赤のテアトル

aka no theater

赤のテアトル
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神35
  • 萌×229
  • 萌16
  • 中立7
  • しゅみじゃない7

13

レビュー数
16
得点
346
評価数
94
平均
3.8 / 5
神率
37.2%
著者
 
媒体
コミック
出版社
祥伝社
シリーズ
onBLUE comics(オンブルーコミックス・祥伝社)
発売日
価格
¥679(税抜)  ¥734(税込)
ISBN
9784396784140

あらすじ

昼は気丈な社長
夜は淫らな娼婦

側近ゴーストデザイナー×淫靡で健気なミューズ

パリのファッション界で、
一躍名を馳せた女性靴ブランド・アバルキン。
その急成長の裏には、秘密があった。

それは淫らな肢体とむせ返るような色香で業界人を惑わす、
美しき青年社長・ユーリの枕営業…。

そんな娼婦まがいのことを夜ごと繰り返すのも、
すべては愛しい側近のゴーストデザイナー・アダムの夢を叶えるため。
彼を繋ぎとめられるなら、たとえ利用されていても構わないと
気丈に身体を差し出すユーリだったが―――。

独占欲に葛藤するゴーストデザイナーと
歪んだ愛を捧げる健気なミューズの
めくるめく逆転主従ロマンス・ストーリー。

表題作赤のテアトル

アダム(ゴーストデザイナー,靴職人)
ユーリ・アバルキン(表向きの社長兼デザイナー)

同時収録作品Episode supplementaireー番外篇ー

カルロス
ミハイル

その他の収録作品

  • Epilogueーその後のことー

評価・レビューする

レビュー投稿数16

う~ん、病んでる!

『赤いくつ』といえば薄気味悪さと後味の悪さがなんとも言えず、それだからこそ印象的な童話ですが、緒川先生にかかるとどんな風に読ませてくれるのかな?とドキドキしながら手にしました。

出だしの葬儀のシーンから、最後の修道院に関わるあたりまで原作にわりと即しているにも関わらず、「う~ん、さすが…」という程の病みぶりに笑ってしまいました。

登場人物各々、赤い靴に踊らされているのですが、中でも群を抜いて病んでいるのが靴職人件デザイナーのアダムで、母親、息子と二代に渡って踊らせてきた強者。

恋人かどうかは別としても嫌がる相手に脅しともいえるやり方で、酷いSMプレイをするような人間に奉仕させ、それを傍らで見てるとか、普通の感覚ではありえないなぁ~「この人の闇、どんだけ深いんだろう…」とため息つきました。病んでる人大好きな私でもさすがにちょっとムリかなぁ…。

そんな病んだ男に惚れてしまったユーリの一途な健気さと美しさはこの作品の救いながらもやっぱり病んでいて、アダムに一服盛るシーンではなかなかの迫力。でもその迫力以上に、アダムの箍が外れた姿は恐ろしかった…。緒川先生の病んでる攻め続きの絡みはゾッとする程で本当にゾクゾクして大好きです…。

そんな激しい絡みのあとだからこそ、アダムがユーリに対して独占欲剥き出しのキスからの絡みはハードながらもきゅんときました。

赤い靴をはいて踊り続けた少女が足を切り落としたように、人生を狂わされた二人が大切な一部を失ない華やかな舞台からは転げ落ちながらも、穏やかな人生を歩んでいる姿にはとても優しい気持ちにさせられました。

そしてもう一人、赤い靴に踊らされているミハイルおじさま…まぁ~素敵‼
赤い靴もオジサマにはコロコロと手のひらで転がされ手懐けられちゃうんじゃなかろうかとばかりの大人の余裕と魅力。う~ん、たまらない!オジサマお二人の話だけで十分、神評価‼でした。
このお二人で続編出ないかなぁ〰。

1

ピンヒールから礼拝靴に変わる愛

緒川さんは好きな作家さんの一人なのですが、振り幅激しい!
この作品も、読む人を選ぶなと。
人によっては地雷の山。
私もあまり気持ちよく読めなかったのに、萌が付いたのは、そこに愛があるから。

物語の中で、ずっとキリキリと張りつめられていた糸が、
弾けるように切れて至ったラストのような気がします。
突き詰めて読み込めば、そこに収まって良かったのか?とは思うのですが、これもありかなと。
この先の二人の幸せを祈るのみ。

何よりも、最後にミハイルオジサマが全部持ってった!
ヤラレタ!

