イラスト & 電子限定SS付
時間を置いて、落ち着いてからのレビューです!! ちょっと自分でも、興奮しすぎだろう…という事で。(^_^)ゞ
常々、なんだか私の萌えは人様からズレてるんじゃないかと思ったりしていますが、この作品は文句なしで『神』だと言っちゃっていいと思うのです!! 本当に面白かった!! ちゃんと時間を置いて、冷静になっても揺るぎません!!
そもそも英田サキ先生の作品で「元刑事」だの「ヤクザ」だのって単語が出てくるだけで期待値がグンと上がるのですが、個人的にめちゃくちゃ萌える作品とイマイチだったりする時の差が激しいので、期待と不安が半々で読み始めたんですね。しかし、読み始めると静かに引き込まれる…。一気にグイグイという感じではないのです。読んでるうちにジワジワ引き込まれて、それが終盤に向けどんどん加速度を増していくという感じなんです。
内容自体もハード過ぎないハードボイルドといった感じで大変面白いのですが、なんといってもキャラクターが魅力的過ぎるのです。読む前は四十路の受けに萌える事が出来るのか…と若干不安を感じていましたが、そんな心配は杞憂でした!! 飄々としていてつかみ所のない受けなのに、性根の部分が可愛すぎる…。かわいいというか、愛すべき!!といった男なのです。そして攻めも元刑事で32歳のやさぐれた下っ端ヤクザなのに、読んでいるうちにどんどん可愛くて仕方なくなってくる…!! この二人がウダウダやってるのに、萌え転がりたくなるのです!! いい年したオッサン二人が恋愛でジタバタしているのって、なんでこんなにキュンキュンくるのでしょうか…。
一応ですね、この作品は「ちょっと、先生?!」と言いたくなる程自由すぎる設定ではあるのです。主役二人にリバ要素、攻めと受け更にS嬢を加えた3人での絡み、攻めは女を抱いてる(直接的な描写はナシです)、受けは男を抱いたり抱かれたり、と地雷系がわんさか。私はありがたい事に全部問題ありませんが、苦手な方もおられるだろうなぁと思うのです。あとがきでも、「かなり趣味に走った」と書かれてるし。しかし、そんな要素が入ってるからより面白くなってるとも感じるのですね。まぁ、どうしても必要かと言われれば、そうでもないかも…という感じではありますが。(;^_^A 「私にとってはご褒美本」となってるので、先生も楽しんで書かれたんだろうなぁと伝わって来る作品なのです。
後、私にとっての萌え所が、二人の飄々とした会話です!! 本音をぶつけ合う会話にも相当萌えましたが、普段の掛け合いみたいな軽い会話もとても素敵なんですね。受けが気になって仕方ないと言う攻めと、気の迷いだから忘れろと言い切る受け。無理だと言う攻めに対して「だったらお前はゲイだ。ようこそ、新しい世界へ」と受けが言うと、「もう、なんでもいいって気がしてきた」という攻め。そこで、「諦めるなよ、抗え。大事な問題だぞ」といった感じ。こんな会話が、もう随所に!! 最高です!( ´艸`)
なんだかグダグダと書いてしまいましたが、そんな訳で大変お薦めです。ちょっと自由すぎる設定ですが、地雷でさえなければ、そんな部分もちゃんと深い意味があったりするので!!
射場は傷害事件を起こして服役した元マル暴刑事。
出所してからは、ヤクザに身を落としています。
ある日、組のフロント企業で経済活動を行っている実業家・日夏のボディガードを任されます。
射場は日夏と過去に因縁があることに、すぐ気が付きます。が、日夏の方は気付きません。
共に過ごすうちに射場は、日夏に惹かれ彼をもっと知りたいと思うようになるのですが、同性愛を嫌悪している射場はそんな自分に苛立って・・・という話です。
最初はちょっと読み辛いな、と思いながら読んでいたのですが、射場のキャラクターが掴めてきたら、どんどん嵌っていました。
射場がすごく私の好み!!
ノンケの男(しかも男前の筋肉系で頭もちゃんと回る)が、男に惚れていってジタバタするなんて最高です!
射場と日夏が惹かれ合っていくその過程が凄く丁寧に描かれているのもツボでした!
お互いが互いに救われていくところ、二人の会話のやりとり、各々の抱えたトラウマ、どれも重なれば重なるほど愛しくなって、作品に嵌っていきました。
私がもっと若い頃(10~20代前半くらい)に読んでいたら、ここまで心に刺さらなかったかもしれません。(笑)
二人とも人生に絶望してます。射場は諦めかけ、日夏は諦めたつもりでいます。
そんな二人が出会って、互いに欠かせない存在になる・・・じわじわと胸に沁みてくる、素敵な作品です。
日夏が狙われる件やヤクザの抗争、そういうハードボイルドな面を期待しすぎると少し物足りないかもしれません。それらは、あくまで射場と日夏が出会うための舞台設定や、他作品との繋がりを仄めかすものに過ぎない気がします。
「エス」とリンクしている部分もあるそうです。私は「エス」未読なのですが、それでも楽しめましたよ。読んでいればもっと楽しめるのかも知れませんが。
あくまで今作は射場と日夏の再生の物語、二人が再び人生に夢を持つまでの物語です。
まるで映画を観ているように、読みながら脳裏に映像が浮かぶ作品です。
少ないですが、リバ要素・女性との絡みもあるので、万人向けとは言えないのですが、それでもオススメしたいです。
私にとって、こういうBLを読みたかったんだ!と思える小説でした!!
エスのシリーズにちょっぴりリンクしている裏社会物ですが、今作、随分感じが変わったように思うのは、ZAKK先生のイラストが、なかなか斬新な雰囲気を醸し出しているからかな。
クッキリと線が太くて、挿絵というよりコミックの1ページ。
身近な者の死にまつわる、愛と憎しみが絡み合った過去を解き明かしていくっていう、それなりにヘビーなストーリーなんだけど、日夏のしれっとした表情や射場の雄弁な目つきが、全体の雰囲気をじめ付かせることなく盛り上げて、ハッピーエンドに気持ちよく着地できた。
この後、これまた食えない感じの六戸部と狛のスピンアウトに含みを持たせているあたりがたまらない。
日夏より更に年上で、日夏より更に怪しい仕事をしてそうで、日夏より更に危ない性癖の持ち主らしい六戸部の物語。
読んでみたいです。
イラストが好みではなかったので手に取るのが躊躇われた一冊。
ですが、そんな自分を殴りたくなった本でした。
タイトルの「遠い岸辺」 そっかー、そういう意味だったのね。
だいたい自分をレイプした奴に惚れるか!? と思ったのに、その行為は実は優しさだったのかも・・・ その辺の射場の葛藤が私的には萌えました。
それから日夏の色っぽさというか、あだっぽさというか、年上の色気にやられました。
またイラストがものすごくて。ZAKK様、好みじゃないなんて言ってごめんなさい。
元マル暴の射場、ヤクザとも深い繋がりのある日夏。
過去の因縁がある2人がどうなっていくのかと。
この因縁がうそやろっ!っていうような。
最初の頃の射場は可愛げないし、仕方なしで日夏といる感じがするけれど、少しずつ軟化していって。
だんだんと大型犬に見えて、頑張れって感じた。
2人と、狛が心配でどうなるんや?気をつけろ!とドキドキハラハラしながら。
最後までノンストップで読みました。
面白くてとめられん。
いつか、2人のお店で穏やかに過ごすことが出来るように、祈りながら読了。