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表題作医学教室の密やかな夜

笠原康孝,大学助教授,食卓監察医を務める法医学者
日輪和巳,法医学部助手,大学院生

その他の収録作品

  • (表題作なし)
  • 死体置き場のコイビト
  • Jealousy Crossing

あらすじ

――せっ、先生…なんで、こんな意地悪するんですか?法医学部の助手をしている和巳は、有能でエリートの呼び声が高い笠原に、変な性癖があると勘違いしてしまい……。

作品情報

作品名
医学教室の密やかな夜
著者
柊平ハルモ 
イラスト
富士山ひょうた 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044463014
3.3

(3)

(1)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
9
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数2

解剖台の上で…訳あり助教授×可愛い健気受‼

ハルモ先生のデビュー作品。
最初はひょうた先生のイラストと、怪しげなタイトルにひかれて購入したんですけど、意外と面白くて良かったんです。

かなり古いんですけど、ハルモ先生にハマったきっかけの作品であり、今までに読んだハルモ作品の中でも、印象深い、別格なお話です。

年の差、不器用な攻×健気受け、オヤジスキー、白衣もの大好きなので(笑)

デビュー作と荒削りなんですけど、何故か心に残っていて…好きなんです。
『解剖台の上で白衣の人達が…⁉』という、ファンタジーもいい所なシチュエーション!
イロモノ系のお話といいましょうか⁉(シュチュがシュチュなので、エグさはなくてあっさり系です)

そんな変わった所に着目した設定と、細部にまで丁寧に描こうと奮闘しているのが文章から伝わってきたからかもしれません。
不思議な気持ちにさせらる作品です。

院生の日輪和巳は、尊敬している笠原助教授が、深夜の法医学教室でホルマリン標本に、恋人のように頬ズリする姿を目撃してしまいます。
彼が噂通りの死体愛好家だとショックを隠せない和巳!
再び、夜の標本室で同じような光景を目撃し、和巳は興奮の余り、笠原と口論みたいになります。

そして、笠原に、解剖台の上に寝かされ、遺体のように振る舞えと言われ、初めての事なのに…と

遺体の解剖に…死体愛好家、死体ごっことも少し違う死姦プレイと…気味が悪い、奇妙な雰囲気から始まっていきます。

和巳が馬鹿なのか、笠原が気まぐれすぎたのか、どちらに天秤が傾いたにしても、へなちょこな理由で関係をもつようになってしまった人達がお互い本気になっていく…ハッピーエンドのお話です。

まあ、端的に言えば、ミイラとりがミイラになった訳です(笑)

キャラ設定は大好物な
ハルモ先生らしい、影のある陰気な攻 × 健気受!
好きなんです(笑)

笠原は、仕事中心な陰気な男…だけど、理知的な男前♡
随分な変わり者ですけど、決して悪い人じゃないんです。
笠原には哀しい過去があって、生きている人間との関係に倦んでいる…笠原の身勝手さも原因だと思うけど…せつないんです。
すっかり殻に閉じこもってしまったオジサンでした♡

それが和巳との関係で、止まった時間が動き出きだします。

解剖台で事に及べば感染症の恐れもあったのに、そんな事も頭から抜けてしまう位に和巳が魅力的で…
線が細く、気の優しそうな見かけなのに粘り強く絡んでくる和巳に調子を狂わされ…体に溺れていってしまう笠原!
不器用にも若い和巳に惑わされ、生身の和巳に対して愛情が芽生え落ちていきます。
大人の勝手な(笑)葛藤が、段々人間味ある、優しい人物に移り変わっていく様子が、静かに描かれていて好きでした。

和巳の心の葛藤には、胸をキュウとさせられます♡
笠原を尊敬し、好意を持っている和巳は流されるまま抱かれ続けて・・・そして、笠原に執着してしまう自分の気持ちにやっと気がつく、可愛い健気受け♡
迷惑な勘違いに、可愛い思い込みは面白かったです(笑)

少し天然な、おっとり系ドジっ子。
でも、いつも一生懸命で、真面目で頑固な所もあって…
そんな性格が笠原の心をも動かした訳なんですけど…
そんなわけで、結構みんなのアイドル的存在だったりもする和巳‼
この先、可愛い恋人をもった笠原は、嫉妬の嵐で心中大変かも⁉(笑)

過去の出来事から、人との付き合いに対して消極的になってしまった笠原が、和巳の素直さにだんだんと気持ちを開いていく様子が心地よく読めるので良かったです。
標本に指輪などのアイテムを上手に使い、過去の影りを表現していた所も良かった。
最後は駆け足な感じにも思えるんですけど、丁寧に描かれている印象の方が強いので、気持ちよく読めます。

和巳を白雪姫に例えるシーンが幾つか登場するんですけど、私は逆かなあと…笠原を目覚めさせたのは和巳なので!
でも、笠原が和巳を目覚めさせたいが為にする、優しいキスのシーンは大好きでした。

ハルモ先生のホームページに、その後の2人の短編作品が掲載されています。
詳しくは、本編のネタバレにもなるので詳しくは言えませんが、
笠原の過去と再会…クリスマスの出来事の2作品読めるようになっています。
これを読むと、ハルモ先生のこの作品に対する熱い思いや葛藤、愛情を感じれたので、尚、興味深い好きな作品になったのかもしれません。
せつないんですけど、心が温まるお話なので、興味のある方は読んでみて下さいね。

好みが分かれる作品には間違いない気はしますが…
ここは私の好みに走らさせて頂いて(笑)神をつけさせて頂きました‼
読んでみて、少しでも…なんとなく好きだなあ〜と感じていただけたら嬉しい作品です。

3

解剖医と研修医

解剖医とその研修医の歳の差カップルです。
医者は医者でも解剖医というあまり馴染みのない設定でした。

笠原はクールで、生きた人間に興味がない、死体愛好家だと噂されています。そんな笠原がなぜだか和巳は気になる…。
視点は交互に入れ代わるので、互いにどこに惹かれたのかわからない、ということもなかったのが良かったです。

クール×やんちゃな歳の差カップルが好みなら楽しめると思いますが、ただ、解剖台の上でHするなど私にはちょっと不謹慎では~^^;と思ってしまい、そこそこ萌えられない箇所もありました。笠原のトラウマや過去の傷などについて、しっかりと書かれていますが、わりとさらっと読めるお話でした。

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