1

サブカプ(番外編)のラストシーンをメインカプで見たかった…!

ミハイルがラストに放つあのセリフをユーリが言ってくれていたら迷わず「神」を付けたのに…!
なんて惜しいの…!
嗚呼もったいない…それしか言葉が出てこない…
でも久々に好きな感じのonBLUEっぽい作品が読めた気がする!

ねこ田米蔵さんの「魅惑仕掛け 甘い罠」に続いて、今年2冊目のピンヒール男子\(^o^)/
愛好家としてはもっと流行って!って感じ。
ユーリのヒール姿も大変魅力的ですが、隠し玉はやはりミハイル叔父さまでしょう!
ヒールを履く男性を、中性的ではなく、両性的に描かれているところがいい。
中年紳士がピンヒールを履いて、中年紳士を誘う。
緒川さんがまたこれ欲しい画を描いてくださるもんだから鼻血出そうになりました。
ピンヒールにエロティシズムを感じるなら読んで損ない作品かと。

だからこそ、主役たちのこの結末は惜しい。
惜しすぎる。
ユーリに番外編のミハイルのセリフは到底言えなかっただろう、というのは分かる。
だから緒川さんはユーリからヒールを脱がせてスニーカーを履かせてあげたのでしょう。
ただ、そんなユーリ達の結末が、私にはなんだか戦い続けられ続きなかった者への皮肉のように思えてしまうのです。
2人にとって人生そのものだったはずの靴が、普段は仕舞われていて、たまに引っ張り出してくるだけのものになっている。
それはなんだか諦めた大人達のその後を見ているよう。
どんな生き方を選ぶも自由で、「…幸せならまあいいか」と独り言ちるミハイルの言葉は正しい。
けれど私は、ミハイルのように死ぬまで踊り続けることを選ぶ人達の方をやっぱりカッコいいと思ってしまうのです。
赤のテアトル(劇場)と冠されているからには、主役達にずっと舞台の上にいてほしかったです。

【電子】シーモア版:修正○、カバー下なし、裏表紙なし

3

なんかもやもやする

絵はすばらしく美しい。
でも枕営業がひどすぎて、そこまでさせるアダムのユーリへの愛が
素直に肯定しにくい。

1

メインカプはさておいて、ミハイル叔父さんに萌え

大好きな緒川先生の新作ということ、靴が好きなのでどんな靴の世界が描かれているか楽しみにしていました。

………が、しかし。
幾ら何でもこんなに「男」に身体を売らないといけない世界なのか?
枕営業がある事も理解したうえで読みはじめたつもりでした。しかし、あくまでブランドの駆け出し時期に行われている程度かと思っていた。
でもセレブが履きたがるラグジュアリーブランドにまで成長したのに、枕営業は頻繁に行われている。
ゲスい男達との枕営業で成り立っているかのように描かれているので、女性が履くための靴を汚い男どもの精液まみれにされたような気分になる。

1回目読んだ時に、何にモヤモヤしたのか判らなかったのですが、2回目で判明しました。
メインカプにモヤモヤしたのではなく、靴を侮辱されたように感じるからモヤモヤするのだと。

ユーリが言うんです。ゲス顔の狸じじい(アメリカの不動産王)に向かって。
「奥様にちゃんと言って下さる?アバルキンの素晴らしさについて」
これが決定的に嫌でした。
靴好きなら、魔法のように魅力的で美しい靴があれば血がたぎってどうやっても手に入れたくなっ続きてしまうんですよ、男がなんと言おうと。(自分の懐と相談のうえだけど。)
狸じじいの口添えがないと女に履いてもらない靴なんて所詮その程度なんです。そんな靴、やめちまえ!と思いました。(すみません、雑誌から好きな靴を切り抜いてスクラップブック作っていたような靴好きなので靴に対する思い入れが強いのです)

さてメインカプ。
ユーリは「君が僕の靴を履いてくれる限り僕が支える」というアダムの言葉を聞いて以来、どんなことがあっても靴を脱がずに自己犠牲の塊であり続けた。
これこそがアダムがユーリにかけた呪いというやつで、アダムが刺されたときに「君は自由になれ 愛して いる」と言ったのはこの呪いからの解放で「靴を履いていなくても愛しているよ。」という意味であり、最後の穏やかな田舎暮らしに繋がる訳です。
だから田舎でユーリはもうピンヒールではなくスニーカーを履いている。

