イラスト付
まさかの展開で、自分の中に眠ってた新しい性癖をこじ開けられた作品でした。
ものすごく楽しめました。
ストーリーは復讐?のつもりだったのが、いつの間にか恋におちちゃってた。みたいな展開なんだけど。よくある展開だと思ったら大間違いです。
受けが攻めに着衣のままイかせちゃう。受けが攻めに尿道攻め。受けが攻めに公共の場でアソコをサワサワ。受け側にされるがままの攻め(笑)
いや、実に萌えました。逆パターンはたくさん読んできましたが、攻めに対しての尿道攻めなんて…なんていうか、もうっもうっ!
タイトルの泥舟… 泥舟を作ったのは誰か、泥舟に乗ったのは誰か、そして泥舟はどうなったのか。読んで確かめるのが良いかと思います。
私の中では泥舟は、いつの間にか泥ではなく普通の小舟に変わったように思いました。
犬を書かせたら天才の宮緒葵先生ですが、今回も安定の犬。
いや、犬というより下僕…?
本当に宮緒葵先生はすごいなぁと痛感しました。
顔も金も何でも持っている攻めが受けの前でボロボロになる。
そういうのが好きな方は絶対好きなはずです!
作家買いなのでレビューを見ずに、あらすじだけ読みました。
この選択が大正解で、あの時の自分を褒めてやりたい…。
この作品を最大に楽しみたい方は、是非ネタバレなしで読んでいただきたいのでこれ以上、詳しいことは書きません…。
ただ、好みも分かれそうな表現もありますので、地雷が心配な方はレビューを読むことをオススメします。
もう!もう!最高にクレイジーでした!!
宮緒先生の書かれるイカれた攻め、たまらなく好きです。
宮緒先生の書かれる物語り、登場するキャラクター、総じてどこか狂気を孕んでいて、刺さる時にはこれ以上ないくらいに刺さるのですが、刺さらない時は、ただただ恐怖。笑
たまたま続けて読んだ宮緒作品が私には刺さらず…少しご無沙汰になってしまっていました。
しかーし。今作、ドンピシャに刺さってきた!これだから宮緒作品を読むのをやめられないのです。
読んでいる最中何度も、ひーーー(゚o゚;;って鳥肌でながらもニヤつきました。
今作、お化けが出るなどのホラー作品では無いのですよ。でも、攻めである正善の愛が異質過ぎて一種のホラーです。
受けである玄佳の言葉を借りるなら、「たとえ玄佳が灰になっても、正善は放してくれないのだろう。」です。
タイトルの「泥舟」、作品の世界観にピッタリなタイトル。
泥でつくられた舟は水に浸かれば沈むほかない。二人だけの世界に沈んでいく愛。
恐るべし宮緒ワールド。
大好きで何度も読み返しています。でも今回はちょっと感想が変わったかな?それとも忘れていただけかな?
正善沼に溺れましたね。
玄佳は正善が言うように純粋で傷付きやすくて繊細ですね。
正善に敵うわけがありませんでした。
正善を振り回しているつもりが正善のいいようにされ結局は正善の底なしの愛情にほだされ正善に落ちてしまった。
玄佳の正善への憎悪はいくら願いを叶えてくれなかったといっても筋違いだし、最後は本人も認めます。それに土地を維持してもらえる代わりにの約束も、さっさと自殺してしまえば父への罪悪感も正善への憎悪も終わらせられたのに。
正善父と友人と婚約者に決定打を受けての、正善を自分に依存させて最後に自殺して正善の一番大切な者を奪うという捨て身の計画でしたが。
正善を泥舟に乗せて一緒に沈む計画もそもそも沼へ漕ぎ出せていたのか?玄佳が正善に落ちてしまって失敗します。
元々正善に恋してたようなものですし復讐といっても引きこもりで世間知らずで経験値のない玄佳のやることは正善にとっては猫パンチくらいの威力しかないでしょう。
受けの愛情を求めない攻めは宮緒さんの他の作品にもありましたが、こちらも相当いっちゃってますね。結局は玄佳の愛を得られましたが玄佳の自由を奪い玄佳にお願いされなきゃ何もしない、恐ろしい攻めですね。玄佳の生殺与奪を握って、しかもアソコに詰め物しちゃうなんて。
読み返してみると玄佳が葛藤に苦しんだり正善を振り回してるつもりが正善にとっては美味しいだけで、玄佳が子供のままだなあと。あと正善の突き抜けぶりと腹黒にぞくぞくきます。結局敵わないんですね。
せっかくの美貌とスタイルが8年間もったいなかったなと思うのと、イラストが好みじゃなかったかなと心残りです。
8年間全くデレてくれなかった最高にツンドラな受けが、復讐のためにツンデレになってくれた話。
簡単にまとめると、そんな感じのお話でした。
復讐のために甘えて可愛い恋人を演じる、という展開は比較的好きなので楽しく読みましたが、宮緒先生の攻めは相変わらず気合い入ってるな……というのが最後まで読み終わった時に出てきた感想。
尽くし攻めという言葉では表現しきれないほどの奴隷根性。受けに搾取されるのが震えるほど嬉しい、ってなかなかない。
楽しかったし、おもしろかったけど、攻めがなぜそこまでするのかは正直よくわかりませんでした(笑)
まあでも、共に乗りこんだ泥舟がグズグズに溶けて、泥沼に嵌まり込むのが二人の幸せならばいいのかな、と。
そう感じさせてくれる二人でした。