし全然守ってない。受けの仕事場に手を回して、引き抜いて自分の助手にするくらいはしてやれよ、と思いました。
イラストが小椋ムクさんで、もふもふ尻尾の受けもだけど、白衣に眼鏡の攻めのビジュアルがとても萌えました。イラストは良かったな。