そしてアダムはユーリのことを「アバルキンのミューズとして愛している」と言って非情な枕営業を強いていた。
「靴を作ることこそ僕の天命なのだと思っていた そうまでして僕を駆り立てるものの正体は‥‥」ユーリだったという訳ですけど、早く気づけ、馬鹿ヤロウ!と言いたい。どんだけユーリが辛い目にあったと思うんだ。
だからユーリを手に入れちゃった今は、デザインしたいという気も起きない。
なんだかそれが燃え尽きた二人にしか見えず、二人で幸せになれて良かったねぇと素直に祝福できない。
君たちにとって靴って何だったんだい?愛を拗らして燃え上がらさせるための道具に過ぎなかったのかい?(未だにクローゼットに赤いピンヒールを隠しておいて、セックスの時だけそれを履くということからも、ただの道具に過ぎなくなってることが判る。なんだか虚しい。)

あぁそれにしてもミハイル叔父さんがいいっ!そうそう、こういうしたたかさが欲しいよね。ピンヒールは強い人間がきりっと履くからこそ美しいのだ、と言いたいです。

4

赤い靴の成れの果て。

オンブルーは買っていないので、何かでコミックス発売予告を見て「これは!!!絶対買うよ!」と大期待で購入。
期待した物とは少し違いましたが、流石絵は完璧ですね!
絵は安定してるので不安要素なく買えるんですが、駱駝使いでえらい痛い目みたので緒川さんにはちょっと構えてしまうのも正直なところ。
今回は、いい部分と苦手な部分が半々という感じでした。
そもそもハイヒール男子に萌え属性がないので、作中にある「体を壊してまで、無理して履く必要ない!」という批判に「もっともだ!」としか思えなくて。
彼専用で作るなら、そういうの考えないんでしょうか。+商品もそうなら靴好きとしてそういうのどうなんだろう。SM用の歩かない前提の可笑しいピンヒールじゃないんだし。
赤い靴は効果的に使われていて、作画や舞台背景などその他は素晴らしかったです。
攻めに関しても思うところしかないですが、ラストがあれならいいか。
お幸せに。

2

攻めがムカつく

緒川さんがとても好きなだけに、期待が大きすぎたのかもしれません。

絵も設定も華やかで好きなのですが肝心の攻めキャラが個人的にいただけなかったです。
あんなに健気にアダムを愛しているユーリによくもそこまで非情でいられるなぁと。もうちょっと、ちょいちょいほだされてほしかったですね。好きでもない接待相手と寝たあとも体を拭いたり、睡眠薬をくれたりはするけど、決して抱いてあげないアダムが憎たらしい!
薬を盛ってようやく抱いてくれたアダムに「どうして神様は今ここで僕を死なせてくれないんだろう」と考えるユーリが可哀想で、切なかったです。

番外編のミハイルおじさんの話は、どうしても“おじさん”と言う年齢がちらついて萌えられませんでした。これは、個人差があるでしょうね。

1

ハイヒールを履くユーリが色っぽい

緒川先生の描く男性はかっこ良くて好きなのですが、その中でもユーリは美しさもあって素敵です。

ハイヒールを履いて自社製品をPRするユーリ。
美しいので広告塔の役割を担っているけども、裏では枕営業もしていて、それもこれも愛するアダムの為でとっても健気で色っぽい。

アダムはユーリをただ利用しているだけのように思っていたけどちゃんと愛していたことがわかって良かった。途中裏切るのかとおもったけど、ユーリのところに来てくれて身を挺してユーリを守ったアダムにユーリへの愛を感じることができました。

2人田舎で幸せそうに暮らしている二人が見れて本当に良かった。さらにさらに数年後も二人で養女を迎え3人で暮らしているところまで読めて、相変わらずラブラブな2人が前半アダムの為に頑張っていたユーリへのご褒美みたいで。ここまで描いてくれて感謝です。

1

ミハイル兄さん!

