電子限定おまけマンガ付
最初、表紙とタイトルにちょっと気後れしちゃいましたが、読んでみたら安心の緒川先生ブランドで、甘さと切なさが絶妙な至高の一冊でした。
歳の差や親戚関係がときに気安いやりとりになり、ときに距離を感じて切なくなるのが萌えました。背徳感は感じなかったです。
ギャグみたいにエツローが何度も怪我しちゃうところと、エツローや家の孤独感と。この振り幅をどちらも描ききり、かつ絶妙なバランスなのがすごい。
お話と、日本家屋のひとつ屋根の下という状況の親和性が物凄かったです。設定に無駄がなく、全部が噛み合う完成度の高さ。
弓太の黒目がちの瞳やサラサラの黒髪が、普通でありながらも綺麗でかわいい。少年だけどめちゃ色っぽい不思議。
表情がいちいち可愛くて、男子高校生が不慣れな家事をこなし、頑張って料理を上達したり、これまでのエツローのことを深く考えたりするのが健気で。いい子。
とんでもなく魅力的です。エツローの心を揺さぶったのも納得です。
対するエツローは、だらしなく見えて、添えたメモの字の綺麗さや手際よく料理をする姿に、凛としたところや人間性の誠実さを感じさせるかっこよさがある。とりわけ、書に集中する張り詰めた空気のギャップたるや。
それら全てが家族を喪った孤独に基づいているので、狡い大人な面も沁みました。
懐に入れてもらえない弓太の寂しさも、大事だからこそ手放そうとするエツローにも、どちらにも感情移入しました。だからこそ、ふたりで乗り越える場面はじんときました。
依存ではなく、寄り添う生き方。最高の関係です。
おトメさんも、おうちの子として迎え入れられてよかった。
濡れ場もふたりの間にある心理的な一線というか、壁というかにリンクしてどんどん溶けていく感じが、色っぽいと同時に優しくてあたたかくて。素敵でした。
エツローの過去、ふたりの出会い、現在、そして未来と、単巻ものとは思えない深みと人生の重みを感じ、没頭しました。
幸せな余韻に浸れる読後感です。
最後に一つ。読み終わった後にめくったカバー下の幼い弓太に心臓を射抜かれました。油断した最後に特大級の可愛さが待っていました。
ずっと積んでいましたが、やっと読みました^^;
表紙の印象と内容が全然違うなと思います。
Hな受けなのかな?と思っていましたが、意地っ張りな純情DKだった!
可愛かったなぁ〜弓太♡
難儀なのは攻めの越郎の方ですね。
両親を亡くした寂しさを埋めるために弓太をそばに置き、
本気にもならず追いかけもしない……はずが……
気付けば弓太が越郎にとって、とても大切で必要な人になっていたというね。
そこまでの流れが可愛くて切なくて、越郎視点に変わると少しシリアスで、とても面白かったです。
緒川先生にしてはエロ少なめですが、ピュアな弓太と、一線引いてる越郎にはちょうど良かったかな。
相手に依存せず寄りかからず、支え合って生きていく二人になってほしい。
どの作品を読んでも面白いって、本当に凄いことですよね。
これからも作家買いしていきます!
個人的にオッサン×お兄ちゃんて構図は大好物なので、今回もおいしくいただきました。
早くに家族を亡くしてトラウマになってるオッサンと、家族に愛されて育った高校生男子のお話。
悪いオッサンに悪戯されて、戸惑いながらも恋を自覚する高校生。
未成年に指を突っ込むとこまでやっといて、それでも煮え切らないオッサン。
もう失くしたら立ち直れなくなるようなもんを抱えたくない。でもキュー太は可愛い。ゆれるオヤジ心は大人なぶん大変で。
大きな事件は起こらないし、悪い人も出てこない。
疲れてる時や凹んでる時には、こういう安心して読める作品に癒されたくなりますね。
〖DMM電子書籍〗
修正:白抜き
カバー折り返し:あり
カバー下:なし
帯:なし
裏表紙:なし
備考:電子限定おまけマンガ(1P)あり。
〖紙媒体〗
未読