枕営業ねぇ、、、
二次創作だと結構好きな設定なんだけど、このお話に関しては、もう一つ、納得がいかないというか、
まず、創作物に自信があるなら、ちゃんと「物」で勝負しようよとか、
変態おやじに好き放題されているのを見るのが好きとか、見られるのが好きっていう性癖なら、それならそれで、そこに創作物を言い訳にしないでほしいとか、
なんか、こういう、中途半端な自己犠牲に酔う、みたいなのあんまり好みじゃない。
更に、最終的に田舎でほのぼのって、、、、、、。
たぶん、ここで終わっていたら中立か萌一つ。
評価がプラスされたのは、番外編のミハイルに尽きる。
この老獪さが堪らない。

3

表紙買い

このマンガ家さんの作品を読むのは、これが初めてだと思います。
表紙がきれいだったので手に取りました。

ただ、モノクロのマンガだと、表紙のカラーイラストとはちょっと印象が違いました。読んでいるうちに慣れてきましたが、描きなれている達者な作風だけに、描き癖のような歪みがあって、ちょっと気になりました。でも、好みの問題なのかもしれません。

おもしろかったような気もするんですが、いろいろ肝心なところがはしょられているような、読者のほうで脳内補完するしかないような流れもあって、微妙に残念。
そもそも、あれだけ精神的に追いつめられていた受けも、歪んだ愛情に囚われていた攻めも、なんのトラウマもなく、ごく普通の平凡な生活を送れるものなんでしょうか?
そのあたりが気になって、中盤ハラハラさせてくれただけに、オチがすんなり納得できないあたりが、もったいなかったです。BL的ご都合主義の悪い例でした。
巻末の後日談は、オヤジ受けの趣味がないので、イマイチ。叔父さんのビジュアルに萌えませんでした。

でも、とてもお上手なマンガ家さんだったので、設定や好みのツボにあえば、また読みたいと思い続きました。

3

BLとして一番大事なところが端折られている。

そんな気がしてならない作品でした。一番センセーショナルな部分は、漏れなく描かれているんですけど。

端的に言えば、結末に納得が行かない。より正確に言えば、物語中のカタストロフから結末に至る過程が大幅に端折られているような気がするため、あの展開からどうして牧歌的なハッピーエンドに至れるのか、全くもって納得が行かないのです。

BLが、男同士の2人の愛の物語だというなら、描かれなければいけないのは、カタストロフの後、それを2人が2人の問題として受け止め、前を向くまでの過程ではないのか?しかしこの物語では、それが一切描かれていない。

攻めのために全てを失った受け、ユーリ。そのユーリの自暴自棄な行動のため、今度は攻めのアダムが、ユーリを犠牲にし続けても守り通して来た靴作りそのものを手放す結果になる。いやいやいや、普通ここからモノローグ挟んで後日談でハッピーエンドって、ないでしょ。

100歩譲って、ユーリをかばうアダムの行動が愛だとしよう。しかし、自分を犠牲にしてでもアダムの才能を世に出し、アダムの靴に縛られ続けることを選んで来たユーリにとって、その結果は受け入れ難いものなの続きではないのか?それとも、ユーリは靴作りを口実に、アダムを自分に縛り付けたかっただけ?

一方のアダムにとっても、ユーリをかばうことで利き手が使えなくなることは、必ずしも想定されていなかったはず。それが、あれだけ固執し続けてきた靴作りをいきなり失うことになって、そこに葛藤はなかったのだろうか?ないなら、その程度のものなら、じゃあ、前半はなんだったんだ……?その程度のもの、では到底ないとしても、ユーリのためなら、彼を自由にするためならそれを捨てることすらできる。それがアダムの愛の証なのだと言いたかったのかもしれないけれど、残念ながらそういう風には、私には受け取れなかったです。そもそも、利き手が動かなくなっても、職人はともかく、デザインのほうは続けられるのでは?と思ってしまい、そうなるとますます、アダムの中の靴作りとユーリの関係が混線して感じられ。

ユーリにとって、アダムにとって、愛とは何なのか?自己犠牲とは何なのか?彼らにとって、靴とは?アバルキンとは?考えれば考えるほどどこかが歪んでつながらなくなり、理解し難くなってくる感じでした。

ここまで言っておいて「しゅみじゃない」でも「中立」でもないのは、世界観自体はよく作りこまれているな、と思ったのに加え、カバー絵がいい。ぜひ、帯を外して広げて見て欲しいです。そして何より、ミハイル叔父さん編がめっちゃ萌えたからです。アラフィフ(推定)のピンヒールと腹筋、ものすごい破壊力でした(ミハイルのキャラからすれば、もう少し枯れた身体が良かったけど)。こちらは30年物の、たいへん良い執着でした。巻末おまけからは、その後、ミハイルさんのプチストーカー化していそうなカルロスさんの様子が伺え、とても楽しかったです。

7

ピンヒールと狂愛

世界観の描き方、美しい絵柄はさすが緒川先生の一言です。
あそこまで美しい執着狂愛を描ききれる才能は本当に素晴らしいと思います。
ただ、もう少し甘さや攻めの直接的な愛情を感じられる場面が欲しかったです。
こう言ってしまっては本人達には不本意だと思うのですが、受けが不憫で耐えられなかったです。
攻めが鬼畜というか利己的すぎる。。
いくらその本心に愛があったとしても、心身崩壊しそうになるほど仕事のために周りの男に体売らせられるとかアウトですね。
デザインの才能はあっても男性としての魅力をあまり感じられませんでした。
しかも飛ぶ鳥を落とす勢いだったのが転落まで呆気なすぎる。
華やかな世界の裏側が枕営業だらけというのも少し残念で、もう少し仕事の醍醐味も感じたかったなー。
本当に大切なものに気付くのが遅くなって、すごく回り道をした男の話、でしょうか。
あとこれは個人的なのですが、私も毎日ピンヒール履いていますが、あそこまで足を血豆だらけにして履かないといけない靴ってどうなのと、少し現実的になってしまったのもハマりきれなかった要因かもしれません。。

5

痛いけれどそれだけじゃない。

作家買いです。緒川さんの新刊はちょい痛い系のお話。ネタバレ含んでいます。ご注意を。







童話『赤いくつ』を下地に、それぞれの欲望を満たすため奮闘する男たちのお話。

女性靴ブランド「アバルキン」の若き経営者・ユーリ。デザイナー兼広告塔を務める美しい青年。
そして、ユーリに忠実に尽くすマネージャーのアダム。マネージャーとは仮の姿で、彼の実態は「アバルキン」のゴーストデザイナー。

貧しい過程で生まれ育ったアダムは、清掃夫として働き始めた劇場で見かけた踊り子の靴に魅せられ、そこからユーリの母親であり「アバルキン」の経営者だったユリアにデザインを認められ雇用されたという経歴を持つ。

「靴」のために全精力を注ぎ、そして、靴を「魅せる」ためのミューズとして、はじめはユリアを、そしてユリア亡きあとはユーリを利用している。
「靴」のためにユーリに枕営業させてもへっちゃら。

そんなシーンから始まっていて、ユーリが気の毒で…。

けれどユーリはというと。
アダムのつくった靴を世間に認めさせることだけが彼の希望。

そのためならキモいオッサンに抱続きかれるのも気にしない。
高いヒールをはき続け、自分の足がボロボロになっても厭わない。
という健気さん。見方を変えれば豪胆な人、ともいえる。

そしてもう一人。
ユーリの叔父・ミハエル。
この人は「アバルキン」存続のためならユーリに枕営業させることも、必要ならそんなユーリをあっさり切り捨てることもできる。

登場人物たち全員が、それぞれ大切なものを抱え、そしてそれを守るためなら何を切り捨てても構わないと思っている人たちばかり。

なので、読み始めたときはなんとも痛く、もの哀しいストーリーだなと思いつつ読み進めたのですが。

話が進んでいくうちに彼らが「大切にしているもの」への愛情が透けて見えてくるようになると、なんとも切ない純愛のお話なんだと分かってくるんです。

ユーリとアダムの出会い。
そしてお互いへの愛情。
そういうものをあけすけではなく少しずつ見せながら、アダムが本当にとらわれていたのは「靴」ではなく…。
というストーリー展開が素晴らしかった。

本当は好きでもないオッサンたちに抱かれるのが嫌なユーリ。
アダムの靴を売り込みたいという気持ちだけで踏ん張っている彼が、少しずつ心を病んでいく描写がなんともお上手。
ちょっとしたことで泣いてみたり、怒ってみたり。

そんなユーリを解放してやりたいと思いつつ手放せなかったアダム。

緒川さんの、繊細で少し病んだ感じの絵柄が良い感じに絡み合って、綺麗、でもちょっと病んでる。という雰囲気がなんとも淫靡で、哀しく、そして美しかった。

終盤に叔父・ミハエルと、ミハエルに執着し、それゆえに「アバルキン」を追い詰めていくガルシアのお話が。
ガチムチです!
緒川さんのガチムチはちょっとレアかな?
ミハエルのしたたかさ(「アバルキン」を守りたいが故の気持ちゆえですが)と、ガルシアのミハエルへの純愛がねえ、これまたとっても良かった。

ユーリを守ったときに負ったけがのせいで靴は作れなくなってしまったけれど、彼だけの「ミューズ」を守り、得ることのできたアダムが幸せそうでよかった。

欲を言えば、この二人のバカップルぶりがもう少し読みたかったな、と思うのだけれど、シリアスと、ダークさと、純愛が良い感じでミックスされている神作品でした。

6

愛がすっごく遠回りです。

緒川千世さんの作品のちょっと痛い部分を一冊に詰め込んだような作品ですが、読み終えるとすっごく愛を感じる作品なのが不思議です。攻めと受けの歪んだ関係が最後には純粋な愛に落ち着くんだから、本当に緒川千世さんの作品は凄いなぁと思いました。出来れば後のラブラブラブな2人の姿をもっと読んでみたいので続きを出版してもらいたいです。あと個人的に番外のおじ様たちのお話にめっちゃ食いついてしまいました。あーおじ様大好きなには堪らなくポイントをついてくる作品!

1

根底にある純愛

Pixivコミックで1話試し読み出来ました!
華やかなスポットライトと、闇をはらむ裏側。
攻めと受けの歪な関係にハラハラする序盤となってます。

今回は黒い方の緒川さんかな?とドキドキしたのですが
気持ちが暖かくなれるラストで安心しました(﹡´◡`﹡ )

また、番外編は気品のあるおじさま×おじさま!!!
もちろん(?)足元はピンヒールで、とても素敵で眼福です。
緒川さんの描く男の色気が詰まった1冊でした。



受けは、経営者兼靴のデザイナー。
アンドロジナスな容姿に、オートクチュールのスーツを身につけ、自社のパンプスを履いて歩く。
スーツにパンプスが一見アンバランスかと思いきや違和感がなく、むしろ色っぽいです。
自ら広告塔となり宣伝し、夜は靴を売るのに有益な人物の相手をする娼婦となり…。

デザイナーというのは表向きの肩書きであり、実際は側近である攻めが靴のデザイナー。
受けがどんな苦痛な思いをしようと娼婦になるのは、全て攻めの作る靴のため。
表の顔と裏の顔を使いこなす根底には純愛があり、遣る瀬無い切なさが込み上げてくる…。

攻めは靴の続き魅力に取り憑かれた印象。
受けは自分の作品のミューズであり、受けを見てるとインスピレーションが湧く。
本人が望まない枕営業の最中も、ずっと側で受けを見てて、苦しがる受けを見て微笑む。

受けの好意を知った上で
自分が思うような靴を作り続けるために受けを操り人形だと揶揄するような人です。

最初こそそんな思考を持っていたけれど、次第に露呈していく自覚のない本心にグッときました。
「靴を作るためのミューズ」ではなく「ミューズのために作る靴」だったんだ、と。

次第に歪な関係が剥がれ、最後に残ったのは互いを思い合う純愛(∩;///;∩)
着飾った偽りは消えても本物は残るというのにキュンときます。
後日談はただただ心があったかく感じました!ああ、良かった…。


番外編はおじさま×おじさま+゚。*(*´∀`*)*。゚+ 受けたちの会社に横槍を入れて潰しにかかったガルシア×受けのオジであり副社長だったミハイルです♪
2人の因縁は30年前から続くもので、長年恨み続けたガルシアの執着も中々萌えるものがありますが、淡々と対応しながらもガルシアから貰った万年筆を今でも持ってるミハイルにもニヤニヤが止まらない!!!
気品のあるおじさま方の色気や拗らせ具合にメッチャ萌えました(∩´///`∩)

最後まで踊り続ける宣言したミハイルがカッコよかった!
ガルシアの手助けなく生き残りそうだなぁ。
で、ガルシアの未練がますます強くなってると美味♡

6

緒川先生はすごいなと

初めて書くのでレビューの書き方を知りません。
ごめんなさい

最高によくできている作品だと思います
赤い靴をしっかりオマージュしていて
丁寧に話が組まれて描かれている
耽美的で狂気に縁取られた美しい
プロの作品だと感銘しました

結局、アダム ユーリ カルロスもミハイルも
誰もが自分にとって大切な1人の人を
愛し続けている。そんな素敵な作品です。

読み始めは、痛々しくもあり
私は引きましたが
読みきってみると泣けました。

カルロスとミハイルの話もぜひ見たいです

9

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